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ETERNUS SF Storage Cruiser 14.2 ユーザーズガイド仮想ストレージ管理編

2.1.5 仮想ディスク

仮想ディスクは、実ディスクが持つ物理的な属性や情報にとらわれない論理的なボリュームです。利用者は、実ディスクの容量や装置種類を意識せずに、業務サーバに割り当てたい容量のディスクをいつでも作成できます。

仮想ディスクを業務サーバに接続する際には、特別な作業は不要です。従来どおり、実ディスクを業務サーバに接続する際と同じ手順で接続できます。

ディスク装置から実ディスク(論理ユニット)を作成する手順と同様に、仮想ディスクは仮想ストレージプール内に登録された実ディスクから作成します。なお、複数の仮想ストレージプールにまたがる仮想ディスクは作成できません。

仮想ディスクを作成する方法には、仮想ディスクを構成する実ディスクをVSCが自動的に選択する方法と、利用者が実ディスクを選択する方法の2つがあります。


実ディスクの自動選択

VSCが自動的に実ディスクを選択する方法を利用する場合、仮想ストレージプール名と仮想ディスクの容量を指定します。この時、VSCは指定された仮想ストレージプール内から要求量に見合った最適な実ディスクを選択し、仮想ディスクを作成します。

図2.6 実ディスクの自動選択


実ディスク指定

実ディスクを指定して作成する場合は、仮想ストレージプール名と実ディスク名および仮想ディスクの容量を指定します。

この時、VSCは指定された仮想ストレージプール内に対象の実ディスクが存在しているか確認し、さらに要求量に見合った空きスペースが存在していることを確認した後、仮想ディスクを作成します。なお、指定できる実ディスクの数は1個だけのため、実ディスクの容量を超えるサイズの仮想ディスクは作成できません。

図2.7 実ディスクの指定

参考

実ディスクから仮想ディスク用の実領域を割り当てる時は、1つのエクステント範囲とするために物理的に連続した領域で作成することを目指します。要求量の連続領域が確保できない場合は、複数のエクステントに分割して仮想ディスクを作成します。

不要になった仮想ディスクは削除できます。

仮想ディスクが使用していた物理的なスペースは未使用スペースとなり、以降に実行される仮想ディスク作成のためのスペースとして利用されます。

解放するスペースの前または後ろに未使用スペースが存在していた場合、VSCはこれらをまとめて1つのエクステントとして未使用スペースを管理します。

注意

VSCが1個の仮想ディスクに対して制御できるエクステントの最大数に制限があることに注意してください。システム運用が進み、様々な容量の仮想ディスクの作成/削除が繰り返されて空き容量が断片化された状況では、仮想ストレージプールの全体的なスペース量としては十分な空きスペースが存在するにもかかわらず、要求量の仮想ディスクが作成できない事態が予想されます。その際は、仮想ストレージプールに対して新しい実ディスクを登録して空き容量が断片化されないようなスペース状況を作り出してください。

図2.8 仮想ディスクの許容エクステント

仮想ディスクのアクセス中にエラーが発生した場合、業務サーバには通常の入出力エラーとして返されるため、仮想ディスクのアクセスに関する特別な考慮は不要です。

仮想ディスクは、複数の実ディスクやディスク装置を横断して作成できますが、仮想ディスクの信頼性は、それらの物理的な装置の信頼性に依存しているので、同一の装置タイプやRAIDグループの実ディスクから作成することを推奨します。

非暗号と暗号の実ディスクを混在して作成した仮想ディスクの暗号化属性は「非暗号」になります。

また、オンラインディスクとニアラインディスクを混在して作成した仮想ディスクのディスク種別は「ニアライン」になります。