Interstage Application Server チューニングガイド
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第5章 システムのチューニング> 5.1 運用時に必要なシステム資源> 5.1.1 CORBAサービスのシステム環境の設定

5.1.1.1 システムパラメタ

 一般的な CORBAサービスが使用する共用メモリ、セマフォ、メッセージキューのシステムパラメタのチューニングについて説明します。
 CORBAサービスの他に共用メモリ、セマフォ、メッセージキューを使用するアプリケーションが存在する場合、そのアプリケーションが使用する資源にCORBAサービスの資源量を加算してください。

システムパラメタの変更方法

 /etc/systemを編集し、パラメタ値を変更します。変更後は、システムをリブートしてください。
 なお、変更方法の詳細については、Solaris OEのドキュメントを参照してください。

CORBAサービス

 CORBAサービスで必要となるシステム資源について、以下に示します。

 以降の説明で、「種類」の意味は以下のとおりです。

共用メモリ

パラメタ

種類

必要数

備考(内容)

shmmax

設定値

以下の値のうち、最大値を指定。

  • max_IIOP_resp_con×16KB
    + (max_IIOP_resp_con_extend_number(注1)+1)×0.2KB
    + max_IIOP_resp_requests×16KB
    + (max_IIOP_resp_requests_extend_number(注1)+1)×0.2KB
    + max_impl_rep_entries×6KB
    + 100KB 以上
    • [trace_use=yesの場合]
      上記値 + max_processes×trace_size_per_process + 20KB 以上
    • [snap_use=yesの場合]
      上記値 + snap_size + 10KB 以上
  • number_of_common_buffer(注2) ×4KB 以上
    + (number_of_common_buffer_extend_number(注1)+1)×0.2KB
  • (Buffer Size + 0.2KB)×Buffer Number 以上 (注3)

共用メモリの最大セグメントサイズ

shmmin

設定値

1

共用メモリセグメントの最小サイズ

shmseg

加算値

max_IIOP_resp_con_extend_number(注1)
+ max_IIOP_resp_requests_extend_number(注1)
+ number_of_common_buffer_extend_number(注1)
+ Buffer Size、Buffer Number(ワークユニット定義)を指定したアプリケーション数 + 14

1プロセスでアタッチ可能な共用メモリセグメント数

shmmni

加算値

max_IIOP_resp_con_extend_number(注1)
+ max_IIOP_resp_requests_extend_number(注1)
+ number_of_common_buffer_extend_number(注1)
+ Buffer Size、Buffer Number(ワークユニット定義)を指定したアプリケーション数 + 13

共用メモリIDの数(注4)

(注1)
[パラメタ名]_extend_numberのデフォルト値は以下となります。0が指定された場合も、以下と同様になります。limit_of_[パラメタ名]は、0が指定された場合は自動計算されます。計算式の詳細については、“config”を参照してください。
−(limit_of_[パラメタ名] - [パラメタ名]) / [パラメタ名] (小数部分切り上げ)
isconfig.xmlファイルの定義項目AutoConfigurationModeにMANUALを指定し、自動拡張を行わない設定にした場合の値は以下となります。
−0
(注2)
デフォルトは以下です。0が指定された場合も、以下と同様になります。
−max_IIOP_resp_requests×0.2
(注3)
Buffer Size、Buffer Number(ワークユニット定義)を指定したCORBAワークユニット起動時に使用。
Buffer Size、Buffer Numberを指定したCORBAワークユニット定義の中で「(Buffer Size + 0.2KB)×Buffer Number」の最大値が該当します。
なお、“(Buffer Size + 0.2KB) × Buffer Number”の最大値が 2,147,483,647より小さい値になるようにBuffer Size、Buffer Numberの値を設定してください。
(注4)
マルチシステム機能を使用する場合は、拡張システム数を積算した値を加算してください。
マルチシステム機能はEnterprise Editionで使用できます。

セマフォ

パラメタ

種類

必要数

備考(内容)

semmap (注1)

加算値

systemファイルに定義したsemmnsの1/2

システム全体の最大セマフォ数

semmni

加算値

以下の計算式の値と512のうちの最大値
max_IIOP_resp_con_extend_number(注2)×5
 + max_IIOP_resp_requests_extend_number(注2)
 + max_impl_rep_entries
 + ["Buffer Size", "Buffer Number"(ワークユニット定義)を指定したアプリケーション数]×2
 + 100 以上

