Interstage資源を他サーバへ移行する場合の、移行先サーバで実施する資源移入手順について説明します
ここでは、以下のバックアップ資源格納用ディレクトリが存在することを前提に説明します。
X:\Backup
/backup
資源の移入は、以下を確認した上で操作を開始してください。
Interstageのインストールが完了していること。
すべてのサービス、サーバアプリケーションが停止していること。
Interstageのインストールディレクトリ、J2EE共通ディレクトリ、インストールドライブ(Windows (R)の場合)や移入対象とならないすべての資源(Interstageの運用時に使用するユーザ資源、ユーザアプリケーションなど)が、資源移出元サーバと同じディレクトリ構成に配置されていること。
操作手順
Interstage資源を他サーバへ移入する場合の、移行先サーバで実施する資源移入手順は、同一マシン上でのリストア手順とほぼ同じです。“3.1.3 リストア手順”を参照してください。
ここでは、リストア手順とは手順が異なる場合について説明します。
コマンドの詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。
“3.1.2.1 サービスの停止”を参照して、サービスを停止します。
移入対象とするサービス資源は、移出操作時に、移出対象とした資源になります。以降の操作では、移入対象とするサービス資源に対して移入操作を行ってください。
isinitコマンドを使用してInterstageの初期化を行った場合に作成されるセットアップ資源の移入手順について説明します。
■移入コマンド
Interstageセットアップ資源の移入は、以下のコマンドを使用します。
C:\Interstage\bin\iscrestoresys.exe |
/opt/FSUNtd/bin/iscrestoresys |
/opt/FJSVtd/bin/iscrestoresys |
iscrestoresysコマンドは、Interstageが停止している状態で実行する必要があります。
■移入方法
資源バックアップ先ディレクトリが“X:\Backup\”であり、CORBAサービスの使用するホスト名がhostnameの場合の操作例を以下に示します。
iscrestoresysコマンドを実行します。 |
資源バックアップ先ディレクトリが/backupであり、CORBAサービスの使用するホスト名がhostnameの場合の操作例を以下に示します。
iscrestoresysコマンドを実行します。 |
また、Interstageセットアップ資源の移入では、リストア定義ファイルを用いることにより、Interstage動作環境定義の定義項目である、以下の項目のカストマイズが可能です。
Corba Host Name(CORBAサービスを運用するホスト名)
Corba Port Number(CORBA通信に使用するポート番号)
IR Path for DB file(インタフェースリポジトリで使用するデータベースを作成するディレクトリ)
TD path for system(コンポーネントトランザクションサービスの動作環境を作成するディレクトリ)
SSL Port Number(SSL連携で使用するポート番号)
上記の項目の内、定義内容を変更したい定義項目について、変更後の定義情報を記述したリストア定義ファイルを作成し、そのファイルを、iscrestoresysコマンドの-fオプションで指定します。リストア定義ファイルの記述方法は、Interstage動作環境定義と同様です。
以下に、リストア定義ファイルの例と、リストア定義ファイルを用いた操作例を示します。
- 移入条件
Corba Host Nameを、host1に変更する。
Corba Port Numberを、8003に変更する。
IR Path for DB fileを、“/IRPATH”に変更する。
TD path for systemを、“/TDPATH”に変更する。
- リストア定義ファイル(/BKUP/rest.txt)
Corba Host Name=host1 |
- コマンド実行例
iscrestoresysコマンドを実行します。 |
■注意事項
バックアップ先ディレクトリのパスが空白を含む場合、コマンドパラメタ指定時にダブルクォーテーション("")で囲んで指定する必要があります。
Interstageが動作中の場合には、isstop -fコマンドやInterstage管理コンソールでInterstageを停止してください。
■移入コマンド
Interstage管理コンソール資源の移入は、以下のコマンドを使用します。
C:\Interstage\gui\bin\isguirestore.bat |
/opt/FJSVisgui/bin/isguirestore |
isguirestoreコマンドは、Interstageが停止している状態で実行する必要があります。コマンドの詳細は“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。
■移入方法
isguirestoreコマンドには、移出時にInterstage管理コンソール資源を格納したディレクトリのパスを指定する必要があります。
