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Systemwalker Centric Manager クラスタ適用ガイド UNIX編

共有ディスクのログファイル監視機能は、クラスタ上のアプリケーションなどが、共有ディスク上に出力したテキスト形式のメッセージを、監視イベントとして扱うことができます。

共有ディスクのログファイル監視の設定は、共有ディスクファイル監視定義ファイル(opashrfmon)に、共有ディスク上のログファイルを定義することで行います。

なお、この機能は部門管理サーバまたは業務サーバの場合に使用することができます。運用管理サーバの場合は使用できません。

注意

共有ディスクのログファイル監視では、定義後Systemwalker Centric Managerの再起動を最初に行った直後からファイルの内容を通知します。それ以前のファイルの内容は通知されません。

設定方法を以下に示します。

  1. 共有ディスクファイル監視定義ファイルを定義します。

    プライマリノードおよびセカンダリノードで、それぞれ以下のファイルに、監視対象となるファイル名とそれに関連する情報を定義します。定義方法については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

    /etc/opt/FJSVsagt/opashrfmon

  2. 監視モードを指定します。

    プライマリノードおよびセカンダリノードで、以下のコマンドを実行し、監視モードを指定します。UNIX版では“コマンドモード”を選択してください。

    /opt/systemwalker/bin/opasfmon -m cmd

  3. ファイル監視間隔を指定します。

    プライマリノードおよびセカンダリノードで、以下の作業を行ってください。

    1. 運用管理クライアントで、[スタート]メニューから[プログラム]-[Systemwalker Centric Manager]-[環境設定]-[システム監視設定]を選択し、[システム監視設定[接続先設定]]ダイアログボックスを表示します。

