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Symfoware Server V10.0.0 セットアップガイド

4.2 システム用の動作環境ファイルによる定義

Symfoware/RDBの動作環境のうち、アプリケーションの実行時の動作環境は、システム用の動作環境ファイルで定義します。

注意

以下の機能を利用する場合は、システム用の動作環境ファイルの定義時に考慮が必要です。

  • フェイルオーバ運用

  • ロードシェア運用

上記の機能を利用する場合の詳細については、“クラスタ導入運用ガイド”を参照してください。

SolarisSolarisの場合

システム用の動作環境ファイルは、/opt/FSUNrdb2b/etc/fssqlenvを複写し、作成したテキストファイルに定義します。このファイル名を、RDB構成パラメタファイルのRDBSQLENVで指定してください。

RDBシステム名を付けない運用の場合は、/opt/FSUNrdb2b/etc/fssqlenvに定義します。

LinuxLinuxの場合

システム用の動作環境ファイルは、/opt/FJSVrdb2b/etc/fssqlenvを複写し、作成したテキストファイルに定義します。このファイル名を、RDB構成パラメタファイルのRDBSQLENVで指定してください。

RDBシステム名を付けない運用の場合は、/opt/FJSVrdb2b/etc/fssqlenvに定義します。


Symfoware/RDBはrdbstartコマンドによる起動時にシステム用の動作環境ファイルを読み込み、記述された内容に従って運用を開始します。

システム用の動作環境ファイルのパラメタをチューニングする場合は、Symfoware/RDBを停止後、システム用の動作環境ファイルを編集し、Symfoware/RDBを再起動することで、新しく記述された内容に従って運用を再開します。

ここでは、システム用の動作環境ファイルの記述形式、定義する実行パラメタの種類および意味について説明します。実行パラメタの省略時の説明は、サーバ用の動作環境ファイルおよびクライアント用の動作環境ファイルで同名の実行パラメタを指定していない場合に有効となります。これらのファイルで同名の実行パラメタを指定している場合は、サーバ用の動作環境ファイルまたはクライアント用の動作環境ファイルの指定に従います。

動作環境ファイルの記述形式

動作環境ファイルを記述する文法の一般形式を以下に示します。

KEYWORD=(値1,値2,・・・,値n)

詳細形式および注意事項は以下のとおりです。

実行パラメタは、テキスト形式の動作環境ファイルに、汎用エディタを利用して設定してください。

動作環境ファイルに実行パラメタを設定した例を以下に示します。

実行パラメタの設定例

MAX_CONNECT_TCP = (256)
MAX_CONNECT_SYS = (256) 
        :  

実行パラメタの種類と意味

システム用の動作環境ファイルには、データベースシステム全体に共通する実行環境として、実行パラメタを記述します。システム用の動作環境ファイルに記述できる実行パラメタを、以下に示します。

なお、WebAdminでセットアップした場合、“WebAdminでセットアップした場合の値の違い”の欄に“有”と記載があるパラメタは、本節で説明しているパラメタの省略値や扱いに違いがあります。