Interstageインストールパスが“C:\Interstage”、資源バックアップ先ディレクトリが“X:\Backup”、Interstage管理コンソールの資源を格納したディレクトリが“X:\Backup\isgui”の場合の操作例を以下に示します。
1.isguirestoreコマンドを実行します。 2. Interstage管理コンソール用のWebサーバ環境定義ファイルに以下の項目が指定されている場合、設定値を移入マシンに合わせた値にエディタなどで修正します。 |
isguiresotreコマンドには、移出時にInterstage管理コンソール資源を格納したディレクトリのパスを指定する必要があります。
資源バックアップ先ディレクトリが/backup、Interstage管理コンソールの資源を格納したディレクトリが“/backup/isgui”の場合の操作例を以下に示します。
1.isguirestoreコマンドを実行します。 2. Interstage管理コンソール用のWebサーバ環境定義ファイル(/etc/opt/FJSVisgui/httpd.conf)に以下の項目が指定されている場合、設定値を移入マシンに合わせた値にエディタなどで修正します。 |
Interstage管理コンソールの移入手順は、同一マシン上でのリストア手順と同じです。“3.1.3.4 Interstage管理コンソール資源のリストア”を参照してください。
■注意事項
バックアップ用ディレクトリまたはInterstageインストールディレクトリのパスが空白を含む場合、コマンドパラメタ指定時にダブルクォーテーション("")で囲んで指定する必要があります。
コマンド終了メッセージの出力前に、何らかのメッセージが出力されている場合には、コマンドの実行に失敗しています。その場合は、出力メッセージの内容と、本コマンド実行時の注意事項に従い、再度コマンドを実行してください。
Interstage管理コンソールの環境定義のカストマイズを行っていない場合で、移出処理を行っていない場合は、本移入処理を行う必要はありません。
バックアップ先ディレクトリのパスが空白を含む場合、コマンドパラメタ指定時にダブルクォーテーション("")で囲んで指定する必要があります。
■移入コマンド
Interstage JMXサービス資源の移入は、以下のコマンドを使用します。
C:\Interstage\bin\isjmxrestore.bat |
/opt/FJSVisjmx/bin/isjmxrestore |
isjmxrestoreコマンドは、InterstageおよびInterstage JMXサービスが停止している状態で実行する必要があります。コマンドの詳細は“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。
■移入方法
isjmxrestoreコマンドには、移出時にInterstage JMXサービスの資源を格納したディレクトリのパスを指定する必要があります。
バックアップ先パスがX:\Backup\isjmxの場合の操作例を以下に示します。
isjmxrestoreコマンドを実行します。 |
isjmxrestoreコマンドには、移出時にInterstage JMXサービスの資源を格納したディレクトリのパスを指定する必要があります。
バックアップ先パスが“/backup/isjmx”の場合の操作例を以下に示します。
isjmxrestoreコマンドを実行します。 |
■注意事項
バックアップ先ディレクトリのパスが空白を含む場合、コマンドパラメタ指定時にダブルクォーテーション("")で囲んで指定する必要があります。
CORBAサービス資源の移入について説明します。
■移入コマンド
CORBAサービス資源の移入では、以下のコマンドを使用します。
C:\Interstage\ODWIN\bin\odrestoresys.exe |
/opt/FSUNod/bin/odrestoresys |
/opt/FJSVod/bin/odrestoresys |
odrestoresysコマンドは、CORBAサービスが停止している状態で実行する必要があります。
なお、odrestoresysコマンドは、オプションを指定することによりCORBAサービス資源ファイル(config、inithost/initial_hosts、init_svc/initial_services、impl.db、CosNamingディレクトリ配下のファイル)に設定されているホスト名またはポート番号を変更し、インタフェースリポジトリサービス資源のデータベースの格納先を変更して移入することが可能です。変更しない場合の手順については、同一マシン上でのリストア手順と同じです。“3.1.3.7 CORBAサービス資源のリストア”を参照してください。
Interstage管理コンソールを使用してSSL環境を設定した場合は、バックアップしたInterstage証明書環境資源を移入する必要があります。“3.2.3.13 Interstage証明書環境資源の移入”を参照してInterstage証明書環境資源を移入してください。odsetSSLコマンドを使用してSSL環境を設定した場合は、移入先のSSL環境にしたがってodsetSSLコマンドを実行してください。
