Interstage Application Server/Interstage Web Server トラブルシューティング集
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第5章 Interstage運用時の異常

5.2 Interstageの起動/停止時の異常

 Interstageの起動/停止時に、異常が発生した場合の対処方法について説明します。


 Interstage起動時に異常が発生した場合には、まずOSのチューニングが正しく行われているか確認してください。詳細については、“チューニングガイド”を参照してください。

Interstage起動時の異常

 isstartコマンド(*)によるInterstageの起動処理中に異常が発生した場合、起動の完了しているサービスをすべて停止した後、起動処理を中止します。
 ただし、停止処理中に異常が発生した場合は、処理は中断されます。
 以下のいずれかに、Interstage起動に失敗した原因を示すメッセージが出力されていますので、メッセージの出力を確認し、そのメッセージに対する対処を実施してください。

 また、インタフェースリポジトリへ登録したインタフェース情報が多い場合や、CORBAサービスの動作環境ファイルであるconfigに対して“logging = yes”を定義した場合、インタフェースリポジトリやネーミングサービスの起動に時間がかかります。インタフェースリポジトリやEJB用インタフェースリポジトリおよびネーミングサービスの起動に1分以上かかった場合、Interstageの起動に失敗しますので注意してください。
 この条件にあてはまる場合には、isstartコマンド実行前に、環境変数IS_ISV_SVCCTRL_TIMERを設定してください。
 IS_ISV_SVCCTRL_TIMERには、本メッセージ出力からod20001またはod30102のメッセージが出力されるまでの秒数+90の値を設定してください。
 たとえば、is20102が、10時00分00秒に出力され、od20001またはod30102が、10時00分10秒に出力された場合、環境変数IS_ISV_SVCCTRL_TIMERには、100を設定します。

  IS_ISV_SVCCTRL_TIMER=100
  export IS_ISV_SVCCTRL_TIMER

 なお、本現象は、is20102のメッセージ出力内容により特定できます。is20102のメッセージが出力されている場合には、“メッセージ集”を参照し、原因の特定および対処を行ってください。

 (*):マシンブート時のInterstageの自動起動も含みます。

Interstage起動時にis30141のメッセージが出力される異常

 isstartコマンドの実行画面に、“Daemon start fails”のメッセージが出力されている場合は、再度、isstartコマンドを実行してください。

Interstage起動時にis30151のメッセージが出力される異常

 マルチシステム機能を使用している場合、本コマンドと同時にisdeletesysコマンドまたはiscreatesysコマンドを実行した可能性があります。その場合は、isdeletesysコマンドによりシステムを削除してください。

Interstageの起動時に時間がかかる

 Interstage シングル・サインオンにおいてSSOリポジトリにロール定義およびサイト定義を多量に登録してリポジトリサーバを運用し、かつInterstage HTTP Serverと連動設定を行っている場合、Interstageの起動に時間がかかることがあります。本現象の詳細および回避方法については、“リポジトリサーバに関するトラブル”を参照してください。

Interstage停止時の異常

 isstopコマンドで停止中に異常が発生した場合、異常の発生したサービス名を含むエラーメッセージを表示して終了します。停止時の異常の対処方法については、“メッセージ集”を参照してください。対処後、再度isstopコマンドを実行してください。

 また、動作中のCORBAのアプリケーションが多い場合などに、CORBAサービスの停止に時間がかかります。CORBAサービスの停止に1分以上かかった場合、Interstageの停止に失敗した旨を表すis20110のメッセージが出力されますので注意してください(CORBAサービスの停止処理は継続されます)。
この条件にあてはまる場合には、isstopコマンド実行前に、環境変数IS_ISV_SVCCTRL_TIMERを設定してください。IS_ISV_SVCCTRL_TIMERには、od10003のメッセージ出力からod10005のメッセージが出力されるまでの秒数+60の値を設定してください。
たとえば、od10003が、10時00分00秒に出力され、od10005が、10時02分00秒に出力された場合、環境変数IS_ISV_SVCCTRL_TIMERには、180を設定します。

  IS_ISV_SVCCTRL_TIMER=180
  export IS_ISV_SVCCTRL_TIMER

 なお、メッセージの出力結果が、以下の両方の条件を満たす場合に、上記の対処を実施してください。
 − is20110のメッセージに表示された理由コードが15である。
 − is20110のメッセージ出力後、od10005のメッセージが出力された。

Interstage停止処理が無応答

 ワークユニットを停止せずに、アプリケーションの入れ替えを行った場合、isstopコマンドでInterstageを停止しようとした時に、isstopコマンドがハングアップすることがあります。アプリケーションを入れ替える場合、必ずワークユニットの停止を行ってから入れ替える必要があります。

Interstage停止時にis30168のメッセージが出力される異常

 マルチシステム機能を使用している場合、本コマンドと同時にisdeletesysコマンドまたはiscreatesysコマンドを実行した可能性があります。その場合は、isdeletesysコマンドによりシステムを削除してください。

Interstage起動/停止時にアプリケーションポップアップが発生する場合

 isstartコマンドおよびisstopコマンドを実行時に、以下のアプリケーションポップアップが発生した場合、デスクトップヒープが使い果たされている可能性があります。本現象が発生した場合、OSが公開している情報に従ってデスクトップヒープを拡張してください。

  Apache.exe - アプリケーション エラー : 
  アプリケーションを正しく初期化できませんでした (0xc0000142)。
  [OK] をクリックしてアプリケーションを終了してください。

RCプロシジャからInterstageおよびワークユニットを起動するとコンソールログインができなくなった場合

 RCプロシジャにInterstage起動を行うスクリプトを登録して、サーバ・ブート時に起動スクリプトからInterstageを起動すると、その後コンソール端末からのログイン時に以下のメッセージが出力され、ログインできなくなることがあります。

console login: root
Warning -- ttymon cannot allocate controlling tty on "/dev/console",
           there may be another session active on this port.

 この場合、Interstage起動スクリプトに記述したInterstageの起動処理の前に、コンソールメッセージを抑止するための環境変数を設定することで、現象を回避することができます。

  IS_ISV_CONSOLE_OUTPUT=OFF


 すべてのコンソールメッセージが抑止されるわけではありません。

#!/sbin/sh
# INTERSTAGE start procedure
...

# Set Environment Variable
IS_ISV_CONSOLE_OUTPUT=OFF
export IS_ISV_CONSOLE_OUTPUT
...

# Execute Start Command
isstart
...

 上記の対処が有効となっているのを確認するためには、メッセージtd11028がシステムログ(/var/adm/messages)には出力されて、コンソールには出力されていなければ有効となっていると判断できます。


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