ログファイルに採取した性能情報の分析方法について説明します。
出力情報
モニタ情報ログファイルは、以下のようにCSV形式(カンマ区切りで並べた形式)で出力されます。
D1,D2,D3,D4,D5,・・・
性能情報の項目内容
IJServer(J2EE)におけるモニタロギング機能では、データ採取区間内での集計データ(データ採取時間帯での最大値など)を採取していました。
IJServerクラスタで使用できるモニタロギングでは、IJServerクラスタ起動時からのデータだけ出力します。
性能情報中の日時情報は、以下の値が「DD/MM/YYYY hh:mm:ss.SSS」のフォーマットで出力されます。
DD | 日を2桁の数字(01~31)で表示します。 |
MM | 月を2桁の数字(01~12)で表示します。 |
YYYY | 年を4桁の数字(0000~9999)で表示します。 |
hh | 時を2桁の数字(00~23)で表示します。 |
mm | 分を2桁の数字(00~59)で表示します。 |
ss | 秒を2桁の数字(00~59)で表示します。 |
SSS | ミリ秒を3桁の数字(000~999)で表示します。 |
例
24/06/2006 01:00:00.200
性能情報中の「ミリ秒」単位は、以下の値が「h:mm:ss.SSS」のフォーマットで出力されます。
h | 時を可変桁の数字(0~)で表示します。値が0の場合は「0」と表示します。 |
mm | 分を2桁の数字(00~59)で表示します。 |
ss | 秒を2桁の数字(00~59)で表示します。 |
SSS | ミリ秒を3桁の数字(000~999)で表示します。 |
例
0:00:00.200
性能情報として出力される項目について説明します。各表の項番に書かれているD1、D2、・・・は、CSV形式で出力されるD1、D2、・・・に対応しています。
なお、先頭の出力項目は、必ず当該レコードの性能情報を採取した日時となります。
性能情報を出力するには、asadminコマンドのsetサブコマンドでconfigs.config.monitoring-serviceの定義項目に、出力する情報の監視レベルを指定する必要があります。各表の監視レベルは、指定した監視レベルによって出力される情報です。監視レベルがHIGHの項目(薄い緑色の行)は、指定された監視レベルがHIGHの場合だけ出力される項目です。それ以外は指定された監視レベルにかかわらず出力される項目です。
性能情報一覧
性能情報の説明
1) Java VM情報
アプリケーションを運用しているJava VMの性能情報です。
項番 | 項目の内容 | 採取条件 |
---|---|---|
D1 | 当該レコードの性能情報を採取した日時 | |
D2 | Java VM起動時間(単位:ミリ秒) | |
D3 | Java VMヒープサイズの下限値(単位:バイト) | |
D4 | Java VMヒープサイズの上限値(単位:バイト) (注) | |
D5 | Java VMヒープサイズの最小値(単位:バイト) | |
D6 | Java VMヒープサイズの最大値(単位:バイト) (注) | |
D7 | Java VMヒープサイズの現在値(単位:バイト) |
注):Java VMヒープサイズの上限値は動的に増減するため、Java VMヒープサイズの上限値をJava VMヒープサイズの最大値が上回る場合があります。
2) HTTP接続キュー情報
HTTPの接続キューの性能情報です。
項番 | 項目の内容 | 採取条件 |
---|---|---|
D1 | 当該レコードの性能情報を採取した日時 | |
D2 | キューがいっぱいになったためにHTTPリクエストを格納できなかった回数 | |
D3 | キュー内に現在存在しているHTTPリクエストの数 | |
D4 | キュー内HTTPリクエスト数の過去15分間における平均値 | |
D5 | キュー内HTTPリクエスト数の過去1分間における平均値 | |
D6 | キュー内HTTPリクエスト数の過去5分間における平均値 | |
D7 | 受け付けられたHTTPリクエストの合計数 | |
D8 | キューに格納されたHTTPリクエストの合計数 | |
D9 | キューのID | |
D10 | キューの最大サイズ | |
D11 | キュー内に同時に存在していたHTTPリクエストの最大数 |
3) HTTPリスナー情報
HTTPリスナーの性能情報です。
項番 | 項目の内容 | 採取条件 |
---|---|---|
D1 | 当該レコードの性能情報を採取した日時 | |
