名前
rdbmrdmp - ミラーリングされたデータベースの切離しによる退避データ作成
形式(退避データ作成の場合)
rdbmrdmp { -p データベース名.データベーススペース名 [ -d SDXディスク名 ] | -t データベーススペースリストファイル名 } -f リカバリ制御ファイル配置ディレクトリ名 [ -b バックアップシェルスクリプト ] [ -R ]
形式(退避データ破棄の場合)
rdbmrdmp -D { -p データベース名.データベーススペース名 | -t データベーススペースリストファイル名 } -f リカバリ制御ファイル配置ディレクトリ名 [ -delay ミリ秒 ]
機能説明
ミラーリング運用されているデータベーススペースのディスクを切り離すことにより、退避データ(データベーススペースのバックアップ)を作成します。
このとき、リカバリ時に必要なリカバリ制御ファイルを作成します。
また、リカバリ制御ファイルの削除およびデータベーススペースの組込みにより、次のミラーリング運用に備えます。
本コマンドは、Symfoware Server Advanced Backup Controllerの場合に利用できます。
オプション
リカバリ制御ファイルを削除し、退避データベーススペースを次のバックアップに備えてミラーリング運用に組み込むことにより退避データを破棄します。
バックアップシェルスクリプトと連携したバックアップを実行した場合、リカバリ制御ファイルおよび退避データベーススペースの破棄は、利用者が行ってください。
退避データを作成または破棄するデータベーススペース名を指定します。
退避データとしてミラーリング運用から切り離すSDXディスク名を指定します。
本オプションを省略した場合は、システムが切り離すディスクを決定します。
SDXディスク名についての詳細に関しては、“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”を参照してください。
退避データを作成または破棄するデータベーススペース名をリスト形式で記述したファイルを指定します。
ファイル名に指定できる長さは、OSで定義される最大バイト数までです。
以下にファイル内の形式を説明します。
# コメント
データベース名.データベーススペース名 [SDXディスク名]
<改行>
先頭に“#”がある行は、コメント行として読みとばされます。
このとき“#”は必ず行の先頭に記述する必要があります。
ファイル内には空行を含むことができます。
退避データを作成または破棄するデータベースのデータベーススペース名を指定します。
ファイル内に異なるロググループのデータベーススペースは記述できません。
退避データとしてミラーリング運用から切り離すSDXディスク名を指定します。
省略した場合は、システムが切り離すディスクを決定します。
退避データベーススペースと同時に作成されるリカバリ制御ファイルを配置するディレクトリの絶対パス名を指定します。
リカバリ制御ファイル配置ディレクトリ名に指定できる長さは、144バイトまでです。
本コマンドはこのディレクトリ配下に以下のファイル名のリカバリ制御ファイルを作成します。
指定した退避先にすでに同名のファイルが存在していた場合には、既存である旨を通知して、本コマンドを終了します。
なお、このファイル名は変更しないでください。
もし、変更した場合、rdbmrrcvコマンドがリカバリ制御ファイルを認識できなくなります。
バックアップシェルスクリプトは、PRIMECLUSTER GDS以外のディスク管理製品によりミラーリングしたディスクを切り離し、退避データを作成する場合に使用します。
バックアップシェルスクリプトには、退避データベーススペースを採取するコマンドを指定したバックアップシェルスクリプトのパス名を、絶対パス名で指定します。
バックアップシェルスクリプトに指定できる長さは、OSで定義されるファイル名の最大バイト数までです。
rdbmrdmpコマンドが、退避データの取得時点を表すためのリカバリポイントを、アーカイブログファイルに設定した後、バックアップシェルスクリプトは、クライアントプロセス環境にて実行されます。
バックアップシェルスクリプトが0以外のステータスで終了した場合、rdbmrdmpコマンドは異常終了します。
アーカイブログ運用から切り離した退避データを作成する場合に指定します。
この退避データは、更新済みの参照用データの長期保存などに使用します。
対象データベーススペース内のすべてのDSIに更新抑止の利用規定を設定していない場合は、本コマンドはエラーとなります。
更新抑止の利用規定の設定はrdbrtrコマンドにより行います。
退避データベーススペースの破棄により、ミラーボリュームと切り離されていたミラースライスとの間で、PRIMECLUSTER GDSによる等価性コピー処理が実施されます。
本オプションにより、それにともなうディスクへの入出力要求の発行を指定された時間(単位はミリ秒)だけ遅延させます。
本オプションによって、ミラーボリュームを使用しているアプリケーションへの影響を調整することができます。
本オプションを省略した場合は、0を指定したとみなします。
使用例
アーカイブログ運用されている在庫管理DBに属するDBSP_1の退避データベーススペースを作成し、同時にリカバリ制御ファイルを/back1に作成します。
rdbmrdmp -p 在庫管理DB.DBSP_1 -f /back1
在庫管理DBに属するDBSP_2の退避データベーススペースをバックアップシェルスクリプトを使用して作成し、同時にリカバリ制御ファイルを/back2に作成します。
rdbmrdmp -p 在庫管理DB.DBSP_2 -f /back2 -b /backup_script/backup_DBSP_2.sh
更新処理が終了した更新抑止済の在庫管理DBに属するDBSP_2の退避データベーススペースを作成し、同時にリカバリ制御ファイルを/back2に作成します。
rdbmrdmp -R -p 在庫管理DB.DBSP_2 -f /back2
/back1配下に作成した在庫管理DBに属するDBSP_1のリカバリ制御ファイルと、対応する退避データベーススペースを破棄します。
rdbmrdmp -D -p 在庫管理DB.DBSP_1 -f /back1
終了ステータス
以下の終了ステータスが返されます。
0 : 正常終了
0以外 : 異常終了
注意
rdbmrdmpコマンドでは、GDSオブジェクト操作を実施するため、スーパユーザ権限が必要です。
退避データの作成は、対象データベーススペース内に含まれるすべてのデータが正常な状態で行ってください。
以下の場合は、-Rオプションを指定する必要があります。
対象データベーススペース内に、rdbrtrコマンドの-nオプションによりリカバリ機能を抑止したDSIが存在している場合
対象データベーススペースがアーカイブログ運用されていないロググループを使用している場合
コマンドが途中で失敗した場合、リカバリ制御ファイルが未完了の状態で作成されている場合があります。この状態のリカバリ制御ファイルはリカバリ処理に利用できません。よって、コマンドの終了結果が確認できなかった場合などは、リカバリ制御ファイルの状態をrdbmrinfコマンドを利用して確認してください。リカバリ制御ファイルが未完了の状態であった場合には、rdbmrdmpコマンドの-Dオプションを利用し、失敗したコマンドによって切り離された退避データベーススペースの組込みを行い、等価性コピーの完了を待ってから、再度rdbmrdmpコマンドでバックアップを実行してください。
未完了の状態のリカバリ制御ファイルを利用しても、-Dオプションを利用して退避データの組込みを実行することは可能です。
ファイル指定の場合、どれか1つでもデータベーススペースのバックアップに失敗した場合には、コマンドは終了します。
-Rオプションを指定していない場合、以下の注意事項があります。
rdbmrdmpコマンドは、コマンド開始時点で動作中のバックアップ対象のデータベーススペースに割り付けたDSIに対するトランザクションが完了してから、実際のバックアップ処理を開始します。
コマンド開始以降に動作したトランザクションは、実際のバックアップと並行して実行されます。