J2EEアプリケーションの移行に関する注意点を説明します。
J2EEアプリケーションからJava EEアプリケーションへの移行
J2EEアプリケーションをJava EEアプリケーションに移行するには、各アプリケーションの変更点を参照してアプリケーションを更新してください。
Webアプリケーション:"2.1.1.1 J2EE1.4からの変更点"
Enterprise JavaBeans(EJB):"J2EE1.4からの変更点"
Java Persistence API:"EJB2.1からの変更点"
Webサービス:"J2EE1.4からの変更点"
EJB2.0に準拠した資産をEJB2.1準拠に移行するには、以下の手順に従ってください。
注意
EJB2.1に移行した場合は、Interstage Application Serverではリモート環境からEJBアプリケーションにアクセスすることはできません。
1) プロジェクト新規作成
EJBプロジェクトウィザードで新規にEJBプロジェクトを作成します。このとき、ウィザードの[EJB モジュール バージョン]で[2.1]を選択してください。
2) 旧資産のインポート
インポートウィザードを使用して旧資産をインポートします。
メニューバーから[ファイル] > [インポート]を選択して、インポートウィザードを起動します。[インポートソースの選択]で[一般] > [ファイルシステム]を選択して、旧資産の必要な資産(ソースファイル、deployment descriptorなど)をインポートしてください。deployment descriptorはソースフォルダのMETA-INFフォルダ配下に格納してください。deployment descriptorは、EJBプロジェクト作成時に生成されますが、インポート時に既存資産のdeployment descriptorを上書きしてください。
ポイント
以下のフォルダはインポート対象から外してください。
.externalToolBuilders
.settings
bin
src
distribute
3) deployment descriptorの更新
deployment descriptorをEJB2.0からEJB2.1形式に変更します。変更は、deployment descriptorをXMLエディタで開き、XMLを直接変更する必要があります。
deployment descriptorのスキーマ定義をDTDからXML Schemaに変更する
以下のようにXML Schemaを定義します。
EJB2.0
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <!DOCTYPE ejb-jar PUBLIC "-//Sun Microsystems, Inc.//DTD Enterprise JavaBeans 2.0//EN" "http://java.sun.com/dtd/ejb-jar_2_0.dtd"> <ejb-jar>
EJB2.1
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <ejb-jar version="2.1" xmlns="http://java.sun.com/xml/ns/j2ee" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:schemaLocation="http://java.sun.com/xml/ns/j2ee http://java.sun.com/xml/ns/j2ee/ejb-jar_2_1.xsd"> </ejb-jar>
タグ構成の変更
EJB2.0からEJB2.1でタグ構成、値が変更になったタグを修正します。
<small-icon>、<large-icon>タグ
アイコンの指定タグ(<small-icon>、<large-icon>)が、<icon>タグ配下に変更になったので、<icon>タグ配下に変更します。
EJB2.0
<small-icon>icon/small.gif</small-icon> <large-icon>icon/large.gif</large-icon>
EJB2.1
<icon> <small-icon>icon/small.gif</small-icon> <large-icon>icon/large.gif</large-icon> </icon>
<reentrant>タグ
<reentrant>タグの設定値(True or False)が、すべて小文字に変更になったので、小文字(true or false)に修正します。
EJB2.0
<prim-key-class>sample.EventPrimaryKey</prim-key-class> <reentrant>False</reentrant> <cmp-version>2.x</cmp-version>
EJB2.1
<prim-key-class>sample.EventPrimaryKey</prim-key-class>
<reentrant>false</reentrant>
<cmp-version>2.x</cmp-version>
<security-role-ref>、<security-identity>タグ
<security-role-ref>、<security-identity>タグの出現箇所が参照EJBタグ(<ejb-ref>、<ejb-local-ref>)と参照リソースタグ(<resource-ref>、<resource-env-ref>)の間から、参照リソースタグのうしろに変更になったので、タグの挿入位置を変更します。
EJB2.0
<ejb-local-ref> 省略 </ejb-local-ref> <security-role-ref> <role-name>Security1</role-name> <role-link>Security1</role-link> </security-role-ref> <security-identity> <run-as> <role-name>Security1</role-name> </run-as> </security-identity> <resource-ref> 省略 </resource-ref>
EJB2.1
<ejb-local-ref> 省略 </ejb-local-ref> <resource-ref> 省略 </resource-ref> <security-role-ref> <role-name>Security1</role-name> <role-link>Security1</role-link> </security-role-ref> <security-identity> <run-as> <role-name>Security1</role-name> </run-as> </security-identity>
Message-driven Bean関連タグの変更
Message-driven Beanの以下のタグが削除されて、新規に追加された<activation-config>タグでプロパティ名および値として定義しなおします。
<message-selector>
<acknowledge-mode>
<message-driven-destination>
<destination-type>
<subscription-durability>
プロパティの指定方法は以下のようになります。
EJB2.0タグ | EJB2.1タグ | |
---|---|---|
プロパティ名 | 値 | |
message-selector | messageSelector | 任意の文字列 |
acknowledge-mode | acknowledgeMode | 以下のどちらかを指定します。
|
