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Symfoware Server V10.0.0 アプリケーション開発ガイド(共通編)

2.1.3 初期パラメタの設定

アプリケーションを実行するためには、以下のパラメタの設定が必要です。

2.1.3.1 アプリケーションの接続先や通信に関する実行パラメタ

アプリケーションの接続先のサーバ、サーバとの接続時間やサーバからのデータ待ち時間など、アプリケーションの接続や通信に関するパラメタを設定します。以下の実行パラメタを設定します。

注意

DEFAULT_CONNECTIONおよびSERVER_SPECは、埋込みSQL連携の場合のみ設定することができます。

DEFAULT_CONNECTION

以下の場合のサーバとの接続情報を指定します。

【指定形式】

接続するデータベースに対するアクセス方法により、指定形式が異なります。

  • ローカルアクセスの場合

    DEFAULT_CONNECTION = ([RDBシステム名.]データベース名)

  • リモートアクセスの場合

    DEFAULT_CONNECTION = (SQLサーバ名,認可識別子,パスワード)

【パラメタの意味】
RDBシステム名:

サーバがマルチRDB運用をしている場合に結合するRDBシステム名を指定します。省略した場合は、環境変数RDBNAMEに設定されたRDBシステム名が指定されたとみなします。

データベース名:

接続するデータベース名を指定します。

SQLサーバ名:

接続するSQLサーバ名を指定します。

認可識別子:

OSのログイン名、または、CREATE USER文で登録されている利用者名を指定します。

パスワード:

OSのパスワード、または、CREATE USER文で登録されているパスワードを指定します。


以下の場合、ログイン名およびパスワードの指定は不要です。

この場合、実行時のログイン名および実行時のパスワードが使用されます。

  • ローカルアクセスの場合

  • リモートアクセスの場合

    SolarisLinux接続先ホスト名に自端末のIPアドレス、自端末のホスト名、“localhost”またはループバックアドレスを指定した場合

    WindowsWindows(R) 2000の場合

    接続先ホスト名に“localhost”またはループバックアドレスを指定した場合

    Windows Server(R) 2003以降の場合

    接続先ホスト名に自端末のIPアドレス、自端末のホスト名、“localhost”またはループバックアドレスを指定した場合


ログイン名およびパスワードは、各サーバでは以下のように扱われます。

SolarisLinuxログイン名:

ログイン名

パスワード:

ログイン名のパスワード

Windowsログイン名:

ユーザ名(ログオン名)

パスワード:

ユーザ名のパスワード

SERVER_SPEC

CONNECT文でSQLサーバ名を指定した場合、サーバとの通信状態を確立するために必要な情報を記述します。このため、CONNECT文で接続するSQLサーバ名は、アプリケーションの実行時にすべてSERVER_SPECに記述しておく必要があります。ローカルのデータベースだけにアクセスする場合は、この実行パラメタは指定しません。

【指定形式】

SERVER_SPEC = (通信方法,SQLサーバ名,データ資源名,ホスト名,ポート番号[,[接続サーバ種別]])

【パラメタの意味】
通信方法:

RDB2_TCPを指定します。

SQLサーバ名:

CONNECT文で指定したSQLサーバ名を記述します。SQLサーバ名は、SERVER_SPECで指定されたデータ資源に対して接続する際の名前を、利用者が任意に指定します。

データ資源名:

データベース名を指定します。

ホスト名:

ホスト名管理ファイルに設定した18バイト以内のホスト名を指定します。

ポート番号:

RDB2_TCP連携で使用するポート番号を指定します。

接続サーバ種別:

以下の中から1つを選択します。省略した場合は、OPENが指定されたとみなします。

OPEN:

Solaris、Linux、Windows(R)上のSymfoware/RDBと接続する場合に指定します。

GS:

