Interstage Job Workload Server セットアップガイド
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第2章 業務構成要素の設計> 2.5 バッチサーバ環境の設計> 2.5.2 ジョブの実行環境の設計

2.5.2.4 バッチワークユニットの設計

ジョブの実行環境には、バッチジョブ定義で指定されたバッチアプリケーションを実行する環境として、バッチワークユニットが必ず1つあります。
バッチワークユニットの設計には、運用するバッチ業務の、安全性、安定性、耐障害性に関係する要素があります。
以下の設計を行ってください。

カレントディレクトリ

バッチワークユニットで起動したバッチアプリケーションが動作する作業ディレクトリ(カレントディレクトリ)です。
カレントディレクトリによって、バッチワークユニット配下で動作するバッチアプリケーションは、それぞれ異なった作業ディレクトリで動作することができます。
アプリケーション異常時に出力されるcoreファイルなどもこのディレクトリ上に出力されます。
バッチワークユニット単位に、バッチアプリケーションが動作する作業ディレクトリをどこに配置して運用するか設計してください。

◆カレントディレクトリの退避世代数

バッチワークユニットが過去に起動された時のカレントディレクトリを、世代数分残すことができます。
バッチワークユニットが異常終了した場合でも、カレントディレクトリ配下に出力したデータは残るため、バッチ業務復旧を優先してワークユニットを起動したあとでも、カレントディレクトリ配下のデータを採取できます。
バッチ実行基盤の既定の設定では、退避世代数を1で運用します。
バッチ業務の耐障害性を考慮して、退避世代数を設計してください。

◆プロセス縮退運用

業務アプリケーションプロセスが異常終了した場合、プロセスが自動的に再起動されます。
このとき、プロセスの起動処理に失敗した場合、プロセス数が1つ少ない状態で運用を継続(縮退運用)する運用を行うか設計します。
バッチ実行基盤の既定の設定では、被害を最小限にするために縮退運用します。
縮退運用を行わない場合、対象のバッチワークユニットが停止するため、そこで実行していたジョブは、すべて異常終了します。
バッチ業務の安全性、安定性、耐障害性を考慮して、縮退運用するかどうか設計してください。

◆アプリケーションのプロセスモード

バッチワークユニットで実行する業務アプリケーションをプロセスモードで実行するか決定します。
OSのスレッドライブラリをリンクしていない業務アプリケーションを動作させる場合は、プロセスモードとします。
その逆に、OSのスレッドライブラリをリンクしている業務アプリケーションを動作させる場合には、スレッドモードとします。
混在したアプリケーションを1つのバッチワークユニットで動作させることはできません。
バッチ実行基盤の既定の設定では、アプリケーションの動作モードはスレッドモードです。


バッチワークユニットの設定に関する詳細は、“バッチワークユニットの設定”を参照してください。

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