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Interstage Application Server 高信頼性システム運用ガイド

1.1 IPCOM連携機能

  IPCOMと連携することにより、サーバマシンの負荷分散を行うことができます。

  IPCOMでIIOPの負荷分散を行うには、IIOP負荷分散に対応した機種を選択する必要があります。IIOP負荷分散に対応しているIPCOMの機種については“IPCOMのマニュアル”を参照してください。

■負荷分散対応プロトコル

  Interstageの通信プロトコルには以下の2つがあります。

  IPCOMとの連携においては、これらの2つの通信プロトコルに対応しています。
  ここでは、IIOPの負荷分散について記述しています。HTTPの負荷分散については、“IPCOMのマニュアル”で説明されています。

負荷分散ポリシー

  以下の負荷分散ポリシーにより負荷分散を行うことができます。

以下のタイプのIJServerに配備されたEJBアプリケーションに対する負荷分散が可能です。

  IPCOM標準の負荷分散ポリシーについては、“IPCOMのマニュアル”で説明されています。

  ここでは、Interstage特有の負荷分散ポリシーについて説明します。

  Interstage特有の負荷分散ポリシーは、ワークユニットとして運用するアプリケーションに対して適用することができます。以下に、適用できるアプリケーションを説明します。

  

CORBAアプリケーション

トランザクションアプリケーション

EJBアプリケーション

待ちメッセージ数

×

通信バッファ使用率

×

×

      ○:適用できます  ×:適用できません

■待ちメッセージ数

  ワークユニットとして運用する以下のアプリケーションに対して適用できます。待ちメッセージの滞留キュー数を監視します。


  EJBアプリケーションの場合、IJServerに配備されたEJBアプリケーションは監視できません。

  特定オブジェクトでクライアントアプリケーションからの要求を受け付け、その要求をほかのオブジェクトへ分配するような形態で業務を運用する場合で、その特定のオブジェクトへの滞留キュー数で負荷状態を判断できる場合に有効です。

■通信バッファ使用率

  トランザクションアプリケーションに対する要求の通信バッファの使用率です。
  本使用率により、サーバ内の全トランザクションアプリケーションに対する通信負荷状況を監視できます。クライアントアプリケーションからの要求を、複数のオブジェクトが受けつけるような業務を運用する場合に有効です。

■振り分け上限に到達時の動作

  負荷計測項目値が振り分け上限値に到達した場合、そのサーバへの振り分けが行われなくなります。
  すべての振り分け対象サーバの負荷計測項目値が振り分け上限に達した場合、それ以降、サーバへの振り分け処理は行われなくなります。この場合、クライアントからの要求は、通信エラー(COMM_FAILURE)で復帰します。
  負荷計測項目値が復旧値を下回った時、そのサーバへの振り分けが再開されます。

■ワークユニットに対する負荷分散

  ワークユニットとして運用するアプリケーションに対する負荷分散では、アプリケーション単位に、以下の2種類の方式を選択できます。

  ただし、IJServerワークユニットのEJBアプリケーションに対する負荷分散においては、メソッド呼出し単位の負荷分散のみ実施することができます。

  ワークユニットに対する負荷分散においては、任意の監視対象ワークユニットが停止した時に、そのサーバを負荷分散対象サーバから切り離した縮退運用が行えます。
  詳細については、“第3章 IPCOMを利用した負荷分散”を参照してください。


  負荷分散対象となるサーバマシンにはネーミングサービスが配置されている必要があります。