バックアップ管理の環境定義系コマンドについて説明します。
名前
swstsvrset - Storageサーバ構成情報の設定
形式
/opt/FJSVswsts/bin/swstsvrset
/opt/FJSVswsts/bin/swstsvrset [-h Server-Name]
機能説明
Storageサーバの構成情報を設定します。
本コマンドを実施することで、コマンドを実施したStorageサーバが、バックアップ運用を行うサーバである旨の宣言をします。
オプション
バックアップ運用を行うStorageサーバ名を指定します。
本オプションはStorage管理サーバでのみ有効です。
省略した場合は、コマンドを投入したStorageサーバが処理対象となります。
終了ステータス
=0:正常終了
>0:異常終了
使用例
Storageサーバの構成情報を設定します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstsvrset swstsvrset completed #
Storage管理サーバからStorageサーバ(job1)の構成情報を設定します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstsvrset -h job1 swstsvrset completed #
注意事項
次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。
名前
swstsvrdisp - Storageサーバ構成情報の表示
形式
/opt/FJSVswsts/bin/swstsvrdisp
/opt/FJSVswsts/bin/swstsvrdisp [-h Server-Name]
機能説明
swstsvrset(Storageサーバ構成情報設定コマンド)で設定したStorageサーバ構成情報を表示します。
表示される情報は以下のとおりです。
タイトル | 説明 |
---|---|
Storage-Server | Storageサーバ名を表示します。 |
オプション
Storageサーバ名を指定します。
本オプションはStorage管理サーバでのみ有効です。
終了ステータス
=0:正常終了
>0:異常終了
使用例
Storageサーバ(job1)の構成情報を表示します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstsvrdisp Storage-Server = job1 #
名前
swstdevinfoset - 業務ボリューム、またはバックアップボリュームの設定
形式
/opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t | -b | -o Device-Name
/opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset [-h Server-Name] -t | -b | -o Device-Name
機能説明
ETERNUS ディスクアレイに割り当てられたボリュームを、業務ボリューム、またはバックアップボリュームとして設定します。
業務ボリュームとは、バックアップ元となる業務データが格納されたボリュームのことを表します。
バックアップボリュームとは、その業務データのバックアップを保管するボリュームのことを表します。
オプション
Storageサーバ名を指定します。
本オプションはStorage管理サーバでのみ有効です。
指定したデバイスを業務ボリュームとして登録します。
-b、-oオプションと同時に指定することはできません。
指定したデバイスをバックアップボリュームとして登録します。
-t、-oオプションと同時に指定することはできません。
指定したデバイスが業務ボリューム、もしくはバックアップボリュームとして登録されていた場合、それらを登録から削除します。
-t、-bオプションと同時に指定することはできません。
オペランド
ブロックデバイス名を指定します。
終了ステータス
=0:正常終了
>0:異常終了
使用例
デバイスを業務ボリュームとして設定します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/dsk/c1t0d0 swstdevinfoset completed #
デバイスをバックアップボリュームとして設定します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/dsk/c1t0d2 swstdevinfoset completed #
業務ボリュームとして設定したデバイスを設定から削除します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -o /dev/dsk/c1t0d0 swstdevinfoset completed #
注意事項
次のような場合は、業務ボリュームとして設定することができません。
同じ筐体情報(筐体識別子、OLU、EXTENT開始位置、EXTENTサイズ)のデバイスが既に業務ボリュームとして設定されているとき。
設定しようとしているデバイスの領域が、既に設定されている業務ボリューム、またはバックアップボリュームの領域と重複しているとき。
次のような場合は、バックアップボリュームとして設定することができません。
同じ筐体情報(筐体識別子、OLU、EXTENT開始位置、EXTENTサイズ)のデバイスが既にバックアップボリュームとして設定されているとき。
設定しようとしているデバイスの領域が、既に設定されている業務ボリューム、またはバックアップボリュームの領域と重複しているとき。
設定しようとしているデバイスがマウントされているとき。ただし、ボリュームグループをバックアップボリュームとして設定する場合は、ボリュームグループ内の論理ボリュームがマウントされているかどうかの確認は実施されません。ボリュームグループをバックアップボリュームに設定する際は、あらかじめ論理ボリュームをアンマウント状態にしてください。
設定しようとしているデバイスが、レプリケーション管理の複製先ボリュームとして登録されているとき。
設定しようとしているデバイスが、レプリケーション管理の双方向コピー可能な複製ボリューム情報の複製元ボリュームとして登録されているとき。
次の変更を行うには、関連するバックアップ履歴情報を削除してからでないと実施できません。
バックアップボリュームから業務ボリュームに変更する場合
バックアップボリュームの設定を解除する場合