資源の移入操作を行った場合、OD_set_envコマンドで設定したホスト情報がクリアされます。移入元でOD_set_envコマンドでオブジェクトリファレンスに埋め込むホスト情報を設定していた場合、移入操作後にOD_set_envコマンドで移入先の環境用のホスト情報を設定してください。
資源の移入を行うことにより、以下の場合においてconfigのIIOP_hostnameパラメタにホスト名が設定されます。
odrestoresysコマンド実行時に-hオプションを指定した場合。
Interstage動作環境定義ファイルに“Corba Host Name”パラメタが設定されている場合。
IIOP_hostnameを設定する必要が無ければIIOP_hostnameの定義を削除してください。IIOP_hostnameパラメタの詳細については“チューニングガイド”の“config”を参照してください。
■ネーミングサービス登録情報の移入コマンド
ネーミングサービスの登録情報の移入では、以下のコマンドを使用します。
C:\Interstage\ODWIN\bin\OD_or_adm.exe |
/opt/FSUNod/bin/OD_or_adm |
/opt/FJSVod/bin/OD_or_adm |
■移入方法
バックアップ先パスがX:\Backup\ODの場合の操作例を以下に示します。
odrestoresysコマンドを実行して、CORBAサービス資源ファイルの移入を行います。 |
バックアップ先パスが/backup/FSUNodの場合の操作例を以下に示します。
odrestoresysコマンドを実行して、CORBAサービスの資源ファイルをリストアします。 |
バックアップ先パスが/backup/FJSVodの場合の操作例を以下に示します。
odrestoresysコマンドを実行して、CORBAサービスの資源ファイルをリストアします。 |
また、ネーミングサービスの登録情報に他ホストを参照しているオブジェクト情報が存在し、他ホストも移行対象である場合は、他ホストを参照しているオブジェクト情報のホスト名/ポート番号を他ホストの移行先のホスト名/ポート番号に変更する必要があります。
他ホストを参照しているオブジェクト情報のホスト名/ポート番号を変換する場合の操作例を以下に示します。
1.オブジェクトのホスト名が自ホスト名と異なっているかを確認します。 2. ネーミングサービスの登録情報を移出します。 3. ネーミングサービスの登録情報をすべて削除します。 4. ネーミングサービスの登録情報を移入します。 |
■注意事項
CORBAサービス資源の移入後、以下の条件の場合にod10200メッセージ、od10300メッセージが出力される場合があります。
NTFSでフォーマットされたドライブでEveryoneグループにフルコントロールのアクセス許可が設定されていないフォルダに、Interstageがインストールされている場合。
一般ユーザ(Usersグループのみに所属するユーザ)による操作を行う場合は、Interstageインストールフォルダのプロパティで[セキュリティ]タブを表示し、該当ユーザに対するアクセス許可をフルコントロールに設定してください。
なお、Microsoft(R) Windows(R) XPでフォルダのプロパティに[セキュリティ]タブが表示されない場合は、次の手順を実行することで表示されます。
[スタート]-[コントロールパネル]から「フォルダオプション」を起動します。
[表示]タブから「簡易ファイルの共有を使用にする(推奨)」のチェックを解除して「OK」をクリックします。
CORBAサービス資源の移入後、以下のサービスの「スタートアップの種類」が“自動”で登録される場合があります。
InterfaceRep_Cache Service
InterfaceRep_Cache_e Service
Naming Service
NS LoadBalancingOption
バックアップ環境においてInterstageの自動起動の設定をしていた場合など、必要に応じて、以下の手順で「スタートアップの種類」を変更してください。
Administrators権限でログインします。
[コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス]を起動します。
各サービスのスタートアップの種類を確認します。
「スタートアップの種類」が“"自動”で登録されている場合は、各サービスを選択後、[プロパティ]により“手動”に変更します。
イベントサービス資源の移入手順は、同一マシン上でのリストア手順と同じです。“3.1.3.8 イベントサービス資源のリストア”を参照してください。
ただし、複数IPアドレスを持つシステムにおいて、esmkchnlコマンド実行時に-hostオプションおよび-portオプションを指定してイベントチャネルを作成していた場合、該当するイベントチャネル資源を他サーバに移行できません。