グローバルサーバ上のSymfoware/RDBと接続する場合に指定します。

注意

システム用の動作環境ファイルにおいて、MAX_CONNECT_TCPを必ず設定してください。

参照

ポート番号の詳細については、“セットアップガイド”を参照してください。

TRAN_TIME_LIMIT

1つのトランザクションで使用可能な時間を指定します。

【指定形式】

TRAN_TIME_LIMIT = (最大トランザクション実行時間)

【パラメタの意味】
最大トランザクション実行時間:

最大トランザクション時間を、0~32767で指定します。単位は秒です。0を指定すると無制限になります。省略した場合は、0が指定されたとみなします。指定時間を経過した場合には、トランザクションをロールバックして、接続中のコネクションを切断します。

WAIT_TIME

サーバからのデータ受信の待ち時間を指定します。

WAIT_TIMEで指定された時間内に、サーバからのデータが受信できなかった場合には、実行中のSQL文はエラーとなり、コネクションは切断されます。

なお、本実行パラメタは、トランザクションモニタ配下では指定できません。

【指定形式】

WAIT_TIME = (待ち時間)

【パラメタの意味】
待ち時間:

待ち時間を0~32767で指定します。

0を指定した場合は、データが受信できるまで待ちます。単位は秒です。

省略した場合は、0が指定されたとみなします。

2.1.3.2 使用する資源に関する実行パラメタ

アプリケーションを実行するためには、ソート処理用の領域や作業用の領域など、資源に関するパラメタの設定が必要です。以下のパラメタを設定します。

SORT_MEM_SIZE

ソート処理のために作業用ソート領域としてサーバ側で使用するメモリの大きさを指定します。この領域は、RDBプロセスのローカルメモリにセション単位に獲得されます。

【指定形式】

SORT_MEM_SIZE = (メモリサイズ)

【パラメタの意味】
メモリサイズ:

メモリの大きさを、64~2097150の範囲で指定します。単位はキロバイトです。省略した場合は、システム用の動作環境ファイルにおけるSORT_MEM_SIZEの指定に従います。

WORK_ALLOC_SPACESIZE

作業用ソート領域および作業用テーブルとしてサーバ側で使用するファイルサイズの初期量、増分量、最大量、保持指定を指定します。初期量、増分量、最大量、保持指定のいずれかの値が省略された場合は、その値のデフォルト値が指定されたものとみなします。

【指定形式】

WORK_ALLOC_SPACESIZE = ([初期量][,[増分量][,[最大量][,[保持指定]]]])

以下に指定例を示します。

例1:初期量、増分量を指定する場合

WORK_ALLOC_SPACESIZE = (10000,50000)

例2:増分量、最大量を指定する場合

WORK_ALLOC_SPACESIZE = (,50000,100000)

【パラメタの意味】
初期量:

作業用ソート領域および作業用テーブルとして外部ファイルを作成する場合の初期量を5000~1000000の範囲で指定します。単位はキロバイトです。省略した場合は10000が指定されたとみなします。

増分量:

作業用ソート領域および作業用テーブルとして作成した外部ファイルを拡張する場合の増分量を1000~1000000の範囲で指定します。単位はキロバイトです。省略した場合は、50000が指定されたとみなします。

最大量:

作業用ソート領域および作業用テーブルとして作成する外部ファイルの最大量を5000~2000000の範囲で指定します。単位はキロバイトです。省略した場合は、WORK_PATHで指定したパス名のディスク容量となります。

保持指定:

以下の中から1つを選択します。省略した場合は、HOLDが指定されたものとみなします。

FREE:

初期量として獲得した作業用ソート領域および作業用テーブルの外部ファイルは、DISCONNECT文の実行時に解放します。

拡張量として獲得した作業用ソート領域および作業用テーブルの外部ファイルは、その領域を使用したSQL文の実行完了時に解放します。

HOLD:

作業用ソート領域および作業用テーブルとして作成した外部ファイルは、DISCONNECT文の実行時に解放します。

WORK_MEM_SIZE

作業用テーブルとしてサーバ側で使用するメモリのサイズを指定します。この領域は、RDBプロセスのローカルメモリにセション単位に獲得されます。

【指定形式】

WORK_MEM_SIZE = (メモリサイズ)

