バックアップ・リストアは、Interstage資源の破壊など万一の事態が発生した場合に、早急に運用環境を復元できるように行うものです。
Interstage資源のバックアップ・リストアは、バックアップ用ディレクトリに資源ファイルをバックアップ(退避)しておき、資源の復旧が必要な場合に資源ファイルをバックアップ用ディレクトリからリストア(復元)します。
資源をバックアップする場合、サーバシステム上のアクセス可能なディスク上ではなく、通常はアクセスしないリムーバブル媒体などに退避しておくことを推奨します。
最新の資源ファイルを保存しておくためには、資源ファイルの更新に応じて、バックアップを行う必要があります。
UNIXシステムでは、ディスク上のバックアップ用ディレクトリに格納された資源をリムーバブル媒体に退避する場合、ファイルシステム形式のまま退避(ファイルコピー)すると、ファイルの権限属性が変更される可能性があるため、アーカイブ形式(tar、cpioコマンドなどを使用)で退避してください。
なお、以下の資源を一括してバックアップ・リストアを行う場合は“4.4 メンテナンスの一括実行”を参照してください。
■バックアップ・リストア対象資源
それぞれのサービスでバックアップ・リストアの対象となるファイルを以下に示します。
なお、Interstage管理コンソール用Servletサービスの資源についてはバックアップ・リストアの必要はありません。
Interstageシステム定義 Interstage動作環境定義 Interstageセットアップ資源 |
Interstageシステム定義 Interstage動作環境定義 Interstageセットアップ資源 プロフィールファイル (注) |
Interstageシステム定義 Interstage動作環境定義 Interstageセットアップ資源 プロフィールファイル (注) |
注)
ファイルが存在する場合にのみバックアップします。
Interstage管理コンソールの環境定義ファイル |
Interstage管理コンソールの環境定義ファイル |
Interstage管理コンソールの環境定義ファイル Interstage管理コンソール用Interstage HTTP Server環境定義ファイル Interstage JMXサービスの環境定義ファイル Interstage JMXサービスのユーザリポジトリ情報設定ファイル 業務グリッド基盤マネージャ定義ファイル 業務グリッド基盤管理対象サーバサイトIDキー 業務グリッド基盤管理サーバサイトIDキー |
Interstage JMXサービスの環境定義ファイル |
Interstage JMXサービスの環境定義ファイル 業務構成管理の環境定義ファイル Interstage JMXサービスのユーザリポジトリ情報設定ファイル 業務グリッド基盤マネージャ定義ファイル 業務グリッド基盤管理対象サーバサイトIDキー 業務グリッド基盤管理サーバサイトIDキー |
注) ファイルが存在する場合にだけバックアップします。
業務構成管理では、リポジトリに格納されているファイルが対象となります。
業務構成管理のリポジトリ ※ サブディレクトリを含む |
業務構成管理のリポジトリ ※ サブディレクトリを含む |
リポジトリの格納先が変更されている場合は、変更した格納先を参照してください。
■CORBAサービス(ORB)
サーバデフォルト情報 CORBAサービス環境定義情報 インプリメンテーションリポジトリ ホスト情報 イニシャルサービス キュー制御情報 CORBAサービス環境設定情報 SSL環境定義ファイル (注) |
サーバデフォルト情報 CORBAサービス環境定義情報 インプリメンテーションリポジトリ ホスト情報 イニシャルサービス キュー制御情報 CORBAサービス環境設定情報 SSL環境定義ファイル (注) |
サーバデフォルト情報 CORBAサービス環境定義情報 インプリメンテーションリポジトリ ホスト情報 イニシャルサービス キュー制御情報 CORBAサービス環境設定情報 SSL環境定義ファイル (注) |
注)
本ファイルは、SSL連携機能を使用している場合のみ対象となります。
また、スロット情報ディレクトリおよび証明書の運用管理ディレクトリは含まれません。
■ネーミングサービス
ネーミングサービス登録情報 ネーミングサービス環境定義情報 |
ネーミングサービス登録情報 ネーミングサービス環境定義情報 |
ネーミングサービス登録情報 ネーミングサービス環境定義情報 |
■ロードバランス機能(Enterprise Editionのみ)
ロードバランス機能登録情報 ロードバランス環境定義情報 |
ロードバランス機能登録情報 ロードバランス環境定義情報 |
ロードバランス機能登録情報 ロードバランス環境定義情報 |
■インタフェースリポジトリ
インタフェースリポジトリ環境情報 インタフェースリポジトリデータ (注) |
インタフェースリポジトリ環境情報 インタフェースリポジトリデータ (注) |
インタフェースリポジトリ環境情報 インタフェースリポジトリデータ (注) |
注)
インタフェースリポジトリデータファイルは、任意の場所に格納することができます。
上記パス名は、isinitコマンドでインタフェースリポジトリを構築した場合のデフォルトパスです(Interstage動作環境定義ファイルの“IR path for DB file”で定義)。
odadminコマンドで構築した場合は、以下のパス(デフォルト)です。
Solaris:/opt/FSUNod/IRDB
Linux:/opt/FJSVod/IRDB
■注意事項