参照

WebAdminでセットアップした場合のパラメタの詳細については、“付録G セットアップ時の省略値”を参照してください。

表4.2 システム用の動作環境ファイルの実行パラメタの種類

分類

実行パラメタ

記述数

記述の省略

WebAdminでセットアップした場合の値の違い

通信

COMMUNICATION_BUFFER

ローカルアクセスの場合に、サーバ側で使用するバッファのサイズ

単一

省略可能

MAX_CONNECT_SYS

ローカルで接続できるコネクションの数の最大値

単一

省略可能

MAX_CONNECT_TCP

1つのSymfoware/RDB環境に対しRDB2_TCPで接続できるコネクションの数の最大値

単一

省略可能

RDB_KEEPALIVE

Symfoware/RDBにRDB2_TCPで接続する場合にKEEPALIVE機能を利用するか否か

単一

省略可能

TRAN_TIME_LIMIT

1つのトランザクションの最大使用可能時間

単一

省略可能

作業領域

SORT_MEM_SIZE

作業用ソート領域として使うメモリサイズ

単一

省略可能

WORK_MEM_SIZE

作業用テーブルとして使うメモリのサイズ

単一

省略可能

WORK_PATH

作業用テーブルおよび作業用ソート領域のパス

単一

省略可能

表およびインデックス

DEFAULT_DSI_NAME

格納構造定義を簡略化した表またはインデックスを定義する場合

  • Symfoware/RDBが自動的に生成する表またはインデックスのDSO名の生成方法

  • Symfoware/RDBが自動的に生成する表またはインデックスのDSI名の生成方法

単一

省略可能

DEFAULT_DSI_TYPE

格納構造定義を簡略化した表を定義する場合、Symfoware/RDBが自動的に生成する表のDSOの格納構造の選択

単一

省略可能

DEFAULT_INDEX_SIZE

格納構造定義を簡略化したインデックスを定義する場合のインデックスのデータ格納域の初期量、拡張量、ページ長など

単一

省略可能

DEFAULT_OBJECT_TABLE_SIZE

格納構造定義を簡略化した表を定義する場合のOBJECT構造の表のデータ格納域の初期量、拡張量、ページ長など

単一

省略可能

DEFAULT_TABLE_SIZE

格納構造定義を簡略化した表を定義する場合の表のデータ格納域の初期量、拡張量、ページ長など

単一

省略可能

INDEX_PREFIX

格納構造定義を簡略化したインデックスを定義する場合の、Symfoware/RDBが自動的に生成するインデックスのDSO名およびインデックスのDSI名のプレフィックス

単一

省略可能

TABLE_PREFIX

格納構造定義を簡略化した表を定義する場合の、Symfoware/RDBが自動的に生成する表のDSO名および表のDSI名のプレフィックス

単一

省略可能

TEMPORARY_INDEX_SIZE

一時表にインデックスを定義する場合のインデックスのデータ格納域の初期量、拡張量など

単一

省略可能

TEMPORARY_TABLE_SIZE

一時表を定義する場合の表のデータ格納域の初期量、拡張量など

単一

省略可能

排他

R_LOCK

排他の単位を行とする

単一

省略可能

トランザクション

DEFAULT_ACCESS_MODE

トランザクションアクセスモードの初期値を指定する

単一

省略可能

DEFAULT_ISOLATION

独立性水準の初期値を指定する

単一

省略可能

TRANSACTION_MODE_CHECK

8.x系以前のSymfoware Server クライアント機能からの接続をエラーとするか否か

単一

省略可能

デバッグ

EXTERNAL_PROCESS_CORE

Symfoware/RDBの外部で動作するプロセスで異常が発生した場合のコアファイル出力先

単一

省略可能

MAX_EXTPROC_CORE_NUM

Symfoware/RDBの外部で動作するプロセスで異常が発生した場合のコアファイル出力最大数

単一

省略可能

アクセスプランおよび性能情報

JOIN_ORDER

結合表と他の表のジョイン順

単一

省略可能

JOIN_RULE

ジョインする方法

単一

省略可能

SCAN_KEY_ARITHMETIC_RANGE

四則演算の検索範囲についてインデックス範囲検索、またはクラスタキーの検索を行うか否か

単一

省略可能

SCAN_KEY_CAST

探索条件のCASTオペランドに指定した列でインデックスの範囲検索、またはクラスタキー検索を行うか否か

単一

省略可能

SORT_HASHAREA_SIZE

ソート処理がレコードをハッシングして格納するための領域サイズ

単一

省略可能

SQL_ADVISOR

SQL文に対するアドバイスを出力するか否か

単一

省略可能

SS_RATE

述語ごとの検索範囲の選択率の値

単一

省略可能

TID_SORT

インデックス検索と表データ取得のアクセスモデルでTIDソートを利用するか否か

単一

省略可能

TID_UNION

TIDユニオンマージのアクセスモデルを有効にするか否か

単一

省略可能

USQL_LOCK

UPDATE文:探索またはDELETE文:探索の更新標的レコードを位置づける部分の占有モード

単一

省略可能

プロセス制御

EXTERNAL_PROCESS_USER

Symfoware/RDBの外部で動作するプロセスの実効ユーザID

単一

省略可能

メッセージ

CONSOLE_MSG

コンソールへメッセージを出力するか否か

単一

省略可能

並列クエリ

MAX_PARALLEL

データベースを並列に検索する場合の多重度

単一

省略可能

その他

ARC_FULL

アーカイブログ満杯時にエラー復帰するか否か

単一

省略可能

NAME_SIZE_CHECK

資源名のサイズをチェックアウトするか否か

単一

省略可能

READ_ERROR_INHIBIT

データベースの読込みでI/Oエラーが発生した場合に、読込み対象データをアクセス禁止にするか否か

単一

省略可能

ROLLBACK_MEM_ERROR

ロールバックがメモリ不足によって失敗した場合に、システムを強制停止させるか、ロールバック対象データをアクセス禁止にするか

単一

省略可能

参照

アクセスプランおよび性能情報に関する実行パラメタの詳細については、“チューニングガイド”を参照してください。

通信に関する実行パラメタ

COMMUNICATION_BUFFER

【指定形式】

COMMUNICATION_BUFFER = (バッファサイズ)

