Webサービスをインターネットから利用する方法の一つに、DMZ内に配置されたリバースプロキシを経由して、TeamWARE OfficeのWebサービスにアクセスする方法があります。リバースプロキシは、イントラネットに配置されたTeamWARE Office Webサービスのサーバの代理として、そのサーバへの要求を中継するプロキシサーバです。そのため、インターネット側には中継先のTeamWARE Webサービスがセットアップされたコンピュータのホスト名(Host_nameキーに指定した値)ではなく、中継元のプロキシの完全修飾ドメイン名(コンピュータ名.ドメイン名、FQDN)が公開されます。
[ReverseProxy]セクションでは、特定IPアドレスからのリクエストに対する、レスポンスの変更方法を定義します。リバースプロキシ経由でWebサービスに直接アクセスしている場合で、本セクションおよびそのキーを指定することで、リバースプロキシを経由してもWebサービスを利用できるようになります。
注意
InterstageSSO連携設定をしているWebサービス、またはWeb拡張機能はリバースプロキシを経由して利用することはできません。
本機能で使用するリバースプロキシには、以下の機能が必要です。
マルチサーバで利用する場合は、バーチャルホスト機能が必要です。
外部に対してhttps通信を行う場合には、SSL通信機能をサポートしていることが必要です。
本機能では、リバースプロキシでバーチャルディレクトリ機能を利用した運用には対応しておりません。
[ReverseProxy]セクションで指定できるキーは、以下の通りです。
RTargetキー
RTargetキーには、通常リバースプロキシのIPアドレスを指定します。ここで指定したIPアドレスからのリクエストに対するレスポンス中のWebサービス情報(ホスト名(Host_nameキーに指定した値)、ポート番号、プロトコル、Cookieドメイン)は、下記のキーの値により変換されます。
IPアドレスには、最後に「*」をひとつだけ指定する方法をも許されます。例えば、10.123.*と指定した場合は、10.123.のセグメントから送信されたすべてのリクエストを、変換の対象にすることが可能になります。
なお、[ReverseProxy]セクションを指定する場合は、下記のすべてのキーを指定する必要があります。
RPortキー
RPortキーでは、[Host]セクションのPortキーを置き換える値を指定します。値は0~65535(ただし、25と25000~25010は除く)の範囲で指定します。
RProtocolキー
RProtocolキーでは、[Host]セクションのProtocolキーを置き換える値を指定します。値には"http"または"https"のいずれかを指定します。
RCookieDomainキー
RCookieDomainでは、[Security]セクションのCookieDomainキーを置き換える値を指定します。指定可能な文字は、1byte文字の、アルファベット(a-z,A-Z)・数字(0-9)・ドット(.)・ハイフン(-)のみです。
注意
RCookieDomainキーの省略値はインターネット側のFQDNです。RCookieDomainキーを省略した状態でTeamWARE Officeサーバを起動すると、初期化ファイルにインターネット側のFQDNを値としたキーが書き込まれます。リバースプロキシを使った運用を開始する前に必ずRCookieDomainキーの値を見直し、適切なドメイン名に変更してください。
SubstituteRuleキー
SubstituteRuleキーでは、そのサイトに存在するすべてのTeamWARE Webサービスがセットアップされたコンピュータのホスト名(Host_nameキーに指定した値)の変換ルールを記述します。本キーは最大12個まで指定可能です。
なお、指定した一つのキーの中継先ホスト名部には、[Host]セクションのHost_nameキーの値が指定されていなければなりません。
以下に書式を示します。
SubstituteRule = <中継先ホスト名>|<中継元ホスト名>
※初期化ファイルの1行に記述できる文字の長さは、511バイトまでです。
以下の表は、レスポンス中のURL変換ルールを示しています。
[ReverseProxy] | [ReverseProxy]セクションの設定あり | ||
---|---|---|---|
リバースプロキシ | リバースプロキシ以外 | ||
ホスト名 | Host_nameキー | 中継元ホスト名にHost_nameキーの値が指定されたSubstituteRuleキーの中継先ホスト名 | Host_nameキー |
プロトコル名 | Protocolキー | RProtocolキー | Protocolキー |
ポート番号 | Portキー | RPortキー | Portキー |
Cookieドメイン | CookieDomainキー | RCookieDomainキー | CookieDomainキー |
以下の図は、リバースプロキシを含むシステムの構成例です。以降で、この構成を例にして[ReverseProxy]セクションの設定方法を示します。
この例は、イントラネット、DMZ、および、インターネットの3つのゾーンから構成されています。イントラネット内には、twdir.intra.in.comというディレクトリサーバ、twappl.intra.in.comというアプリケーションサーバ、および、端末2が存在します。DMZ内にはReversePoxyサーバ(IPアドレスは仮に10.10.10.10とします)が、インターネット内には端末1が存在します。
インターネット側から見えるTeamWARE Officeサーバの名前は、two1.inter.out.com とtwo2.inter.out.com で、それぞれがディレクトリサーバとアプリケーションサーバに対応しています。
これらの名前を用いて端末1からDMZ内のReverseProxyサーバにアクセスすると、ReverseProxyサーバがその要求を、twdir.intra.in.comまたは、twappl.intra.in.comに中継します。
なお、この構成例では、イントラネット内の端末2からは非暗号化通信のhttpプロトコルでアクセスし、インターネット内の端末1からは暗号化通信をするhttpsプロトコルでアクセスするものとします。さらに、イントラネット側のCookieドメインは .intra.in.com 、インターネット側は .inter.out.com とします。
上記構成のための[ReverseProxy]セクションの設定を以下に示します。
[ReverseProxy] |