ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.3 - Microsoft(R) Windows(R) 2000 -,- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 -, - Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 -
目次 索引 前ページ次ページ

第13章 運用上の注意事項> 13.1 バックアップ運用/レプリケーション運用の注意事項

13.1.7 クラスタ運用でのレプリケーション運用の注意事項

■MSCSまたはWSFCでクラスタ運用している場合

クラスタシステムにおけるレプリケーション運用については、通常運用と異なる以下の注意事項があります。

同期型レプリケーションを使用する場合、複製開始コマンド(swsrpstartsync)で運用を開始する前に以下の作業を必ず実施してください。
上記作業は、MSCSまたはWSFCがフェールオーバ時に実施するドライブ文字割り当て処理を、同期処理中のコピー先ボリュームに対して実施しないようにするため必要です。したがって、同期処理のサスペンド中にコピー先ボリュームにドライブ文字を割り当てた場合は、ボリュームの使用後にドライブ文字を必ず解除してください。
なお、サーバ間レプリケーションでコピー先サーバがMSCSまたはWSFCの仮想サーバでない場合は、上記作業を実施する必要はありません。また、スナップショット型レプリケーションを使用する場合も、上記作業を実施する必要はありません。

◆Windows Server 2003(MSCS)またはWindows Server 2008(WSFC)の場合

複写先のボリュームがWindows Server 2003またはWindows Server 2008に接続されており、クラスタのディスクリソースとして登録されている場合は、OPCを利用したスナップショット型のレプリケーションを行ってください。

複写先のボリュームがクラスタのディスクリソースとして登録されている場合、パーティション単位のコピーを推奨します。
クラスタのディスクリソースを対象としてLogical Unit単位でコピーを行い、ディスクの管理情報であるシグネチャ(MBRディスク形式の場合)またはGUID(GPTディスク形式の場合)が変更された場合、複写先のディスクリソースがクラスタから認識できなくなる事があります。
Logical Unit単位のコピーを実施する際は「Logical Unit(ディスク)単位コピーを実施する場合の注意事項」を参照して下さい。

レプリケーションを実行する際には、物理ディスクリソースの保守モードを利用して、以下の手順で行います。

物理ディスクリソースの保守モード状態を確認するためには、以下の構文を使用したコマンドを入力してください。
cluster [ClusterName] res DiskResourceName /maint

  1. 複写先ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをONにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on

  2. 複写元ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをONにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on
  3. レプリケーションを実行します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpmake completed
    > 
  4. 複写元ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをOFFにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off
  5. 複写先ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをOFFにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off

ECを利用する場合は、複製先を非クラスタのStorageサーバに接続してサーバ間のレプリケーション運用を行ってください。逆方向のレプリケーションはOPCを利用したスナップショット型レプリケーションを使用してください。

ECを利用したレプリケーションを実行する際には、物理ディスクリソースの保守モードを利用して、以下の手順で行います。

  1. 同期処理を開始します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstartsync From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpstartsync completed
    > 
  2. 等価性維持状態を確認します。

  3. 物理ディスクリソース(複製元ボリューム)の保守モードをONにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on
  4. レプリケーションを実行します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpmake completed
    > 
  5. 物理ディスクリソース(複製元ボリューム)の保守モードをOFFにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off

RECを利用する場合も、複製先を非クラスタのStorageサーバに接続してサーバ間のレプリケーション運用を行ってください。逆方向のレプリケーションはROPCを利用したスナップショット型レプリケーションを使用してください。

ROPCが利用できない環境では、逆方向のレプリケーションはRECを利用した同期型レプリケーションを使用します。

RECを利用した逆方向のレプリケーションを実行する際には、物理ディスクリソースの保守モードを利用して、以下の手順で行います。

  1. 物理ディスクリソース(複写先ボリューム)の保守モードをONにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on
  2. 同期処理を開始します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstartsync From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpstartsync completed
    > 
  3. 等価性維持状態を確認します。

  4. レプリケーションを実行します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpmake completed
    > 
  5. 物理ディスクリソース(複写先ボリューム)の保守モードをOFFにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off

同期処理中(手順2から手順4の間)に物理ディスクリソースがいったんオフラインになると、オンラインにすることができなくなるため、注意してください。

同期処理中に物理ディスクリソースがオフラインになってしまった場合は、以下の手順で対処してください。

  1. 非クラスタのStorageサーバから同期処理を停止します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpcancel -m From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpcancel completed
    > 
  2. 物理ディスクリソースをオンラインにしてから逆方向のレプリケーションを再実行します。