この場合、移入手順が終了したあと、esrmchnlコマンドでいったんイベントチャネルを削除してから、esmkchnlコマンドでイベントチャネルを再作成してください。esmkchnlコマンドおよびesrmchnlコマンドについては、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。イベントチャネルを再作成しない場合、エラーメッセージes10026またはes10027が出力されてイベントチャネルの起動に失敗することがあります。
データベース連携サービス資源の移入手順は、同一マシン上でのリストア手順と同じです。“3.1.3.11 データベース連携サービス資源のリストア”を参照してください。ただし、以下に示す注意事項があります。
クラスタ環境の場合、otsrestoresysコマンドが正常終了した後で、C:\Interstage\ots\systeminfo\systemファイルのREPOSITORYに共有ディスク内のパスを指定し、C:\Interstage\ots\etc\repositoryをディレクトリごと共有ディスク上の指定したディレクトリに複写してください。
クラスタ環境の場合、otsrestoresysコマンドが正常終了した後で、/opt/FSUNots/systeminfo/systemファイルのREPOSITORYに共有ディスク内のパスを指定し、/opt/FSUNots/etc/repositoryをディレクトリごと共有ディスク上の指定したディレクトリに複写してください。
Interstage シングル・サインオン資源の移入手順は、同一マシン上でのリストア手順と同じです。“3.1.3.12 Interstage シングル・サインオン資源のリストア”を参照してください。
ただし、マシンのリプレースなど、マシン移設時には以下に注意してください。
Interstage シングル・サインオンシステムを構成するリポジトリサーバ、認証サーバ、業務サーバは各マシン間で通信を行います。このため、移出元と移入先でホスト名が異なる場合には、それぞれのサーバ間での通信ができなくなります。
マシンの移設により他のマシンに環境を移入する場合は、移出元と移入先のホスト名(IPアドレス)が同じになるようにして、移出元のホスト名(IPアドレス)で通信できるようにしてください。
Interstage HTTP Server資源の移入について説明します。
■移入コマンド
Interstage HTTP Server資源の移入は、以下のコマンドを使用します。
C:\Interstage\bin\ihsrestore.exe |
/opt/FJSVihs/bin/ihsrestore |
ihsrestoreコマンドは、すべてのWebサーバが停止している状態で実行する必要があります。
■移入方法
バックアップ先パスがX:\Backup\IHSの場合の操作例を以下に示します。
ihsrestoreコマンドでバックアップ用ディレクトリを指定し、Interstage HTTP Server資源を移入します。(注) |
バックアップ先パスが/backup/FJSVihsの場合の操作例を以下に示します。
ihsrestoreコマンドでバックアップ用ディレクトリを指定し、Interstage HTTP Server資源を移入します。(注) |
注)
ihsrestoreコマンドの-t allオプションは、環境定義ファイルの他に、パスワードファイルおよび公開用ルートディレクトリ(環境定義ファイル(httpd.conf)のDocumentRootディレクティブに指定したディレクトリ)を対象とする場合に指定します。なお、ihsrestoreコマンドの-t allオプションを指定する場合は、ihsbackupコマンドにおいても-t allオプションを指定しておく必要があります。
ihsrestoreコマンドの-hオプションは、ホスト名/IPアドレスを変換する場合に指定します。host_tableファイルは、以下のように記入します。
(変換前のIPアドレス) > (変換後のIPアドレス)
(変換前のホスト名) > (変換後のホスト名)
-コメント行には、各行の先頭にハッシュマーク(#)を記述します。
-半角スペース、タブは、無視します。
例)ホスト名およびIPアドレスを以下のように変換する場合
-変換前:IPアドレス“192.168.0.1”、変換後:IPアドレス“192.168.0.3”
-変換前:IPアドレス“192.168.0.2”、変換後:IPアドレス“192.168.0.4”
-変換前:ホスト名“www.fujitsu.com”、変換後:ホスト名“www.interstage.com”
-変換前:ホスト名“host1.fujitsu.com”、変換後:ホスト名“host2.fujitsu.com”
### Host IP conversion table ### # IP address conversion definition 192.168.0.1 > 192.168.0.3 192.168.0.2 > 192.168.0.4 # Host name conversion definition www.fujitsu.com > www.interstage.com host1.fujitsu.com > host2.fujitsu.com |
■注意事項
移入先にファイルが存在した場合は、ファイルを上書きします。
移入を行うシステムは、移出を行ったシステムと同じディスク構成である必要があります。