次の変更を行うには、業務ボリュームに設定されているバックアップポリシーを削除してからでないと実施できません。
業務ボリュームからバックアップボリュームに変更する場合
業務ボリュームの設定を解除する場合
業務ボリュームにボリュームグループを使用する場合は、次のような注意事項があります。
1つのボリュームグループに複数の物理ディスクを登録しないでください。
1つの論理ディスクが複数の物理ディスクから構成されないように論理ディスクを作成してください。
ボリュームグループが非アクティブ状態であったときは、業務ボリュームに設定できません。
バックアップボリュームにボリュームグループを使用する場合は、次のような注意事項があります。
1つのボリュームグループに複数の物理ディスクを登録しないでください。
1つの論理ディスクが複数の物理ディスクから構成されないように論理ディスクを作成してください。
業務ボリュームと同じ物理サイズである必要があります。ボリュームグループの場合はさらに業務ボリュームとは異なるボリュームグループでかつ同じ構成の論理ディスクとする必要があります。
ボリュームグループが非アクティブ状態であったときは、バックアップボリュームに設定できません。
業務ボリュームまたはバックアップボリュームの構成変更を行うには、業務ボリュームまたはバックアップボリュームの設定を削除して再登録してください。
次の変更を行うには、関連する同期処理(ECセション)をキャンセルしてからでないと実施できません。
サスペンド中の業務ボリュームの設定を変更する場合
サスペンド中のバックアップボリュームの設定を変更する場合
次の変更を行うには、関連するトラッキング処理(OPCセション)をキャンセルしてからでないと実施できません。
トラッキング中の業務ボリュームの設定を変更する場合
トラッキング中のバックアップボリュームの設定を変更する場合
次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。
名前
swstdevdisp - デバイス情報の表示
形式
/opt/FJSVswsts/bin/swstdevdisp [-t] [-b[-u]] [-o] [Device-Name]
/opt/FJSVswsts/bin/swstdevdisp [-h Server-Name] [-t] [-b[-u]] [-o] [Device-Name]
機能説明
swstdevinfoset(デバイス情報設定コマンド)で設定した業務ボリューム、バックアップボリュームおよびそれ以外の設定可能なデバイスの情報を表示します。
表示される情報は以下のとおりです。
タイトル | 説明 |
---|---|
Server | Storageサーバ名を表示します。 |
Device | デバイス名を表示します。 |
Size | デバイスに割り当てられたパーティションサイズを表示します。 ボリュームグループの場合も論理ディスクを構成する物理ディスクサイズが表示されます。 |
Device-Mode | デバイスを区別する文字列を表示します。 "Transaction":業務ボリュームを表します。 バックアップボリュームの場合、そのバックアップボリュームが使用中の場合は、"Backup (used)" と表示します。未使用の場合は、"Backup (free)" と表示します。サスペンド指定バックアップあるいは差分スナップショット型バックアップを実行した場合は、履歴削除後もバックアップボリュームは使用中となります。 -uオプションが指定されている場合、履歴削除されたサスペンド状態のバックアップボリュームは"Backup(used-S)"と表示し、履歴削除されたトラッキング状態のバックアップボリュームは"Backup(used-T)"と表示します。 |
Mount-Point (Method) | Deviceのマウントポイント名を表示し、括弧内にそのマウントポイントのファイルシステムタイプを表示します。 |
Backup-Engine | 運用種別を表示します。 “AdvancedCopy”:AdvancedCopy Managerによるバックアップ運用 |
オプション
Storageサーバ名を指定します。
Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。
業務ボリュームとして設定されているデバイスの情報を表示します。
オペランドのデバイス名が省略された場合、全業務ボリュームのデバイス情報を表示します。
バックアップボリュームとして設定されているデバイスを表示します。
オペランドのデバイス名が省略された場合、全バックアップボリュームのデバイス情報を表示します。
Device-Mode欄の表示形式を変更します。
業務ボリュームとバックアップボリュームに設定されているデバイス以外を表示します。
オペランドのデバイス名が省略された場合、業務ボリュームにもバックアップボリュームにも設定されていない全デバイス情報を表示します。
t、b、oのすべてのオプションが省略された場合は、業務ボリュームとして設定されているデバイスの情報を表示します。
オペランド
ブロックデバイス名を指定します。
省略した場合、オプションも省略されていれば、全業務ボリュームのデバイス情報を表示します。
終了ステータス
=0:正常終了
>0:異常終了
使用例
設定されたデバイスの使用状況を表示します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevdisp -t -b Server Device Size Device-Mode Mount-Point (Method) Backup-Engine job2 /dev/dsk/c1t0d0 1.0 Gbyte Transaction /mnt/tran1 (vxfs) AdvancedCopy job2 /dev/vg01 2.0 Gbyte Transaction ---- (----) AdvancedCopy job2 /dev/dsk/c1t0d2 1.0 Gbyte Backup (used) ---- (----) AdvancedCopy job2 /dev/dsk/c1t0d3 1.0 Gbyte Backup (free) ---- (----) AdvancedCopy job2 /dev/vg02 2.0 Gbyte Backup (free) ---- (----) AdvancedCopy job2 /dev/dsk/c1t0d7 1.0 Gbyte Backup (free) ---- (----) AdvancedCopy : #
