手動操作によるサーバ切替え、切戻しおよび自動リカバリが正常に動作するためには、以下の条件を満たしている必要があります。
予備サーバの条件
予備サーバとして使用するサーバは、以下の条件が運用サーバと同じである必要があります。
これらの条件を満たしていない場合、予備サーバに設定できない、サーバの切替えの失敗や切替え後のサーバが正常に動作できないなどの影響があります。
サーバのモデル
サーバのハードウェア構成
オプションカードとその搭載位置、ローカルディスクの個数、サイズとRAID設定が同じであること。
上記以外(CPU数、CPUクロック、メモリ容量など)については予備サーバの条件ではありませんが、業務で使用するOSとアプリケーションが動作可能な構成である必要があります。
BIOSの設定
「3.5 サーバ環境の設定」の「管理対象サーバのBIOS設定」に従って同じ設定がされていること。
LAN、SANの接続
同じ冗長化方式、冗長パス数で、同一のネットワーク装置やストレージ装置にアクセスできること。なお、カスケード接続されたLANスイッチやファイバチャネルスイッチは、1台の装置とみなします。
ファイアウォールによる隔離状況
運用サーバと予備サーバの間にファイアウォールがないこと。
なお、物理OSとVMゲスト(サーバ仮想化ソフトウェアの高可用性機能)で予備サーバを共有している場合は、予備サーバもI/O仮想を利用したSANブート構成である必要があります。
詳細については、「9.2 構成」の「図9.3 物理OSとVMゲスト(サーバ仮想化ソフトウェアの高可用性機能)で予備サーバを共有する構成」を参照してください。
また、バックアップ・リストア方式で、予備サーバに2台以上のローカルディスクが接続されている場合は、2台目以降のローカルディスクのパーティション構成が異なっていると、起動時に警告が表示されることや、OSが起動できなくなり切替えが失敗することなどがあります。設定が完了したあとに、切替え、切戻し操作を行って、動作を確認してください。
正しく動作しない場合は、2台目以降のローカルディスクのパーティションを事前に設定しておくか、OSが起動する際に2台目以降のローカルディスクに依存しないように、自動起動するサービスの設定や、Windowsのドライブの割当てなどを変更してください。
サーバ切替えの条件
サーバ切替えは、以下の条件を満たしている場合に行えます。
条件を満たしていない場合は、自動リカバリによる切替えも行われません。
サーバが切り替わった状態ではない(運用サーバが稼働中である)こと。
予備サーバの状態が"normal"、"warning"、"stop"のどれかであること。VMホストを予備サーバに設定した場合は、"normal"、"warning"のどちらかであること。
物理OSとVMゲスト(サーバ仮想化ソフトウェアの高可用性機能)で予備サーバを共有している場合、予備サーバ上にVMゲストがないこと。
複数の運用サーバで予備サーバを共有している場合、他の運用サーバが、その予備サーバに切り替わっていないこと。
ローカルブート環境のサーバの場合、システムイメージがバックアップされていること。
サーバの切戻しの条件
サーバの切戻しは、以下の条件を満たしている場合に行えます。
サーバが切り替わった状態であること。
運用サーバの状態が"stop"であること。
ローカルブート環境のサーバの場合、システムイメージがバックアップされていること。