Interstage Application Server ディレクトリサービス運用ガイド
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第7章 エントリの管理

 エントリを管理する方法について説明します。
 エントリを管理するには、次の3つの方法があります。

 本章では、コマンドを使用する方法と、エントリ管理ツールを使用する方法について説明します。SDKを使用する方法については、“アプリケーションの作成(JNDI)”、または“アプリケーションの作成(C API)”を参照してください。

 なお、Interstage ディレクトリサービスでは、エントリに対して以下のアクセス制限が設定されています。ただし、管理者用DNは制限を受けません。また、アクセス制御の設定を変更することで、さらに詳細な設定が可能です。

○:操作可能、×:操作不可、-:該当なし

対象属性、エントリ

アクセス種別

認証されたユーザ

anonymous(匿名)ユーザ

自分のuserPassword属性

更新

-

参照

-

検索

-

比較

-

他人のuserPassword属性

更新

×

×

参照

×

×

検索

×

×

比較

×

自分のエントリ

更新

-

参照

-

検索

-

比較

-

その他の属性、および他のエントリ

更新

×

×

参照

検索

比較

userPassword属性について

 認証(BIND)要求のパラメタで指定するパスワードには、暗号化されていないテキスト形式のパスワードを指定する必要があります。

 検索条件に、userPassword属性値を指定する場合は、userPassword属性値が暗号化されていない場合にのみ検索することができます。

特殊文字を含むDNの指定につい

 コマンド、SDKで、DNに特殊文字を指定するには、その特殊文字の前に「\」(エンマーク)を置いてエスケープするか、または「"」(ダブル引用符)で囲む必要があります。
 コマンドで特殊文字を指定するときには、使用するコマンドラインに応じて、シングル引用符とダブル引用符のどちらかで囲んでください。
 エスケープが必要な特殊文字を以下に示します。

エスケープが必要な特殊文字を含むDNを指定する場合の例を以下に示します。

cn=a\b,o=Fujitsu, Inc.,c=jp

コマンドの場合

 コマンドの場合は、特殊文字をエスケープし、さらに、その特殊文字を含む属性値を引用符で囲む必要があります。
cn="a\\b",o="Fujitsu\, Inc.",c=jp

SDK(JNDI)の場合

 LDAP、JNDI、Java言語それぞれで、「\」(エンマーク(バックスラッシュ))文字を特殊文字と扱います。
String name = "cn=a\\\\\\\\b,o=Fujitsu\\\\, Inc.,c=jp";

SDK(C API)の場合

 LDAP、C言語それぞれで、「\」(エンマーク(バックスラッシュ))文字を特殊文字と扱います。
char *name = "cn=a\\\\b,o=Fujitsu\\, Inc.,c=jp";

 SDKでのエスケープ方法の詳細は、“JNDIの使用方法”-“記号、マルチバイトの扱い”、または“C APIの使用方法”-“アプリケーション作成の前に”を参照してください。

日本語を含むDN、属性値の指定につい

 コマンド、エントリ管理ツール、およびSDKでは、DNおよび属性値に日本語を含む文字列を指定することができます。

コマンドの場合

 オプションで文字コード系を指定します。
 詳細は、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“Interstage ディレクトリサービス運用コマンド”を参照してください。

エントリ管理ツールの場合

 エントリ管理ツールの[エントリ追加]および[エントリ更新]などの画面上では、入力フィールドに直接、日本語を入力します。
 [移入]、[移出]では、画面上の文字コード系を選択するボタンがあります。
 詳細は、エントリ管理ツールのヘルプを参照してください。

SDK(JNDI)の場合

 特に意識する必要はありません。

SDK(C API)の場合

 UTF-8形式に変換するための関数を使用してUTF-8形式に変換する必要があります。
 詳細は、“リファレンスマニュアル(API編)”の“Interstage ディレクトリサービスインタフェース”-“コード変換インタフェース”を参照してください。


下へ7.1 コマンドを使用する
下へ7.2 エントリ管理ツールを使用する

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