名前
swstbkpolset - バックアップポリシーの設定
形式
/opt/FJSVswsts/bin/swstbkpolset [-i Interval-Days] [-s Save-Number][Device-Name]
/opt/FJSVswsts/bin/swstbkpolset [-h Server-Name][-i Interval-Days] [-s Save-Number] [Device-Name]
機能説明
保存世代数、間隔日数などのバックアップポリシーを設定します。
保存世代数とは、バックアップを行ったデータを何世代残しておくかを意味します。間隔日数とは、バックアップを実行してから次のバックアップを行うまでの日数の目安を意味します。
オプション
Storageサーバ名を指定します。
Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。
間隔日数を指定します。
設定できる範囲は1~366までで、初回登録時に省略した場合は30を設定します。
更新時に省略した場合は、既に設定してある値をそのまま引き継ぎます。
保存世代数を指定します。
設定できる範囲は1~31までで、初回登録時に省略した場合は2を設定します。
更新時に省略した場合は既に設定してある値をそのまま引き継ぎます。
オペランド
ブロックデバイス名を指定します。
省略した場合は、すべての業務ボリュームに対してバックアップポリシーを設定します。
終了ステータス
=0:正常終了
>0:異常終了
使用例
保存世代数を3世代でバックアップポリシーを設定します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstbkpolset -s 3 /dev/dsk/c1t0d0 /dev/dsk/c1t0d0 swstbkpolset completed #
注意事項
間隔日数を指定しても、AdvancedCopy Managerは自動的にバックアップを取得することは行いません。
設定の際には、指定されたバックアップポリシーに従って運用するために必要な数のバックアップボリュームが設定されている必要があります。通常業務ボリュームのバックアップ運用を行う場合のバックアップボリュームの数については、「4.2.4 バックアップボリュームの準備」を参照してください。
保存世代数の変更は、「その時点での履歴情報数」≦「設定する保存世代数」であれば実行可能です。
次のような場合、バックアップポリシーを設定することができません。
指定された保存世代数分のバックアップボリュームが存在しないとき。
保存世代数の指定できる範囲を超えてオプションを指定したとき。
間隔日数の指定できる範囲を超えてオプションを指定したとき。
処理対象となる業務ボリュームがレプリケーション管理機能またはテープバックアップ機能によって使用されているとき。
指定したデバイスがLU(ディスク)単位であるとき。
次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。
名前
swstbkpoldisp - バックアップポリシーの表示
形式
/opt/FJSVswsts/bin/swstbkpoldisp [Device-Name]
/opt/FJSVswsts/bin/swstbkpoldisp [-h Server-Name] [Device-Name]
機能説明
業務ボリュームごとに設定されているバックアップポリシーを表示します。
表示される情報は以下のとおりです。
タイトル | 説明 |
---|---|
Server | Storageサーバ名を表示します。 |
Device | デバイス名を表示します。 |
Interval-Days | 間隔日数を表示します。 |
Save-Number | 保存世代数を表示します。 |
Mount-Point (Method) | Deviceのマウントポイント名を表示し、括弧内にそのマウントポイントのファイルシステムタイプを表示します。 |
オプション
Storageサーバ名を指定します。
Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。
オペランド
ブロックデバイス名を指定します。
省略された場合は、バックアップポリシーが登録されている業務ボリュームのバックアップポリシーを表示します。
終了ステータス
=0:正常終了
>0:異常終了
使用例
業務ボリュームのバックアップポリシーを表示します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstbkpoldisp /dev/dsk/c1t0d0 Server Device Interval-Days Save-Number Mount-Point (Method) job2 /dev/dsk/c1t0d0 30 3 /mnt/tran1 (vxfs) #
名前
swstbkpoldel - バックアップポリシーの削除
形式
/opt/FJSVswsts/bin/swstbkpoldel Device-Name
/opt/FJSVswsts/bin/swstbkpoldel [-h Server-Name] Device-Name
機能説明
設定されているバックアップポリシーを削除します。
削除する業務ボリュームにバックアップ履歴情報が存在する場合は、バックアップ履歴情報を削除した後、本コマンドを実行してください。
オプション
Storageサーバ名を指定します。
Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。
オペランド
ブロックデバイス名を指定します。
終了ステータス
=0:正常終了
>0:異常終了
使用例
業務ボリュームに設定されているバックアップポリシーを削除します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstbkpoldel /dev/dsk/c1t0d0 /dev/dsk/c1t0d0 swstbkpoldel completed #
注意事項
次のような場合、バックアップポリシーを削除できません。
削除する業務ボリュームにバックアップ履歴情報が存在するとき。
削除する業務ボリュームがバックアップ同期処理を開始しているとき。
処理対象となる業務ボリュームがレプリケーション管理機能またはテープバックアップ機能によって使用されているとき。
次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。