ETERNUS SF Storage Cruiser ユーザーズガイド 仮想ストレージ管理編 13.2 - Solaris (TM) Operating System / Linux / Microsoft(R) Windows(R) - |
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第2章 運用設計 |
仮想ストレージ機能を運用する際のディスク装置の設計について説明します。
仮想ストレージ機能では、一つのRAIDグループを任意の容量に分割した単位を“実ディスク”と呼びます。仮想ストレージ機能を使用しないシステムでは、実ディスクは、業務サーバが認識する論理ユニット(LUN)に相当します。
実ディスク容量は、仮想ストレージ機能を使用する場合も、管理者が自由に設定することが可能ですが、以下の指針に基づいて実ディスク容量を決定されることを推奨します。
比較的大容量のボリューム(仮想ディスク)を使用する場合
業務サーバで、比較的大容量のボリューム(仮想ディスク)を使用する場合は、実ディスク容量も大容量にします(たとえば、一つのRAIDグループを一つの実ディスクとする)。
複数の実ディスクをまとめて大容量の仮想ディスクを作成することが可能ですが、実ディスク容量を大きくすることで、実ディスク数が減少し、管理が容易になります。
比較的小容量のボリューム(仮想ディスク)を使用する場合
業務サーバで、比較的小容量のボリューム(仮想ディスク)を多数使用する場合は、実ディスク容量も小容量にします。
一つの実ディスクの一部から小容量の仮想ディスクを作成することが可能ですが、実ディスク容量を小さくすることで、仮想ディスクと実ディスクの対応関係が単純になり、管理が容易になります。
実ディスクが仮想ディスクとして構成される場合でも、実ディスクに設定されているRAIDグループの属性はそのまま有効です。つまり、仮想ディスクが持つ信頼性や性能に関する属性は、RAIDグループによって大きく左右されることになるので、あらかじめ仮想ディスクの用途を計画しておくことが必要です。
RAIDグループ単位に仮想ストレージプールを設ける運用を行えば、利用目的に応じた仮想ディスクを作成する際に簡単に識別することが可能になります。
仮想ディスクの利用目的に応じたRAIDグループの指針は以下のとおりです。
業務サーバが直接利用するファイルやデータベース用の仮想ディスク
⇒RAID1+0(信頼性および性能を重視します)
ログファイルのような間接的に利用する仮想ディスク
⇒RAID1(信頼性を重視します)
バックアップ用や一時利用する仮想ディスク
⇒RAID5(アクセス負荷分散を重視します)
担当CM(Controller Module)が存在するディスク装置の場合、コントローラの負荷分散のために、RAIDグループごとにアクセス経路となるCMを決定する必要があります。担当CMは、業務サーバからのアクセスパスを考慮して決定しますが、仮想化スイッチのコピー機能では、仮想化スイッチとディスク装置の接続されたポート間でデータのコピーを実行します。そのため、仮想化スイッチと接続されているディスク装置のCMが非担当CMだった場合、担当CMを介している業務サーバのアクセス性能が低下する可能性があります。
仮想化の対象にする実ディスクは、仮想化スイッチとディスク装置間のゾーニング設定が必要です。
仮想化の対象にする実ディスクは、仮想ストレージ機能だけからアクセス可能な状態にして、業務サーバから直接アクセスできないように保護する必要があります。このため、仮想化スイッチとディスク装置(チャネルアダプタ)間をゾーニング設定します。
各仮想化スイッチには、ディスク装置とデータのやり取りを行う機構(仮想イニシエータと呼びます)が複数個装備されています。論理的には、業務サーバのホストバスアダプタ(HBA)に相当し、WWPNが付与されています。仮想化スイッチとディスク装置間のゾーニング設定には、仮想イニシエータのWWPNを使用します。
一つのチャネルアダプタ(CA)配下の、全ての実ディスクを仮想化の対象にする場合
仮想化スイッチの機能を使用して、仮想化スイッチと当該チャネルアダプタ(CA)をゾーニング設定します。
一つのチャネルアダプタ(CA)配下で、仮想化の対象にする実ディスクと、仮想化の対象にしない実ディスクが混在する場合
仮想化スイッチを便宜上、一つのサーバと考えてください。
仮想化の対象にする実ディスク群と各業務サーバに割当てる実ディスク群を業務サーバ毎に分類し、ディスク装置の「ホスト接続設定」を使用して、分類した各実ディスク群を各業務サーバに割当てます。
なお、ETERNUS3000 M50およびGR710は、ディスク装置の「ホスト接続設定」において、一部の仮想イニシエータしか設定できないため、チャネルアダプタ(CA)単位に、仮想化の対象にする実ディスクと、仮想化の対象にしない実ディスクを分けて設定してください。
一つのチャネルアダプタ(CA)配下のすべての実ディスクを仮想化の対象にしない場合は、通常の業務サーバへの割当てを行います。
一つのチャネルアダプタ(CA)配下で、仮想化の対象にする実ディスクと、仮想化の対象にしない実ディスクが混在する場合は、前述の手順に従って「ホスト接続設定」を行います。
以下の実ディスクは、仮想化の対象にはできません。
したがって、前述の「仮想化の対象にしない実ディスク」と同様の設定をしてください。
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