以下のように監視対象のログファイルが監視できない場合の対処方法を説明します。
監視対象のログファイルのメッセージが再表示される
→対処1、2、4、5および注意事項を確認してください。
監視対象のログファイルが監視できない
→対処1~8、10、11および注意事項を確認してください。
監視対象のログファイルのメッセージが行の途中の文字で切れる
→対処3、4、8および注意事項を確認してください。
監視対象のログファイルのメッセージが行の途中の文字から表示される
→対処3、4、8および注意事項を確認してください。
監視対象のログファイルのメッセージが文字化けする
→対処3、4、8および注意事項を確認してください。
監視対象のログファイルの複数行のメッセージが1行で表示される
→対処3を確認してください。
監視対象のログファイルのメッセージが「Invalid character code. Text is deleted.」というメッセージに置換される
→対処3、4、8および注意事項を確認してください。
同一の監視対象ログファイルのメッセージであるのに、表示されるものとされないものがある
→対処3、4、8および注意事項を確認してください。
監視対象のログファイルを切り替えた際、切り替え後のログファイルが監視できない(11.0以降/V11.0L10以降)
→対処9を確認してください。
監視対象のログファイルの切り替えタイミングで、監視が抜けるログがある。(11.0以降/V11.0L10以降)
→対処12を確認してください。
対象バージョンレベル
Systemwalker Centric Manager
Windows版:V5.0L10以降
Solaris版:5.0以降
HP-UX版:5.1以降
AIX版:10.0以降
Linux版:5.2、V10.0L10以降
Systemwalker Event Agent
Windows版:V10.0L20以降
Solaris版:10.1以降
Linux版:V11.0L10以降
対処1
確認ポイント
クラスタシステムの共有ディスクのログファイルを、[監視ログファイル設定]画面を使用して、監視対象として登録していませんか。
以下のバージョン、エディション、インストール種別以外は、共有ディスクのログファイルの監視をサポートしていません。
Systemwalker Centric Manager 10.0以降
Systemwalker Centric Manager EE
部門管理サーバ/業務サーバ
※運用管理サーバがクラスタの場合、共有ディスクのファイル監視機能は使用できません。
原因
クラスタシステムの共有ディスクのログファイル監視は、共有ディスクのファイル監視機能でサポートしています。
設定方法は[監視ログファイル設定]画面ではなく、「共有ディスクファイル監視定義ファイル」です。
対処方法
共有ディスクのファイル監視の設定手順に従って定義を実施してください。
詳細は、Systemwalker技術情報ホームページの、各クラスタソフトの運用管理ガイドを参照してください。
注意事項
共有ディスク上のファイルを通常のログファイル監視(共有ディスクのファイル監視機能ではない)で監視すると、共有ディスクへの不正なアクセスが行われ、クラスタサービス機能によるフェ-ルオーバ・システム停止が起こる可能性があります。通常のログファイル監視による監視を絶対行わないでください。
通常の“監視ログファイル設定”とは定義方法が異なります。
Solaris版のSafeCLUSTER上で、共有ディスクのファイル監視を実施する場合は、必ず以下の修正を適用し、修正に添付しているreadmeも合わせて参照してください。
10.0 TJ00152以降 |
対処2
確認ポイント
リモートシステムのログファイルを監視対象としていますか。
原因
リモートシステムのログファイル監視は、サポートしていません。
対処方法
リモートシステムのログファイルを監視対象から外してください。
対処3
確認ポイント
監視対象のログファイルの文字コード(または改行コード)が、OSの文字コード(または改行コード)と異なっていませんか。
原因
監視対象のログファイルの文字コードおよび改行コードは、OSの文字コードおよび改行コードと必ず一致させてください。
ログファイル内に文字コードまたは改行コードが一致しない行が一部でも存在する場合、正常に監視ができません。
対処方法
文字コードの確認方法は“出力されたメッセージと、監視イベント一覧に表示されるメッセージが違う”を参照してください。
対処4
確認ポイント
ログファイル監視のしくみに合った監視をしていますか。
対処方法
監視のしくみ上、ログファイルへのメッセージの出力方法に問題がある場合、メッセージの出力方法を変更してください。
以下に監視のしくみを説明します。
ログファイル監視を実施した場合、Systemwalker Centric Managerは以下のタイミングでファイルサイズに変更がないかチェックします。
Systemwalker Centric Manager起動時
[通信環境定義]ダイアログボックスの[動作設定]タブの[ファイル監視間隔]に指定された間隔
このチェック時に読み込んだログファイルの大きさと、現在の大きさを比較し、違いがある場合、ログファイルを読み込みます。
前回の大きさより増えた場合は、改行までを1メッセージとしてログファイルを読み込み、新規メッセージとします。
前回の大きさよりサイズが減少した場合は、ログファイルが一度クリアされたあと再出力されたと判断し、すべての内容を改行までを1メッセージとして処理します。
※共有ディスクのファイル監視機能も同様のしくみで、ファイルから新規のメッセージを読み込みます。
【例1】正しい監視の例