キャッシュ対象オブジェクトを指定するファイル(irconfigファイルのパラメタselect cache objで設定したファイル)は、バックアップ対象外です。必要に応じて、ファイルのバックアップ・リストアを行ってください。
イベントサービス構成情報 イベントチャネル動作環境 (注) イベントチャネルグループ管理情報 ユニット定義ファイル |
イベントサービス構成情報 イベントチャネル動作環境 (注) イベントチャネルグループ管理情報 ユニット定義ファイル |
注)
esgrpX.grpは、イベントチャネルの静的生成運用時のみ存在します(Xは数字)。
Portable-ORB環境定義情報 ホスト情報 イニシャルサービス キーストアファイル 組み込み証明書管理情報 |
Portable-ORB環境定義情報 ホスト情報 イニシャルサービス キーストアファイル 組み込み証明書管理情報 |
注)
Portable-ORBをダウンロードする運用では、Webサーバのドキュメントルートディレクトリ配下となります。詳細は、“アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“アプリケーションの開発(Java言語)”を参照してください。
Interstageの定義ファイル コンポーネントトランザクションサービスのシステム環境定義 セットアップ情報 ラッパー属性情報 ユーザ作成APM ユーザ認証/アクセス制御情報 |
Interstageの定義ファイル コンポーネントトランザクションサービスのシステム環境定義 セットアップ情報 ラッパー属性情報 ユーザ作成APM ユーザ認証/アクセス制御情報 |
Interstageの定義ファイル コンポーネントトランザクションサービスのシステム環境定義 セットアップ情報 ユーザ作成APM |
注)
本ディレクトリは、Interstage動作環境定義の“TD path for system”の設定内容により可変となります。
システム環境設定ファイル チューニング情報設定ファイル sysconfigファイル RMPプロパティ system情報ファイル セットアップ情報 XA連携プログラム、リソース管理プログラム |
システム環境設定ファイル sysconfigファイル RMPプロパティ system情報ファイル セットアップ情報 XA連携プログラム、リソース管理プログラム |
システム環境設定ファイル sysconfigファイル RMPプロパティ system情報ファイル セットアップ情報 XA連携プログラム、リソース管理プログラム |
注1)
otssetupコマンドで生成されます。セットアップ情報ファイルで指定した情報が格納されています。
注2)
データベース連携サービスが動作に必要とする情報が格納されています。
注3)
otssetrscコマンドで登録されたリソース定義ファイルなどが格納されます。クラスタ環境では、共用ディスク配下に存在します。
注4)
otsmkxapgmコマンドやotslinkrscコマンドで-cオプションを使用して作成されたXA連携プログラム、リソース管理プログラムが格納されます。
■注意事項
データベース連携サービスの資源をバックアップする際には、CORBAサービスの資源ファイルもバックアップする必要があります。詳細については、“4.1.1.5 CORBAサービスの資源ファイル”を参照してください。
■リポジトリサーバの資源ファイル
リポジトリサーバの定義ファイル |
リポジトリサーバの定義ファイル |
■認証サーバの資源ファイル
認証サーバの定義ファイル Webブラウザに表示するメッセージファイル 統合Windows認証アプリケーション資源 認証サーバ間連携の定義ファイル(注1) 認証サーバ間連携サービスのカスタマイズファイル(注1) 認証サーバ間連携サービス資源(注1) ユーザ情報を変換するカスタマイズモジュール(注1)(注2) カスタマイズモジュールの資源ファイル ユーザ指定の任意のディレクトリ配下(カスタマイズモジュールの動作に必要なファイル) |
認証サーバの定義ファイル Webブラウザに表示するメッセージファイル 統合Windows認証アプリケーション資源 認証サーバ間連携の定義ファイル(注1) 認証サーバ間連携サービスのカスタマイズファイル(注1) 認証サーバ間連携サービス資源(注1) ユーザ情報を変換するカスタマイズモジュール(注1)(注2) カスタマイズモジュールの資源ファイル ユーザ指定の任意のディレクトリ配下(カスタマイズモジュールの動作に必要なファイル) |
注1)
認証サーバ間連携を行っている場合にバックアップの対象となります。
注2)
ユーザ指定の任意のディレクトリ配下に格納されているカスタマイズモジュールの資源ファイル(カスタマイズモジュールの動作に必要なファイル)は、一括バックアップ対象外です。必要に応じて、ファイルのバックアップ・リストアを行ってください。
■業務サーバの資源ファイル
業務サーバの定義ファイル Webブラウザに表示するメッセージファイル |
業務サーバの定義ファイル Webブラウザに表示するメッセージファイル |
Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル パスワードファイル(任意) (注1) 公開用ルートディレクトリ (注2) |
Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル パスワードファイル(任意) (注1) 公開用ルートディレクトリ (注2) |
注1)
ihsbackupコマンド実行時に-t pass|allオプションを指定した場合で、かつユーザ認証を行っている場合、対象となります。
注2)
ihsbackupコマンド実行時に-t allオプションを指定した場合、対象となります。