■SafeCLUSTERでクラスタ運用している場合

クラスタシステムにおけるレプリケーション運用については、通常運用と異なる以下の注意事項があります。

同期型レプリケーションを使用する場合、複製開始コマンド(swsrpstartsync)で運用を開始する前に以下の作業を必ず実施してください。
上記作業は、SafeCLUSTERがフェールオーバ時に実施するドライブ文字割り当て処理を、同期処理中のコピー先ボリュームに対して実施しないようにするため必要です。したがって、同期処理のサスペンド中にコピー先ボリュームにドライブ文字を割り当てた場合は、ボリュームの使用後にドライブ文字を必ず解除してください。
なお、サーバ間レプリケーションでコピー先サーバがSafeCLUSTERの仮想サーバでない場合は、上記作業を実施する必要はありません。また、スナップショット型レプリケーションを使用する場合も、上記作業を実施する必要はありません。

SafeCLUSTER環境下で同期型レプリケーション運用をしている場合、フェールオーバが発生すると運用中ノードが停止する場合があります。その際は待機側ノードを手動にて起動してください。
<フェールオーバによりノード停止が発生する契機>
同期処理が行われている場合

13.1.7.1 Exchange2003/2007データベースでの注意事 

クラスタ運用でのExchange2003/2007データベースのバックアップとリストアについては、以下の注意事項があります。

Exchange連携機能をMSCSで運用する場合は、以下を実施してください。

Windows Server 2008上で動作するExchange Serverのデータベースについては、AdvancedCopy Managerでバックアップ/リストアすることはできません。

13.1.7.2 SQL Serverデータベースでの注意事 

クラスタ運用でのSQL Serverデータベースのバックアップとリストアについては、以下の注意事項があります。

SQL Serverバックアップ機能をMSCSまたはWSFCでクラスタ運用する場合は、以下を実施してください。

13.1.7.3 クラスタグループ停止時のレプリケーショ 

■MSCSまたはWSFCでクラスタ運用している場合

AdvancedCopy Managerが属するクラスタグループが稼動している場合、稼動ノードでのみレプリケーション運用が可能です。待機ノードではレプリケーション運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、レプリケーション運用を行うことはできません。同様に、クラスタグループが停止している場合も、環境が整っていないためにレプリケーション運用を行うことはできません。

ただしクラスタグループが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、レプリケーション運用を行うことができます。

以下のリソースを起動(オンライン)できない場合、レプリケーション運用を行うことはできません。

以下の手順にて、クラスタグループ停止中のレプリケーション運用を行います。

  1. 両ノードでクラスタグループが停止(offline)していることを確認します。
    クラスタグループを停止する方法については、「サービスの起動と停止」を参照してください。

  2. 運用に必要なリソースを起動(online)にします。
    以下のリソースを起動してください。

  3. レプリケーション運用を実施します。
    クラスタ運用の通常時と同様、レプリケーション運用を行うことができます。

  4. 手順2で起動したリソースを全て停止(オフライン)します。
    リソースの停止方法については、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。

  5. クラスタグループを起動(オンライン)します。
    必要に応じて、クラスタグループを起動します。
    クラスタグループの起動方法については、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。

■SafeCLUSTERでクラスタ運用している場合

AdvancedCopy Managerが属するクラスタサービスが稼動している場合、稼動ノードでのみレプリケーション運用が可能です。待機ノードではレプリケーション運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、レプリケーション運用を行うことはできません。同様に、クラスタサービスが停止している場合も、環境が整っていないためにレプリケーション運用を行うことはできません。

ただしクラスタサービスが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、レプリケーション運用を行うことができます。

以下の手順にて、クラスタサービス停止中のレプリケーション運用を行います。

  1. 両ノードでクラスタサービスが停止していることを確認します。
    クラスタサービスを停止する方法については、SafeCLUSTERのマニュアルを参照してください。

  2. 共有ディスクを有効にします(共有ディスクが既に有効になっている場合、本手順は不要です)。
    AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスク、複製元/複製先ボリュームを有効(オンライン)にします。

  3. アプリケーションリソース「AdvancedCopy_COM_Service_論理ノード名」を以下の方法で起動します(アプリケーションリソースが既に起動されている場合、本手順は不要です)。

    1. [コントロールパネル]→[管理ツール]→[サービス]より[サービス]画面を表示します。

    2. システムに登録されているサービスの一覧が表示されます。サービス表示名「AdvancedCopy COM_論理ノード名」のサービスを選択し、[開始]ボタンをクリックしてください。

  4. レプリケーション運用を実施します。
    クラスタ運用の通常時と同様、レプリケーション運用を行うことができます。

  5. 手順3で起動したアプリケーションリソースを以下の方法で停止します。

    1. [コントロールパネル]→[管理ツール]→[サービス]より[サービス]画面を表示します。

    2. サービス表示名「AdvancedCopy COM_論理ノード名」のサービスを選択し、[停止]ボタンをクリックしてください。

  6. 手順2で有効にした共有ディスクを無効にします。
    AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスク、複製元/複製先ボリュームを無効(オフライン)にします。

  7. クラスタサービスを起動(オンライン)します。
    必要に応じて、クラスタサービスを起動します。
    クラスタサービスの起動方法については、SafeCLUSTERのマニュアルを参照してください。


目次 索引 前ページ次ページ

All Rights Reserved, Copyright(C) 富士通株式会社 2000-2008