Interstage HTTP Serverでは、アクセス数、転送量、通信プロセス(スレッド)の状態など、Webサーバに関するさまざまな動作状態を表示し、確認することができます。
注意
サーバステータスの監視機能を運用する場合、Webサーバの動作が遅くなることがあります。
ポイント
ihsdispコマンドを使用してWebサーバの運用中の動作状態を表示することもできます。詳細については、“4.3 動作状態表示”を参照してください。
表示内容、設定方法、および運用手順について、以下に示します。
■表示内容
サーバステータスの監視機能では、以下の項目の動作状態を表示します。
Webサーバ全体の動作状態
Webサーバ全体の動作状態が以下の例のように表示されます。
上記で表示された各項目の意味を以下に示します。
項目名 | 意味 | 備考 | |
---|---|---|---|
Server Version | Interstage HTTP Serverのサーババージョン |
| |
Server Built | Interstage HTTP Serverのコンパイル日時 |
| |
Current Time | 現在の日時 |
| |
Restart Time | 起動日時 |
| |
Parent Server Generation | 再起動回数 | (注1) | |
Server uptime | 連続稼働時間 |
| |
Total accesses | 起動時からの総アクセス数 | (注2) | |
Total Traffic | 総転送量 | (注2) | |
| u | 通信プロセスが消費したCPU時間(秒) | (注2) |
s | 通信プロセスによりシステムが消費したCPU時間(秒) | (注2) | |
cu | CGIアクセスにおいて生成した子プロセスが消費したCPU時間(秒) | (注2) | |
cs | CGIアクセスにおいて生成した子プロセスによりシステムが消費したCPU時間(秒) | (注2) | |
| CPU使用率(%) | (注2) | |
requests/sec | 平均毎秒リクエスト数 | (注2) | |
B/second | 平均毎秒転送量 | (注2) | |
B/request | リクエストあたりの転送量 | (注2) | |
requests currently being processed | 処理中のリクエスト数 |
| |
idle servers | 待機中の通信プロセス(スレッド)数 |
|
注1)Interstage HTTP Serverでは、サポートしていないため、無効です。
常に“1”と表示されます。
常に“0”と表示されます。
注2)サーバステータス情報の拡張表示を行う場合(環境定義ファイル(httpd.conf)のExtendedStatusディレクティブに“On”を指定した場合)に表示されます。
通信プロセス(スレッド)の状態一覧
Webサーバが生成した通信プロセス(スレッド)の状態一覧が以下の例のように表示されます。この表示は、スコアボードと呼ばれます。
スコアボードには、通信プロセス(スレッド)の番号(Srv)の順に、Windows(R)の場合は2048個、Solaris /Linuxの場合は4096個の通信プロセス(スレッド)の状態がキーによって1つずつ表示されます。
上記のスコアボードの例の場合は、通信プロセス(スレッド)が以下の状態であることを意味します。
1つ目から5つ目までの通信プロセス(スレッド):待機中
6つ目の通信プロセス(スレッド):応答中
7つ目以降の通信プロセス(スレッド):未起動
通信プロセス(スレッド)の状態を示すスコアボードのキーとその意味を以下に示します。
スコアボードのキー | 意味 |
---|---|
"_" Waiting for Connection | 待機中 |
| 通信プロセスの生成中 |
"R" Reading Request | リクエストの読込み中 |
"W" Sending Reply | リクエストの応答中 |
"K" Keepalive (read) | Keep-Alive接続中 |
"D" DNS Lookup | DNSでホスト名を検索中 |
"C" Closing connection | コネクションクローズ中 |
"L" Logging | ログファイルの書込み中 |
"G" Gracefully finishing | - (注) |
"I" Idle cleanup of worker | - (注) |
"." Open slot with no current process | 未起動 |
注)Interstage HTTP Serverでは、サポートしていないため、無効です。
通信プロセス(スレッド)ごとの動作状態
通信プロセス(スレッド)ごとの動作状態が以下の例のように表示されます。
上記で表示された各項目の意味を以下に示します。
項目名 | 意味 | 備考 | |
---|---|---|---|
Srv (Child Server number - generation) | 通信プロセス(スレッド)の番号 - 再起動した回数 | (注1) (注2) | |
