Interstage Application Server/Interstage Web Server J2EE ユーザーズガイド
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第1部 J2EE共通編> 第4章 JNDI

4.1 JNDIサービスプロバイダの環境設定

 Interstageが提供するJNDIサービスプロバイダ(以降、JNDI SP)を使用する場合の環境設定について以下に記述します。

J2EEアプリケーションクライアント

 J2EEアプリケーションクライアントの場合は、JNDI環境プロパティを設定します。
 JNDI環境プロパティとは、アプリケーションからJNDI SPへアクセスするために(new javax.naming.InitialContext()時に)生成する、InitialContextの初期化処理に使用される環境プロパティです。環境プロパティは、以下に示すファイルまたは引数で指定します。

 なお、環境プロパティが重複して指定された場合は、次の順で上書きされます(“3”で指定された環境プロパティが最も優先されます)。

  1. FJjndi.propertiesファイル
  2. javax.naming.InitialContext(Hashtable environment)の引数
  3. アプリケーション起動時のコマンドラインでの引数(-D)

 ただし、環境プロパティの“java.naming.factory.initial”については、次の順で上書きされます(“2”で指定された環境プロパティが最も優先されます)。

  1. アプリケーション起動時のコマンドラインでの引数(-D)
  2. javax.naming.InitialContext(Hashtable environment)の引数

 環境プロパティに設定可能な値を説明します。

 環境プロパティ、および“java.naming.factory.initial”の値の文字列は、大文字小文字が区別されます。
 環境プロパティ、および値の文字列は、大文字小文字が区別されます(“VerificationMethod”の値、および“com.fujitsu.ObjectDirector.CORBA.GlobalTransactionMode”の値を除きます)。

環境プロパティ

設定内容

対応OS

java.naming.factory.initial
(注1)

com.fujitsu.interstage.j2ee.jndi.InitialContextFactoryForClient

JNDI SPへアクセスするためのInitialContextファクトリクラス名を指定します。

すべて

FJUserID
(注2)

任意の文字列

ディレクトリサービスのユーザ認証で使用するユーザ名を指定します。省略時はユーザ認証を行いません。

すべて

FJPassword
(注2)

任意の文字列

ディレクトリサービスのユーザ認証で使用するパスワードを指定します。省略時はユーザ認証を行いません。

すべて

com.fujitsu.interstage.j2ee.DeploymentDescriptorClient
(注3)

任意の文字列

J2EEアプリケーションクライアントのdeployment descriptorファイル名をフルパスで指定します。

すべて

EBEproperties

任意の文字列

名前変換ファイル名を指定します(パス指定は不可)。省略時は、名前変換を行いません。

すべて

HTTPGW

(1) Interstage HTTP Serverの場合
[SSL通信を行う場合の書式]
 https://ホスト名/URL名
[SSL通信を行わない場合の書式]
 http://ホスト名/URL名

ホスト名:
 HTTP-IIOPゲートウェイが動作するWebサーバを指定します。
URL名:
 od-httpgwを指定します。URL名にはLocationディレクティブのURLを指定します(詳細は“Interstage HTTP Server 運用ガイド”参照)。


(2) Internet Information Servicesの場合
[SSL通信を行う場合の書式]
 https://ホスト名/cgi識別名/ゲートウェイ名
[SSL通信を行わない場合の書式]
 http://ホスト名/cgi識別名/ゲートウェイ名

ホスト名:
 HTTP-IIOPゲートウェイが動作するWebサーバを指定します。
cgi識別名:
 Internet Information Serverを使用する場合、「仮想ディレクトリ」のエイリアス名を指定します。
ゲートウェイ名:
 ODhttp.dll(HTTP-IIOPゲートウェイ)を指定します。

HTTPトンネリングを処理するゲートウェイを指定します。省略時は、HTTPトンネリングを使用しません。(注5)

すべて
(注4)

VerificationMethod

  • Well-formed:
    ウェルフォームドXML文書か否かの検証のみ行う。
  • DTD:
    ウェルフォームドXML文書か否かの検証およびDTDによる検証を行う。(デフォルト)

deployment descriptorファイルおよび名前変換ファイルのParserによる検証方法を指定します。

すべて

com.fujitsu.ObjectDirector.CORBA.GlobalTransactionMode

  • True:
    行う
  • False:
    行わない(デフォルト)

分散トランザクション制御を行うか否かを指定します。

すべて
(注4)

 注1)本環境プロパティは、new javax.naming.InitialContext(Hashtable environment)の引数environmentまたはアプリケーション起動時のコマンドラインでの引数(-D)のいずれかで、必ず指定する必要があります。
 注2)FJUserIDとFJPasswordは、必ず対で指定する必要があります。
 注3)本環境プロパティは、FJjndi.propertiesファイル、new javax.naming.InitialContext(Hashtable environment)の引数environment、またはアプリケーション起動時のコマンドラインでの引数(-D)のいずれかで、必ず指定する必要があります。
 注4) Interstage Web Serverは対応していません。

