ボリュームグループの構成が、ボリュームグループ単位での運用条件を満たしていない場合は、物理ディスク単位で操作することによりバックアップ運用を行うことができます。
物理ディスク単位に運用する場合は、ボリュームグループとしての整合性を保つ必要があることから、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで、同期をとって操作しなければなりません。
ポイント
同期を取る必要がある物理ボリュームを確認する方法については、「9.3.10 デバイス情報表示コマンド(stgxfwcmdispdev)」または『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager GUI使用手引書』の「同一のコピー領域を使用するデバイスの表示」を参照してください。
注意
クラスタ構成で運用する場合、クラスタを構成する全てのサーバにおいて、ボリュームグループを構成する物理ディスクのデバイス名(/dev/(r)hdisk#)が同じであり、デバイス名が指すETERNUSのディスクも同じである必要があります。
図4.15 物理ディスク単位の運用を行う構成の例
複製元ボリュームがボリュームグループの場合、複製作成後に複製先ボリュームを使用するためには、複製先ボリュームは複製元ボリュームと同一の論理ボリューム構成かつ同一の物理ディスクサイズのボリュームグループである必要があります
図4.16 業務ボリュームとバックアップボリューム
業務ボリューム/バックアップボリュームを設定する際は、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクを設定します。
[例]
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/hdisk10 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/hdisk11 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/hdisk20 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/hdisk21 swstdevinfoset completed #
LVMボリュームのバックアップ運用では、業務ボリュームと同一のボリューム構成をもつバックアップボリュームを指定する必要があるため、デバイスマップファイルを作成する必要があります。
[デバイスマップファイルの例]
# 業務ボリューム名 出力先バックアップボリューム名 /dev/hdisk10 /dev/hdisk20 /dev/hdisk11 /dev/hdisk21
デバイスマップファイルの詳細については、「4.4.11 デバイスマップファイルの準備」を参照してください。
ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで、同期をとって操作します。
必要な前後処理は、バックアップの操作を行う前後にボリュームグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には、前後処理を動作させないようにします。
[スナップショット型バックアップの例]
(業務ボリューム/バックアップボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/hdisk10 -Xdvemap /acm/devmap.txt /dev/hdisk10 swstbackup completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/hdisk11 -Xdvemap /acm/devmap.txt /dev/hdisk11 swstbackup completed # (業務ボリューム/バックアップボリュームに対する後処理を行う)
[同期型バックアップの例]
(バックアップボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync /dev/hdisk10 -Xdvemap /acm/devmap.txt /dev/hdisk10 swststartsync completed # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync /dev/hdisk11 -Xdvemap /acm/devmap.txt /dev/hdisk11 swststartsync completed (等価性維持状態後) (業務ボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/hdisk10 /dev/hdisk10 swstbackup completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/hdisk11 /dev/hdisk11 swstbackup completed # (業務ボリューム/バックアップボリュームに対する後処理を行う)
バックアップの前後で実施する前後処理は以下。
| 前処理 | 後処理 |
---|---|---|
業務 |
| ファイルシステムが含まれる場合は、前処理でアンマウントしたボリュームをマウントします。 |
バックアップ |
| 後処理の必要はありません。 |
ボリュームグループの非活性化
ボリュームグループの非活性化は、以下の手順で行います。
# /usr/sbin/varyoffvg vg02 #
ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで、同期をとって操作します。
必要な前後処理は、リストアの操作を行う前後にボリュームグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には、前後処理を動作させないようにします。
[リストアの例]
(業務ボリューム/バックアップボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/hdisk10 /dev/hdisk10 swstrestore completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/hdisk11 /dev/hdisk11 swstrestore completed # (業務ボリューム/バックアップボリュームに対する後処理を行う)
リストアの前後で実施する前後処理は以下。
| 前処理 | 後処理 |
---|---|---|
バックアップ | ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームへのアクセスを停止し、データの整合性を確保します。 | 後処理の必要はありません。 |
リストア先 |
|
|
ボリュームグループの非活性化
ボリュームグループの非活性化は、以下の手順で行います。
# /usr/sbin/varyoffvg vg01 #
ボリュームグループの活性化
ボリュームグループの活性化は、以下の手順で行います。
# /usr/sbin/varyonvg vg01 #