以下の場合、message6を新規メッセージとして処理します。
追加前 | 追加後 |
message1 | message1 |
【例2】正しい監視の例
以下の場合、message6からmessage9を新規メッセージとして処理します。
追加前 | 追加後 |
message1 | message6 |
【例3】正しい監視ができない例
以下の場合、サイズが変化しないため、message2は、新規メッセージにはなりません。
追加前 | 追加後 |
message1 | message2 |
【例4】正しい監視ができない例
以下の場合、MESSAGE1001ではなく、001を新規メッセージとして処理します。
追加前 | 追加後 |
message1 | MESSAGE1 |
【例5】正しい監視ができない例
以下の場合、messageABCD ではなく、Cより新規メッセージとして処理し、文字列の途中から監視されます。
※ファイルサイズには改行コードが含まれているため、監視は"C"からになります。また、Windowsの場合は改行コードが2バイトであるため、監視は"D"からになります。
追加前 | 上書き後 | 通知結果 |
message1 | messageABCD | UNIXの場合:CD |
対処5
確認ポイント
共有ディスクのログファイル監視で使用する、“監視作業ファイル”のアクセス権が変更されていないですか。
Windows版
“監視作業ファイル”のセキュリティ設定で“administrators”、“SYSTEM”グループが共に割り当てられ、“書き込み”、“読み取り”が許可されていることを確認してください。
UNIX版
“監視作業ファイル”のファイルの所有者が“システム管理者(スーパーユーザ)権限”で、所有者の“書き込み”、“読み込み”が許可されていることを確認してください。
原因
共有ディスクログファイル監視で使用する“作業ファイル”の属性が変更されてアクセス権限が無くなると、共有ディスクのログファイル監視が行えなくなります。
対処方法
“監視作業ファイル”のアクセス権が変更されている場合、“監視作業ファイル”を再作成してください。
以下の手順にて、“監視作業ファイル”を再作成します。
Systemwalker Centric Manager を停止します。
アクセス権が変更されている共有ディスクログファイル監視で使用する“監視作業ファイル”を削除します。
Systemwalker Centric Manager を起動します。
起動後に監視作業ファイルが自動生成され、生成された後にログされたメッセージから共有ディスクログファイル監視を始めます。
対処6
確認ポイント
ログファイル監視の定義変更を実施後、またはログファイル監視の定義をポリシー配付した後に、サービス、またはSystemwalker Centric Managerを再起動していますか。
原因
ローカルドライブ上のログファイル監視、または共有ディスクのログファイル監視の定義変更を実施後に、サービス、またはSystemwalker Centric Manager を再起動しないと、定義内容が有効になりません。
※サービスの再起動とは、[システム監視設定]画面より定義を変更し、変更完了時に実施する(ポップアップにより)、またはポリシー配付により“すぐに適用する(配付先のサービスを再起動する)”を選択した際に実施されます。
対処方法
再起動が未実施、または実施したことが不明の場合は、Systemwalker Centric Manager を再起動させてください。
対処7
確認ポイント
UNIX版の場合、監視対象のログファイルのサイズが2GBを超えていませんか。
原因
UNIX版Systemwalker Centric Managerでは2GBを超えるログファイルは監視出来ません。
対処方法
注意事項の“監視対象のログファイルをリセットする手順”に従って、ログファイルのリセットを実施してください。
対処8
確認ポイント
監視対象ログファイルをバイナリエディタで開いた場合に、NULL文字(0x00)等のバイナリデータが含まれていませんか。
原因
監視できるファイルはテキスト形式のファイルだけです。NULL文字(0x00)等のバイナリデータを含むファイルは監視できません。
対処方法
監視対象ログファイル内のバイナリデータを取り除いてください。また、その後バイナリデータが出力されないようにアプリケーション側で対処してください。
対処9
確認ポイント
監視機能の一時停止後に“監視ファイル名格納ファイル”の定義変更、および監視の再開は行っていますか。
原因
監視対象のログファイルが運用中に変更される場合、監視対象のログファイルの変更を行う必要があります。変更の手順が完了していない場合、切り替え後のログファイルは監視できません。
対処方法
以下の手順で監視対象のログファイルの変更を行ってください。コマンドの詳細は、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
ローカルドライブ上のログファイル監視の場合
監視機能の一時停止をします。
opafmonext -p
“監視ファイル名格納ファイル”の内容を編集し、新たに監視対象となるファイル名に変更します。
監視を再開します。
opafmonext -s
共有ディスクのログファイル監視の場合
運用系システムで実施してください。
監視機能の一時停止をします。
opashrfmonext -p
“監視ファイル名格納ファイル”の内容を編集し、新たに監視対象となるファイル名に変更します。
監視を再開します。
opashrfmonext -s
対処10
確認ポイント
監視対象のログファイルのファイルサイズは増加していますか?
