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ETERNUS SFAdvancedCopy Manager 13.4 運用手引書

10.1.4 リストアの注意事項

リストアの注意事項について説明します。

リストアのタイミングについて

最新のバックアップボリューム採取時点からリストア操作を行うまでに、業務ボリュームの内容を書き換えたとしても、書き換えられたデータについては保証されません。

図10.1 AdvancedCopy Managerのリストア注意事項

TD:業務ボリューム

BD:バックアップボリューム

バックアップボリュームをマウントする手順

AIXではすべてのデバイスをLVMで管理しています。このためバックアップを実行すると、バックアップボリュームのLVM管理情報が、業務ボリュームのLVM管理情報で書き換えられてしまうため、そのままではバックアップボリュームを活性化することや、バックアップボリューム上の論理ボリュームをマウントできなくなります。

バックアップボリュームをマウントするためには、バックアップボリュームのLVM管理情報を書き換える必要があります。バックアップボリュームのLVM管理情報を書き換えると、通常手順で業務ボリュームに対するリストアを実施できなくなりますのでお勧めしません。しかし運用上どうしてもバックアップボリュームをマウントしなければならない場合は、以下の手順を実施することでマウント可能となります。手順を誤ると業務データを破壊する危険性があるので、細心の注意を払って実施してください。各コマンドの詳細については、AIXのマニュアルを参照してください。また次項「バックアップボリュームのLVM管理情報を書き換えた場合のリストア手順」についても合わせて参照してください。

  1. lspvコマンド等を使用して、バックアップボリュームの物理ボリューム名を控えてください。

    # /usr/sbin/lspv
    hdisk0         0004f10aa92e686c    rootvg
    hdisk1         0004f10a1c7879c5    vg01

    バックアップボリュームのボリュームグループ名がvg01の場合、上記の例では物理ボリューム名がhdisk1になります。

  2. chdevコマンドを使用して、一時的にバックアップボリュームをLVMから削除します。

    # /usr/sbin/chdev -l hdisk1 -a pv=clear
  3. exportvgコマンドを使用して、バックアップボリュームをエクスポートします。

    # /usr/sbin/exportvg vg01
  4. recreatevgコマンドを使用して、バックアップボリュームのLVM管理情報を書き換えます。

    # /usr/sbin/recreatevg -y vg01 hdisk1
  5. recreatevgコマンドを実行することで、ボリュームグループ内の論理ボリューム名が変更されるため、lsvgコマンドを使用して変更後の論理ボリューム名を確認します。

    # /usr/sbin/lsvg -l vg01
    vg01:
    LV NAME             TYPE       LPs   PPs   PVs  LV STATE      MOUNT POINT
    fslv01              jfs        2     2     1    closed/syncd  N/A
  6. 手順5で確認した論理ボリューム名を指定してファイルシステムをマウントします。マウントした論理ボリュームは、次回バックアップを行うまでにアンマウントしてください。バックアップボリューム内の論理ボリュームがマウントされていると、バックアップに失敗します。

バックアップボリュームのLVM管理情報を書き換えた場合のリストア手順

バックアップボリュームのLVM管理情報を書き換えると、業務ボリュームとバックアップボリュームでLVM管理情報が一致しなくなるため、通常の手順でリストアできなくなります。その場合、以下の手順でリストアしてください。手順を誤ると業務データを破壊する危険性があるので、細心の注意を払って実施してください。各コマンドの詳細については、AIXのマニュアルを参照してください。

  1. 付録A バックアップ/リストアの前後処理」を参照して、リストアの後処理スクリプトを編集してください。

  2. リストア処理を実行します。手順1により、この時点では業務ボリュームは非活性の状態となります。

  3. lspvコマンド等を実行し、業務ボリュームの物理ボリューム名を控えてください。

    # /usr/sbin/lspv
    hdisk0         0004f10aa92e686c    rootvg
    hdisk1         0004f10a1c7879c5    vg01

    業務ボリュームのボリュームグループ名がvg01の場合、上記の例では物理ボリューム名がhdisk1になります。

  4. chdevコマンドを使用して、一時的に業務ボリュームをLVMから削除します。

    # /usr/sbin/chdev -l hdisk1 -a pv=clear
  5. exportvgコマンドを使用して、業務ボリュームをエクスポートします。

    # /usr/sbin/exportvg vg01
  6. recreatevgコマンドを使用して、業務ボリュームのLVM管理情報を書き換えます。

    # /usr/sbin/recreatevg -y vg01 hdisk1
  7. recreatevgコマンドを実行することで、ボリュームグループ内の論理ボリューム名が変更されるため、lsvgコマンドを使用して変更後の論理ボリューム名を確認します。

    # /usr/sbin/lsvg -l vg01
    vg01:
    LV NAME             TYPE       LPs   PPs   PVs  LV STATE      MOUNT POINT
    fslv01              jfs        2     2     1    closed/syncd  N/A
  8. 手順7で確認した論理ボリューム名を指定してファイルシステムをマウントします。

業務ボリューム以外のボリュームへリストアする場合の手順

業務ボリューム以外のボリュームに対してリストアを行う場合は、リストアの前後処理スクリプトが実行されません。またリストア先ボリュームとバックアップボリュームでLVM管理情報が一致しないため、LVM管理情報の書き換えが必要となります。このため業務ボリューム以外のボリュームへリストアする場合は、以下の手順を実施してください。手順を誤ると業務データを破壊する危険性があるので、細心の注意を払って実施してください。各コマンドの詳細については、AIXのマニュアルを参照してください。

  1. リストア先ボリュームのボリュームグループに含まれる、全ての論理ボリュームをアンマウントしてください。

  2. varyoffvgコマンドを使用して、リストア先ボリュームのボリュームグループを非活性化します。以下の実行例では、リストア先ボリュームのボリュームグループ名をvg01としています。

    # /usr/sbin/varyoffvg vg01
  3. リストア先ボリュームに対してリストアを実行します。手順については、「4.5.3 リストアの実行」を参照してください。

  4. lspvコマンド等を実行し、リストア先ボリュームの物理ボリューム名を控えてください。

    # /usr/sbin/lspv
    hdisk0         0004f10aa92e686c    rootvg
    hdisk1         0004f10a1c7879c5    vg01

    リストア先ボリュームのボリュームグループ名がvg01の場合、上記の例では物理ボリューム名がhdisk1になります。

  5. chdevコマンドを使用して、一時的にリストア先ボリュームをLVMから削除します。

    # /usr/sbin/chdev -l hdisk1 -a pv=clear
  6. exportvgコマンドを使用して、リストア先ボリュームをエクスポートします。

    # /usr/sbin/exportvg vg01
  7. recreatevgコマンドを使用して、リストア先ボリュームのLVM管理情報を書き換えます。

    # /usr/sbin/recreatevg -y vg01 hdisk1
  8. recreatevgコマンドを使用することで、ボリュームグループ内の論理ボリューム名が変更されるため、lsvgコマンドを使用して変更後の論理ボリューム名を確認します。

    # /usr/sbin/lsvg -l vg01
    vg01:
    LV NAME             TYPE       LPs   PPs   PVs  LV STATE      MOUNT POINT
    fslv01              jfs        2     2     1    closed/syncd  N/A
  9. 手順8で確認した論理ボリューム名を指定してファイルシステムをマウントします。