destination-type | destinationType | 以下のどちらかを指定します。
|
subscription-durability | subscriptionDurability | 以下のどちらかを指定します。
|
設定例を以下に示します。
<message-driven> 省略 <activation-config> <activation-config-property> <activation-config-property-name> messageSelector </activation-config-property-name> <activation-config-property-value> JMSType = 'car' AND color = 'blue'</activation-config-property-value> </activation-config-property> <activation-config-property> <activation-config-property-name> destinationType </activation-config-property-name> <activation-config-property-value> javax.jms.Topic </activation-config-property-value> </activation-config-property> <activation-config-property> <activation-config-property-name> subscriptionDurability </activation-config-property-name> <activation-config-property-value> NonDurable </activation-config-property-value> </activation-config-property> </activation-config> </message-driven>
4) Javaソースの修正
EJB2.0からEJB2.1への移行ではソースの修正の必要はありません。
EJB1.0またはEJB1.1に準拠した資産をEJB2.0準拠に移行するには、以下の手順に従ってください。
1) プロジェクト新規作成と旧資産のインポート
ワークベンチで作成していない資産については、以下の処理を行う必要があります。
EJBプロジェクトを新規に作成します。
[EJB モジュール バージョン]の指定では、[2.0]を指定します。
インポートウィザードを使い旧資産をインポートします。
メニューバーから[ファイル] > [インポート]を選択すると、インポートウィザードが選択できますので、ウィザードを選択し、必要な資産のインポートを行ってください。EJB1.0または、EJB1.1からEJB2.0に移行する場合には、deployment descriptorは、インポートしません。
2) deployment descriptorの更新
プロジェクト作成時に生成されたdeployment descriptorをXMLエディタで開き、XMLを直接変更する必要があります。必要な情報を設定して、deployment descriptorを更新します。
3) Javaソースの修正
EJB1.1からEJB2.0への移行ではソースの修正は必要ありません。EJB1.0からの移行の場合は以下の処理について適宜修正してください。
lookup処理
ビジネスメソッド呼出し処理
UserTransaction処理
Enterprise Bean Environment利用処理
J2EEアプリケーションクライアント1.3からJ2EEアプリケーションクライアント1.4への移行
J2EEアプリケーションクライアント1.3に準拠した資産をJ2EEアプリケーションクライアント1.4準拠に移行するには、以下の手順に従ってください。
1) プロジェクト新規作成
アプリケーションクライアントプロジェクトウィザードで新規にアプリケーションクライアントプロジェクトを作成します。[アプリケーションクライアントモジュールバージョン]の指定では、[1.4]を指定します。
2) 旧資産のインポート
インポートウィザードを使用して旧資産をインポートします。
メニューバーから[ファイル] > [インポート]を選択して、インポートウィザードを起動します。[インポートソースの選択]で[一般] > [ファイルシステム]を選択して、旧資産の必要な資産(ソースファイル、deployment descriptorなど)をインポートしてください。deployment descriptorはソースフォルダのMETA-INFフォルダ配下に格納してください。deployment descriptorは、アプリケーションクライアントプロジェクト作成時に生成されますが、インポート時に既存資産のdeployment descriptorを上書きしてください。
3) deployment descriptorの更新
deployment descriptorをJ2EEアプリケーションクライアント1.3からJ2EEアプリケーションクライアント1.4形式に変更します。変更は、deployment descriptorをXMLエディタで開き、XMLを直接変更する必要があります。
deployment descriptorのスキーマ定義をDTDからXML Schemaに変更する
以下のようにXML Schemaを定義します。
J2EEアプリケーションクライアント1.3
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <!DOCTYPE application-client PUBLIC "-//Sun Microsystems, Inc.//DTD J2EE Application Client 1.3//EN" "http://java.sun.com/dtd/application-client_1_3.dtd"> <application-client>
J2EEアプリケーションクライアント1.4
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <application-client id="Application-client_ID" version="1.4" xmlns=http://java.sun.com/xml/ns/j2ee xmlns:xsi=http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance xsi:schemaLocation="http://java.sun.com/xml/ns/j2ee http://java.sun.com/xml/ns/j2ee/application-client_1_4.xsd"> </application-client>
タグ構成の変更
J2EEアプリケーションクライアント1.3からJ2EEアプリケーションクライアント1.4でタグ構成、値が変更になったタグを修正します。
<small-icon>、<large-icon>タグ
アイコンの指定タグ(<small-icon>、<large-icon>)が、<icon>タグ配下に変更になったので、<icon>タグ配下に変更します。
J2EEアプリケーションクライアント1.3
<small-icon>icon/small.gif</small-icon> <large-icon>icon/large.gif</large-icon>
J2EEアプリケーションクライアント1.4
<icon> <small-icon>icon/small.gif</small-icon> <large-icon>icon/large.gif</large-icon> </icon>