Interstage Application Server/Interstage Web Server 移行ガイド
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第5章 Interstage運用操作、環境の移行> 5.11 Interstage シングル・サインオンの移行

5.11.3 Interstage Application Server Plus V6.0からのリポジトリサーバの移行

 リポジトリサーバの移行手順について説明します。
 リポジトリサーバを複数構築して運用している場合は、同時に移行してバージョン・レベルを合わせてください。

■移行手順

 移行は以下の手順で行います。

  1. リポジトリサーバ資源のバックアップ
  2. SSOリポジトリからのデータの抽出
  3. パッケージのアンインストールとインストール
  4. SSOリポジトリの作成
  5. SSOリポジトリへのデータの移入
  6. SSOリポジトリ(マスタ)のバックアップ
  7. SSOリポジトリ(スレーブ)の作成
  8. SSOリポジトリ(マスタ)の設定変更
  9. リポジトリサーバ資源のリストア
  10. リポジトリサーバ定義ファイルの編集
  11. Webサーバ(Interstage HTTP Server)定義の編集
  12. リポジトリサーバの環境設定

1) リポジトリサーバ資源のバックアップ

 以下のリポジトリサーバの資源をバックアップします。

 リポジトリサーバを複数台で運用している場合、すべてのリポジトリサーバに対して、資源をバックアップしてください。
 資源のバックアップ時はWebサーバ(Interstage HTTP Server)を停止してください。

 リポジトリサーバの資源をバックアップ用ディレクトリにコピーする例

 バックアップ用ディレクトリ:X:\Backup\ssoatcsv
 copyコマンド(またはエクスプローラ)を使用して、コピーします。

copy C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\conf\ssoatcsv.conf X:\Backup\ssoatcsv
copy C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\conf\serviceid X:\Backup\ssoatcsv (注)


 バックアップ用ディレクトリ:/backup/FJSVssosv
 cpコマンドを使用して、コピーします。

cp -p /etc/opt/FJSVssosv/conf/ssoatcsv.conf /backup/FJSVssosv
cp -p /etc/opt/FJSVssosv/conf/serviceid /backup/FJSVssosv (注)

 注) サービスIDファイルはリポジトリサーバ定義ファイルの“serviceidpath”定義に設定したファイルを指定してください。

 Webサーバ(Interstage HTTP Server)の移行については“8.0以前のInterstage HTTP Server(Apache 1.3ベース)からの移行”を参照してください。
 なお、Webサーバ(Interstage HTTP Server)にInterstage シングル・サインオン以外のサービスを設定している場合は、設定している各サービスの移行方法に従ってください。

2) SSOリポジトリからのデータの抽出

 本バージョン・レベルでは、SSOリポジトリにInterstage ディレクトリサービスを使用します。SSOリポジトリをInfoDirectoryからInterstage ディレクトリサービスに移行する際には、“使用上の注意”の“Interstage ディレクトリサービスの注意事項”−“InfoDirectoryからの移行に関する注意事項”を参照し、注意事項を確認してください。使用できない文字などを指定している場合は、InfoDirectoryに登録したデータ、またはInfoDirectoryから抽出したデータを、Interstage ディレクトリサービスに移入できるデータに変更してください。
 InfoDirectoryに登録したデータをすべて抽出します。データの抽出は、ldapsearchコマンドを実行して行います。コマンドの詳細については旧バージョン・レベルの“InfoDirectory使用手引書”を参照してください。
 なお、リポジトリサーバを複数台で運用している場合、リポジトリサーバ(更新系)で、ldapsearchコマンドを実行してください。

 InfoDirectoryに登録したデータを抽出する例

 データの抽出先パス:X:\Backup
 データの抽出ファイル:X:\Backup\dir.ldif

C:\Interstage\ID\Dir\sdk\C\bin\ldapsearch -h localhost -p ポート番号 -D DSA管理者dn -w DSA管理者dnに設定したパスワード -b トップエントリ "(objectclass=*)" > X:\Backup\dir.ldif