【実行パラメタの意味】

ローカルアクセスを利用した場合に、1つのアプリケーションがSymfoware/RDBと通信するために使用するバッファのサイズを、1~32767の範囲で指定します。このバッファは、共用メモリに獲得されます。単位はキロバイトです。省略した場合は、32が指定されたとみなします。

MAX_CONNECT_SYS

【指定形式】

MAX_CONNECT_SYS = (接続数)

【実行パラメタの意味】

ローカルから接続できるコネクションの数の最大値を指定します。指定できる範囲は、1~32767です。省略した場合は、256が指定されたとみなします。

たとえば、このパラメタに2を指定した場合、ローカルから接続しているコネクションが3以上になるとエラーになります。

MAX_CONNECT_TCP

【指定形式】

MAX_CONNECT_TCP = (接続数)

【実行パラメタの意味】

1つのSymfoware/RDB環境に対し、RDB2_TCPで接続できるコネクションの数の最大値を指定します。指定できる範囲は、0~32767です。

省略した場合は、RDB2_TCP連携で使用するポート番号の定義に応じて以下が指定されたとみなします。

ポート番号の定義有無

省略値

RDB2_TCP連携で使用するポート番号を定義している場合
(リモートアクセスの場合)

256

RDB2_TCP連携で使用するポート番号を定義していない場合
(ローカルアクセスの場合)

0

ポート番号の詳細については、“3.3 ポート番号の定義”を参照してください。

たとえば、以下の図のように、MAX_CONNECT_TCPに2を指定した場合、他システムから接続しているコネクションが3以上になるとエラーになります。

RDB_KEEPALIVE

【指定形式】

RDB_KEEPALIVE = ({ON | OFF})

【実行パラメタの意味】

Symfoware/RDBにRDB2_TCPで接続する場合に、KEEPALIVE機能を利用するか否かを指定します。省略した場合は、OFFが指定されたとみなします。

KEEPALIVE機能とは、トランザクションの状態に関係なく、クライアントとサーバの通信状態を調べ、クライアント側の処理異常(電源切断など)に対処する機能です。2時間を超過してもクライアント側から応答がない場合は、該当クライアントのコネクションを強制回収します。

【パラメタの意味】

ON:

KEEPALIVE機能を利用します。

OFF:

KEEPALIVE機能を利用しません。

TRAN_TIME_LIMIT

【指定形式】

TRAN_TIME_LIMIT = (最大トランザクション実行時間)

【実行パラメタの意味】

1つのトランザクションで使用可能な時間を指定します。指定できる範囲は、0~32767です。単位は秒です。0を指定すると無制限になります。省略した場合は、0が指定されたとみなします。

指定時間を超過した場合には、トランザクションをロールバックして、接続中のコネクションを切断します。

作業領域に関する実行パラメタ

SORT_MEM_SIZE

【指定形式】

SORT_MEM_SIZE = (メモリサイズ)

【実行パラメタの意味】

ソート処理のために作業用ソート領域としてサーバ側で使用する最大メモリ長を、64~2097150の範囲で指定します。単位はキロバイトです。省略した場合は、2112が指定されたとみなします。この領域は、RDBプロセスのローカルメモリにセション単位に獲得されます。

WORK_MEM_SIZE

【指定形式】

WORK_MEM_SIZE = (メモリサイズ)

【実行パラメタの意味】

作業用テーブルとしてサーバ側で使用する最大メモリ長を64~2097150の範囲で指定します。単位はキロバイトです。省略した場合は、128が指定されたとみなします。この領域は、RDBプロセスのローカルメモリにセション単位に獲得されます。

WORK_PATH

【指定形式】

WORK_PATH = (パス名[,パス名]・・・)

【実行パラメタの意味】

サーバ側で使用するソート作業域、作業用テーブル域の獲得先ディレクトリを指定します。“Symfoware/RDBを起動するユーザID”および“RDBコマンドを実行するユーザID”には、指定するディレクトリへの書込み権が必要です。省略した場合は、/var/tmpが指定されたとみなします。

表およびインデックスに関する実行パラメタ

DEFAULT_DSI_NAME

【指定形式】

DEFAULT_DSI_NAME = ({STANDARD | CODE})

【実行パラメタの意味】

格納構造定義を簡略化した表またはインデックスを定義する場合に、Symfoware/RDBが自動的に生成する表またはインデックスのDSO名および表またはインデックスのDSI名の生成方法を選択します。省略した場合は、STANDARDが指定されたとみなします。