    2. 対象の業務サーバを指定し、[システム監視設定]ダイアログボックスを表示します。

    3. [通信環境定義]ボタンをクリックし、[通信環境定義]ダイアログボックスを表示します。

    4. [詳細設定]ボタンをクリックし[通信環境定義詳細]ダイアログボックスで、[動作設定]タブの[ファイル監視間隔]を、“1秒~3600秒”の範囲で指定します。

  4. Systemwalker Centric Managerを再起動します。

    プライマリノードおよびセカンダリノードで、以下の作業を行ってください。

    1. 以下のコマンドを実行し、Systemwalker Centric Managerを停止します。

      /opt/systemwalker/bin/pcentricmgr

    2. 以下のコマンドを実行し、Systemwalker Centric Managerを起動します。

      /opt/systemwalker/bin/scentricmgr

  5. 使用しているクラスタに応じて以下の設定を行います。

    【PRIMECLUSTERを使用する場合】

    監視対象となるファイルが所属するサービスのOnline/Offlineスクリプトを変更します。

    1. サービスをOnlineにする処理に以下のコマンドを追加します。

      /opt/systemwalker/bin/opasfmon -s 監視対象ファイル名

    2. サービスをOfflineにする処理に以下のコマンドを追加します。

      /opt/systemwalker/bin/opasfmon -e 監視対象ファイル名

    監視対象ファイル名には、共有ディスクファイル監視定義ファイル(opashrfmon)に定義したファイル名を指定してください。

    サービスの登録方法については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

    【Sun Cluster】

    監視対象となるファイルが所属するリソースグループの各メソッドを変更します。

    1. リソースグループがオンラインになる処理(STARTメソッドなど)に以下のコマンドを追加します。

      /opt/systemwalker/bin/opasfmon -s 監視対象ファイル名

    2. リソースグループがオフラインになる処理(STOPメソッドなど)に以下のコマンドを追加します。

      /opt/systemwalker/bin/opasfmon -e 監視対象ファイル名

    監視対象ファイル名には、/etc/opt/FJSVsagt/opashrfmonに定義したファイル名を指定してください。

    リソースグループのメソッドの登録方法については、Sun Clusterのマニュアルを参照してください。

    MC/ServiceGuardを使用する場合】

    監視対象となるファイルが所属するパッケージの各パッケージ制御スクリプトを変更します。

    1. パッケージを起動する処理に以下のコマンドを追加します。

      /opt/systemwalker/bin/opasfmon -s 監視対象ファイル名

    2. パッケージを停止する処理に以下のコマンドを追加します。

      /opt/systemwalker/bin/opasfmon -e 監視対象ファイル名

    監視対象ファイル名には、共有ディスクファイル監視定義ファイル(opashrfmon)に定義したファイル名を指定してください。

    パッケージの登録方法については、MC/ServiceGuardのマニュアルを参照してください。

    【HACMPを使用する場合】

    <アプリケーションが登録されているリソース・グループのタイプが非コンカレントの場合>

    リソース・グループに登録されているアプリケーション・サーバーのスクリプトを変更します。

    アプリケーション・サーバーの始動スクリプトに以下のコマンドを登録します。

    /opt/systemwalker/bin/opasfmon -s 監視対象ファイル名

    アプリケーション・サーバーの停止スクリプトに以下のコマンドを登録します。

    /opt/systemwalker/bin/opasfmon -e 監視対象ファイル名

    監視対象ファイル名には、共有ディスクファイル監視定義ファイル(opashrfmon)に定義したファイル名を指定してください。

    <アプリケーションが登録されているリソース・グループのタイプがコンカレントの場合>

    • 共有ディスク上の1つのログファイルに各ノードのアプリケーションから書き込む運用の場合

      次の運用方法になるように、クラスター・マネージャー、アプリケーション・サーバーを設定します。

      【運用方法】

      • 監視しているノードはアプリケーションが動いているノードの中で1台だけとします。

      • 監視していたノードのアプリケーションがダウンした場合はアプリケーションが動いている別のノードの中で1台だけ監視を開始させます。

      【クラスター・マネージャーの設定】

      アプリケーションのダウンをクラスター・イベントから検知したら、上記運用にあわせてクラスター・イベントの処理スクリプトをカスタマイズし、以下のコマンドを登録します。

      /opt/systemwalker/bin/opasfmon -s 監視対象ファイル名

      監視対象ファイル名には、共有ディスクファイル監視定義ファイル(opashrfmon)に定義したファイル名を指定します。

      検知するクラスター・イベントはユーザ環境で適切なものを使用してください。

      【アプリケーション・サーバーの設定】

      リソース・グループに登録されているアプリケーション・サーバーの始動/停止スクリプトに以下のコマンドを追加します。

      /opt/systemwalker/bin/opasfmon -e 監視対象ファイル名

      監視対象ファイル名には、共有ディスクファイル監視定義ファイル(opashrfmon)に定義したファイル名を指定します。

    • 共有ディスク上の各ノード用のログファイルに各ノードのアプリケーションから書き込む運用の場合

      リソース・グループに登録されているアプリケーション・サーバーのスクリプトを変更します。

      アプリケーション・サーバーの始動スクリプトに以下のコマンドを登録します。

      /opt/systemwalker/bin/opasfmon -s 監視対象ファイル名

      アプリケーション・サーバーの停止スクリプトに以下のコマンドを登録します。

      /opt/systemwalker/bin/opasfmon -e 監視対象ファイル名

      監視対象ファイル名には、共有ディスクファイル監視定義ファイル(opashrfmon)に定義したファイル名を指定してください。

      共有ディスクファイル監視定義ファイル(opashrfmon)には、各ノード用のログファイルを指定してください。

      例)ノードAの共有ディスクファイル監視定義ファイル(opashrfmon)には、ノードA用のファイルだけを定義する。

ファイル名が途中で変更される共有ディスクのログファイルを監視することができます。

実際に監視するファイル名を登録しておく、監視ファイル名格納ファイルを用意してください。

監視ファイル名格納ファイルを変更した場合、Systemwalker Centric Managerを再起動、または、“監視ファイル名格納ファイル更新時に必要な操作”に記載した手順の実施が必要です。