D2 | 各要求プロセッサが受信したバイトの累計値(単位:バイト) | |
D3 | 各要求プロセッサが送信したバイトの累計値(単位:バイト) | |
D4 | 使用しません | |
D5 | 使用しません | |
D6 | 使用しません | |
D7 | 使用しません | |
D8 | 使用しません | |
D9 | 使用しません | |
D10 | 使用しません | |
D11 | 使用しません | |
D12 | 使用しません | |
D13 | 使用しません | |
D14 | 使用しません | |
D15 | 使用しません | |
D16 | 現在HTTPリスナーが受け付けているHTTPリクエストの数 | |
D17 | その他の応答コードを含む応答の合計数 | |
D18 | HTTPリスナー内に現在存在している要求処理スレッドの数 | |
D19 | 現在使用されている要求処理スレッドの数 | |
D20 | エラー回数の累計値 | |
D21 | HTTPリスナーが同時に受け付けることの出来るHTTPリクエストの最大数 | |
D22 | 存在可能な未使用要求処理スレッドの最大数 | |
D23 | リスナーが作成する要求処理スレッドの最大数 | |
D24 | スレッド処理時間の最大値(単位:ミリ秒) | |
D25 | 存在可能な未使用要求処理スレッドの最小数 | |
D26 | 各要求の処理に要した時間の累計値(単位:ミリ秒) | |
D27 | その時点までに処理された要求の合計数 |
要求処理スレッドの平均処理時間の求め方
D26(各要求の処理に要した時間の累計値) ÷ D27(その時点までに処理された要求の合計数)
4) IIOPコネクション情報
ORBへの接続の性能情報です。
項番 | 項目の内容 | 採取条件 |
---|---|---|
D1 | 当該レコードの性能情報を採取した日時 | |
D2 | ORBへの接続のうち、アイドル状態の接続の合計数 | |
D3 | ORBへの接続のうち、使用中の接続の合計数 | |
D4 | ORBへの接続の下限数 | |
D5 | ORBへの接続の上限数 | |
D6 | ORBへの接続の最小数 | |
D7 | ORBへの接続の最大数 | |
D8 | ORBへの接続の合計数 |
5) スレッドプール情報
EJBコンテナのスレッドプール(※)に対する性能情報です。スレッドプールごとに情報を出力します。
スレッドプール追加時、モニタ情報を有効にするにはIJServerクラスタの再起動が必要です。
※:主にEJBコンテナがスレッド制御を行うアクセスパターンで呼出しが行われた場合に使用されます。
EJBコンテナのスレッドプールについての詳細については「7.7.1 スレッドプーリング」を参照してください。
項番 | 項目の内容 | 採取条件 |
---|---|---|
D1 | 当該レコードの性能情報を採取した日時 | |
D2 | スレッドプール名 | |
D3 | キュー内の要求が処理されるまで待っていた最小待ち時間(単位:ミリ秒) | |
D4 | キュー内の要求が処理されるまで待っていた最大待ち時間(単位:ミリ秒) | |
D5 | キュー内の要求が処理されるまでの平均待ち時間(単位:ミリ秒) | |
D6 | 1つの作業の平均完了時間の最短時間(単位:ミリ秒) | |
D7 | 1つの作業の平均完了時間の最長時間(単位:ミリ秒) | |
D8 | 1つの作業の平均完了時間(単位:ミリ秒) | |
D9 | 要求処理スレッドの下限数 | |
D10 | 要求処理スレッドの上限数 | |
D11 | 要求処理スレッドの最小数 | |
D12 | 要求処理スレッドの最大数 | |
D13 | 要求処理スレッドの現在数 | |
D14 | 利用可能なスレッドの数 | |
D15 | 作業中状態のスレッドの数 | |
D16 | その時点までに作業キューに追加された作業項目の合計数 なお、1つの要求を実行するために、1つ以上の作業項目が作業キューに追加されます。 |
6) Stateless Session Bean情報
Stateless Session Beanの性能情報です。Beanごとに情報を出力します。
指定したIJServerクラスタにユーザがStateless Session Beanを配備していない場合でも、システムが利用するアプリケーションである「MEjbApp」の情報が出力されます。
HotDeployしたアプリケーションの情報は、次回の採取タイミングから反映されます。
初期化に失敗したアプリケーションの情報は出力されません。