指定するパラメタによって、スキーマ名、表名、インデックス名の最大長が制限されるため、注意が必要です。

【パラメタの意味】

STANDARD:

スキーマ名と表名を組み合わせてDSO、DSI名を生成します。スキーマ名、表名、インデックス名は最大8文字に制限されます。

CODE:

システムで採番するデータベース内で一意なコードを使用してDSO、DSI名を生成します。

生成方法

DSODSI名の生成方法

指定可能な名前の最大文字数

STANDARD

スキーマ名と表名を組合せて生成
例:スキーマ名: Y0537
    表名      : TBL001
    DSO/DSI 名: #Y0537#TBL001 (注)

スキーマ名: 8文字
表名: 8文字
インデックス名: 8文字

CODE

システムで採番するデータベース内で一意な10ケタの番号を使用して生成
例: #0000000017 (注)

Symfoware/RDBの定量制限に従う

注) 先頭 # は表DSO/DSIのプレフィックス

DEFAULT_DSI_TYPE

【指定形式】

DEFAULT_DSI_TYPE = {SEQUENTIAL | OBJECT}

【実行パラメタの意味】

格納構造定義を簡略化した表を定義する場合に、Symfoware/RDBが自動的に生成する表のDSOの格納構造を選択します。本パラメタにより格納構造を選択できるのは、表の形式が以下の条件をすべて満たしている場合のみです。

上記以外の場合は、表のDSOはSEQUENTIAL型となります。

【パラメタの意味】

SEQUENTIAL:

表のDSOとしてSEQUENTIAL格納構造のDSOを定義します。

OBJECT:

表のDSOとしてOBJECT格納構造のDSOを定義します。

DEFAULT_INDEX_SIZE

【指定形式】

DEFAULT_INDEX_SIZE = (ベース部ページ長,インデックス部ページ長,ベース部初期量,インデックス部初期量[,拡張量,拡張契機])

【実行パラメタの意味】

格納構造定義を簡略化したインデックスを定義する場合に、インデックスのベース部とインデックス部の割り付け量、ページ長などを指定します。単位はキロバイトです。この実行パラメタを省略した場合は、以下の値が指定されたとみなします。

DEFAULT_INDEX_SIZE = (8,8,30720,10240,10240,0)

【パラメタの意味】

ベース部ページ長:

ベース部のページ長を1、2、4、8、16、32の中から指定します。

インデックス部ページ長:

インデックス部のページ長を1、2、4、8、16、32の中から指定します。

ベース部初期量:

ベース部の初期量を2~2097150の範囲で指定します。

インデックス部初期量:

インデックス部の初期量を2~2097150の範囲で指定します。

拡張量:

インデックスのベース部の拡張量を1~2097150の範囲で指定します。省略した場合は、10240が指定されたとみなします。インデックス部の拡張量は、ベース部の5分の1の値となります。

拡張契機:

ベース部およびインデックス部の拡張を行うタイミングとして、DSIの空き容量を0~2097150の範囲で指定します。つまり、インデックスのDSIの空き容量がここで指定した値になると、インデックスのベース部およびインデックス部の拡張が行われます。省略した場合は、0が指定されたとみなします。

DEFAULT_OBJECT_TABLE_SIZE

【指定形式】

DEFAULT_OBJECT_TABLE_SIZE = (ページ長,初期量[,拡張量,拡張契機])

【実行パラメタの意味】

格納構造定義を簡略化した表を定義する場合に、OBJECT構造の表のデータ格納域の割り付け量、ページ長などを指定します。単位はキロバイトです。この実行パラメタを省略した場合は、以下の値が指定されたとみなします。

DEFAULT_OBJECT_TABLE_SIZE = (32,32768,32768,0)

【パラメタの意味】

ページ長:

データ格納域のページ長を指定します。必ず32を指定します。

初期量:

データ格納域の初期量を2~2097150の範囲で指定します。

拡張量:

データ格納域の拡張量を1~2097150の範囲で指定します。省略した場合は、32768が指定されたとみなします。

拡張契機:

データ格納域の拡張を行うタイミングとして、表のDSIの空き容量を0~2097150の範囲で指定します。つまり、表のDSIの空き容量がここで指定した値になると、表のデータ格納域の拡張が行われます。省略した場合は、0が指定されたとみなします。

DEFAULT_TABLE_SIZE

【指定形式】

DEFAULT_TABLE_SIZE = (ページ長,初期量[,拡張量,拡張契機])

