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 Kシリーズ端末エミュレータFAXサポート V7.1 使用手引書

3.3.2 送信環境の設定

「送信環境」タブでは基本的なFAX通信環境、画像データ、ヘッダ情報について設定します。

図3.16 K端末FAXサポートの設定(「送信環境」タブ)

ポート

FAX送信に使用する通信ポートを指定します。

COM1,COM2,COM3,COM4またはCOM5より選択します。

ダイヤル方法

モデムに接続する回線によりトーン(プッシュ回線)かパルス(ダイヤル回線)を指定します。

設定が正しくない場合、回線ビジー(話中)となり接続できません。

トーン

プッシュ回線を使用します。

パルス

ダイヤル回線を使用します。

不在検出時間

発呼に対し送信先局が話中または不在であることを検出するまでの時間を指定します。

30~118秒の範囲で指定します。(初期値:50秒)

自局電話番号

送信先FAX装置に対して自局の電話番号(20桁以内)を通知するために指定します。

ここで入力した文字列は、送信先FAX装置側での発信者表示や発信者チェックなどに使用されるものです(利用される機能は機種により異なります)。

指定できる文字列は以下のとおりです。通常は数字とハイフン(-)のみ使用してください。

0~9,*,#(電話番号)

P(内線指示)

/(ポーズ)

-, 空白(区切り)

E(終了コード)

最大通信速度

指定したポートを通じてデータを送信先FAX装置へ転送する時の最大転送速度をbps(ビット/秒)単位で、 2400,4800,7200,9600,12000または14400 より選択します。(初期値 9600bps)

ただし、実際の通信速度は送信先FAX装置の能力を超えることはなく、当指定の通信速度とFAX装置から通知される最大通信速度の低い方の速度がFAX装置接続後の初期速度となります。


注意

通常は、7200、9600bpsを指定することを推奨します。

複数の送信先に対して”FAX通信エラー”が発生する場合、通信速度を現在の通信速度より低くすることで、 エラーが回避される場合があります。

ポイント

<フォールバック(フォールダウン)動作について>

K端末FAXサポートは自動的に通信速度を下げて送信する機能(フォールバック)を備えています。

特定の条件でFAX装置からエラーが通知されると、初期速度や現在の通信速度から次のように速度を一段ずつ下げていきます。なお、一度下がった速度は回線が切断するまで元に戻りません。

(通常は稀ですが、送信途中においてFAX側からネゴシエーションからのやり直しを要求してきた場合は、接続直後と同様に改めて初期速度の取り決めを行うため速度が上がることがあります)

14400bps → 12000bps → 9600bps → 7200bps → 4800bps → 2400bps

リストビュー/FAXログの「通信速度」は実際の(現在の)通信速度を示します。

フォールバックには次の二つの場合があります。

1)再トレーニング要求

リストビューの「補足」に「FAX確認中」と表示された状態で行われます。

G3-FAX手順(ECMモード含む)においてFAX機種により発生します。

2)誤り訂正要求

リストビューの「補足」に「FAX通信中」と表示された状態で行われます。

ECMモード固有の誤り訂正が繰り返されることで発生します。

詳細は「ECMリトライ」を参照してください。

出力画素密度

イメージデータを送信する場合の画素密度を指定します。この指定はプリンタファイル記述のDENSITYパラメータに@AUTOを指定した場合に有効となり、送信先FAX装置の最大能力が当指定値より小さい場合には送信先FAX装置の最大能力の画素密度で送信を行います。

FINE

8×7.70dpm(dot/mm)の画素密度で送信します。

NORMAL

8×3.85dpm(dot/mm)の画素密度で送信します。

通信圧縮方法

FAX送信において伝送を行う画データの通信方式/圧縮方式を指定します。一般に圧縮方式は、MH、MR、MMRの順にデータサイズは小さくなります。実際の圧縮方式は送信先のFAX能力との関係で以下のように決定されます。([G3]=G3モード(非ECMモード)、[ECM]=ECMモード)

「MHのみ」「MHまたはMR」はG3モードで送信します。また、MMRはECM機能がある場合のみ使用可能です。

通信圧縮方法

送信先のFAX能力

ECM機能なし

ECM機能あり

MHのみ可

MH/MRが可

MHのみ可

MH/MRが可

MH/MR/MMRが可

MHのみ

MH[G3]

MH[G3]

MH[G3]

MH[G3]

MH[G3]

MHまたはMR

MH[G3]

MR[G3]

MH[G3]

MR[G3]

MR[G3]

ECM(MH/MR/MMR)

MH[G3]

MR[G3]

MH[ECM]

MR[ECM]

MMR[ECM]


ECMリトライ

ECMリトライでは、通信圧縮方法ECM(MH/MR/MMR)を指定した場合(ECMモード)に有効です。
本項目は、誤り訂正要求を受信した場合の打ち切り条件を設定します。
※「誤り訂正要求」によりECMリトライ回数が増加すればそれだけ送信処理時間も増加します。
そのため、通常は、初期値を使用することを推奨します。
以下に設定項目を示します。

同速度再送数

実際の通信速度と同じ速度でリトライする回数を0~3の範囲で指定します。(初期値:1)

0の指定は誤り訂正を実施しないという意味ではありません。0を指定した場合でも誤り訂正は実施します(下図参照)。

下限通信速度

フォールバック時の下限の通信速度を指定します。(初期値:7200)

※フォールバックについては「最大通信速度」のポイントを参照してください。


ポイント

<ECMリトライ処理について>
ECMリトライで設定した回数を実施しても送信に成功しない場合は、下限通信速度を1段下げて(フォールバック)、再びECMリトライ処理を実施します。 しかし、低い通信速度では送信時間も増大するため下限の通信速度を設定し、 実際の通信速度より大きい速度が指定されている場合は送信を打切ります(下図参照)。


図3.17 ECMリトライ処理

注意

FAX通信路の品質が一時的に劣悪になった場合等では、再送回数を増やしたり通信速度をいくら下げてもFAX送信が成功するとは限りません。従って、このような状況が発生した場合に全体のFAX送信業務が滞ることを防止するために、初期値で推奨する値を目安に適度な値を指定して送信を打ち切るように設定してください。

発信元名

発信元名を指定します。この設定は、ヘッダを印刷する場合でプリンタファイル記述のSENDERパラメータで発信元名を指定していない場合(@NONAMEを指定時)に有効になります。

発信元名は日本語19文字または英数字38文字で指定でき、日本語と英数字の混在も可能です。また、発信元名を省略した場合、ヘッダの発信元名は空白となります。

なお、ヘッダはホスト帳票とは独立して印字されるため、利用者はヘッダを印刷するための用紙長を意識する必要はありません。

ページ印刷

ヘッダ部分にページ番号を印刷するかどうかを指定します。

ヘッダを印刷しない場合、この設定は無効となります。

なお、再印刷を行った場合は、ヘッダ部分に常に再印刷マークが表示されます。

する

ページ番号を印刷します。

しない

ページ番号を印刷しません。