Interstage Application Server ディレクトリサービス運用ガイド
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第2章 環境構築> 2.1 リポジトリの設計> 2.1.3 格納できるデータの構造(スキーマ)

2.1.3.2 属性型定義

 属性型定義は、以下の要素から構成されます。

属性型のOID

 属性型を識別するためのOIDです。

属性型の名前

 定義する属性の名前です。

基底属性型

 その属性の定義の基底となる属性です。基底となる属性型から属性構文、照合規則を継承します。オブジェクトクラスと違って、属性型では何かを継承しなければならないという決まりはありません。

照合規

 属性に対する比較照合の際に、どのような場合に照合条件を満たすとするかを規定するものです。照合規則に何も指定されない場合には、属性に対する比較照合はできません。

同値性の照合規則

 検索などで同値性(どのような場合に等しいとみなすか)の検査を行う場合に適用される照合規則です。

名前

説明

objectIdentifierMatch

OID

distinguishedNameMatch

DN

caseIgnoreMatch

英大小文字の区別なし、スペース無視

caseExactMatch

英大小文字の区別あり、スペース無視

numericStringMatch

数値文字列

booleanMatch

真偽値

octetStringMatch

任意のオクテット文字列

telephoneNumberMatch

英大小文字の区別なし、スペース、“-”無視

caseExactIA5Match

英大小文字の区別あり、スペース無視

caseIgnoreIA5Match

英大小文字の区別なし、スペース無視

caseIgnoreListMatch

英大小文字の区別なし、スペース無視

integerMatch

数値文字列

generalizedTimeMatch

ローカル時刻、または国際標準時刻で使用できる文字列

順序性の照合規則

 検索などで大小関係の検査を行う場合に適用される照合規則です。

名前

説明

caseIgnoreOrderingMatch

英大小文字の区別なし、スペース無視

caseExactOrderingMatch

英大小文字の区別あり、スペース無視

generalizedTimeOrderingMatch

ローカル時刻、または国際標準時刻で使用できる文字列

部分文字列一致の照合規則

 検索などで部分文字列の一致(どのような場合に部分文字列を含むとみなすか)の検査を行う場合に適用される照合規則です。

名前

説明

caseIgnoreIA5SubstringsMatch

英大小文字の区別なし、先頭、末尾の空白を無視、連続する空白は、単一の空白とみなす

caseIgnoreListSubstringsMatch

英大小文字の区別なし、スペース無視

caseIgnoreSubstringsMatch

英大小文字の区別なし、スペース無視

caseExactSubstringsMatch

英大小文字の区別あり、スペース無視

numericStringSubstringsMatch

数値文字列

属性構

 属性値の形式です。

構文

指定できる値

Audio

サウンドデータが使用できます。(バイナリ型)

Binary

バイナリデータが使用できます。(バイナリ型)

Certificate

証明書データが使用できます。(バイナリ型)

Certificate List

証明書リストデータが使用できます。(バイナリ型)

Certificate Pair

証明書対データが使用できます。(バイナリ型)

Directory String

UTF-8で扱える範囲が使用できます。文字としては、Unicodeの範囲です。(文字列型)

DN

DNが使用できます。(文字列型)
 (例) cn=User001,o=fujitsu,dc=com

Facsimile Telephone Number

PrintableStringと同様の文字が使用できます。(文字列型)

Generalized Time

ローカル時刻(YYYYMMDDhhmmss.p形式、またはYYYYMMDDhhmmss.p(+|-HHMM)形式)、または国際標準時刻(YYYYMMDDhhmmss.pZ形式)が使用できます。(文字列型)

IA5 String

CCITT国際アルファベット No.5(ASCII文字相当)が使用できます。(文字列型)

INTEGER

数字が使用できます。(数値型)
 (例) 1321

JPEG

JPEGデータが使用できます。(バイナリ型)

Name And Optional UID

「<DN>#<ビット列>」の形式の文字列です。「#<ビット列>」の部分はオプションです。(文字列型)

Numeric String

数字(0から9)およびスペースが使用できます。(文字列型)
 (例) 1997

Octet String

バイト列(各バイトは、0x00〜0xFFの任意の値)が使用できます。(文字列型)

OID

OIDが使用できます。(文字列型)
 (例) 1.2.3.4

Other Mailbox

X.400とRFC822以外の電子メールボックスデータが使用できます。 形式は以下のとおりです。(文字列型)
 mailbox-type "$" mailbox
上記では、mailbox-typeはメールの種類、mailboxはメールアドレス(例:user001@interstage.fujitsu.com)です。

Postal Address

Directory Stringで扱える範囲(Unicode)が使用できます。(文字列型)
(注) 英数字のみ使用した場合、以下の形式となります。また、dstringは最大6個の組み合わせまで可能です。
 postal-address = dstring *( "$" dstring )
 dstring = 英数字30文字

Printable String

英数字文字および以下の記号が使用できます。(文字列型)

  • スペース
  • “'”(シングル引用符)
  • “(”(左カッコ)
  • “)”(右カッコ)
  • “+”(プラス)
  • “,”(カンマ)
  • “-”(マイナス)
  • “.”(ピリオド)
  • “/”(スラッシュ)
  • “:”(コロン)
  • “=”(イコール)
  • “?”(クエスチョン)

Supported Algorithm

supportAlgorithm属性の構文です。(バイナリ型)

Telephone Number

Printable Stringと同様の文字が使用できます。(文字列型)
(注) “-”(マイナス)およびスペースを使用した場合、検索時は以下の例のようになります。

 検索時にtelephoneNumber=0123456789で検索した場合
  012-345-6789
  0123456789
 両者ともヒットします。

Telex Number

テレックス番号が使用できます。形式は以下のとおりです。(文字列型)

 actual-number "$" country "$" answerback

上記では、actual-numberは暗号化されるテレックス番号の番号部を構文的に表示したもので、countryはテレックスの国コード、answerbackはテレックスターミナルの返信コードです。

シングルフラ

 属性値を1つまたは複数を設定できるかどうかを表します。
 たとえば、電話番号は複数の属性値を使用することがありますが、従業員番号は複数の属性値を使用すると差し支えがあります。このような場合に、シングルフラグを真にします。

 Interstage ディレクトリサービスで使用できる属性型定義、属性構文定義、および、照合規則定義については、“属性一覧”を参照してください。


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