【実行パラメタの意味】

格納構造定義を簡略化した表を定義する場合に、表のデータ格納域の割り付け量、ページ長などを指定します。単位はキロバイトです。この実行パラメタを省略した場合は、以下の値が指定されたとみなします。

DEFAULT_TABLE_SIZE = (32,30720,10240,0)

【パラメタの意味】

ページ長:

データ格納域のページ長を1、2、4、8、16、32の中から指定します。

初期量:

データ格納域の初期量を2~2097150の範囲で指定します。

拡張量:

データ格納域の拡張量を1~2097150の範囲で指定します。省略した場合は、10240が指定されたとみなします。

拡張契機:

データ格納域の拡張を行うタイミングとして、表のDSIの空き容量を0~2097150の範囲で指定します。つまり、表のDSIの空き容量がここで指定した値になると、表のデータ格納域の拡張が行われます。省略した場合は、0が指定されたとみなします。

INDEX_PREFIX

【指定形式】

INDEX_PREFIX = (プレフィックス)

【実行パラメタの意味】

格納構造定義を簡略化したインデックスを定義する場合に、Symfoware/RDBが自動的に生成するインデックスのDSO名およびインデックスのDSI名のプレフィックスを、1バイトの英数字で指定します。省略した場合は、@が指定されたとみなします。

TABLE_PREFIX

【指定形式】

TABLE_PREFIX = (プレフィックス)

【実行パラメタの意味】

格納構造定義を簡略化した表を定義する場合に、Symfoware/RDBが自動的に生成する表のDSO名および表のDSI名のプレフィックスを、1バイトの英数字で指定します。省略した場合は、#が指定されたとみなします。

TEMPORARY_INDEX_SIZE

【指定形式】

TEMPORARY_INDEX_SIZE = (ベース部初期量,インデックス部初期量[,拡張量,拡張契機])

【実行パラメタの意味】

一時表にインデックスを定義する場合に、インデックスのベース部とインデックス部の割付け量を指定します。単位はキロバイトです。この実行パラメタを省略した場合は、以下の値が指定されたとみなします。

TEMPORARY_INDEX_SIZE = (160,64,256,0)

【パラメタの意味】

ベース部初期量:

ベース部の初期量を64~2097150の範囲で指定します。

インデックス部初期量:

インデックス部の初期量を64~2097150の範囲で指定します。

拡張量:

インデックスのベース部の拡張量を32~2097150の範囲で指定します。省略した場合は、256が指定されたとみなします。インデックス部の拡張量は、ベース部の5分の1の値となります。

拡張契機:

ベース部およびインデックス部の拡張を行うタイミングとして、インデックスの空き容量を0~2097150の範囲で指定します。つまり、インデックスの空き容量がここで指定した値になると、インデックスのベース部およびインデックス部の拡張が行われます。省略した場合は、0が指定されたとみなします。

TEMPORARY_TABLE_SIZE

【指定形式】

TEMPORARY_TABLE_SIZE = (初期量[,拡張量,拡張契機])

【実行パラメタの意味】

一時表を定義する場合に、表のデータ格納域の割付け量を指定します。単位はキロバイトです。この実行パラメタを省略した場合は、以下の値が指定されたとみなします。

TEMPORARY_TABLE_SIZE = (256,512,0)

【パラメタの意味】

初期量:

データ格納域の初期量を64~2097150の範囲で指定します。

拡張量:

データ格納域の拡張量を32~2097150の範囲で指定します。省略した場合は、512が指定されたとみなします。

拡張契機:

データ格納域の拡張を行うタイミングとして、表の空き容量を0~2097150の範囲で指定します。つまり、表の空き容量がここで指定した値になると、表のデータ格納域の拡張が行われます。省略した場合は、0が指定されたとみなします。

排他に関する実行パラメタ

R_LOCK

【指定形式】

R_LOCK = ({YES | NO})

【実行パラメタの意味】

排他の単位を行とするかどうかを指定します。省略した場合は、YESが指定されたとみなします。ただし、クライアント用およびサーバ用の動作環境ファイルのDSO_LOCKを指定した場合は、NOが指定されたとみなします。

【パラメタの意味】

YES:

排他の単位を行とします。このパラメタを指定した場合、クライアント用およびサーバ用の動作環境ファイルにDSO_LOCKパラメタを指定することはできません。

NO:

排他の単位は、DSO_LOCKの指定に従います。このパラメタを指定し、かつDSO_LOCKが指定されていない場合は、Symfoware/RDBによって自動的に占有の単位が選択されます。