 データの抽出先パス:/backup
 データの抽出ファイル:/backup/dir.ldif

/opt/FJSVidsdk/C/bin/ldapsearch -h localhost -p ポート番号 -D DSA管理者dn -w DSA管理者dnに設定したパスワード -b トップエントリ "(objectclass=*)" > /backup/dir.ldif

3) パッケージのアンインストールとインストール

 現在インストールされているパッケージをアンインストール後、本バージョン・レベルのパッケージをインストールします。
 リポジトリサーバを複数台で運用している場合、すべてのリポジトリサーバに対して、パッケージのアンインストールとインストールを行ってください。

4) SSOリポジトリの作成

 SSOリポジトリをInterstage ディレクトリサービスで作成します。SSOリポジトリの作成は構築するマシンのInterstage管理コンソールを使用して作成します。詳細については“シングル・サインオン運用ガイド”の“環境構築(SSO管理者編)”−“リポジトリサーバの構築”−“SSOリポジトリの作成”を参照してください。
 なお、リポジトリサーバを複数台で運用している場合は、リポジトリサーバ(更新系)において、SSOリポジトリ(マスタ)をInterstage ディレクトリサービスで作成します。
 また、リポジトリサーバを複数台で運用している場合において、レプリケーションをSSL通信で行うときは、あらかじめリポジトリサーバ(更新系)にSSL通信環境を構築しておく必要があります。構築方法については、“シングル・サインオン運用ガイド”の“環境構築(SSO管理者編)”−“リポジトリサーバの構築”−“SSOリポジトリ(マスタ)のSSL通信環境の構築”を参照してください。

 SSOリポジトリ作成時には、以下に注意して設定してください。他の項目については“シングル・サインオン運用ガイド”を参照してください。

5) SSOリポジトリへのデータの移入

 Interstage ディレクトリサービスで作成したSSOリポジトリにInfoDirectoryから抽出したデータを移入します。ldapmodifyコマンドを実行し、InfoDirectoryから取り出したLDIFファイルのデータをInterstage ディレクトリサービスへ移入してください。コマンドの詳細については“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。
 リポジトリサーバを複数台で運用している場合、リポジトリサーバ(更新系)で、ldapmodifyコマンドを実行します。

 SSOリポジトリにデータを移入する例

 データの抽出先パス:X:\Backup
 データの抽出ファイル:X:\Backup\dir.ldif

C:\Interstage\bin\ldapmodify -h localhost -p 通常(非SSL)ポート番号 -D リポジトリ管理者用DN -W -a -c -f X:\Backup\dir.ldif



 データの抽出先パス:/backup
 データの抽出ファイル:/backup/dir.ldif

/opt/FJSVirepc/bin/ldapmodify -h localhost -p 通常(非SSL)ポート番号 -D リポジトリ管理者用DN -W -a -c -f /backup/dir.ldif

 パスワードの入力を求められますので、SSOリポジトリ作成時に設定した管理者用DNのパスワードを入力してください。

6) SSOリポジトリ(マスタ)のバックアップ

 リポジトリサーバを複数台で運用している場合にのみ必要な作業です。
 リポジトリサーバ(参照系)のSSOリポジトリ(スレーブ)を作成するため、リポジトリサーバ(更新系)のSSOリポジトリ(マスタ)のデータをバックアップします。バックアップの方法については“シングル・サインオン運用ガイド”の“環境構築(SSO管理者編)”−“リポジトリサーバの構築”−“リポジトリサーバ(参照系)の追加”−“リポジトリサーバ(更新系)のSSOリポジトリのバックアップ”を参照してください。

