Interstage Application Server リファレンスマニュアル(コマンド編)
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第3部 J2EE編> 第12章 J2EE運用コマンド> 12.8 isj2eeadmin

12.8.5 互換オプションについて

 本製品の以前のバージョン・レベルで抽出した定義ファイルを利用して、定義を新規追加する場合、互換オプションを使用することができます。

■互換オプションの指定方法

 以下のいずれかの方法で指定します。

 互換オプションの優先順位を以下に示します。

  1. IJServer定義ファイルのVersionタグの値
  2. コマンドオプションの互換オプション指定値
  3. 外部定義ファイル(isj2eeadmin.conf)の互換オプション指定値

■互換オプションの機能

◆デフォルト値の切り替え

 IJServer、J2EEリソース、Webサーバコネクタの新規追加の際に、互換オプションを指定すると、互換オプションで指定したバージョン・レベルのデフォルト値が有効になります。

 本製品の以前のバージョン・レベルで抽出した定義ファイルを利用する場合、以前のバージョン・レベルからの既存の定義項目については、定義ファイルの抽出時に値が設定されていますので、本バージョン・レベルでも同等の動作となります。
 しかし、本バージョン・レベルで追加された定義項目については、値が設定されていないため、以前のバージョン・レベルと動作が異なることがあります。
 互換オプションを指定した場合は、本バージョン・レベルで追加された定義項目についても、以前のバージョン・レベルと同等の動作とすることができます。

 本バージョン・レベルで追加され、かつ、デフォルト値が以前のバージョン・レベルの動作と異なるタグは以下です。
 互換オプションを指定した場合は、以下のタグのデフォルト値が以前のバージョン・レベルの動作と同等になるように設定されます。

IJServer定義ファイル

タグ名

意味

V9.0の
デフォルト値

8.0の動作

<Version>

IJServerバージョン

9.0

8.0

リソース定義ファイル

タグ名

意味

V9.0の
デフォルト値

8.0の動作

<Jdbc>
 <Symfoware>
  <DatasourceKind>

Symfoware用JDBCドライバのデータソース種別

ConnectionPoolDataSource

DataSource

<Jdbc>
 <Oracle>
  <FileSystemServiceProvider>

File System Service Providerを使用するかどうか

NO

YES

<Jdbc>
 <Sqlserver>
  <DatasourceKind>

SQL Server用JDBCドライバのデータソース種別

2005

2000

<Jdbc>
 <Sqlserver>
  <FileSystemServiceProvider>

File System Service Providerを使用するかどうか

NO

YES

<Jdbc>
 <Postgresql>
  <FileSystemServiceProvider>

File System Service Providerを使用するかどうか

NO

YES

Webサーバコネクタ定義ファイル

タグ名

意味

V9.0の
デフォルト値

8.0の動作

<WebServer>
 <Name>

Webサーバ名

なし (注)

FJapache

注) V9.0ではデフォルト値が無いため、タグを省略できません。

◆V8.0互換モードのIJServer

 Versionタグの値に“8.0”が指定された場合、もしくは、互換オプションで“8.0”が有効になった場合、V8.0互換モードのIJServerが作成されます。
 V8.0互換モードのIJServerでは、一部を除き、V9.0で追加された機能に関連するタグは無効となります。また、V9.0で設定方法が変更になったため、V8.0互換モードのIJServerでのみ有効となるタグもあります。
 V9.0のIJServerとV8.0互換モードのIJServerの機能差異により、サポート状況が異なるタグを以下に示します。

タグ名

意味

V9.0のIJServer

V8.0互換モードのIJServer

<ClassLoader>
 <Trace>

クラスローダのトレース情報を出力するかどうか

無効 (注1)

有効

<ClassLoader>
 <Reload>

クラスのオートリロード機能

有効

無効

<Web>
 <Connection>
  <MaxConnection>

Servletコンテナの最大接続数

有効

無効

<Web>
 <ThreadConcurrency>
 <MinSpareThreads>

Servletコンテナ同時処理数の初期値

有効

無効

<Web>
 <ThreadConcurrency>
 <MaxSpareThreads>

Servletコンテナ同時処理数の待機中の最大値

有効

無効

<Web>
 <URIEncoding>

リクエストURIのエンコーディング

有効

無効

<Web>
 <UseBodyEncodingForURI>

リクエストボディ処理のエンコーディングをクエリパラメタに使用するかどうか

有効

無効

<Web>
 <FileEncoding>

静的リソースにディスパッチする際のエンコーディング

有効

無効

<Web>
 <JSPReload>

JSPのリロード方法

有効

無効

<Web>
 <Www>
  <VirtualHost>

要求を受け付けるバーチャルホスト

無効 (注2)

有効

<Web>
 <Www>
  <WebServers>

IJServerと連携するWebサーバ

有効

無効

<Web>
 <Www>
 <Timeout>

WebサーバコネクタがServletコンテナとの間でデータパケットを送受信するときに待機する最長の時間

有効

無効

<Web>
 <Www>
 <AllowedMaxConnections>

Servletコンテナひとつあたりの最大接続数

有効

無効

<Web>
 <Www>
  <ClientAuthorization>

接続先コネクタの制限

無効 (注3)

有効

<Web>
 <Www>
  <AllowedClientCertlist>

接続を許可するWebサーバコネクタの証明書

無効 (注3)

有効

<Datasources>
 <Datasource>
 <StatementCacheSize>

SQL文のキャッシュサイズ

有効

無効

<Datasources>
 <Datasource>
 <AutoCloseStatement>

ステートメントのクローズをJDBCドライバが自動的に行うかどうか

有効

無効

<Datasources>
 <Datasource>
 <ConnectionUseTimeout>

アプリケーションが使用するコネクションの監視

有効

無効

<Datasources>
 <Datasource>
  <SqlWaitTimeout>

SQL文実行の時間監視

有効

無効

注1) この項目はV9.0のIJServerより設定方法が変更になりました。V9.0のIJServerでの設定方法については、“移行ガイド”の“IJServerの移行について”の“クラスローダのトレース機能”を参照してください。
注2) この項目はV9.0のIJServerより定義位置が変更されました。V9.0のIJServerでの定義位置については、“IJServer定義ファイル”の“<IJServer><Web><Www>タグ”の“WebServer”の<VirtualHost>タグを参照してください。
注3) この項目はV9.0のIJServerより設定方法が変更になりました。V9.0のIJServerでの設定方法については、“移行ガイド”の“Servletサービス(Tomcat 5.5ベースのサーブレット実行環境)への移行”の“接続先コネクタの制限”を参照してください。

 V8.0互換モードのIJServerについては、“J2EE ユーザーズガイド”の“J2EEアプリケーションが運用される環境(IJServer)”の“V8.0互換モードのIJServer”を参照してください。

◆IJServerとJDKの組み合わせ

 IJServerのバージョンにより、使用できるJDKのバージョンが決まります。
 IJServerとJDKの組み合わせを以下に示します。

IJServerのバージョン

JDK5.0

JDK1.4

V9.0のIJServer

×

V8.0互換モードのIJServer

×

 指定できない組み合わせの場合は、エラーが出力されます。
 たとえば、IJSever定義ファイルで、<Version>タグの値を8.0とし、<Common><JavaVersion>タグの値を5.0としてIJServerの作成を行った場合、コマンド実行時にエラーが発生し、IJServerの作成に失敗します。


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