テープサーバを独立させて運用している場合のバージョンアップ方法について説明します。
手順4は、クラスタ運用の有無により作業が異なります。
11.4.1.1 テープ管理情報のバックアップ
バージョンアップ前の環境でテープ管理情報を退避します。
11.4.1.2 アンインストール
旧製品をアンインストールします。
11.4.1.3 インストール
本製品をインストールして、環境設定を行います。
クラスタ運用でない場合
データの整合性を確保するために、サーバ情報の変更処理を行います。
クラスタ運用の場合
テープサーバの登録を行います。
11.4.1.5 テープ管理情報のリストア
バックアップしておいたテープ管理情報を復元します。
11.4.1.6 アクセスパス定義の設定
テープサーバのアクセスパス定義の設定を行います。
11.4.1.7 テープサーバのカスタマイズ
テープサーバの環境設定を復元します。
注意
バージョンアップ時に構成変更が行われる場合
バージョンアップ時にStorage管理サーバのサーバ名、IPアドレス、またはポート番号の変更が必要な場合、上記手順によるバージョンアップ終了後、対応するOSの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「運用環境の変更」を参照して変更作業を行ってください。
テープサーバのテープ管理情報をバックアップします。手順を以下に示します。
テープ管理情報バックアップを実行して、テープサーバのテープ管理情報を指定したディレクトリへバックアップします。実行手順については、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 テープバックアップ連携編』の「テープ管理情報のバックアップ」を参照してください。
テープマネージャーに関する以下の定義ファイルを退避してください。
/etc/opt/FJSVswstm/conf/devpath.conf
/etc/opt/FJSVswstm/conf/tsm.conf
/etc/opt/FJSVswstm/conf/tsmbkfile
/usr/bin/dsm.opt
/usr/bin/dsm.sys
テープサーバおよびテープサーバの必須ソフトウェアであるAdvancedCopy Managerのエージェントをアンインストールします。手順を以下に示します。
クラスタ運用でない場合
テープサーバのデーモンを停止します。実行手順については、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 テープバックアップ連携編』の「デーモンの起動と停止」を参照してください。
テープサーバ上のテープマネージャーをアンインストールします。テープマネージャーのアンインストール手順については、該当するバージョンの以下のマニュアルを参照してください。
AdvancedCopy Manager13.1以降の場合
『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 導入手引書』の「アンインストール」の「テープマネージャーのアンインストール」から、「アンインストール」を参照してください。
AdvancedCopy Manager13.0以前の場合
『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager テープバックアップ導入手引書』の「アンセットアップ」の「テープマネージャーのアンセットアップ」から、「アンインストール」を参照してください。
手動で作成した起動ファイルを削除します。
AdvancedCopy Managerのエージェントをアンインストールします。AdvancedCopy Managerのエージェントのアンインストール手順については、該当するバージョンの以下のマニュアルを参照してください。
AdvancedCopy Manager13.1以降の場合
『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 導入手引書』の「エージェントのアンインストール」の「Solaris版/Linux版/HP-UX版/AIX版の場合」から、「アンインストール」を参照してください。
AdvancedCopy Manager13.0以前の場合
対応するOSの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 導入手引書』の「アンセットアップ」の「Storageサーバのアンセットアップ」から、「アンインストール」を参照してください。
クラスタ運用の場合
テープサーバをテープサーバ業務としてクラスタ運用している場合には、アンインストールの前にクラスタアンセットアップが必要となります。
クラスタアンセットアップの作業手順については、該当バージョンの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager クラスタ適用ガイド』の「テープサーバ業務の削除」を参照してください。
本バージョンのAdvancedCopy Managerをインストールします。手順を以下に示します。
クラスタ運用でない場合
テープサーバにAdvancedCopy Managerのテープマネージャーをインストールするには、同じテープサーバ上に事前にAdvancedCopy Managerのエージェントまたはマネージャーをインストールしておく必要があります。AdvancedCopy Managerのエージェントのインストール手順については、「第4章 エージェントのインストール」を参照してください。
テープサーバとして運用を行うために必要なテープマネージャーをインストールします。テープマネージャーのインストール手順については、「第7章 テープマネージャーのインストール」を参照してください。
クラスタ運用の場合
テープサーバのインストール手順については『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager クラスタ適用ガイド』の「テープマネージャー機能のインストール方法」を参照してください。なお、「テープマネージャー機能のインストール方法」の「AdvancedCopy Managerのインストール」手順では、テープサーバの必須ソフトウェアであるAdvancedCopy Managerのエージェントを選択してインストールしてください。
クラスタ運用でない場合
データの整合性を確保するために、GUIクライアントまたはサーバ情報変更コマンド(stgxfwcmmodsrv)を使用してサーバ情報の変更を行います。
GUIクライアントを使用する場合
サイトビューからStorageサーバを選択し、右クリックします。
コンテキストメニューから[変更]オプションを選択すると[Storageサーバの変更]ダイアログが表示されますので、何も変更せずに[OK]ボタンをクリックします。
GUIクライアントの使用方法については、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager GUI使用手引書』の「Storageサーバ情報の変更」を参照してください。
コマンドを使用する場合