7) SSOリポジトリ(スレーブ)の作成

 リポジトリサーバを複数台で運用している場合にのみ必要な作業です。
 リポジトリサーバ(参照系)において、SSOリポジトリ(スレーブ)をInterstage ディレクトリサービスで作成します。SSOリポジトリ(スレーブ)の作成は構築するマシンのInterstage管理コンソールを使用して作成します。
 また、レプリケーションをSSL通信で行う場合は、あらかじめ、すべてのリポジトリサーバ(参照系)にSSL通信環境を構築しておく必要があります。構築方法については、“シングル・サインオン運用ガイド”の“環境構築(SSO管理者編)”−“リポジトリサーバの構築”−“リポジトリサーバ(参照系)の追加”−“SSOリポジトリ(スレーブ)のSSL通信環境の構築”を参照してください。

 以下に、SSOリポジトリ(スレーブ)の作成手順を示します。以下の手順は、すべてのリポジトリサーバ(参照系)に対して行ってください。

  1. SSOリポジトリ(スレーブ)の作成
     リポジトリサーバ(参照系)でSSOリポジトリ(スレーブ)を作成します。
     作成方法については“シングル・サインオン運用ガイド”の“環境構築(SSO管理者編)”−“リポジトリサーバの構築”−“リポジトリサーバ(参照系)の追加”−“リポジトリサーバ(参照系)のSSOリポジトリ(スレーブ)の作成”を参照してください。
     
  2. SSOリポジトリ(スレーブ)へのリストア
     バックアップしたSSOリポジトリ(マスタ)のデータをリストアします。
     リストアの方法については“シングル・サインオン運用ガイド”の“環境構築(SSO管理者編)”−“リポジトリサーバの構築”−“リポジトリサーバ(参照系)の追加”−“リポジトリサーバ(参照系)へのSSOリポジトリのリストア”を参照してください。
     
  3. SSOリポジトリ(スレーブ)の設定変更
     SSOリポジトリ(スレーブ)に、レプリケーションを行うための設定を行います。
     設定方法については“シングル・サインオン運用ガイド”の“環境構築(SSO管理者編)”−“リポジトリサーバの構築”−“リポジトリサーバ(参照系)の追加”−“リストアしたリポジトリサーバ(参照系)のSSOリポジトリの設定変更”を参照してください。
     

 なお、SSOリポジトリ(スレーブ)作成時には、以下に注意して設定してください。他の項目については“シングル・サインオン運用ガイド”を参照してください。

8) SSOリポジトリ(マスタ)の設定変更

 リポジトリサーバを複数台で運用している場合にのみ必要な作業です。
 リポジトリサーバ(更新系)のSSOリポジトリ(マスタ)に、レプリケーションを行うための設定を行います。設定方法については“シングル・サインオン運用ガイド”の“環境構築(SSO管理者編)”−“リポジトリサーバの構築”−“リポジトリサーバ(参照系)の追加”−“リポジトリサーバ(更新系)のSSOリポジトリの設定変更”を参照してください。

9) リポジトリサーバ資源のリストア

 “リポジトリサーバ資源のバックアップ”でバックアップしたリポジトリサーバの資源をリストアします。
 リポジトリサーバを複数台で運用している場合、すべてのリポジトリサーバに対して、資源をリストアしてください。

 バックアップ用ディレクトリのリポジトリサーバの資源をリストアする例

 バックアップ用ディレクトリ:X:\Backup\ssoatcsv
 copyコマンド(またはエクスプローラ)を使用して、コピーします。

copy X:\Backup\ssoatcsv\ssoatcsv.conf C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\conf
copy X:\Backup\ssoatcsv\serviceid C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\conf (注)



 バックアップ用ディレクトリ:/backup/FJSVssosv
 cpコマンドを使用して、コピーします。

cp -p /backup/FJSVssosv/ssoatcsv.conf /etc/opt/FJSVssosv/conf
cp -p /backup/FJSVssosv/serviceid /etc/opt/FJSVssosv/conf (注)

 注) サービスIDファイルは必ず上記にリストアし、リポジトリサーバ定義ファイルの“serviceidpath”定義に設定してください。

10) リポジトリサーバ定義ファイルの編集

 alternative-certificate-attribute定義に“userSMIMECertificate;binary”を設定している場合は、リポジトリサーバ定義ファイルをリストア後、以下のいずれかを行ってください。