 注5)“HTTPGW”に渡す引数として、指定可能なホスト名の形式を以下に示します。

(1) Interstage HTTP Serverの場合

 http://ホスト名・IPv4アドレス/URL名
 http://ホスト名・IPv4アドレス:ポート番号/URL名
 http://[IPv6アドレス]/URL名
 http://[IPv6アドレス]:ポート番号/URL名
 https://ホスト名・IPv4アドレス/URL名
 https://ホスト名・IPv4アドレス:ポート番号/URL名

(2) Internet Information Servicesの場合

 http://ホスト名・IPv4アドレス/cgi識別名/ゲートウェイ名
 http://ホスト名・IPv4アドレス:ポート番号/cgi識別名/ゲートウェイ名
 http://[IPv6アドレス]/cgi識別名/ゲートウェイ名
 http://[IPv6アドレス]:ポート番号/cgi識別名/ゲートウェイ名
 https://ホスト名・IPv4アドレス/cgi識別名/ゲートウェイ名
 https://ホスト名・IPv4アドレス:ポート番号/cgi識別名/ゲートウェイ名

 IPv6形式のアドレスを使用する場合は、大カッコ(“[” と “]”)で囲む必要があります。
 なお、IPv6環境ではSSL機能が使用できないため、“https”は指定できません。


 Javaのシステムプロパティ“java.home”は、アプリケーション起動時のコマンドラインの引数で変更できます。ただし、orb.propertiesが参照できなくなり、動作異常を招く場合があるため、変更には、十分注意してください。

例:java -Djava.home=x:\aaaa\bbbb myapplication
例:java -Djava.home=/aaaa/bbbb myapplication

【FJjndi.propertiesファイルの記述例】

deployment descriptorファイル名:C:\env\application-client.xml
名前変換ファイル名:ClientebeProperties.xml
com.fujitsu.interstage.j2ee.DeploymentDescriptorClient=C:\env\application-client.xml
EBEproperties=ClientebeProperties.xml
deployment descriptorファイル名:/export/home/j2eeapl/application-client.xml
名前変換ファイル名:ClientebeProperties.xml
com.fujitsu.interstage.j2ee.DeploymentDescriptorClient=/export/home/j2eeapl/application-client.xml
EBEproperties=ClientebeProperties.xml
deployment descriptorファイル名:/home/j2eeapl/application-client.xml
名前変換ファイル名:ClientebeProperties.xml
com.fujitsu.interstage.j2ee.DeploymentDescriptorClient=/home/j2eeapl/application-client.xml
EBEproperties=ClientebeProperties.xml

アプレット

 EJBクライアントを使用してクライアントアプリケーションをJavaアプレットとして開発する場合は、Javaアプリケーションと以下が違います。

 以下に、Javaアプレットでのlookup処理の記述例を示します。

-------------------------------------------------------------------------------------
  // InitialContext獲得
  Hashtable env = new Hashtable();                                      ・・・・1
  env.put("java.naming.factory.initial",
          "com.fujitsu.interstage.ejb.jndi.FJCNCtxFactoryForClient");   ・・・・1
  env.put("java.naming.applet", this);                                  ・・・・1
  javax.naming.Context ic = new javax.naming.InitialContext( env);      ・・・・2
  // lookup
  java.lang.Object Obj = (java.lang.Object)ic.lookup("SampleBean");     ・・・・3
  // homeのnarrow()
  h = (SampleHome)javax.rmi.PortableRemoteObject.narrow( Obj, SampleHome.class); ・・4
-------------------------------------------------------------------------------------
  1. Contextを作成するときの環境情報を設定します。このとおりに記述してください。
  2. lookupするためのContextを作成します。このとおりに記述してください。
  3. lookupを行います。引数にEJBアプリケーション名を指定してください。lookupに失敗した場合、javax.naming.NameNotFoundException例外が発生します。
    失敗の理由は当例外の詳細メッセージとして通知されます。
    lookupに失敗したときの対処方法については、“トラブルシューティング集”の“EJBサービス使用時の異常”を参照してください。
  4. lookupしたオブジェクトをnarrowします。javax.rmi.PortableRemoteObject.narrowを発行してください。

 Javaアプレットの開発の詳細については、“Javaアプレットを使用する場合”を参照してください。

 Portable-ORBを使用する場合は、“クライアント環境での環境設定”を参照してください。

 Javaアプレットを実行する場合には、実行するマシンごとにJBKプラグインが使用するポリシーファイルへの設定が必要です。設定する情報は以下のとおりです。

 設定例を以下に記載します。JBKプラグインが使用するポリシーファイルについての詳細は、Interstage Studioの“J Business Kit オンラインマニュアル”を参照してください。


 旧バージョンと同様にJavaアプリケーションを実行する場合でも、システムプロパティに以下を指定するとEJBを参照することが可能ですが、通常はJ2EEアプリケーションクライアントで説明したように、JNDI SPを指定してください。

java.naming.factory.initial=com.fujitsu.interstage.ejb.jndi.FJCNCtxFactoryForClient

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