注意

  • 動作環境ファイルのR_LOCKがNOの場合、動作環境ファイルのDEFAULT_ISOLATIONにREPEATABLE_READを指定、またはSET TRANSACTION文にREPEATABLE READを指定しても、独立性水準はSERIALIZABLEになります。

  • 動作環境ファイルのR_LOCKがYESの場合、動作環境ファイルのDEFAULT_ISOLATIONまたはSET TRANSACTION文にSERIALIZABLEを指定しても、独立性水準はREPEATABLE READになります。

トランザクションに関する実行パラメタ

DEFAULT_ACCESS_MODE

【指定形式】

DEFAULT_ACCESS_MODE = ({READ_ONLY | READ_WRITE})

【実行パラメタの意味】

トランザクションアクセスモードの初期値を指定します。DEFAULT_ACCESS_MODEが指定された場合、プロセスで最初に実行されるSQL文の直前でSET TRANSACTION文が実行されたことになります。省略した場合は、READ_WRITEが指定されたとみなします。

動作環境ファイルのDSO_LOCKが指定された場合、DSO_LOCKの指定に従います。

注意

rdbuptコマンド実行時は、本パラメタの指定は無効となります。

参照

rdbuptコマンドの詳細は、“コマンドリファレンス”を参照してください。

【パラメタの意味】

READ_ONLY:

トランザクションアクセスモードの初期値をREAD ONLYとします。

READ_WRITE:

トランザクションアクセスモードの初期値をREAD WRITEとします。

注意

本パラメタは、Symfoware Server クライアント機能のバージョンが9.0.0以降の場合のみ有効となります。8.x系以前のSymfoware Server クライアント機能の場合は、アプリケーション単位に初期値を変更してください。

DEFAULT_ISOLATION

【指定形式】

DEFAULT_ISOLATION = ({READ_UNCOMMITTED | READ_COMMITTED | REPEATABLE_READ | SERIALIZABLE})

【実行パラメタの意味】

独立性水準の初期値を指定します。DEFAULT_ISOLATIONが指定された場合、プロセスで最初に実行されるSQL文の直前でSET TRANSACTION文が実行されたことになります。省略した場合は、SERIALIZABLEが指定されたとみなします。

動作環境ファイルのDSO_LOCKが指定された場合、DSO_LOCKの指定に従います。

注意

rdbuptコマンド実行時は、本パラメタの指定は無効となります。

参照

rdbuptコマンドの詳細は、“コマンドリファレンス”を参照してください。

【パラメタの意味】

READ_UNCOMMITTED:

独立性水準の初期値をREAD UNCOMMITTEDとします。

READ_COMMITTED:

独立性水準の初期値をREAD COMMITTEDとします。

REPEATABLE_READ:

独立性水準の初期値をREPEATABLE READとします。

SERIALIZABLE:

独立性水準の初期値をSERIALIZABLEとします。

注意

  • 動作環境ファイルのR_LOCKがNOの場合、DEFAULT_ISOLATIONにREPEATABLE_READを指定しても、独立性水準はSERIALIZABLEになります。

  • 動作環境ファイルのR_LOCKがYESの場合、DEFAULT_ISOLATIONにSERIALIZABLEを指定しても、独立性水準はREPEATABLE READになります。

  • 本パラメタは、Symfoware Server クライアント機能のバージョンが9.0.0以降の場合のみ有効となります。8.x系以前のSymfoware Server クライアント機能の場合は、アプリケーション単位に初期値を変更してください。

TRANSACTION_MODE_CHECK

【指定形式】

TRANSACTION_MODE_CHECK = ({YES | NO})

【実行パラメタの意味】

システム用の動作環境ファイルのDEFAULT_ISOLATIONまたはDEFAULT_ACCESS_MODEは、8.x系以前のSymfoware Server クライアント機能では有効となりません。8.x系以前のSymfoware Server クライアント機能からの接続をエラーとするか否かを指定します。省略した場合は、NOが指定されたとみなします。

【パラメタの意味】

YES:

8.x系以前のSymfoware Server クライアント機能からの接続をエラーとします。

NO:

8.x系以前のSymfoware Server クライアント機能からの接続をエラーとしません。

システム単位に初期値を設定する場合は、YESを指定することで、8.x系以前のSymfoware Server クライアント機能から接続した場合の誤使用を防止することができます。

デバッグに関する実行パラメタ

EXTERNAL_PROCESS_CORE

【指定形式】

EXTERNAL_PROCESS_CORE = (絶対パス名)

