Entity BeanにはBMP(Bean-managed persistence)とCMP(Container-managed persistence)の2種類が存在し、それぞれ以下の特長があります。作成するEntity Beanの形態を選択してください。
EJBアプリケーション内に適切なデータベース操作文を発行する処理を記述することにより、EJBアプリケーション自身がデータの永続化を行います。
状況に応じたきめ細かいデータベース管理ができます。
コンテナがデータの永続化を行います。このため、EJBアプリケーション自身にデータベース操作文を記述することなく、データベースにアクセスできます。
CMP2.0ではCMP1.1の機能に加えて、Entity Beanが別のEntity Beanとの関係を保持する機能を備えたことにより、CMP1.1と比べてはるかに複雑化したデータをEntity Beanに関連づけることができます。
EJBアプリケーションにデータベース操作文を記述する必要がないため、ポータビリティ性の高いアプリケーションが容易に開発できます。
CMP1.1とCMP2.0の違いについては、CMP1.1とCMP2.0の差異を参照してください。
処理イメージ
以下に、口座引き落とし処理を例にして、BMPとCMPのEntity Beanを利用した処理イメージを示します。
呼出し元Beanは、口座NOを指定してfinderメソッドを呼び出します。コンテナは、Entity Beanのfinder処理を呼び出し、Entityオブジェクトを検索します。
呼出し元Beanは、支払金額に10万を設定し、ビジネスメソッド(Cal_bal)を呼び出します。コンテナは、Entity Beanのビジネスメソッドを呼び出す前にEntity BeanのLoad処理を呼び出します。
Load処理では、データベースの検索を実施し、検索結果をEntityオブジェクトとして保持します。
コンテナは、ビジネスメソッドを呼び出します。
ビジネスメソッドは、Amount(残高)を更新します。
呼出し元Beanは、commitメソッドを呼び出します。コンテナは、Entity BeanのStore処理を呼び出し、Store処理ではデータベースの更新を実施します。
呼出し元Beanは、口座NOを指定してfinderメソッドを呼び出し、Entityオブジェクトの検索をコンテナに依頼します。
検索結果は、コンテナにより、Entityオブジェクトとして保持されます。
呼出し元Beanは、支払金額に10万を設定し、ビジネスメソッド(Cal_bal)を呼び出します。
コンテナは、2.で保持した検索結果データをCMFへ転送し、ビジネスメソッドを呼び出します。
ビジネスメソッドは、Amount(残高)を更新します。
呼出し元Beanからのcommit指示により、コンテナはデータベースの更新を実施します。
注意
CMPマッピング定義の定義情報についての詳細はInterstage管理コンソールのヘルプを参照してください。
呼出し元Beanは、口座NOを指定してfinderメソッドを呼び出し、Entityオブジェクトの検索をコンテナに依頼します。
検索結果は、コンテナにより、Entityオブジェクトとして保持されます。
呼出し元Beanは、アクセッサメソッド(setAmount)を呼び出して、残高から10万を引いた値を新たに設定します。
コンテナは、コンテナが実装するアクセッサメソッドを呼び出します。
アクセッサメソッドは、Amount(残高)を更新します。
呼出し元Beanからのcommit指示により、コンテナはデータベースの更新を実施します。
注意
CMP2.0の定義情報についての詳細はInterstage管理コンソールのヘルプを参照してください。
CMP1.1とCMP2.0の差異
以下に、CMP1.1とCMP2.0の差異を表で示します。
| CMP1.1 | CMP2.0 |
---|---|---|
relationshipの管理 | アプリケーション内で解決してください。 | deployment descriptorファイルにリレーションを定義することで、CMP2.0のBean間の関係を定義できます。定義された関係はコンテナが管理します。 |
finderメソッドの検索条件 | Interstage StudioでEnterprise Java Bean開発時に指定します。また、Interstage管理コンソールまたはejbdefimportコマンドで編集できます。 | Enterprise Java Bean開発時にdeployment descriptorファイルにEJB QLを定義します。 |
CMFの更新 | ビジネスメソッド内でEnterprise Beanクラスに定義したCMFを直接更新します。 | deployment descriptorに定義したCMFに対応する抽象アクセッサメソッドをEnterprise Beanクラスに定義して、必ず抽象アクセサメソッドでCMFを更新します。 |
finderメソッドの復帰値の型 | java.util.Collection型とjava.util.Enumeration型を使用できます。 | java.util.Collection型が使用できます。 |
ejbSelectメソッドの使用 | 使用できません。 | 使用できます。 |