システム全体のセマフォ識別子数

semmns

加算値

limit_of_max_IIOP_resp_con(注3)×4
 + max_IIOP_resp_con_extend_number(注2)
 + max_IIOP_resp_requests_extend_number(注2)
 + max_impl_rep_entries
 + max_processes×3
 + ["Buffer Size", "Buffer Number"(ワークユニット定義)を指定したアプリケーション数]×2
 + 14 以上

システム全体のセマフォ数

上記値 + 1 以上

トレース機能を使用する場合

上記値 + 1 以上

スナップショット機能を使用する場合

上記値 + limit_of_max_IIOP_resp_con(注3) 以上

SSL連携機能を使用する場合

semmnu

加算値

max_impl_rep_entries + max_processes×3
 + [Buffer Size、Buffer Number(ワークユニット定義)を指定したアプリケーション数]×2
 + 6 以上

システム全体のセマフォ操作の取消記録グループ数

上記値 + 1 以上

トレース機能を使用する場合

上記値 + 1 以上

スナップショット機能を使用する場合

semmsl

設定値

max_IIOP_resp_con、max_processesのうちの大きい方の値 以上

セマフォ識別子あたりの最大セマフォ数

semopm

設定値

50 以上

セマフォコールあたりの最大演算子数

semume

加算値

limit_of_max_IIOP_resp_con×3
 + max_IIOP_resp_con_extend_number(注2)
 + max_IIOP_resp_requests_extend_number(注2)
 + max_impl_rep_entries + max_processes×2
 + [Buffer Size、Buffer Number(ワークユニット定義)を指定したアプリケーション数]×2
 + 11 以上

プロセスあたりのセマフォ操作の取消記録最大数

上記値 + 1 以上

トレース機能を使用する場合

上記値 + 1 以上

スナップショット機能を使用する場合

上記値 + limit_of_max_IIOP_resp_con(注3) 以上

SSL連携機能を使用する場合

(注1)
Solaris 8 OE以降の場合、指定する必要はありません。
(注2)
limit_of_[パラメタ名]のデフォルト値は以下となります。0が指定された場合も、以下と同様になります。
−[パラメタ名] × 1.3 (小数部分切り捨て)
isconfig.xmlファイルの定義項目AutoConfigurationModeにMANUALを指定し、自動拡張を行わない設定にした場合の値は以下となります。
−[パラメタ名]
(注3)
[パラメタ名]_extend_numberのデフォルト値は以下となります。0が指定された場合も、以下と同様になります。
−(limit_of_[パラメタ名] - [パラメタ名]) / [パラメタ名] (小数部分切り上げ)
isconfig.xmlファイルの定義項目AutoConfigurationModeにMANUALを指定し、自動拡張を行わない設定にした場合の値は以下となります。
−0

メッセージキュー

パラメタ

種類

必要数

備考(内容)

msgmap (注1)

加算値

200 以上

メッセージマップのエントリ数

msgmax

設定値

16384 以上

メッセージの最大サイズ

msgmnb

設定値

32768 以上(注2)

1つのメッセージキューに保持できるメッセージの最大値

msgmni

加算値

512 以上(注2)

メッセージキューIDの最大値

msgseg (注1)

設定値

32767 (固定(注3))

1プロセスでアタッチできるメッセージセグメント数

(注1)
Solaris 8 OE以降の場合、指定する必要はありません。
(注2)
Solaris 7 OEでは、msgmnb×msgmniの値がmsgseg×msgsszの値を超えないように設定する必要があります。必要に応じて、msgsszの値を調整してください。
(注3)
msgsegには32767を指定してください(加算しない)。

インタフェースリポジトリ

 インタフェースリポジトリを使用する場合に必要となるシステム資源を以下に示します。

共用メモリ

パラメタ

種類

必要数

備考(内容)

shmmax

設定値

“logging memory size”+16KB (注1)

共用メモリの最大セグメントサイズ
(ログ採取時)

shmseg

加算値

4 以上

1プロセスでアタッチできる共用メモリセグメント数

(注1)
"logging memory size"は、CORBAサービスのirconfigファイルで指定します。詳細については、“irconfig”を参照してください。

ネーミングサービス

 ネーミングサービスにネーミングコンテキストを多数作成する場合に必要となるシステム資源を、以下に示します。

パラメタ

必要数(加算値)

備考(内容)

(注1)

ネーミングコンテキスト数 + 16 以上

プロセス数あたりのオープン可能なファイル数

(注1)
該当するパラメタはありません。
ボーンシェルの場合はulimitコマンドを、Cシェルの場合はlimitコマンドを使用して、ネーミングサービスのプロセスが必要とするファイルをオープンできるだけの値を設定してください。コマンドの詳細については、Solaris OEのドキュメントを参照してください。

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