-hオプションで変換の対象となるホスト名/IPアドレスは、以下のディレクティブで指定したホスト名/IPアドレスです。
Listen
ServerName
VirtualHost
NameVirtualHost
環境定義ファイル(httpd.conf)において、移出元と移入先でポート番号の設定が異なる場合は、ポート番号を設定しているディレクティブに移入先のポート番号を設定してください。
コンテンツ(DocumentRootディレクティブで指定したディレクトリ配下以外)、および環境設定時に使用したファイル(httpd.confとパスワードファイル以外)を移出した場合、別途それらの資源を移入してください。
Interstage管理コンソールで構築したInterstage証明書環境のSSLを使用している場合は、移出したInterstage証明書環境資源を移入する必要があります。“3.2.3.13 Interstage証明書環境資源の移入”を参照してInterstage証明書環境資源を移入してください。
SMEEコマンドで構築した証明書/鍵管理環境のSSLを使用している場合は、移出した以下の資源を、環境定義ファイル(httpd.conf)の該当ディレクティブで指定されているパスに移入してください。
スロット情報ディレクトリ(SSLSlotDirディレクティブで指定したディレクトリ)
運用管理ディレクトリ(SSLEnvDirディレクティブで指定したディレクトリ)
ユーザPIN管理ファイル(SSLUserPINFileディレクティブで指定したファイル)
V9以降の移出の対象資源(Apache HTTP Server 2.0ベース)を移入する場合は、移入先のサーバタイプ種別に応じて以下のいずれかの状態で実行してください。
スタンドアロンサーバの場合
移出した運用環境と、Webサーバの数およびWebサーバ名がすべて一致する状態
すべてのWebサーバを削除した状態
Webサーバ“FJapache”が1つだけ存在する状態、かつWebサーバ“FJapache”にInterstageシングル・サインオンの業務サーバ、認証サーバ、およびリポジトリサーバの環境が構築されていない状態
管理サーバの場合
移出した運用環境と、Webサーバの数およびWebサーバ名がすべて一致する状態
すべてのWebサーバを削除した状態
Webサーバ“FJapache”が1つだけ存在する状態
管理対象サーバの場合
Webサーバ“FJapache”が1つだけ存在する状態、かつ移出した運用環境に、Webサーバ“FJapache”が1つだけ存在する状態
V8/V7の移出の対象資源(Apache HTTP Server 1.3ベース)を移入する場合、Webサーバ名は“FJapache”となります。したがって、Webサーバ“FJapache”が存在しない場合は作成し、すでにWebサーバ“FJapache”が存在する場合は設定が置き換えられます。
V6以前の移出の対象資源(Apache HTTP Server 1.3ベース)は、ihsrestoreコマンドで移入することはできません。V6以前の移出の対象資源を移入する場合は、“移行ガイド”の“Interstage HTTP Server(Apache HTTP Server 2.0ベース)への移行”-“8.0以前のInterstage HTTP Server(Apache HTTP Server 1.3ベース)からの移行”を参照してください。
IJServer資源の移入手順は、同一マシン上でのリストア手順と同じです。“3.1.3.15 IJServer資源のリストア”を参照してください。
ただし、以下の場合は、IPアドレスを変換する必要があります。
スタンドアロンサーバである場合、かつ
IJServerとWebサーバを分離して運用している場合、かつ
移入元と移入先で、ServletコンテナやWebサーバのIPアドレスが異なる場合
以下のいずれかの作業を行い、IPアドレスを移入先の環境に合わせてください。
ijsrestoreコマンド実行時に、-h host_table引数を指定してIPアドレスを変換してください。
リストアを行った後、Interstage管理コンソールで以下の項目を修正してください。
[ワークユニット] > “ワークユニット名” > [環境設定] > [Webサーバコネクタ(コネクタ)設定] > [要求を受け付けるWebサーバのIPアドレス]
[ワークユニット] > “ワークユニット名” > [環境設定] > [Servletコンテナ設定] > [ServletコンテナのIPアドレス]
[Webサーバ] > “Webサーバ名” > [Webサーバコネクタ] > “ワークユニット名” > [環境設定] > [ServletコンテナのIPアドレス:ポート番号]
ijsrestoreコマンドの-h host_table引数では、変更前と変更後のIPアドレスを記述したファイル名を絶対パスで指定します。これにより、移入処理時にIPアドレスを自動的に変換できます。詳細は、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。
