クラスタシステムに資源配付を導入する場合、資源をどのディスクに配付するか、配付した資源をどのように使用するかで、以下の2通りの運用を検討する必要があります。
各業務サーバで資源配付機能を運用する
クラスタサービスとして資源配付機能を運用する
上記運用時の特徴を以下の表に示します。
配付場所/インベントリ収集 | 各業務サーバで運用 | クラスタサービスとして運用 |
---|---|---|
共有ディスクへの配付 | ○(注1) | ○(注2) |
ローカルディスクへの配付 | ○ | × |
クライアント(下位)への配付 | ○(注3) | ○ |
インベントリ情報の収集 | ○ | × |
○:対応
×:未対応
注1)共有ディスクにアクセス可能なノード側で適用。
注2)共有ディスクへの配付だけ対応。
注3)運用系ノードが稼働していることが必要。
配付方法については、“資源配付”を参照してください。
注意
資源配付に関する注意事項
クラスタシステム上で資源配付を使用する場合、以下の点に注意してください。
クラスタサービスとして運用している場合
業務サーバ自身のインベントリ情報収集、および通知は行わないでください。
クラスタサービス以外で運用している場合
資源配付、インベントリ通知機能は、運用系ノードで固定運用してください。
資源配付機能を各業務サーバで運用する場合のシステム構成について説明します。
以下にイメージ図を示します。以下のイメージ図では、運用管理サーバから、各業務サーバのローカルディスク、および共有ディスクに資源を配付できることを示しています。
資源配付機能を各業務サーバで運用する場合のメリット、デメリットを説明します。
メリット
各業務サーバのローカルディスク、および共有ディスクに資源を配付できます。
デメリット
クラスタシステムの可用性を利用し、クライアントで資源を利用することを考慮した運用ではありません。シングル環境と同様、業務サーバがダウンすると、クライアントは、配付された資源を利用できなくなる場合があります。
資源配付機能をクラスタサービスとして運用する場合のシステム構成について説明します。
以下にイメージ図を示します。以下のイメージ図では、運用管理サーバから、共有ディスクに資源を配付し、クラスタシステムの状態によらず、クライアントで資源を取得できることを示しています。
メリット・デメリット
クラスタサービスとして資源配付機能を運用する場合のメリットとデメリットを説明します。
メリット
運用管理サーバから業務サーバに配付する資源の中に、クライアントで使用する資源が存在する場合、クライアントは論理IPアドレスを使用することで、フェールオーバを意識せずに、資源を取得できます。
デメリット
共有ディスクにしか資源を配付できません。
クラスタシステムを構成している各業務サーバに資源を配付する必要がある場合は、各業務サーバで資源配付機能を運用する必要があります。
クラスタサービスの設計
クラスタシステムで資源配付機能を使用する場合、業務アプリケーションで使用している既存のクラスタサービスに資源配付のクラスタリソースを追加するか、ほかのクラスタサービスとは別に資源配付単体で運用するためにクラスタサービスを新しく作成する必要があります。
以下にそれぞれの場合について、説明します。
既存のクラスタサービスに追加する場合
運用管理サーバから配付する資源が、クラスタシステムで運用されている業務アプリケーションと関連がある場合、その業務アプリケーションと同じクラスタサービスに資源配付のクラスタリソースを追加します。
これにより、フェールオーバが発生したときにも、業務アプリケーションに必要な資源を配付することができます。
資源配付専用のクラスタサービスを作成する場合
業務サーバで運用している業務アプリケーションとは別に、資源配付を単体で運用する必要がある場合は、新しくクラスタサービスを作成します。