【パラメタの意味】
メモリサイズ:

メモリのサイズを、64~2097150の範囲で指定します。単位はキロバイトです。省略した場合は、システム用の動作環境ファイルにおけるWORK_MEM_SIZEの指定に従います。

WORK_PATH

サーバ側で使用する作業用ソート領域および作業用テーブルとして、サーバ側での獲得先ディレクトリを指定します。

作業用ソート領域および作業用テーブルの見積りについては“C.1 ソート作業域の見積り”を参照してください。

【指定形式】

WORK_PATH = (ワークパス名[,ワークパス名]・・・)

【パラメタの意味】
ワークパス名:

サーバ側での獲得先ディレクトリを指定します。省略した場合は、システム用の動作環境ファイルにおけるWORK_PATHの指定に従います。

2.1.3.3 デバッグおよび性能分析に関する実行パラメタ

アプリケーションのデバッグおよび性能分析に関する設定を行うために、以下の実行パラメタを設定します。

ROUTINE_SNAP

ROUTINE_SNAP機能を利用するかどうかを指定します。

ROUTINE_SNAP機能は、SQL手続き文の実行情報をファイルに出力する機能です。

参照

ROUTINE_SNAP機能の詳細および使用方法については、“アプリケーション開発ガイド(埋込みSQL 編)”の“アプリケーションのデバッグ”を参照してください。

【指定形式】

ROUTINE_SNAP=({ON|OFF},ルーチンスナップファイル名[,出力レベル])

【パラメタの意味】
ON:

ROUTINE_SNAP機能を利用する場合に指定します。

OFF:

ROUTINE_SNAP機能を利用しない場合に指定します。省略した場合は、OFFが指定されたとみなします。

ルーチンスナップファイル名:

SQL手続き文の実行情報の出力先のサーバ側のファイル名を、絶対パスで指定します。指定されたファイルがすでに存在する場合は、情報を追加して出力します。
複数のアプリケーションが動作する場合は、クライアント用の動作環境ファイルの実行パラメタ(DIV_TRACE_FILE)の指定により、出力ファイル名の後にプロセスIDなどの情報を付加して、個別のトレース情報を出力します。
アプリケーションがマルチスレッド環境で動作する場合は、DIV_TRACE_FILEの指定に関係なく、出力ファイル名の後にプロセスIDやセションIDなどの情報を自動的に付加して、個別のトレース情報を出力します。

出力レベル:

出力する情報のレベルとして、1または2を指定します。省略した場合は、2が指定されたとみなします。

参照

出力レベルの指定と出力情報の対応については、“アプリケーション開発ガイド(埋込みSQL編)”の“ROUTINE_SNAP機能の利用方法”を参照してください。

SQL_SNAP

SQL_SNAP機能を利用するかどうかを指定します。

SQL_SNAP機能は、アプリケーションが実行したSQL文の情報をファイルに出力する機能です。

参照

SQL_SNAP機能の詳細および使用方法については、“アプリケーション開発ガイド(埋込みSQL編)”の“アプリケーションのデバッグ”を参照してください。

【指定形式】

SQL_SNAP = ({ON | OFF}[,[スナップファイル名][,[出力レベル][,[繰り返し幅]]]])

【パラメタの意味】
ON:

SQL_SNAP機能を利用する場合に指定します。

OFF:

SQL_SNAP機能を利用しない場合に指定します。省略した場合は、OFFが指定されたとみなします。

スナップファイル名:

SQL_SNAP機能が出力するSQL文の実行情報の出力先ファイル名を指定します。ファイル名を省略した場合は、アプリケーションのファイル名の拡張子を“.SNP”に変更したものとなります。ファイル名にディレクトリの指定がない場合は、カレントディレクトリが指定されたものとみなします。指定されたファイルがすでに存在する場合は、情報を追加して出力します。
複数のアプリケーションが動作する場合は、クライアント用の動作環境ファイルの実行パラメタ(DIV_TRACE_FILE)の指定により、出力ファイル名の後にプロセスIDなどの情報を付加して、個別のトレース情報を出力します。
アプリケーションがマルチスレッド環境で動作する場合は、DIV_TRACE_FILEの指定に関係なく、出力ファイル名の後にプロセスIDやセションIDなどの情報を自動的に付加して、個別のトレース情報を出力します。

出力レベル:

出力する情報のレベルとして、1または2を指定します。省略した場合は、2が指定されたとみなします。

参照

出力レベルの指定と出力情報の対応については、“アプリケーション開発ガイド(埋込みSQL編)”の“SQL_SNAP機能の利用方法”を参照してください。

繰り返し幅:

出力する情報の繰り返し幅として、1から32767を指定します。1つのSQL文の出力を1とします。繰り返し幅を指定した場合は、その幅でサイクリックに情報を出力します。省略した場合は、先頭からの情報をすべて出力します。

ACCESS_PLAN

アプリケーション単位でアクセスプランを取得するかどうかを指定します。

参照

アクセスプランについては、“3.1 アクセスプラン”を参照してください。

【指定形式】

ACCESS_PLAN = ({ON | OFF},ファイル名[,[出力レベル][,[SQLアドバイザ出力レベル]]])

【パラメタの意味】
ON:

アクセスプラン取得機能を利用する場合に指定します。

OFF:

アクセスプラン取得機能を利用しない場合に指定します。省略した場合は、OFFが指定されたものとみなします。

ファイル名:

出力先のサーバ側のファイル名を、絶対パスで指定します。指定されたファイルがすでに存在する場合は、情報を追加して出力します。
また、指定するパスが存在することと、CONNECT文で指定したユーザIDに対する書込み権があることを確認してください。

出力レベル:

出力レベルには1または2を指定します。1を指定すると、アクセスプランのセクション情報のみを出力します。2を指定すると、セクション内の各エレメント詳細情報も出力します。省略した場合は、2が指定されたものとみなします。

SQLアドバイザ出力レベル:

SQLアドバイザ出力レベルには、“ADVICE”または“NOADVICE”を指定します。“ADVICE”を指定すると、SQL文に対するアドバイスを出力します。“NOADVICE”を指定すると、SQL文に対するアドバイスを出力しません。省略した場合は、“ADVICE”が指定されたものとみなします。

SQL_TRACE

アプリケーション単位でSQL性能情報を取得するかどうかを指定します。

【指定形式】

SQL_TRACE = ({ON | OFF},性能情報ファイル名[,出力レベル])

【パラメタの意味】
ON:

SQL性能情報取得機能を利用する場合に指定します。

OFF:

SQL性能情報取得機能を利用しない場合に指定します。省略した場合は、OFFが指定されたものとみなします。

性能情報ファイル名:

出力先のサーバ側のファイル名を、絶対パスで指定します。指定されたファイルがすでに存在する場合は、情報を追加して出力します。
複数のアプリケーションが動作する場合は、クライアント用の動作環境ファイルの実行パラメタ“DIV_TRACE_FILE”の指定により、出力ファイル名の後にプロセスIDなどの情報を付加して、個別のトレース情報を出力します。
アプリケーションがマルチスレッド環境で動作する場合は、DIV_TRACE_FILEの指定に関係なく、出力ファイル名の後にプロセスIDやセションIDなどの情報を自動的に付加して、個別のトレース情報を出力します。

出力レベル:

出力レベルには1または2を指定します。1を指定すると、DSOごとに集計された性能情報を出力します。2を指定すると、DSI単位の情報までも出力します。省略した場合は、2が指定されたものとみなします。

参照

出力レベルによる、出力内容の詳細については、“SQLTOOLユーザーズガイド”の“実行エレメント情報”を参照してください。