Interstage J2EE共通資源ファイル |
Interstage J2EE共通資源ファイル |
<共通資源> <V9以降のIJServerの資源> <V7/V8のIJServerの資源> <V6用IJServerの資源> |
<共通資源> <V9以降のIJServerの資源> <V7/V8のIJServerの資源> <V6用IJServerの資源> |
■注意事項
“サーバ上の任意の位置で実行するWebアプリケーション”は、バックアップ対象外です。必要に応じて、ファイルのバックアップ・リストアを行ってください。
JNDI定義ファイル JMS不揮発化ファイル (注1) クラスタ環境定義ファイル (注2) |
JNDI定義ファイル JMS不揮発化ファイル (注1) クラスタ環境定義ファイル (注2) |
注1)
fjmsdsubXXXX.serおよび.XXXXは、JMSアプリケーションの不揮発チャネル運用時にだけ存在します(Xは数字)。
注2)
fjmscluster.serは、クラスタ環境構築時にだけ存在します。
Webサービス環境設定およびWebサービス情報管理ファイル |
Webサービス環境設定およびWebサービス情報管理ファイル |
UDDIレジストリサービス環境設定ファイル ログイン構成ファイル UDDIレジストリサービス用DSA |
UDDIレジストリサービス環境設定ファイル ログイン構成ファイル UDDIレジストリサービス用DSA |
注)
InfoDirectoryの管理ツールクライアントでDSAを作成する際に“DSAディレクトリ”に指定したディレクトリです。
Interstage ディレクトリサービスの資源ファイルは、リポジトリのデータベースとして標準データベースを使用する場合と、リレーショナルデータベース(RDB)を使用する場合とで異なります。
標準データベースを使用する場合
リポジトリ環境 リポジトリデータ アクセスログ |
リポジトリ環境 リポジトリデータ アクセスログ |
リポジトリ環境 リポジトリデータ アクセスログ |
注1)
Interstage管理コンソールでリポジトリを作成する際に、各リポジトリの[データベース格納先](irepconfigコマンドで作成した場合は、“ena_directory”項目)に指定したディレクトリです。
注2)
リポジトリを作成する際に、各リポジトリのアクセスログ定義の[格納先](irepconfigコマンドで作成した場合は、“accesslog_dir”項目)に指定したディレクトリです。
RDBを使用する場合
RDBを使用する場合、Interstage ディレクトリサービス資源のうち、リポジトリデータはRDBが管理しています。Interstage ディレクトリサービスのバックアップ機能とは別に、RDBのバックアップ機能を利用して、バックアップする必要があります。
Interstage ディレクトリサービスのバックアップ機能の対象資源
リポジトリ環境 アクセスログ |
リポジトリ環境 アクセスログ |
リポジトリ環境 アクセスログ |
注1)
Interstage管理コンソールでリポジトリを作成する際に、各リポジトリのアクセスログ定義の[格納先]に指定したディレクトリです。(irepconfigコマンドで作成した場合は、“accesslog_dir”項目)
RDB(Symfoware/RDB)のバックアップ機能を使って退避する資源
以下に示す資源を退避してください。
ディスク上のデータベーススペース情報、およびディスク(ボリューム)の構成情報 テーブルのDSI RDBディクショナリ アーカイブログ (注3) |
注1)
データベース作成時にデータベース名、およびデータベーススペース情報一覧を作成して、ノートなどに記録して保存しておきます。
注2)
irepgendbコマンド、またはirepcrttblコマンドで作成したテーブルのDSIの取得方法は、“4.1.2.20 Interstage ディレクトリサービス資源のバックアップ”で示します。
注3)
アーカイブログをバックアップするアーカイブログ運用をするときに退避します。
RDB(Oracleデータベース)のバックアップ機能を使って退避する資源
以下に示す資源を退避してください。
データファイル |
上記以外のデータベースの資源については、データベースの構成、運用方法に合わせてバックアップしてください。
Interstage ディレクトリサービスが提供するバックアップ・リストアコマンドと対象資源の関係
Interstage ディレクトリサービスが提供するバックアップ・リストアコマンド(irepbacksys/ireprestsys)のオプションと、その対象とする資源の関係は以下のとおりです。
対象とする資源 | コマンドのオプション | ||
---|---|---|---|
指定なし | -confonly | -dataonly | |
リポジトリ環境 | ○ | ○ |
|
リポジトリデータ | ○ |
| ○ |
アクセスログ | ○ |
|
|
対象とする資源 | コマンドのオプション | ||
---|---|---|---|
指定なし | -confonly | -dataonly | |
リポジトリ環境 | ○ | ○ |
|
アクセスログ | ○ |
|
|
■注意事項
エントリ管理ツールの「接続情報設定」はバックアップの対象ではありません。
irepadminコマンドのRDBとの依存関係の設定は、バックアップの対象ではありません。
irepadminコマンドの自動起動設定は、バックアップの対象ではありません。
Interstage証明書環境の資源ファイルは、以下に示す2種類から成っています。
証明書環境のファイル
SSL定義ファイル
証明書環境のファイル |
証明書環境のファイル |