 また、accesslog-filename定義を以下に変更してください。

accesslog-filename=C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\log\ssoatcsv.log


accesslog-filename=/var/opt/FJSVssosv/log/ssoatcsv.log

11) Webサーバ(Interstage HTTP Server)定義の編集

 Webサーバ(Interstage HTTP Server)の移行作業を実施後、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)に設定されているリポジトリサーバの設定を削除し、以下の設定を追加してください。なお、ポート番号は移行前に使用していたポート番号を設定してください。
 リポジトリサーバを複数台で運用している場合、すべてのリポジトリサーバに対して、本設定を行ってください。
 削除する設定については、旧バージョン・レベルの“シングル・サインオン運用ガイド”の“環境構築”−“リポジトリサーバの環境構築”−“Interstage HTTP Serverの環境定義ファイルの設定”を参照してください。

 なお、Interstage HTTP Serverの環境定義の編集に失敗している場合は、[システム] > [セキュリティ] > [シングル・サインオン] > [認証基盤] > [一覧]に表示されるリポジトリサーバのポート番号に“不明”と表示されます。編集内容に間違いがないか確認してください。

環境定義ファイルに追加する項目

項目名

内容

Listen

リポジトリサーバが起動するときのネットワークポート番号

LoadModule

リポジトリサーバのプログラム

<VirtualHost _default_:ポート番号>
<Location>
SetHandler
</Location>
DocumentRoot
</VirtualHost>

リポジトリサーバの実行に必要な項目

 Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)の設定例
 環境定義ファイルの最終行に以下の記述を追加し、太字部分(ポート番号)を運用に合わせて変更してください。なお、以下はリポジトリサーバを運用するポート番号に“10550”を使用する場合を例にしています。

Listen 10550
LoadModule ssoatcsv_module "C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\lib\F3FMssoatcsv.dll"
<VirtualHost _default_:10550>
<Location /ssoatcsv>
SetHandler ssoatcsv-authenticate-handler
</Location>
<Location /resinfo>
SetHandler ssoatcsv-resourceinfo-handler
</Location>
<Location /roleref>
SetHandler ssoatcsv-rolerefresh-handler
</Location>
DocumentRoot "C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\pub\docroot"
</VirtualHost>

Listen 10550
LoadModule ssoatcsv_module "/opt/FJSVssosv/lib/ssoatcsv.so"
<VirtualHost _default_:10550>
<Location /ssoatcsv>
SetHandler ssoatcsv-authenticate-handler
</Location>
<Location /resinfo>
SetHandler ssoatcsv-resourceinfo-handler
</Location>
<Location /roleref>
SetHandler ssoatcsv-rolerefresh-handler
</Location>
DocumentRoot "/opt/FJSVssosv/pub/docroot"
</VirtualHost>

12) リポジトリサーバの環境設定

 環境移行後、リポジトリサーバの環境を移行したマシンのInterstage管理コンソールから以下の手順で環境を設定します。各項目の詳細についてはInterstage管理コンソールのヘルプを参照してください。
 なお、リポジトリサーバを複数台で運用している場合、本設定は、すべてのリポジトリサーバに対して行う必要があります。

  1. [システム] > [セキュリティ] > [シングル・サインオン] > [認証基盤] > [リポジトリサーバ] > [環境設定]タブ > [リポジトリサーバ詳細設定[表示]]、または[詳細設定[表示]](リポジトリサーバを複数台で運用している場合)をクリックし、[認証基盤の情報]の[認証基盤のURL]に業務システムからアクセスを受け付ける認証基盤のURLを設定します。認証基盤のURLについては“シングル・サインオン運用ガイド”の“概要”−“URLの決定”−“認証基盤のURLについて”を参照してください。
     
  2. [リポジトリ]の[リポジトリ名]にSSOリポジトリとして使用するInterstage ディレクトリサービスのリポジトリ名を選択します。SSOリポジトリ作成時に指定した“リポジトリ名”を選択してください。
     
  3. [適用]ボタンをクリックします。

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