【実行パラメタの意味】

外部ルーチンなどSymfoware/RDBの外部で動作するプロセスで異常が発生した場合のコアファイル出力先ディレクトリを指定します。“Symfoware/RDBを起動するユーザID”および“RDBコマンドを実行するユーザID”には、指定するディレクトリへの書込み権が必要です。省略した場合は、RDB構成パラメタファイルのRDBCOREに指定されたディレクトリに出力します。

出力ファイル名は以下のとおりです。

外部ルーチンのコアファイル出力ファイル名:

core_fnc_<外部プロセスのプロセスID>.<年月日>.<時分秒>

MAX_EXTPROC_CORE_NUMに指定された個数までファイルを保持します。この個数を超える場合は日時の古いファイルから削除され、最新のファイルが出力されます。

MAX_EXTPROC_CORE_NUM

【指定形式】

MAX_EXTPROC_CORE_NUM = (コアファイル取得数)

【実行パラメタの意味】

外部ルーチンなどSymfoware/RDBの外部で動作するプロセスで異常が発生した場合のコアファイル出力最大個数を1~32767の範囲で指定します。この個数を超える場合は日時の古いファイルから削除されます。省略した場合は1が指定されたとみなします。

プロセス制御に関する実行パラメタ

EXTERNAL_PROCESS_USER

【指定形式】

EXTERNAL_PROCESS_USER = (ユーザID)

【実行パラメタの意味】

外部ルーチンなどSymfoware/RDBの外部で動作するプロセスの実効ユーザIDを指定します。ユーザIDは、OSに登録されている必要があります。

外部ルーチンを使用する場合は、本実行パラメタを指定する必要があります。

メッセージに関する実行パラメタ

CONSOLE_MSG

【指定形式】

CONSOLE_MSG = ({YES | NO})

【実行パラメタの意味】

クライアントおよびサーバで、qdg12148eの重症エラー(SQLSTATE値が70000以上、または“407”で始まるメッセージ)を検出した場合、コンソールへ出力するか否かを指定します。省略した場合は、YESが指定されたとみなします。出力形式は以下のとおりです。

qdg12148e  SQL文の実行で重症エラーを検出しました  s*
                          (1)                        (2)

(1) 固定文字列です。

(2) 埋込みとしてSQL文の詳細メッセージが設定されます。

【パラメタの意味】

YES:

エラーメッセージをコンソールに出力します。

NO:

エラーメッセージをコンソールに出力しません。

並列クエリに関する実行パラメタ

MAX_PARALLEL

【指定形式】

MAX_PARALLEL = (多重度)

【実行パラメタの意味】

SQL文でデータベースを並列に検索する場合の多重度を2~100の範囲で指定します。省略した場合は、n多重(n:サーバマシンが実装するCPU数×2)で並列検索を行います。SQL文でデータベースを並列に検索できるのは、単一行SELECT文またはカーソル宣言で並列指定を指定した場合です。表のDSIの数が、指定した多重度よりも少ない場合は、DSIの数を多重度として並列検索を行います。

なお、この実行パラメタは、クライアント用の動作環境ファイルまたはサーバ用の動作環境ファイルにPARALLEL_SCAN=YESを指定した場合、またはSQL文のカーソル宣言に並列指定“PARALLEL”を指定した場合に有効となります。

その他の実行パラメタ

ARC_FULL

【指定形式】

ARC_FULL = ({RETURN|WAIT})

【実行パラメタの意味】

アーカイブログファイルが満杯状態になったとき、エラー復帰するか否かを指定します。省略した場合は、RETURNが指定されたとみなします。

【パラメタの意味】

RETURN:

エラーとしてアプリケーションに復帰します。

WAIT:

空きのアーカイブログファイルが作成されるまで待ちます。

注意

  • “WAIT”を指定した場合、空きのアーカイブログファイルが作成されるまでアプリケーションは無応答状態となってしまいますので注意してください。

  • 自動容量拡張が動作する場合、システムロググループおよびユーザロググループのアーカイブログファイルに情報を収集します。このため、自動容量拡張時にアーカイブログ満杯の振る舞いは本パラメタで指定した動作となります。
    なお、Symfoware/RDBでは自動容量拡張を使用する運用では“RETURN”指定を推奨します。
    “RETURN”を指定した場合はアプリケーションがアーカイブログファイル満杯時にエラーとしないチューニングを行っていても、SQL実行で自動容量拡張が動作してアーカイブログファイルが満杯になるとSQLエラーとなります。SQLエラーとならないようにするためには以下を実施してください。

    • 自動容量拡張の拡張契機に余裕をもった値を指定する

    • アプリケーションの実行中にアーカイブログファイルの空き容量を定期的に監視して、十分な容量を常に確保する

      自動容量拡張の詳細については、“RDB運用ガイド”を参照してください。

NAME_SIZE_CHECK

【指定形式】

NAME_SIZE_CHECK = ({YES|NO})