Interstage HTTP Serverの移入の際に、バーチャルホストのIPアドレス、または、ホスト名を変更した場合は、IJServer資源ファイルの移入後にIJServerが使用するバーチャルホストをInterstage管理コンソールまたは、isj2eeadminコマンドを使用して設定しなおしてください。
設定しなおさない場合は、Interstage HTTP ServerとIJServer間の定義に不整合が発生し、正常に動作しない可能性があります。IJServerでバーチャルホストを使用している場合は、必ず上記操作を行ってください。
IJServerでバーチャルホストを使用していない場合は、上記操作を行う必要はありません。
Interstage JMS資源の移入手順は、同一マシン上でのリストア手順と同じです。“3.1.3.16 Interstage JMS資源のリストア”を参照してください。
ただし、Destination定義のIPアドレス(ホスト名)/ポート番号に他ホストを指定している場合は、必要に応じてInterstage JMS資源の移入後にホスト名/ポート番号を変更する必要があります。
ホスト名/ポート番号を変換する場合の操作例を以下に示します。
1. Destination定義にIPアドレス(ホスト名)/ポート番号が指定されているかを確認します。 2. Destination定義情報を移出します。 3. 移出したDestination定義情報のホスト名/ポート番号を変更します。 4. Destination定義情報を移入します。 |
isj2eeadminコマンドは、Interstage JMXサービスが起動している状態で実行する必要があります。isj2eeadminコマンドの詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。
Interstage証明書環境資源が移入できるかは、サイト証明書を発行した認証局の運用方針に依存します。
認証局の運用方針によっては、異なるサーバで同じサイト証明書を利用することを許可していない場合があります。また、条件付きで許可している場合もあります。そのため、想定している運用でサイト証明書が利用可能かを認証局に確認してから、移入するようにしてください。
認証局で許可されていない場合は、サーバごとに異なるサイト証明書を利用する(サーバごとにInterstage証明書環境を構築する)か、または、想定している運用を許可している認証局からサイト証明書を入手するようにしてください。
Interstage証明書環境の資源ファイルは、以下に示す2種類から成っています。
証明書環境のファイル
SSL定義ファイル
“SSL定義ファイル”に関しては、認証局の運用方針にかかわらず移入できます。
■移入方法
認証局の運用方針として他のサーバへのサイト証明書の移入が認められている場合や、サイト証明書を登録していない場合は、Interstage証明書環境資源の移入手順は、同一マシン上でのリストア手順と同じです。“3.1.3.18 Interstage証明書環境資源のリストア”を参照してください。
そうでない場合、Interstage証明書環境はサーバごとに構築しなければなりませんが、SSL定義ファイルだけは移入することができます。SSL定義ファイルの移入方法について、以下に説明します。
バックアップ先パスがX:\Backup\scsの場合の操作例を以下に示します。
xcopyコマンド(またはエクスプローラ)を使用して、バックアップ用ディレクトリのSSL定義ファイルを元のディレクトリにコピーします。 |
バックアップ先パスが/backup/scsの場合の操作例を以下に示します。
cpコマンドを使用して、バックアップ用ディレクトリのSSLの環境定義ファイルを元のディレクトリにコピーします。 |
■SSL定義の再設定
Interstage証明書環境資源の移入後は、SSL定義の再設定が必要になる場合があります。必要な操作を以下に説明します。
移入先のサーバをスタンドアロンサーバとして運用する場合
移入先のサーバをスタンドアロンサーバとして運用する場合で、SSL定義ファイルだけを移入した場合(サーバごとにInterstage証明書環境を構築した場合)は、移入したSSL定義に対して、以下の操作を行ってください。
[手順]
Interstage管理コンソールの[システム] > [セキュリティ] > [SSL]の[一覧]タブで、該当するSSL定義名をクリックし、表示された環境設定画面で、サーバが使用するサイト証明書のニックネームを選択します。
1.の画面で、詳細設定[表示]をクリックし、必要に応じて認証局証明書の設定内容を変更します。
移入したすべてのSSL定義に対して、1.、2.の操作を行います。
■注意事項
Interstage証明書環境は、環境構築時に指定したグループからアクセス可能となっています。そのため、ユーザアカウントやグループ等のシステムの情報が、移入元のマシンと同じになるようにしてください。あるいは、Interstage証明書環境アクセスのためのグループを作成し、scsmakeenvコマンドで再設定してください。
“3.1.2.20 サービスの起動”を参照して、サービスを起動します。
資源移入後のサービス起動に失敗した場合には、出力メッセージに対する対処の前に、移入資源の不足、移入手順の誤りなどがないかを確認してください。