自動でファイル名の変更を実施する場合には、監視ファイル名格納ファイルを更新するツールの作成とスケジューリングが必要です。

設定手順を以下に示します。

  1. 監視ファイル名格納ファイルを作成します。

    1. 共有ディスク上に、任意のファイル名で指定します。

      ファイル名の最後は、“.+@”を付けてください。

      (例: /app/applog1.+@)

    2. 作成したファイルの1行目に、監視を行うログファイルを入力します。

      “Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”の“監視ファイル名格納ファイル”を参照してください。

  2. 監視ファイル名格納ファイルを更新するツールの作成と運用環境へのスケジューリング

    自動でファイル名の変更を実施する場合、“監視ファイル名格納ファイル更新時に必要な操作”の手順を実施するツールの作成とスケジューリング(crontab/タスクのスケジュール等への登録)が必要です。

  3. 共有ディスク上のログファイル監視(固定ファイル名)の設定方法”の“1.”から“5.”を実施してください。

    この場合、監視対象のファイルには、1.で用意した監視ファイル名格納ファイルを指定してください。

対象のログファイル名を切り替える場合以下の操作が必要です。

opashrfmonext(共有ディスクファイル監視拡張コマンド)による監視の一時停止/再開方法には2種類あります。概要については、“ファイル監視機能の一時停止/再開”を参照してください。opashrfmonext(共有ディスクファイル監視拡張コマンド)の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

  1. 共有ディスクファイル監視機能を停止

    以下のコマンドを実行し、共有ディスクファイル監視機能を停止します。

    /opt/systemwalker/bin/opashrfmonext -p

  2. 監視ファイル名格納ファイルの更新

    監視ファイル名格納ファイルの監視対象ファイル名の変更をします。

  3. 共有ディスクファイル監視機能を起動

    以下のコマンドを実行し、共有ディスクファイル監視機能を起動します。

    /opt/systemwalker/bin/opashrfmonext -s

シェルスクリプトの例

上記の手順を自動的に行うためのシェルスクリプトの例を以下に示します。例では、ファイル名は以下のようになっています。

プライマリノードおよびセカンダリノードで、本シェルスクリプトをcrontabに登録することで自動的にファイル名の変更を行うことができます。

#!/bin/sh

/opt/systemwalker/bin/opashrfmonext -p
# daily
echo `date '+app1_LOG%y%m%d.txt'` > /app/applog1.+@
echo `date '+app2_LOG%y%m%d.txt'` > /app/applog2.+@
# monthly
day=`date '+%d'`
if [ $day = "01" ]
then
  echo `date '+app3_LOG%y%m.txt'` > /app/applog3.+@
fi
/opt/systemwalker/bin/opashrfmonext -s

ファイル監視機能を一時的に停止したり、監視を再開するコマンドを以下に示します。ファイル監視機能を一時停止しても、シスログ/イベントログ監視等は停止しません。

共有ディスクログファイル監視で本機能を使用する場合、監視一時停止、開始コマンドは運用系システムで実行してください。

共有ディスクログファイル監視

備考

ファイル監視機能を一時的に停止

opashrfmonext -p

本オプションはSystemwalker動作中のみ有効

opashrfmonext -x

(注)

一時停止していたファイル監視を再開

opashrfmonext -s

本オプションはSystemwalker一時停止中(-p,-xオプション)のみ有効

どのファイルを監視しているかの確認

opashrfmonex -f <filename>

本オプションはSystemwalker動作中のみ有効

注)

一時停止機能(-pオプション)を実行すると、監視対象ファイルの読み込み処理が行われます。監視対象ファイルに大量にログが出力されている場合、読み込み処理がすぐには終わらず一時停止に時間がかかる場合があります。この場合、“- x”オプションを指定することで、一時停止時の読み込み処理を行わずに一時停止することができます。

注意事項