PID (OS process ID) | 通信プロセスのプロセスID | (注3) | |
Acc (Number of accesses this connection / this child / this slot) | Number of accesses this connection | 同一コネクション内でのアクセス数 | (注1) |
this child | 通信プロセス(スレッド)あたりの総アクセス数 | ||
this slot | 通信プロセス(スレッド)あたりの総アクセス数 | ||
M (Mode of operation) | 通信プロセス(スレッド)の状態 (“通信プロセス(スレッド)の状態一覧”を参照) |
| |
| CPU消費時間(秒) | (注1) | |
SS (Seconds since beginning of most recent request) | 最新リクエストからの経過時間(秒) | (注1) | |
Req (Milliseconds required to process most recent request) | 最新リクエストの処理時間(ミリ秒) | (注1) (注3) | |
Conn (Kilobytes transferred this connection) | 同一コネクション内での転送量(Kバイト) | (注1) | |
Child (Megabytes transferred this child) | 通信プロセス(スレッド)あたりの総転送量(Mバイト) | (注1) | |
Slot (Total megabytes transferred this slot) | 通信プロセス(スレッド)あたりの総転送量(Mバイト) | (注1) | |
Client | クライアントまたはプロキシサーバなどのIPアドレス | (注1) | |
VHost | 最新リクエストを受け付けたWebサーバのホスト名 | (注1) (注4) | |
Request | 最新リクエストの内容 | (注1) |
注1)サーバステータス情報の拡張表示を行う場合(環境定義ファイル(httpd.conf)のExtendedStatusディレクティブに“On”を指定した場合)に表示されます。
注2)Interstage HTTP Serverでは、再起動処理をサポートしていないため、“再起動した回数”は無効です。常に“0”と表示されます。
注3)無効です。常に“0”と表示されます。
注4)無効です。常に“(unavailable)”と表示されます。
■設定方法
サーバステータスの監視機能は、環境定義ファイル(httpd.conf)で設定します。設定方法については、“3.2.13 サーバステータスの監視”を参照してください。
注意
サーバステータス監視機能を運用する場合、ネットワーク上の悪意のある人(またはマシン)がそのサーバステータスをのぞき見る脅威があります。このような脅威に備え、以下のように設定することをお勧めします。
特定のアクセスだけを許可するため、以下の機能を併用して設定します。
ユーザ認証の設定
特定の管理者からのアクセスだけに対してサーバステータス情報を表示します。
IPアクセスコントロールの設定
特定のクライアントからのアクセスだけに対してサーバのステータス情報を表示します。
<Location>セクションのURLを複雑化して設定します。
サーバステータス監視機能で<Location>セクションを設定する場合、URLには一般的に“server-status”という文字列が使用されます。そのため、URLに“server-status”という文字列を設定すると、サーバステータス情報が安易に表示される可能性があります。URLには“server-status”以外の文字列を設定してください。
■運用手順
サーバステータスの監視機能を運用する場合、クライアントからWebブラウザで任意のURLにアクセスすることで、上記の表示内容の動作状態を表示します。
URLの形式
http://ホスト名:ポート番号/パス
Webサーバのホスト名またはIPアドレス。
ポート番号。ホストのポート番号が80である場合は、省略可(省略する場合、コロン(:)は不要)。
環境定義ファイル(httpd.conf)の<Location>セクションで設定したURL。
ポイント
URLの末尾に“?auto”を指定すると、簡略化したステータスを表示できます。
URLの末尾に“?refresh=N”(N:秒数)を指定すると、指定した秒数ごとにステータスの表示を更新できます。なお、“?refresh”を指定した場合は、1秒となります。
例
Webブラウザ(クライアント)でWebサーバのIPアドレス“192.168.1.1”と<Location>セクションに指定したURL“/server-status”を指定して、サーバステータス情報を表示する場合
Webブラウザ(クライアント)でWebサーバのIPアドレス“192.168.1.1”と<Location>セクションに指定したURL“/server-status”を指定して、サーバステータス情報を表示する場合