以下の順序でHBA address renameの設定を行います。
HBA address renameではHBAのWWNを管理サーバから指定できます。管理サーバは管理対象サーバの保守・切替え時にこの値を引き継ぐため、従来必要であったストレージ側の構成の再設定が必要ありません。
本機能の設定には、事前に管理対象サーバの登録が必要です。
注意
すでにサーバ切替えを設定しているサーバに対して、HBA address renameは設定できません。サーバ切替えの設定を解除したあと、設定してください。
1つのシャーシ内で、HBA address renameとVIOM連携によるI/O仮想化の混在はできません。
PRIMERGYパーティションモデルの場合、HBA address rename設定の対象になるFCカードはPHP機能を使用できません。
FCカードの交換後はサーバを再起動する必要があります。
1. ストレージの設定
「3.7 ストレージ環境の設定」を参照し、ストレージの設定を行います。
すでに対象サーバからストレージが運用されており、ストレージの設定を変更する場合は、サーバの電源を停止させたあと、設定を行います。
2. HBA address renameの設定
RCコンソールのリソースツリーで、対象のサーバ(またはサーバ上の物理OS、VMホスト)を右クリックし、表示されたメニューで[設定変更]-[HBA address rename情報]を選択します。
[HBA address rename情報の設定]ダイアログが表示されます。
[HBA address rename情報の設定]ダイアログで以下の項目を設定します。
"I/O仮想化オプション"で提供されたWWNN値を指定します。
管理サーバはWWNNの入力値とHBAポート数の入力値からWWPNを自動生成します。
システム構成に応じて、以下を指定します。
シングルパス構成の場合は、HBAポート数に"1"を指定します。
詳細については、「図6.4 シングルパス構成の場合」を参照してください。
マルチパス構成の場合は、HBAポート数に"2"を指定します。
ただし、OSをインストールする場合、マルチパスドライバ設定前の状態は、"1"を指定します。次に、マルチパスドライバを設定したあと、"2"を指定し再設定します。
詳細については、「図6.5 マルチパス構成の場合」を参照してください。
図6.4 シングルパス構成の場合
図6.5 マルチパス構成の場合
例
サーバが2ポートの場合、以下のように利用します。
"I/O仮想化オプション"で提供されたWWNN値 -> 20:00:00:17:42:51:00:00
指定する値
WWNN値 -> 20:00:00:17:42:51:00:00
搭載HBAポート数: 2
管理サーバからHBAに定義される値(WWPNが自動的に生成されます)
HBA port1とport2のWWNN値 -> 20:00:00:17:42:51:00:00 HBA port1のWWPN値 -> 21:00:00:17:42:51:00:00 HBA port2のWWPN値 -> 22:00:00:17:42:51:00:00
参考
管理対象サーバの起動時に、管理サーバと接続しHBAのWWNの設定が行われます。
サーバを再起動する場合は、"サーバを再起動する"チェックボックスにチェックを入れます。
参考
次の場合は、サーバの再起動を選択してください。
本設定後、すぐにOSをインストールする場合
対象サーバにOSインストールCDをセットし、サーバの再起動を選択します。これにより、設定したWWNが有効化され、引き続きOSインストールが開始されます。
すでにOSが起動しているサーバの場合(ストレージの設定を変更した場合)
設定したWWNをサーバ上で有効にするため、<OK>ボタンをクリックし、サーバを起動させます。
上記以外の場合は、サーバの再起動は必要ありません。次回起動時から、設定したWWNが有効になります。
<OK>ボタンをクリックします。
HBA address rename設定サービスを起動します。
HBA address renameを利用する場合は、HBA address rename設定サービスを起動している必要があります。詳細については、「6.2.2.1 HBA address rename設定サービスの設定」を参照してください。
HBA address renameは、管理対象サーバの電源投入時に、管理サーバから管理対象サーバのHBAのWWNを設定することで実現しています。このWWNは電源を切断するまで管理対象サーバ内で保持されます。
管理サーバの異常や管理LANに接続するNIC1の故障などが原因で管理サーバと管理対象サーバが通信できない場合、管理対象サーバのHBAにWWNが設定されなくなるため、停止した管理対象サーバの電源を投入しても起動できません。
本サービスを利用すると、このような場合でも管理対象サーバを起動できます。本サービスは管理サーバ以外のサーバで動作させ、管理サーバと同様に、管理対象サーバのHBAにWWNを設定します。
HBA address renameを利用する場合は、HBA address rename設定サービスを起動してください。
以下の手順で、HBA address rename設定サービスの設定を行います。
[HBA address rename設定サービス]ダイアログを表示します。
【Windows】
[スタート]-[すべてのプログラム(P)]-[Resource Coordinator VE]-[HBA address rename設定サービス]を選択します。
【Linux】
デスクトップ環境で以下のコマンドを実行してください。
# /opt/FJSVrcvhb/bin/rcxhbactl start& <RETURN> |
[HBA address rename設定サービス]ダイアログが表示されます。
[HBA address rename設定サービス]ダイアログで以下の項目を設定します。
本サービスの状態が表示されます。停止中の場合は"停止中"、動作中の場合は"動作中"と表示されます。
管理サーバのIPアドレスを入力します。
管理サーバと通信するためのポート番号を入力します。インストール時のポート番号は23461です。
管理サーバの"rcxweb"のポート番号を変更している場合は、変更した番号を指定してください。
管理サーバとの最新同期時刻が表示されます。
本サービスと管理サーバとの間で、管理対象サーバの情報を同期した最新時刻になります。
本サービスを起動する場合は、<起動>ボタンをクリックします。
本サービスを停止する場合は、<停止>ボタンをクリックします。
操作をキャンセルする場合は、<キャンセル>ボタンをクリックします。
管理サーバの電源を切断し、業務サーバが正常に起動することで、本サービスが正しく動作することを確認できます。
注意
本サービスは、常に動作させておいてください。
本サービスは、1台の管理サーバに対して1台のサーバだけで起動してください。
本サービスの起動と停止には、OSの管理者権限が必要です。
本サービスは、マネージャがインストールされたサーバでは動作しません。
【Linux】
マネージャをクラスタシステム上で運用する場合、待機系ノードで本サービスを起動できます。この場合、HBA address rename設定サービスの設定、および起動/停止はクラスタ運用側で行うため、上記の手順は必要ありません。
詳細については、「ServerView Resource Coordinator VE インストールガイド」の「付録B マネージャのクラスタ運用設定・削除」を参照してください。