機能説明
opfmt()関数は、“ラベル:エラー種別:メッセージテキスト”の形式でメッセージを作成し、そのメッセージを指定したstreamに出力するとともに、システム監視エージェントへメッセージを通知します。
ラベルの指定は、opsetlabel()関数によって行います。ラベルが指定されない場合、“エラー種別:メッセージテキスト”の形式でメッセージが作成されます。
システム監視エージェント未起動時は、メッセージ一時保存ファイルに保存され、システム監視エージェント起動時に読み込まれます。
呼び出し形式
#include <opfmt.h> int opfmt(FILE *stream, long flags, char *format, ... /*args*/);
パラメタ
出力先のファイルポインタを指定します。streamにNULLを指定した場合は、システム監視エージェントだけに通知されます。
作成するメッセージの形式、メッセージカタログへのアクセスの有無、およびエラー種別を指定します。
flagsは複数指定できますが、以下の各グループから1つずつしか指定できません。
どのようなメッセージを作成するか指定します。
“ラベル:エラー種別:メッセージテキスト”形式ではなく、メッセージテキストだけがメッセージとして通知されます。MM_NOSTDが指定された場合、エラー種別フラグは無視されます。
“ラベル:エラー種別:メッセージテキスト”形式でメッセージが作成されます。メッセージ作成形式フラグが指定されない場合、省略値はMM_STDです。
メッセージカタログからメッセージテキストの取り出しを行うか行わないかの指定をします。
メッセージカタログからメッセージテキストの取り出しを行いません。formatに指定された文字列が、そのままメッセージテキストとして使用されます。
メッセージカタログからメッセージテキストの取り出しを行います。カタログアクセスフラグが指定されない場合、省略値はMM_GETです。
作成されるエラーメッセージのエラー種別(重要度)を指定します。エラー種別フラグが指定されない場合、省略値はMM_ERRORです。指定される値により、エラー種別と重要度は以下のようになります。
Windows版
指定するエラー種別フラグ | エラー種別 | 重要度 |
---|---|---|
MM_HALT | HALT | 最重要 |
MM_ERROR | ERROR | 重要 |
MM_WARNING | WARNING | 警告 |
MM_NOTICE | INFO | 通知 |
MM_INFO | INFO | 一般 |
UNIX版
指定するエラー種別フラグ | エラー種別 | 重要度 |
---|---|---|
MM_HALT | 停止 | 最重要 |
MM_ERROR | エラー | 重要 |
MM_WARNING | 警告 | 警告 |
MM_NOTICE | 情報 | 通知 |
MM_INFO | 情報 | 一般 |
メッセージテキストを指定します。
メッセージテキストは、printf()関数と同じ形式で指定します。メッセージテキストが決定できない場合は、メッセージテキスト文字列として、“Message not found!!\n”が使用されます。
formatで指定した、printf形式のメッセージテキストに対し、必要な引数を指定します。formatの指定に対して、argsの数が多い場合は、余分なargsは無視されます。formatの指定に対してargsの数が少ない場合は、その結果は不定です。
メッセージカタログの指定、および初期値のメッセージテキストをシステムが提供しているprintf()関数と同じ形式で指定します。システムが提供しているprintf()関数についての詳細は、printf(3s)のマニュアルページを参照してください。
formatには、以下の形式のようにコロン(:)でつないだ1つの文字列で指定します。
メッセージカタログを指定する場合
catalog:msgnum:deftext
初期値のメッセージカタログを指定する場合
:msgnum:deftext
メッセージカタログ名を指定します。catalogは、14バイト以内の文字列を指定してください。これらの文字列には、NULL(\0)、スラッシュ(/)、およびコロン(:)は使用できません。
catalogは、opsetcat()関数で初期値を指定することができます。opsetcat()関数でメッセージカタログが指定されている場合、catalogは省略することができます。ただし、msgnumの直前に付くコロン(:)は省略してはいけません。opsetcat()関数についての詳細は“opsetcat()関数”を参照してください。
