PRIMECLUSTER 活用ガイド <クラスタ構築・運用時の留意点> (Solaris(TM)オペレーティングシステム/Linux版)
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付録A RMS 属性一覧

ここでは、RMS の利用者設定属性について説明します。利用者設定属性は、利用者がウィザード GUI、あるいは CUI を使用して変更できます。

Solaris の GUI(userApplication Configuration Wizard)からは、以下の属性のみが設定可能です。

● AutoRecover

設定値 : 0、1
デフォルト : 0

リソースオブジェクトに対して有効な属性。1 に設定すると、Online 状態のオブジェクトで障害が発生した場合に、そのオブジェクトに対してオンラインスクリプトを実行します。オブジェクトが Online 状態に戻ることができる場合は、障害が復旧されます。

Scalable コントローラは 0 に設定する必要があります。RMS は Scalable の子アプリケーションの切替えを自動的に処理します。

● AutoStartUp

設定値 : 0、1
デフォルト : 0

RMS の起動時に、SysNode 上の userApplication オブジェクトを優先順位が一番高いノードで Online に切替えます。「いいえ」の場合は 0、「はい」の場合は 1 に設定します。

● AutoSwitchOver

設定値 : 次のうちの 1つ以上を含む文字列。No、HostFailure ResourceFailure ShutDown
デフォルト : No

userApplication オブジェクトで障害が発生した場合に、自動的に他のノードに切替えられるようにします。切替えのタイミングについて以下から選択します。

No
RMS による自動切替えを行いません。クラスタアプリケーションは管理者によって手動で切替える必要があります。
HostFailure
ホストで障害が発生した場合
ResourceFailure
リソースで障害が発生した場合
ShutDown
RMS が停止した場合

[|] を使用して、値を組み合わせることができます。No は他の値と組み合わせることができません。下位互換性を確保するため、0 および 1 を使用することができます。0 は No として、1 は HostFailure | ResourceFailure として扱われます。

● ClusterExclusive

設定値 : 0、1
デフォルト : 0

リソースオブジェクトに対して有効な属性。1 に設定すると、クラスタ内で一度に 1つのノード上だけでリソースが Online になります。0 に設定すると、一度に複数のノード上でリソースが Online になることができます。

この属性を利用者が変更できるのは、cmdline リソースについてのみです。

● HaltFlag

設定値 : 0、1
デフォルト : 0

userApplication オブジェクトに対して有効な属性。

1 を設定すると、ダブルフォルト(二重故障)の発生時にノードは強制停止され、フェイルオーバが行われます。

0 を設定すると、ダブルフォルト(二重故障)の発生時にフェイルオーバが行われません。

● InParallel

設定値 : 0、1
デフォルト : 0

Online または Offline 処理では、 通常はすべての監視対象を起動または停止するためのプログラムが連続して実行されます。

"Yes" に設定すると、それらは並行して実行されます。

● MonitorOnly

設定値 : 0、1
デフォルト : 0

リソースオブジェクトに対して有効な属性。1 に設定すると、親の状態を計算するときに、親がオブジェクトの状態を無視します。すなわち、リソース異常となっても、切替えを発生させない場合に 1 に設定します。すべての親は、MonitorOnly が設定されていない子を 1つ以上持つ必要があります。

● NeedAll

設定値 : 0、1
デフォルト : リソースによって異なります。

複数の gResource オブジェクトの状態を、親のオブジェクトにどのように伝えるかを定義する属性です。

" Yes (0)" に設定すると、論理積(AND)演算により状態が決まります。
" No (1) " に設定すると、論理和(OR)演算により状態が決まります。

例) Fsystem リソース内に二つのマウントポイントがある場合、ある一つのマウントポイントが Faulted 状態となり、もう一つのマウントポイントが Online 状態のとき


" Yes (0)"に設定されていると、Fsystem リソースの状態は、二つのマウントポイントの状態の AND となり、Faulted 状態として、上位に通知されます。

" No (1)"に設定されていると、Fsystem リソースの状態は、二つのマウントポイントの状態の OR となり、Online 状態として、上位に通知されます。

● OnlinePriority

設定値 : 0、1
デフォルト : 0

userApplication オブジェクトに対して有効な属性。全クラスタを停止して再起動した場合に、RMS は、クラスタアプリケーションを、最後に Online であったノード上で起動します。AutoStartUp または優先切替えの場合、この最後の Online ノードが、優先順位リスト内での位置に関係なく、最高の優先順位になります。

