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 Kシリーズ端末エミュレータFAXサポート V7.1 使用手引書

第5章 電話番号拡張機能(KFAX特殊文字)

本章では、ホストで指定する電話番号文字列を利用した拡張機能について説明します。

送信先電話番号の末尾にK端末FAXサポート固有の文字列(「KFAX特殊文字」と呼びます)を付加することで、当該宛先への送信条件を一時的に切り替えることができます。

切り替えた送信条件は、指定時の送信ジョブにのみ有効となり、正常/異常に関わらず送信処理が終了すると元の送信条件に戻ります。


KFAX特殊文字形式:

*CC*XXYY....

先頭の“*CC*”は固定、XX,YYは以下の文字が指定できます。

なお、同じカテゴリの指定が複数指定された場合は最後(終端側)の指定が有効になります。


表5.1 指定文字一覧

カテゴリ

指定文字

送信条件

最大通信速度

B1

2400bps

B2

4800bps

B3

7200bps

B4

9600bps

B5

12000bps

B6

14400bps

ECMリトライ時

下限通信速度

(n:1~6)

Bn*1

2400bps

Bn*2

4800bps

Bn*3

7200bps

Bn*4

9600bps

Bn*5

12000bps

Bn*6

14400bps

通信圧縮方式

C1

MHのみ[G3モード]

C2

MHまたはMR[G3モード]

C5

ECMモード(MH/MR/MMR)

データ出力モード

D1

モード1:LBP互換サイズ(ロール紙向け)

D2

モード2:LBP互換サイズ(カット紙向け)

D3

モード3:FAX装置向け自動調整サイズ

コメント機能

#xxx

(送信条件には影響なし)

注意

指定文字はホスト側(コマンドまたは電話番号リストの電話番号項目)で指定します。

なお、上記以外の文字は指定しないでください。指定した場合の動作は保証できません。


最大通信速度

特定のFAX装置に対してのみ最大通信速度を変更することができます。

例えば、K端末FAXサポートの「送信環境」の「最大通信速度」が9600bpsに設定してある環境で、特定の送信先では確実に14400bpsで正常送信できることを確認している場合は、この送信先に対してだけ14400bpsで送信することができます。

送信条件の内容については「3.3.2 送信環境の設定」の「■最大通信速度」を参照してください。


ECMリトライ時の下限通信速度

特定のFAX装置に対してのみECMリトライ時の下限通信速度を変更することができます。

指定する場合は必ず最大通信速度指定文字"Bn"直後に記述します。

送信条件の内容については「3.3.2 送信環境の設定」の「■ECMリトライ(下限通信速度)」を参照してください。


通信圧縮方式

特定のFAX装置に対してのみ通信圧縮方式を変更することができます。

例えば、ECMモードで特定の送信先のみ送信に時間がかかりすぎる場合は、通信路の雑音等で訂正処理が頻繁に発生している可能性があります。このような送信先に対しては、多少印刷結果が乱れてもECMモードを使用しないで送信した方が送信時間が短縮できる場合があります。

送信条件の内容については「3.3.2 送信環境の設定」の「■通信圧縮方法」を参照してください。


データ出力モード

K端末FAXサポートには、以下の3種類のFAXデータ出力モードがあります。

モード1:LBP互換サイズ(ロール紙向け)

印刷域の下部空白部分のデータも送信します。

ロール紙タイプのFAX装置の場合、切り取り後の用紙サイズを揃えることができます。

モード2:LBP互換サイズ(カット紙向け)

印刷域の下部空白部分のデータは送信しません。

カット紙タイプのFAX装置の場合、機種により下部空白部分のデータの影響で2枚に分割されて出力してしまうことを防止します。

ロール紙タイプのFAX装置の場合、用紙の節約に利用できます(ただし、A5用紙の短辺の長さよりは短くなりません)。

モード3:FAX装置向け自動調整サイズ

印刷域全体をやや小さめに調整して出力します。

モード2で下部に空白部分が少なく、2枚に分割されて出力される場合や印刷域の端の一部が印刷されない場合に指定します。


通常、K端末FAXサポートは以下のように出力モードを自動的に判断しますが、送信条件一時切替機能を使用して、特定のFAX装置に対してのみ出力モードを設定できます。

FAX装置から受信した縦方向サイズ情報

出力モード

無制限

モード1

A4/B4/A3

モード2

特定のカット紙タイプのFAX装置に対してのみ用紙分割が原因でFAX通信エラーが発生する場合は、送信条件一時切替機能を使用して、データ出力モードをモード3(D3)にして用紙分割しないように設定します。


コメント機能

シャープ文字(#)に続いて指定した数字を、K端末FAXサポートで出力されるFAXログの「FAX番号」欄に格納します。(※「FAX番号欄」は詳細なFAXログにしかありません)

このコメント部分に、伝票番号等を設定して送信を行うことで、ホスト側のFAXログとK端末FAXサポート側のFAXログまたは帳票(伝票番号が出力されている場合)などの突合せを行うことができます。

注意

数字以外の文字はFAXログに格納されない場合があるため使用しないでください。

指定例1:

“03-1234-5678*CC*B5”

最大通信速度を12000bpsとして送信する。

指定例2:

“03-1234-5678--*CC*B3D3”

最大通信速度を7200bps、データ出力モードをFAX装置向け自動調整サイズとして送信する(“*CC*”の手前の2個のハイフン(-)は見やすくするために使用した例です)。

指定例3

“03-1234-5678--*CC*B6*2#1234567890”

最大通信速度を14400bps、ECMリトライ時の下限通信速度を4800bpsで送信する。

また伝票番号[1234567890]をFAXログに格納するため#以降で指定する(コメント機能)。