-nオプションにStorage管理サーバ名を指定して、サーバ情報変更コマンド(stgxfwcmmodsrv)を実行します。
コマンドの使用方法については、対応するOSの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「サーバ情報変更コマンド(stgxfwcmmodsrv)」を参照してください。
クラスタ運用の場合
動作環境の設定を行ったサーバをテープサーバとして登録します。
手順については、対応するOSの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「Storageサーバの登録」を参照してください。
注意
Java Plug-inのキャッシュの影響で、サーバ情報の変更が失敗する場合があります。
サーバ情報の変更が失敗する場合、以下の手順でGUIクライアントのJava Plug-inのキャッシュをクリアし、再度実行してください。
GUIクライアントを起動している場合は、キャッシュをクリア後、GUIクライアントを終了して、起動してください。
[コントロールパネル] - [Java Plug-in]を選択します。
[キャッシュ]タブの[クリア]を選択します。
テープサーバのテープ管理情報をリストアします。手順を以下に示します。
バックアップしておいたテープサーバのテープ管理情報を復元します。実行手順については、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 テープバックアップ連携編』の「テープ管理情報のリストア」を参照してください。
退避しておいたテープマネージャーに関する以下の定義ファイルを復元してください。
/etc/opt/FJSVswstm/conf/devpath.conf
/etc/opt/FJSVswstm/conf/tsm.conf
/etc/opt/FJSVswstm/conf/tsmbkfile
/usr/bin/dsm.opt
/usr/bin/dsm.sys
テープサーバのアクセスパス定義の設定を行います。
注意
ETERNUS2000/ETERNUS3000/ETERNUS4000以外の運用環境の場合、本手順は不要です。
以下の条件に該当する場合、「アクセスパスの復元」の手順を実施してください。
以下の条件に該当しない場合、「アクセスパス定義の再設定」の手順を実施してください。
テープサーバのオペレーティングシステムをバージョンアップしていない場合、かつ、
バージョンアップ後もGRマルチパスドライバを継続して使用する場合
アクセスパスの復元
テープサーバのバージョンアップ設定コマンド(tboactmplbext)を実行します。
# /opt/FJSVswstm/bin/tboactmplbext /etc/opt/FJSVmplb/conf/mplb_ext_active was created. #
クラスタ運用の場合は、共有ボリュームを参照中の運用ノードで、バージョンアップ設定コマンドを実行してください。待機ノードで実行する必要はありません。
注意
tboactmplbextコマンドを誤って実行した場合
tboactmplbextコマンドを実行条件に該当しない場合に実行した場合、バックアップが正常に動作しない場合があります。『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 テープバックアップ連携編』の「テープサーババージョンアップ設定コマンド(tboactmplbext)」の注意事項に記載されている対処を実行してください。
アクセスパス定義の再設定
アクセスパスの再作成、およびアクセスパス定義の再設定を実行します。
注意
ETERNUS2000/ETERNUS3000/ETERNUS4000と、それ以外のディスクアレイ装置が混在している場合、ETERNUS2000/ETERNUS3000/ETERNUS4000のアクセスパスについてのみ、以下の手順を実施してください。
バージョンアップ前に使用していたアクセスパスが、以下の条件を満たす場合、手順4から実行してください。
アクセスパスが、ディスクアレイ装置の担当CM0のディスクから2つ、担当CM1のディスクから2つの、合計4つ設定されている場合、かつ、
バージョンアップ前に使用していたアクセスパスを継続して使用する場合
実行手順
アクセスパスのパーティションを再作成
実行手順については、「8.3 アクセスパスのパーティションの作成」を参照してください。
アクセスパス定義情報の削除
バージョンアップ前に使用していたアクセスパスの定義情報を削除します。
# rm -f /etc/opt/FJSVswstm/data/ctrl/.boxid_* #
アクセスパス定義ファイルを再設定
実行手順については、「8.6.1.1 アクセスパス定義ファイルの設定」を参照してください。
定義ファイルの検査
実行手順については、「8.6.1.3 定義ファイルの検査」を参照してください。
ETERNUS2000/ETERNUS3000/ETERNUS4000の情報取得
実行手順については、「8.6.1.4 ETERNUS2000/ETERNUS3000/ETERNUS4000の情報取得」を参照してください。
テープサーバの環境設定を復元します。
クラスタ運用でない場合
以下の条件に該当する場合は、手順3から実行してください。条件に該当しない場合は、手順1から実行してください。
[条件]
ETERNUS ディスクアレイおよびLUNの構成変更をしていない場合
[実行手順]
定義ファイルの検査
実行手順については、「8.6.1.3 定義ファイルの検査」を参照してください。
ETERNUS2000/ETERNUS3000/ETERNUS4000の情報取得
実行手順については、「8.6.1.4 ETERNUS2000/ETERNUS3000/ETERNUS4000の情報取得」を参照してください。
なお、運用環境にETERNUS2000/ETERNUS3000/ETERNUS4000を導入していない場合、本手順を実行する必要はありません。
ETERNUS テープライブラリのドライバ設定
実行手順については、「8.7.1 ETERNUS テープライブラリのドライバ設定」を参照してください。
TSMサーバデーモンの更新
TSMサーバデーモンの情報を更新します。以下のコマンドを実行してください。
# cd /opt/tivoli/tsm/server/bin # ./dsmserv UPGRADEDB
デーモンの自動起動設定
実行手順については、「8.8 デーモンの自動起動設定」を参照してください。
TSMサーバデーモンの設定については、バージョンアップ前の設定ファイルが存在している場合があります。本手順で設定するファイルがすでに存在する場合は、本手順を実行する必要はありません。
TSMの設定
実行手順については、「8.9 TSMの設定(デーモンの自動起動設定後に行う設定)」を参照してください。
クラスタ運用の場合
テープサーバをテープサーバ業務としてクラスタ運用している場合は、クラスタ用の手順が必要となります。
作業手順については、該当バージョンの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager クラスタ適用ガイド』の「テープサーバ業務のカスタマイズ」を参照してください。