項番 | 項目の内容 | 採取条件 |
---|---|---|
D1 | 当該レコードの性能情報を採取した日時 | |
D2 | Application名 | |
D3 | EJBモジュール名 | |
D4 | Stateless Session Bean名 | |
D5 | プール内のインスタンスの最小数 | |
D6 | プール内のインスタンスの最大数 | |
D7 | プール内のインスタンスの現在数 | |
D8 | EJBのcreateメソッドが呼び出された回数 | |
D9 | EJBのremoveメソッドが呼び出された回数 |
7) Stateful Session Bean情報
Stateful Session Beanの性能情報です。Beanごとに情報を出力します。
指定したIJServerクラスタにStateful Session Beanがひとつも配備されていない場合は情報が出力されません。
HotDeployしたアプリケーションの情報は、次回の採取タイミングから反映されます。
初期化に失敗したアプリケーションの情報は出力されません。
項番 | 項目の内容 | 採取条件 |
---|---|---|
D1 | 当該レコードの性能情報を採取した日時 | |
D2 | Application名 | |
D3 | EJBモジュール名 | |
D4 | Stateful Session Bean名 | |
D5 | Passivateされたインスタンス数の最小値 | |
D6 | Passivateされたインスタンス数の最大値 | |
D7 | Passivateされたインスタンス数 | |
D8 | キャッシュ内のアイドル状態となっているBeanインスタンスの最小数 | |
D9 | キャッシュ内のアイドル状態となっているBeanインスタンスの最大数 | |
D10 | キャッシュ内のアイドル状態となっているBeanインスタンスの現在数 | |
D11 | EJBのcreateメソッドが呼び出された回数 | |
D12 | EJBのremoveメソッドが呼び出された回数 |
8) Message-driven Bean情報
Message-driven Beanの性能情報です。Beanごとに情報を出力します。
指定したIJServerクラスタにMessage-driven Beanがひとつも配備されていない場合は情報が出力されません。
HotDeployしたアプリケーションの情報は、次回の採取タイミングから反映されます。
初期化に失敗したアプリケーションの情報は出力されません。
項番 | 項目の内容 | 採取条件 |
---|---|---|
D1 | 当該レコードの性能情報を採取した日時 | |
D2 | Application名 | |
D3 | EJBモジュール名 | |
D4 | Message-driven Bean名 | |
D5 | Message-driven Beanに対して受信されたメッセージ数 | |
D6 | Message-driven Beanのcreateメソッドが呼び出された回数 | |
D7 | Message-driven Beanのremoveメソッドが呼び出された回数 |
9) Entity Bean情報
Entity Beanの性能情報です。Beanごとに情報を出力します。
指定したIJServerクラスタにEntity Beanがひとつも配備されていない場合は情報が出力されません。
HotDeployしたアプリケーションの情報は、次回の採取タイミングから反映されます。
初期化に失敗したアプリケーションの情報は出力されません。
項番 | 項目の内容 | 採取条件 |
---|---|---|
D1 | 当該レコードの性能情報を採取した日時 | |
D2 | Application名 | |
D3 | EJBモジュール名 | |
D4 | Entity Bean名 | |
D5 | プール内のインスタンスの最小数 | |
D6 | プール内のインスタンスの最大数 | |
D7 | プール内のインスタンスの現在数 | |
D8 | キャッシュ内のアイドル状態となっているBeanインスタンスの最小数 | |
D9 | キャッシュ内のアイドル状態となっているBeanインスタンスの最大数 | |
D10 | キャッシュ内のアイドル状態となっているBeanインスタンスの現在数 |
注) 以下のシステムが利用するアプリケーションの性能情報が出力されます。
__ejb_container_timer_app
10) JDBC接続プール情報
JDBC接続プールの性能情報です。接続プールごとに情報を出力します。
