ページの先頭行へ戻る
ETERNUS SF Storage Cruiser 14.2 ユーザーズガイド仮想ストレージ管理編

2.1.4 仮想ターゲット

FCインターフェースでディスク装置と業務サーバ間を接続する場合は、WWPNを使用して相互間を連結しなければなりません。仮想ディスクは、複数のディスク装置から構成される可能性があるので、ディスク装置のCAが保持している実際のWWPNを利用できません。

そのため、VSCでは、CAが保持しているWWPNに相当する仮想ターゲットを利用して、仮想ディスクと業務サーバを接続することになります。

仮想ターゲットは、ディスク装置のWWPNとは隔離された情報であるため、仮想ターゲットで仮想ディスクと業務サーバを一度接続した後は、新しいディスク装置を増設した場合でも、業務サーバはその影響を受けません。仮想ターゲットを削除しない限り、同じ仮想ターゲットを利用して仮想ディスク運用を続行できます。

仮想ターゲットは、仮想筐体に付属し、仮想ディスクへのアクセスパスとして使用します。

仮想ターゲットの実態はWWPNですが、作成する際はWWPNが持っている複雑な数字の羅列を指定する必要はありません。管理しやすい任意の名前を指定してください。VSCが、FCプロトコルに準じたWWPNを自動的に作成し仮想ターゲット名とともに管理します。

業務サーバが仮想ディスクを接続する際に必要な情報は、仮想ターゲット名にVSCが割り振ったWWPNです。

参考

仮想ターゲットを作成する際は、仮想ターゲットを登録する仮想筐体名と、仮想ターゲットとアクセスパスを連結させる仮想化スイッチ名の情報が必要になります。この時に指定する仮想化スイッチ名は、事前に仮想筐体に登録してある仮想化スイッチ名となります。

注意

1つの仮想ターゲットが、複数のアクセスパスを保持できませんので、指定する仮想化スイッチ名も必ず1個になります。このため、仮想ディスクにマルチパス構成を組む場合は、仮想ターゲットも複数必要なことに注意してください。

図2.5 仮想ターゲットと各資源の関係

不要になった仮想ターゲットは削除できますが、仮想ディスクが付属している場合は削除できません。仮想ディスクを仮想ターゲットから取り外した後に、仮想ターゲットを削除してください。

1つの仮想ターゲットに対するI_T_L nexus(LUNへのパス)は256であるため、複数のホストを1つの仮想ターゲットに割り当てると、I_T_L nexusの不足で一方のホストがログインに失敗することがあります。複数ホストを利用する場合、ホストごとに仮想ターゲットを割り当てることを推奨します。