ETERNUS SF Storage Cruiser ユーザーズガイド 仮想ストレージ管理編 13.2 - Solaris (TM) Operating System / Linux / Microsoft(R) Windows(R) - |
目次
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第3章 環境構築 |
クラスタ環境の構築および各ノードに対するシステム構成ファイルの変更、動作設定ファイルを作成します。
運用管理サーバをクラスタ構成にする場合は、「ETERNUS SF Storage Cruiser インストールガイド」の「付録A 運用管理サーバの高可用化」を参照して、クラスタ環境を構築してください。
運用管理サーバがシングル構成の場合は、本作業は必要ありません。「各ノードの環境設定」を実施してください。
個々の運用管理サーバで必要な環境設定について説明します。
運用管理サーバと仮想化スイッチとの間は、IP(Internet Protocol)のTCP(Transmission Control Protocol)を使用して通信するため、以下のシステム構成ファイルを変更する必要があります。
%SystemRoot%\system32\drivers\etc\hosts
%SystemRoot%\system32\drivers\etc\services
%SystemRoot%\system32\drivers\etc\hostsファイルに仮想化スイッチのhost名とIPアドレスを登録します。
仮想化スイッチのhost名の先頭4文字は“vsce”固定です。その後ろに1から128の数字を昇順に付加します。
仮想化スイッチが冗長LAN構成の場合は、仮想化スイッチに設定された代表IPアドレスを記述します。
%SystemRoot%\system32\drivers\etc\hostsファイルの記述例
仮想化スイッチのそれぞれのIPアドレスが192.168.1.2と192.168.1.3の場合、%SystemRoot%\system32\drivers\etc\hostsファイルへの記述例を以下に示します。
192.168.1.2 vsce1 # VS900 Model 200 No.1 192.168.1.3 vsce2 # VS900 Model 200 No.2 |
%SystemRoot%\system32\drivers\etc\servicesファイルにservice名とポート番号を登録します。
以下の2つのserviceを登録します。
service名 |
port番号 |
protocol |
---|---|---|
ssvscme |
7420 |
tcp |
service名は変更することができません。
ポート番号 7420が、すでに他のサービスで使用されている場合、ポート番号を変更することができます。この場合、動作設定ファイルの“VSCE_PORT”で指定するポート番号と仮想化スイッチに設定したポート番号も変更します。ポート番号は、すべてのサーバ装置、周辺装置等のシステムを考慮して一意のポート番号を指定します。
%SystemRoot%\system32\drivers\etc\servicesファイルの記述例
以下に、%SystemRoot%\system32\drivers\etc\servicesファイルの記述例を示します。
ssvscme 7420/tcp # VSC Manager - VSC Engine(TCP) ssvscme 7420/udp # VSC Manager - VSC Engine(UDP) |
動作設定ファイルは“{ETCインストールディレクトリ}\etc\opt\FJSVssmgr\current\FJSVssvsc.ini”です。
なお、動作設定ファイルの雛型は“{OPTインストールディレクトリ}\opt\FJSVssmgr\lib\sample\vsc\FJSVssvsc.ini.sample”にあります。
# # All Rights Reserved, Copyright (c) Fujitsu Ltd. 2006 # # Storage Software Virtual Storage Conductor # # FJSVssvsc.ini: configuration file # ######################################################## LOG_LEVEL=4 COPY_HISTORY_ROTATE_NUMBER=2 |
動作設定ファイルを作成しなかった場合、すべての設定項目は、省略値が指定されたものとみなされます。
動作設定ファイルの変更について
動作設定ファイルの変更は、マネージャーが動作している状態では実施することができません。必ず、マネージャーを停止してから、動作設定ファイルの変更を行ってください。
動作設定ファイルを変更する手順は、以下のとおりです。
動作設定ファイルの記述形式は以下のとおりです。
1項目を1行に記述します。1項目を複数行にまたがって記述、または、複数の項目を1行内にまとめて記述することはできません。
1カラム目に'#'を記述した行は注釈行として扱われます。
項目名と“=”、“=”と設定値との間は空白等の文字を挿入せずに記述します。
動作設定ファイルの設定項目を[表:動作設定項目一覧]に示します。
項目 |
項目名 |
項目の設定概要 |
項目省略 |
---|---|---|---|
LOG_LEVEL |
ログレベル |
メッセージの出力レベルを指定します。 |
可能 |
COPY_HISTORY_ROTATE_NUMBER |
コピー履歴世代数 |
コピー履歴ログファイルの保持する世代数を指定します。 |
可能 |
出力するメッセージのエラー種類を指定します。
メッセージは、syslogd(1M)を経由して出力します。したがって、メッセージが実際に出力されるか否か、あるいは、出力されるファイル等についてはイベントログの設定により決定されます。イベントログの設定方法については、syslog.conf(4)を参照してください。
