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ETERNUS SFAdvancedCopy Manager 13.4 運用手引書

4.8.1 ボリュームグループ単位のバックアップ運用

ボリュームグループの構成が次の条件を満たしている場合、ボリュームグループ単位のバックアップ運用を行うことができます。

上記の条件を満たさない場合は、物理ディスク単位のバックアップ運用を行う必要があります。

図4.13 ボリュームグループ単位の運用が可能な構成の例

4.8.1.1 運用設計

以下の点に注意して、業務ボリューム/バックアップボリュームとなるボリュームグループを設計します。

4.8.1.2 事前準備

4.8.1.2.1 業務ボリューム/バックアップボリュームの設定

業務ボリューム/バックアップボリュームを設定する際は、ボリュームグループを指定します。

[例]

# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/vg01
swstdevinfoset completed
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/vg02
swstdevinfoset completed
#
4.8.1.2.2 前後処理スクリプトのカスタマイズ

ボリュームグループがバックアップ対象の場合は、前後処理スクリプトを修正する必要があります。

カスタマイズ方法については、「付録A バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。

注意

カスタマイズをしていない状態では、バックアップ実行時に前処理がエラーとなり、バックアップを行うことができません。

4.8.1.3 ボリュームグループ単位のバックアップの実行

業務ボリュームがボリュームグループの場合は、コピー処理は、ボリュームグループに対応する物理ディスク全体に対して行われます。したがって、ボリュームグループ内に複数の論理ボリュームが存在する場合は、全ての論理ボリュームのデータがバックアップされます。

[スナップショット型バックアップの例]

# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/vg01
/dev/vg01 swstbackup completed
#

[同期型バックアップの例]

# /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync /dev/vg01
/dev/vg01 swststartsync completed

(等価性維持状態後)

# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/vg01
/dev/vg01 swstbackup completed
#

注意

ボリュームグループをバックアップ運用に用いる場合は以下の点に注意する必要があります。

  • 業務ボリュームとは別のボリュームグループに業務ボリュームと同じ論理ディスクを構成し、かつ物理ディスクが同一サイズのボリュームグループをバックアップボリュームにしてください。業務ボリュームとバックアップボリュームを対応付けて運用する場合は、「デバイスマップファイル」という業務ボリュームとバックアップボリュームの対応ファイルを作成します。デバィスマップファイルの詳細については、「4.4.11 デバイスマップファイルの準備」を参照してください。特にボリュームグループ単位でのバックアップ時は「デバイスマップ」指定をお勧めします。

  • バックアップ処理において、バックアップボリュームのLVM構成情報が、業務ボリュームのLVM情報で書き換えられてしまうため、バックアップの後処理でLVM構成情報を復元します。詳細については、「付録A バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。

  • 論理ボリュームにファイルシステムが構築されている場合は、ボリュームグループ内の全ての論理ボリュームをアンマウント/マウントするようにバックアップの管理者責任でバックアップ前後処理スクリプトを修正してください。詳細については、「付録A バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。

  • バックアップボリュームがボリュームグループの場合、同期処理(EC/REC)実行中にvaryoffvgコマンドでバックアップボリュームを非アクティブ(deactivate)にしないでください。同期処理実行中にバックアップボリュームが非アクティブにされると、再びアクティブ(activate)にすることができなくなるばかりでなく、同期処理の停止(バックアップ実行コマンド、同期処理キャンセルコマンド)等の操作が実行不可能な状態になります。もし誤って非アクティブにしてしまった場合は、ETERNUSmgr/GRmgr等を使用して同期処理を強制停止した後、バックアップボリュームをアクティブにしてください。

4.8.1.4 ボリュームグループ単位のリストアの実行

業務ボリュームがボリュームグループの場合は、コピー処理は、ボリュームグループに対応する物理ディスク全体に対して行われます。したがって、ボリュームグループ内に複数の論理ボリュームが存在する場合は、全ての論理ボリュームのデータがリストアされます。

[リストアの例]

# /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/vg01
/dev/vg01 swstrestore completed
#

注意

ボリュームグループをリストアに用いる場合は以下の点に注意する必要があります。

  • 論理ボリュームにファイルシステムが構築されている場合は、全ての論理ボリュームをアンマウント/マウントするようにバックアップの管理者責任でバックアップ前後処理スクリプトを修正してください。詳細については、「付録A バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。