原因
ログファイル監視機能では、ログファイルのサイズ増加を検知した場合に増分のテキストを読み込む仕様です。そのため、サイズが変化しないログファイルは監視ができません。
対処方法
監視対象にするログファイルは、ログの更新と同時にファイルサイズが増加するようにしてください。
対処11
確認ポイント
監視対象ログファイルの各行末に改行は付加されていますか。
原因
ログファイル監視では、各行の先頭から改行までを1メッセージとして処理します。
改行が付加されていない行については、たとえ増分であってもメッセージとして通知されません。
対処方法
監視対象ログファイルの各行末には改行を付加するようにしてください。
対処12
確認ポイント
監視対象のログファイルを切り替える前後で、ログファイル監視機能の一時停止と再開を行なっていますか?
原因
監視対象のログファイルを切り替える前後で、ログファイル監視機能の一時停止と再開を行なわない場合、ログファイルの切り替えタイミングで、ログの監視が抜ける場合があります。
対処方法
監視対象のログファイルを切り替える前後で、ログファイル監視機能の一時停止と再開を行なってくだください。ログファイル監視機能の一時停止と再開を行なうには下記のコマンドを使用します。一時停止時には”-p”オプションを、また再開時には”-s”オプションを指定してください。コマンド使用方法の詳細は、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してくだください。
opafmonext(ログファイル監視拡張コマンド)
opashrfmonext(共有ディスクファイル監視拡張コマンド)
注意事項
監視対象ファイルを、定義から削除したあと、再度ログファイル監視設定に追加した場合、新規のファイルが定義されたと認識し、ファイルの内容がすべて処理されます。
ログファイルの増加分の1行を1メッセージとして処理します。ただし、付加情報を含めた長さが2047バイト以下になるようにしてください。変換されたメッセージの構造を以下に示します。
ラベル: エラー種別: メッセージ |
ラベル: [監視ログファイル設定]画面で設定したラベル名
エラー種別: [監視ログファイル設定]画面で設定したエラー種別
メッセージ: ログファイルに書き込まれたメッセージ
ログファイルサイズについての注意事項
ログファイル監視機能は、監視対象のログファイルを前回読み込んだ時の大きさを比較し、差分を新規メッセージとして通知します。このため、前回読み込んだ時の大きさより小さい場合は、すべての内容が更新されたと判断し、すべての内容が読み直されます。ログファイルのチェック間隔の初期値は30秒です。(ログファイルのチェック間隔は、[通信環境定義]ダイアログボックスの[動作設定]-[ファイル監視間隔]の設定で変更できます)
※監視対象のファイルが一時的にアクセスできない(アンマウント状態、一時的に退避等)、ファイルが存在しない場合、ファイルサイズは“0byte”として扱われ、次回の監視はファイルの先頭から実施されます。
Systemwalker Centric Managerの運用中に、一時的にアンマウントされるディスク上のファイルについて
アンマウントの状態でファイルの参照が出来ない時はファイルサイズを0byteとして扱われます。そのため、再マウント後の監視はファイルの先頭から監視され、ログの再読み込みが行われる可能性があります。そのため、監視は正しく出来ません。
ただし、V11.0L10/11.0以降の場合、ログファイル監視拡張コマンド(opafmonext)または共有ディスクファイル監視拡張コマンド(opashrfmonext)を使用して、以下のようにアンマウントの前後でファイル監視機能の一時停止、再開を行うことでログの再読み込みが行われることなく監視を継続することが可能です。
ファイル監視機能の一時停止
アンマウント
再マウント
ファイル監視機能の再開
ラベル名に以下の文字列を指定した場合、メッセージ監視(フィルタリング)が正しくできない場合があります。
INFO,情報,Information
WARNING,警告,Warning
ERROR,エラー,Error
HALT,停止,Stop
メッセージ発生日時は、Systemwalker Centric Managerがログファイルからメッセージを読み込んだ日時となります。
改行だけの行がログファイルに出力、監視された場合、メッセージが空白のメッセージ(ラベル+エラー種別だけのメッセージ)として扱われます。
ファイルサイズの大きなログファイルを監視対象に追加する場合、ファイルの先頭から監視を開始するため、監視を完了するまでに時間が掛かり、大量のメッセージが発生する可能性があります。
監視対象のログファイルをリセットする手順は以下になります。(運用を止めずに実施する)
監視対象のログをリセット(ファイル削除・ファイル内容を消去)して、ファイルサイズを“0byte”にする。
[ファイル監視間隔]の時間以上待ち、ログファイルが“0byte”になったことを Systemwalker Centric Manager に認識させる。
ログの書き込みを再開する。
※2)の処理により、ログの書き込みを再開した後の監視ではファイルの先頭から監視されるため、メッセージが漏れなく監視されます。
クラスタ運用を実施している運用管理サーバにおいて、ローカルドライブ上のログファイル監視は使用できないため、ログファイル監視の設定を外してください。