当項目を省略した場合、メッセージのエラー種類“ERR”のメッセージが出力されます。
LOG_LEVEL={1 | 2 | 3 | 4} |
1 : |
メッセージのエラー種類“ERR”のメッセージを出力します。 |
2 : |
メッセージのエラー種類“ERR”、“WARNING”のメッセージを出力します。 |
3 : |
メッセージのエラー種類“ERR”、“WARNING”、“NOTICE”、および、“INFO”のメッセージを出力します。 |
4 : |
メッセージのエラー種類“ERR”、“WARNING”、“NOTICE”、“INFO”、および、“DEBUG”のメッセージを出力します。 |
コピー履歴ログファイルの保持する世代数を指定します。
当項目を省略した場合、世代数は2となります。
COPY_HISTORY_ROTATE_NUMBER={2|3|4|5} |
2から5の数値で指定します。 |
VSCマネージャーに対して何らかの操作を実行し、仮想ストレージの構成情報が変更となった場合、VSCマネージャーは、仮想化ストレージの構成情報のバックアップ、または、複製を作成することを目的としたプログラム、または、スクリプトを実行します。これを「コミットスクリプト(Commit Script)」と呼びます。
仮想ストレージの構成情報が何らかの原因により失われた場合、業務サーバに対して仮想ディスクを供給できなくなります。このような不測の事態が発生した場合は、仮想ストレージの構成情報を復元し、運用を再開させなければなりません。コミットスクリプトは、不測の事態に備えて、仮想ストレージの構成情報のバックアップ、または、複製を作成します。
コミットスクリプトは、“{ETCインストールディレクトリ}\etc\opt\FJSVssmgr\current\VscCommitScript.bat”に作成し、実行権を付与しなければなりません。
コミットスクリプトの雛型は“{OPTインストールディレクトリ}\opt\FJSVssmgr\lib\sample\vsc\VscCommitScript.bat.sample”にあります。
@echo off rem # rem # All Rights Reserved, Copyright (c) Fujitsu Ltd. 2006 rem # rem # Storage Software Virtual Storage Conductor rem # rem # CommitScript Sample rem # rem ######################################################## setlocal set OPTDIR={OPTインストールディレクトリ} set VARDIR={VARインストールディレクトリ} set JREDIR={JREインストールディレクトリ} if not exist "%OPTDIR%" goto fail if not exist "%VARDIR%" goto fail if not exist "%JREDIR%" goto fail set CURRENT_DIR=%VARDIR%\var\opt\FJSVssmgr\current set BKUP_DIR=%CURRENT_DIR%\vsclog\VSCCOMPOSE_BAK set COMPOSE_DIR=vsccompose cd "%CURRENT_DIR%" :: backup if not exist "%BKUP_DIR%" mkdir "%BKUP_DIR%" if errorlevel 1 goto fail "%JREDIR%\bin\java.exe"-classpath "%OPTDIR%\opt\FJSVssmgr\java\archive\vscm.jar" com.fujitsu.storagesoft.sahandle.common.Zip "%BKUP_DIR%\compose.BAK.zip" %COMPOSE_DIR%/*.repository if errorlevel 1 goto fail :success echo "Backup Complete." exit 0 :fail echo "Backup failed." exit 1 |
VSCマネージャーの構成情報は、“{VARインストールディレクトリ}\var\opt\FJSVssmgr\current\vsccompose\”ディレクトリにあります。このディレクトリ配下のすべてのディレクトリとファイルを退避します。復元時は、“{VARインストールディレクトリ}\var\opt\FJSVssmgr\current\vsccompose\”ディレクトリ配下のディレクトリ構成、ファイル構成が退避時と同じになるように退避してください。
コミットスクリプトは、仮想ストレージのリソース状態に変更が生じた際、常に動作するので、スクリプトの内容によっては、VSCマネージャーの処理時間遅延を引き起こす要因になってしまうことに注意してください。
“{OPTインストールディレクトリ}\opt\FJSVssmgr\lib\sample\vsc\VscCommitScript.bat.sample”の内容は書き換えないで下さい。
コミットスクリプトを作成しなかった場合、メッセージ“ssvsc0906”を出力し、コミットスクリプトは実行されません。したがって、仮想ストレージの構成情報のバックアップ、または、複製を作成しませんので、仮想化ストレージの構成情報が何らかの原因により、失われた場合は、仮想ストレージの構成情報が復旧できなくなります。
コミットスクリプトが何らかの原因により異常終了した場合、メッセージ“ssvsc0905”、“ssvsc0907”、または、“ssvsc0908”を出力します。これらのメッセージの対処にしたがい処置を実施してください。その後、コミットスクリプトを再実行してください。
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