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Interstage Application Server/Interstage Web Server J2EE ユーザーズガイド

15.9.3 EJBゲートウェイ・アプリケーションの開発方法

ここでは、Javaを用いたCORBAサーバアプリケーションとしてのEJBゲートウェイ・アプリケーションの開発およびテスト方法について説明します。

参照

EJBゲートウェイ・アプリケーションを開発する場合は、以下のマニュアルも参照してください。

CORBAサーバ機能およびEJB-CORBA変換機能を開発する場合

JavaによるCORBAサーバ機能の開発方法については、以下を参照してください。

  • “Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“アプリケーションの開発(Java言語)” (注:Interstage Application Server Standard-J EditionまたはInterstage Web Serverでは提供していません)。

  • “Interstage Studio プログラマーズガイド”

EJBクライアント機能を開発する場合

EJBクライアント機能の開発方法については、以下を参照してください。

  • “J2EE ユーザーズガイド”

  • “Interstage Studio プログラマーズガイド”

クライアントアプリケーションを開発する場合

クライアントアプリケーションの開発方法については、以下を参照してください。

  • “Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“アプリケーションの開発(Java言語)” (注:Interstage Application Server Standard-J EditionまたはInterstage Web Serverでは提供していません)。

  • “Interstage Studio プログラマーズガイド”

EJBゲートウェイ・アプリケーションの開発前に必要な作業

EJBゲートウェイ・アプリケーションを開発する前に、連携方法、サーバの環境などを十分に分析し、アプリケーションの内容を考慮してください。

ここでは、アプリケーションの開発前に必要な作業について説明します。

アプリケーション形態を選択する

EJBゲートウェイ・アプリケーションは、Servantのインスタンスの管理方法により、以下の形態をとることができます。以下の形態からユーザの業務にあった形態を選択してください。

形態

STATEFUL Session Beanと
連携する場合

STATELESS Session Beanと
連携する場合

デフォルトインスタンス方式

×

Factory-1方式

Factory-2方式

ユーザインスタンス管理方式

○:選択可    ×:選択不可

Session Beanとの対応形態を選択する

Session Beanに対するEJBゲートウェイ・アプリケーションの実装方法として、以下の形態があります。

  • 1つのEJBゲートウェイ・アプリケーションで1つのSession Beanに対応するインタフェースを実装する

  • 1つのEJBゲートウェイ・アプリケーションで複数のSession Beanに対応する複数のインタフェースを実装する

上記の方式からユーザの業務にあった形態を選択してください。

開発の流れ

EJBゲートウェイ・アプリケーションを開発し、デバッグを行うまでの流れを以下に示します。

  1. EJBゲートウェイ・アプリケーションの開発

  2. クライアントアプリケーションの開発

  3. アプリケーションのデバッグ

デバッグにより問題が検出された場合は、問題が発生したアプリケーションの開発から繰り返します。

EJBゲートウェイ・アプリケーションの開発

ここでは、EJBゲートウェイ・アプリケーション開発方法について説明します。

  1. IDLファイルの作成とコンパイル
    EJBゲートウェイ・アプリケーションが提供するインタフェースを、IDL言語を用いて定義し、IDLcコマンドでIDLファイルをコンパイルします。この結果、IDL定義をjavaにマッピングした、複数のファイル(拡張子が.javaのファイル)が出力されます。

  2. EJBゲートウェイ・アプリケーションの作成
    EJBゲートウェイ・アプリケーションは「CORBAサーバ機能」と「EJB-CORBA変換機能」および「EJBクライアント機能」に分けられます。
    「CORBAサーバ機能」では、ORBの初期化や、Servantオブジェクトの生成/登録などを行う初期化処理を実装します。「EJB-CORBA変換機能」および「EJBクライアント機能」はIDLで定義したインタフェースを実装するServantとして実装します。
    各機能の詳細については、“15.9.1 EJBゲートウェイ・アプリケーションの機能”を参照してください。

  3. Javaファイルのコンパイル
    IDLコンパイラにより生成されたファイル(拡張子が.javaのファイル)とユーザが作成したEJBゲートウェイ・アプリケーションを合わせてjavacコマンドでコンパイルします。
    コンパイル時には、CLASSPATH変数にEJBアプリケーションを配備したejb-jarファイルを指定してください。