1 に設定すると、クラスタアプリケーションは、最後に Online であったノードで Online になります。0 に設定できない場合、クラスタアプリケーションは、PriorityList 属性の最優先されるノード上の Online になります。

RMS は、timestamp を参照して、クラスタアプリケーションが最後に Online であったのはどこかを追跡します。クラスタアプリケーションについて最新の timestamp を持つノード上で、クラスタアプリケーションが Online になります。異なるクラスタノード間では、通常時間の同期が実行されますが、実行されない場合もあります。RMS は、クラスタ内のノード間の時間同期を確保する機構を備えていないため、システム管理者が管理する必要があります。

RMSによりクラスタ内のノード間で著しい時間の不一致が発見された場合は、switchlog にエラーメッセージが記録されます。NTPD を使用して、クラスタ内のノードの同期をとることもできます。

詳細については、xntpd のマニュアルページを参照してください。

OnlinePriority 固定状態情報は、RMS が、最後に Online 状態にあったノードが構成から削除された状態で起動されるとクリアされます。

● PartialCluster

設定値: 0、1
デフォルト : 0

userApplication オブジェクトに設定できる属性です。クラスタアプリケーションの起動時に、クラスタアプリケーションが動作できるすべてのノードに対し、起動しようとするクラスタアプリケーションがすでに起動していないかをチェックする処理を実行するかどうかを定義します。

本属性値を 1 に設定すると、クラスタアプリケーションが動作できるすべてのノードが Online 状態にならなくても、Online 状態であるノードでクラスタアプリケーションは起動します。

本属性値を 0 に設定すると、クラスタアプリケーションが動作できるすべてのノードが Online 状態にならないと、クラスタアプリケーションは起動しません。

クラスタアプリケーションが Scalable コントローラを含む場合(すなわち 1 つ以上のクラスタアプリケーションを制御するクラスタアプリケーション である場合)は、本属性に 1 を設定してください。一方、制御される側のクラスタアプリケーションには、本属性に 0 を設定し、かつ、AutoStartUp 属性に 0 を設定してください。

● PersistentFault

設定値: 0、1
デフォルト : 0

userApplication オブジェクトに対して有効な属性。

"0" を設定すると、クラスタアプリケーションが Faulted 状態となったあとのノード再起動後、Faulted 状態は解除され、クラスタアプリケーションが待機状態で正常起動します。

"1" を設定すると、Faulted 状態となったノードを再起動しても、クラスタアプリケーションはFaulted 状態のまま起動されます。その場合、"PRIMECLUSTER 導入運用手引書" の "7.2.2.4 Faulted 状態のクラスタアプリケーションを運用状態にする" を参照し、Faulted 状態をクリアしてください。

● ScriptTimeout

設定値 : 0-MAXINT(秒数)または "default_value[:[offline_value][:online_value]]" 形式の有効な文字列
デフォルト : 300

すべてのオブジェクトタイプに対して有効な属性。構成定義ファイルでノードに対して指定したすべてのスクリプトのタイムアウト値を指定します。OfflineScript および OnlineScript のタイムアウト値は、それぞれこの文字列の形式で指定します。

● ShutdownPriority

設定値 : 0-MAXINT
デフォルト : 0

userApplication オブジェクトに割当てられた重み係数。インタコネクト故障が発生した場合に生成されるサブクラスタの強制停止の優先度を決定します。

ノードがインタコネクトによって相互に結合されているサブクラスタが、最も大きな重み係数を持ち、強制停止する優先順位が最も低くなります。各サブクラスタの重みは、SF ノードの重みに、サブクラスタ内で Online 状態にあるすべての userApplication オブジェクトの RMS ShutdownPriority の値を加えた合計値です。

● StandbyCapable

設定値 : 0、1
デフォルト : 0

リソースオブジェクトに対して有効な属性。1 に設定すると、対応する親クラスタアプリケーションが Offline であるすべてのノード上で、Standby 処理が実行されます。

この属性を利用者が変更できるのは、cmdline サブアプリケーションについてのみです。他のサブアプリケーションに関しては、構成設定ツールが制御します。

● StandbyTransitions

設定値 : StartUp、SwitchRequest、ClearFaultRequest
デフォルト : ""(未設定)

userApplication オブジェクトに対して有効な属性。この値は Standby 状態になる条件を決定します。

● TimeoutSCRIPTTIMEOUT

設定値 : ""
デフォルト : リソースによって異なります。

リソースの開始、停止処理のタイムアウト時間を秒で設定します。


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