【実行パラメタの意味】

19文字以上の資源名の定義をチェックアウトするか否かを指定します。省略した場合は、NOが指定されたとみなします。

【パラメタの意味】

YES:

19文字以上の資源名を定義できないようにチェックします。

NO:

19文字以上の資源名の定義をチェックしません。

注意

  • Symfoware/RDBと組み合わせて使用する製品によっては、18文字を超える識別子を扱えないものがあります。これらの製品と組み合わせて使用する場合は、本オプションで“YES”を指定してください。

  • Symfoware/RDBと組み合わせて使用する製品については、各製品の仕様を確認してください。

READ_ERROR_INHIBIT

【指定形式】

READ_ERROR_INHIBIT = ({YES|NO})

【実行パラメタの意味】

データベースの読み込みでI/Oエラーが発生した場合に、読込み対象データをアクセス禁止にするか否かを指定します。省略した場合は、NOが指定されたとみなします。

なお、ここではデータベースとは以下の資源のことをいいます。

【パラメタの意味】

YES:

読込み対象データをアクセス禁止にします。

NO:

読込み対象データをアクセス禁止にしません。

参照業務が主体のシステム(目安として全業務の5割以上が更新のないデータ検索のみの業務)の場合にNOを指定します。参照業務を実行中にディスク障害以外の原因(メモリ不足など)でデータベースI/Oエラーが発生した場合、メディアリカバリが不要になります。

注意

  • 以下のデータベースI/Oエラーについては、本パラメタの選択に関係なく読込み対象データをアクセス禁止にします。

    • 書込みエラーおよび読込みでのページ破壊エラー

    • ロールバックまたはダウンリカバリで発生する読込みエラー

    • メディアリカバリ系コマンド(rdbrcv、rdbmrrcv、rdbrcvdic、rdbrcvadt)で発生する読込みエラー

    • rdbresidentコマンドで発生する読込みエラー

  • データベースI/Oエラーに関するSQLSTATEは、本パラメタの指定に関係なく以下が返却されます。

    • データベースI/Oエラー: 74000、74720または74600

    • アクセス禁止状態のデータベースへのアクセス: 71410

  • データベースI/Oエラーに関するシステムメッセージは、本パラメタの指定に関係なくqdg13039u、qdg13040uまたはqdg13516uが通知されます。

  • rdbinfコマンドでアクセス禁止情報を表示することができます。ただし、本パラメタにNOを指定している場合は、読込みエラーをアクセス禁止にしないため、読込みエラーの発生をrdbinfコマンドで認識することはできません。

参照

データベースI/Oエラーからのリカバリ手順については、本パラメタにYESを指定している場合は、“RDB運用ガイド”の“システムファイルおよびデータベース異常のリカバリ”を、NOを指定している場合は、“RDB運用ガイド”の“データベース読込み失敗からのリカバリ”を参照してください。

ROLLBACK_MEM_ERROR

【指定形式】

ROLLBACK_MEM_ERROR = ({DOWN|INHIBIT})

【実行パラメタの意味】

ロールバックがメモリ不足によって失敗した場合に、システムを強制停止させるか、ロールバック対象データをアクセス禁止にするかを指定します。省略した場合は、INHIBITが指定されたとみなします。

【パラメタの意味】

DOWN:

システムを強制停止させます。

INHIBIT:

ロールバック対象となっていたデータをアクセス禁止にします。

注意

ロールバックがメモリ不足によって失敗し、本パラメタで“DOWN”を選択していたことでシステムが強制停止しても、コアファイルは出力されません。

システム用の動作環境ファイルの記述例

システム用の動作環境ファイルの記述例を、以下に示します。

COMMUNICATION_BUFFER=32
MAX_CONNECT_SYS=256
MAX_CONNECT_TCP=256
SORT_MEM_SIZE=2112
WORK_MEM_SIZE=128
WORK_PATH=/...
DEFAULT_INDEX_SIZE=8,8,30720,10240,10240,0
DEFAULT_TABLE_SIZE=32,30720,10240,0
TEMPORARY_INDEX_SIZE=160,64,256,0
TEMPORARY_TABLE_SIZE=256,512,0
R_LOCK=YES
USQL_LOCK=EX
ARC_FULL=RETURN
READ_ERROR_INHIBIT=NO
ROLLBACK_MEM_ERROR=DOWN

備考. “...”には任意のディレクトリを指定してください。