クライアントアプリケーションの開発

ここでは、クライアントアプリケーション開発方法について説明します。

  1. IDLファイルのコンパイル
    IDLcコマンドでIDLファイルをコンパイルします。この結果、IDL定義を目的とする言語にマッピングした、複数のスタブとスケルトンが出力されます。

  2. クライアントアプリケーションの作成
    クライアントアプリケーションを作成します。

  3. 翻訳と結合
    作成したクライアントアプリケーションとIDLcコマンドで生成したスケルトン以外のソースファイルを翻訳し、実行ファイルを作成します。

EJBゲートウェイ・アプリケーションのデバッグ

EJBアプリケーションのデバッグ方法には、デバッガを利用したデバッグと、アプリケーションのデバッグ情報を利用したデバッグがあります。それぞれについて説明します。


デバッガを利用したデバッグ

Interstage Studioが提供するデバッガを利用してデバッグする方法です。
デバッガを利用すると、開発したアプリケーションを実行させながら、処理の論理的な誤りを検出することができます。
通常、プログラムソース上にブレークポイントを設定し、中断点で停止した状態でプログラム中の変数を参照あるいは、変更しながらデバッグを行います。
デバッガを利用したデバッグの詳細は、“Interstage Studio プログラマーズガイド”を参照してください。


アプリケーションのデバッグ情報を利用したデバッグ

EJBゲートウェイ・アプリケーションの開発時に、あらかじめデバッグ情報を出力する処理を記述しておき、その情報をもとにデバッグする方法です。

デバッグ情報について

アプリケーションのデバッグ情報は、標準出力または、標準エラー出力を使用します。

デバッグ時のEJBゲートウェイ・アプリケーション実行方法

EJBゲートウェイ・アプリケーションの実行方法について説明します。

注意

EJBゲートウェイ・アプリケーションを実行する前に、EJBアプリケーションを実行してください。

  1. Interstageの起動
    Interstageを起動します。

  2. 起動用ファイルの作成
    EJBゲートウェイ・アプリケーションを起動するには、通常、バッチファイルやシェルスクリプトを用意します。
    起動時には、環境変数OD_IMPLIDへインプリメンテーションリポジトリIDを設定してください。また、EJBゲートウェイ・アプリケーションを起動する際に、以下の環境プロパティを指定し起動してください。

    -Djava.naming.factory.initial=com.fujitsu.interstage.ejb.jndi.FJCNCtxFactoryForClient

    以下に起動ファイルの例を示します。

    set OD_IMPLID=IDL:EJBGateway/Factory:1.0
    java -Djava.naming.factory.initial=com.fujitsu.interstage.ejb.jndi.FJCNCtxFactoryForClient  BMPSessionGateway
  3. インプリメンテーションリポジトリへの登録
    インプリメンテーションリポジトリにゲートウェイ・アプリケーション情報を登録するために、OD_impl_instコマンドを使用します。OD_impl_instコマンドおよび指定する情報については、“Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“インプリメンテーションリポジトリへの登録”を参照してください。(注:Interstage Application Server Standard-J EditionまたはInterstage Web Serverでは提供していません)。

  4. オブジェクトリファレンスの作成とネーミングサービスへの登録
    作成したEJBゲートウェイ・アプリケーションのオブジェクトリファレンスの作成およびネーミングサービスに登録するために、OD_or_admコマンドを使用します。
    OD_or_admコマンドおよび指定する情報については、“Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“オブジェクトリファレンスの生成方法”を参照してください。(注:Interstage Application Server Standard-J EditionまたはInterstage Web Serverでは提供していません)。

  5. EJBゲートウェイ・アプリケーションの起動
    2.で作成した起動用ファイルによりEJBゲートウェイ・アプリケーションを起動します。

  6. クライアントアプリケーションの実行
    クライアントアプリケーションを実行します。

Interstage Studioでの開発方法

当社のコンポーネント指向の統合開発支援ツールであるInterstage Studioを使用することにより、一連の手順を統合された使いやすいビュー操作によって操作することができます。
Interstage Studioでは、さまざまなEJBアプリケーションおよびクライアントアプリケーションの開発支援機能を提供しているため、アプリケーション開発の生産性を向上できます。