指定したIJServerクラスタに関連付けられたJDBCリソースがひとつもない場合は情報が出力されません。なお、関連付けを行った後は情報が出力されます。
背景色が薄い緑色の行は、監視レベルがHIGHの項目です。
項番 | 項目の内容 | 採取条件 |
---|---|---|
D1 | 当該レコードの性能情報を採取した日時 | |
D2 | JDBC接続プール名 | |
D3 | 接続要求の平均待機時間(単位:ミリ秒) (注) | |
D4 | 接続要求の最短待機時間(単位:ミリ秒) (注) | |
D5 | 接続要求の最長待機時間(単位:ミリ秒) (注) | |
D6 | 最近受け付けた接続要求の待機時間(単位:ミリ秒) (注) | |
D7 | プールから獲得した論理接続数 (注) | |
D8 | 作成された物理接続数 | |
D9 | 破棄された物理接続数 | |
D10 | 検証に失敗した物理接続数 (注) |
|
D11 | 使用されていない物理接続の最小数 | |
D12 | 使用されていない物理接続の最大数 | |
D13 | 使用されていない物理接続の現在数 | |
D14 | 認証情報のマッチングに失敗した物理接続数 (注) | 接続のマッチングに失敗した時 |
D15 | プールに戻された論理接続数 (注) | |
D16 | 認証情報のマッチングに成功した物理接続数 (注) | 接続のマッチングに成功した時 |
D17 | タイムアウトになった物理接続数 (注) | 接続要求のタイムアウト発生時(最大待ち時間 > 0) |
D18 | 使用中の物理接続の最小数 | |
D19 | 使用中の物理接続の最大数 | |
D20 | 使用中の物理接続の現在数 | |
D21 | 待機しているキュー内の接続要求の数 | プール内の接続数が最大値に達し、全接続が使用中の時 |
D22 | 採取対象外の項目です。 (注) |
注):この項目は、監視レベルをHIGHに設定した場合のみ出力されます。
11) トランザクション情報
トランザクションの性能情報です。
項番 | 項目の内容 | 採取条件 |
---|---|---|
D1 | 当該レコードの性能情報を採取した日時 | |
D2 | ロールバックされたトランザクションの数 | |
D3 | コミットされたトランザクションの数 | |
D4 | アクティブなトランザクションの数 |
12) JMS/コネクタ接続プール情報
JMS接続ファクトリ、またはコネクタ接続プールの性能情報です。プールごとに情報を出力します。
コネクタ接続プールの場合、指定したIJServerクラスタに関連付けられたコネクタリソースがひとつもない場合は情報が出力されません。なお、関連付けを行った後は情報が出力されます。
背景色が薄い緑色の行は、監視レベルがHIGHの項目です。
項番 | 項目の内容 | 採取条件 |
---|---|---|
D1 | 当該レコードの性能情報を採取した日時 | |
D2 | コネクタ接続プール名 | |
D3 | 接続要求の平均待機時間(単位:ミリ秒) (注) | |
D4 | 接続要求の最短待機時間(単位:ミリ秒) (注) | |
D5 | 接続要求の最長待機時間(単位:ミリ秒) (注) | |
D6 | 最近受け付けた接続要求の待機時間(単位:ミリ秒) (注) | |
D7 | プールから獲得した論理接続数 (注) | |
D8 | 作成された物理接続数 | |
D9 | 破棄された物理接続数 | |
D10 | 検証に失敗した物理接続数 (注) |
|
D11 | 使用されていない物理接続の最小数 | |
D12 | 使用されていない物理接続の最大数 | |
D13 | 使用されていない物理接続の現在数 | |
D14 | 認証情報のマッチングに失敗した物理接続数 (注) | 接続のマッチングに失敗した時 |
D15 | プールに戻された論理接続数 (注) | |
D16 | 認証情報のマッチングに成功した物理接続数 (注) | 接続のマッチングに成功した時 |
D17 | タイムアウトになった物理接続数 (注) | 接続要求のタイムアウト発生時(最大待ち時間 > 0) |
D18 | 使用中の物理接続の最小数 | |
D19 | 使用中の物理接続の最大数 | |
D20 | 使用中の物理接続の現在数 | |
D21 | 待機しているキュー内の接続要求の数 | プール内の接続数が最大値に達し、全接続が使用中の時 |
D22 | 採取対象外の項目です。 (注) |
注):この項目は、監視レベルをHIGHに設定した場合のみ出力されます。