catalogで指定した、メッセージカタログの取り出したいメッセージテキスト番号を指定します。
catalogで指定した、カタログからメッセージテキストが取り出せない場合の初期値のメッセージテキストを指定します。
環境変数LC_MESSAGES、またはLANGに設定されたロケールに、catalogで指定したメッセージカタログが存在しない場合、またはmsgnumが範囲外の場合、opfmt()関数は、Cロケールからテキストを取り出そうとします。これに失敗すると、opfmt()関数は、deftextをメッセージテキストとして使用します。formatが正しい形式で指定されず、メッセージテキストが決定できない場合は、メッセージテキスト文字列として、“Message not found!!\n”が使用されます。
formatで指定した、printf形式のメッセージテキストに対し、必要な引数を指定します。formatの指定に対して、argsの数が多い場合は、余分なargsは無視されます。formatの指定に対してargsの数が少ない場合は、その結果は不定です。
注意
“%”をメッセージテキストとして使用する場合は、2つ連続させて(“%%”)記述します。
参照
以下のシステム監視のAPIを参照してください。
復帰値
正常終了。通知したメッセージのバイト数。
異常終了。
API格納場所
“メッセージ作成のAPI”を参照してください。
注意事項
運用管理サーバでクラスタ待機系の監視を行っている場合、待機系のシステムからopfmt関数を使用してメッセージを出力しても運用系システムでのメッセージ監視はできません。なお、待機系時に実行したopfmt関数の結果は、APIを使用したアプリケーションを実行したシステムが運用系になったときにメッセージが通知されます。
UNIXの場合は、以下の点にも注意が必要です。
環境変数LC_MESSAGES、またはLANGに指定されたロケールを有効にするために、本関数の前にシステムが提供しているsetlocale()関数を呼び出す必要があります。詳細は、setlocale(3C)のマニュアルページを参照してください。
opfmt()を実行する環境のLANGとシステムのコード系を同一のものにしてください。
使用できるメッセージカタログの形式は、システムが提供しているmkmsgsコマンドでフォーマットされたメッセージカタログです。メッセージカタログの作成方法の詳細については、システムが提供しているgettxt(3C)、mkmsgs(1)のマニュアルページを参照してください。
各パラメタは、メッセージの長さ(以下に示す文字列の長さの合計)が2047バイト以内になるように指定してください。これを超える場合、メッセージは先頭からの2047バイト分のみがSystemwalker Centric Managerに通知されます。
ラベル (注1)
エラー種別 (注2)
メッセージ (注3)
flagsにMM_NOSTDを指定した場合
0です。
上記以外の場合
opsetlabel()関数でラベルを指定した場合は指定したラベルの長さ+2です。未指定の場合は0です。
flagsにMM_NOSTDを指定した場合
0です。
上記以外の場合
flagsにエラー種別フラグを指定した場合はエラー種別フラグに対応するエラー種別の長さ+2です。未指定の場合は8(デフォルトのエラー種別"エラー"の長さ+2)です。
flagsのカタログアクセスフラグにMM_NOGETを指定する場合
formatの長さです。
※formatが%で始まる書式を含む場合、書式を引数で置換した文字列の長さです。
flagsのカタログアクセスフラグ未指定またはMM_GETを指定する場合
opsetcat()関数またはformat内のcatalogで指定したメッセージカタログの中の、msgnum(メッセージテキスト番号)で指定したメッセージの長さです。
※メッセージが%で始まる書式を含む場合、書式を引数で置換した文字列の長さです。
※opsetcat()関数またはformat内のcatalogで有効なメッセージカタログ名を指定していない場合、またはmsgnumに範囲外のメッセージテキスト番号を指定した場合、format内のdeftextの長さです。
使用例
使用例を以下に示します。
opsetlabel("LABEL"); opfmt(stderr, MM_INFO, "test:23:test message 1 --%s\n",strerror(errno));
実行結果/出力形式
[通知メッセージ]
LABEL: INFO: test message 1 --No such file or directory