Systemwalker Operation Manager クラスタ適用ガイド UNIX編 - UNIX共通 -
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第9章 HACMPシステム固有の手順> 9.2 HACMPシステムからのアンインストール

9.2.2 2ノード相互待機の場合のアンインストール

2ノード相互待機の場合に、クラスタシステムからSystemwalker Operation Managerをアンインストールする手順ついて説明します。

HACMPシステムからのアンインストールは以下の手順で行います。

  1. HACMPに登録された、Systemwalker Operation Managerのデーモンを停止
  2. Systemwalker Operation Managerの停止
  3. HACMPに登録されたリソース・グループの削除
  4. アプリケーション・モニターの削除
  5. アプリケーション・サーバーの削除
  6. クラスタ定義の同期
  7. 運用系のノードへ資源を移動
  8. 待機系への資源の複写
  9. デーモンの自動起動・停止を設定
  10. 自動反映の設定解除
  11. クラスタ情報の削除
  12. 共有ディスクの不要なディレクトリの削除
  13. アンインストール

■削除手順

HACMPに登録された、Systemwalker Operation Managerのリソース・グループ名を“omgr_rg”、アプリケーション・サーバー名を“omgr_ap”とした場合を例として削除の手順を説明します。

  1. HACMPに登録された、Systemwalker Operation Managerのデーモンを停止

    クラスタ上で動作している、Systemwalker Operation Managerのデーモンを停止します。デーモンの停止方法については、“HACMPシステムにおけるデーモンの起動/停止”を参照してください。

  2. Systemwalker Operation Managerの停止

    クラスタシステムを構成するすべてのノードで、poperationmgrコマンドを使用してSystemwalker Operation Managerを停止します。

    # /opt/systemwalker/bin/poperationmgr

    poperationmgrコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

  3. HACMPに登録されたリソース・グループの削除

    リソース・グループに登録されているアプリケーション・サーバーがSystemwalker Operation Managerのみの場合、リソース・グループごと削除します。

    リソース・グループに他のアプリケーション・サーバーも登録されている場合は、リソース・グループからSystemwalker Operation Managerのアプリケーション・サーバーを削除します。

    状況に合わせ、以下のいずれかの方法により削除します。

    1. リソース・グループを削除
      1. 運用系で“smitty hacmp”と入力して、SMITセッションを開きます。
        #smitty hacmp
      2. SMITで[拡張構成]-[拡張リソース構成]-[HACMP 拡張リソース・グループ構成]-[リソース・グループの除去]を選択します。
      3. [リソース・グループの選択]画面で、Systemwalker Operation Managerのリソース・グループ名“omgr_rg”を選択し、削除します。
    2. リソース・グループからアプリケーション・サーバーを削除
      1. 運用系で“smitty hacmp”と入力して、SMITセッションを開きます。
        #smitty hacmp
      2. SMITで[拡張構成]-[拡張リソース構成]-[HACMP 拡張リソース・グループ構成]-[リソース・グループのリソースおよび属性の変更/表示]を選択します。
      3. リソースグループを選択する画面が表示されるため、リソース・グループ名“omgr_rg”を選択します。
      4. [アプリケーション・サーバー]のフィールドから、“omgr_ap”を削除します。
      5. その他、Systemwalker Operation Managerのリソースとして登録されている[サービス IPラベル/アドレス]、[ボリューム・グループ]、および[ファイルシステム]を削除します。
  4. アプリケーション・モニターの削除
    1. 運用系で“smitty hacmp”と入力して、SMITセッションを開きます。
      #smitty hacmp
    2. SMITで[拡張構成]-[拡張リソース構成]-[HACMP 拡張リソース構成]-[HACMP アプリケーションの構成]-[HACMP アプリケーション・モニターの構成]-[ユーザ定義アプリケーション・モニターの構成]-[ユーザ定義アプリケーション・モニターの除去]を選択します。
    3. [除去するユーザー定義アプリケーション・モニター]画面で、Systemwalker Operation Managerのアプリケーション・モニター名を選択し、削除します。
  5. アプリケーション・サーバーの削除
    1. 運用系で“smitty hacmp”と入力して、SMITセッションを開きます。
      #smitty hacmp
    2. SMITで[拡張構成]-[拡張リソース構成]-[HACMP 拡張リソース構成]-[HACMP アプリケーションの構成]-[HACMP アプリケーション・サーバーの構成]-[アプリケーション・サーバーの除去]を選択します。
    3. [除去するアプリケーション・サーバー]画面で、Systemwalker Operation Managerのアプリケーション・サーバー名“omgr_ap”を選択し、削除します。
  6. クラスタ定義の同期

    運用系で削除した定義内容を、待機系と同期します。

    1. 運用系で“smitty hacmp”と入力して、SMITセッションを開きます。
      #smitty hacmp
    2. SMITで[拡張構成]-[拡張検証および同期化]を選択します。
    3. 同期化を行います。

      同期化の詳細については、HACMPのマニュアルを参照してください。

    手順3.から6.を、もう1種類のリソース・グループについて実施します。

  7. 運用系のノードへ資源を移動

    共有ディスクへ移動した資源を、運用系のノードへ戻します。

    1. 運用系のノードでAIXの“varyonvg ”コマンドを使用してボリュームの活性化を実施し、その後、共有ディスクをマウントします。

      共有ディスクのボリューム名を“datavg1”、“datavg2”、共有ディスクへのマウントポイントを“/disk1”、“/disk2”とした場合を例として移動手順を説明します。

      # varyonvg datavg1
      # mount /disk1
      # varyonvg datavg2
      # mount /disk2
    2. シンボリックリンクの削除

      共有ディスクにマウントしたノードから、共有ディスクへ移動した資源に対して作成したシンボリックリンクを削除します。

      # rm /var/opt/FJSVfwseo/JM1
      # rm /var/opt/FJSVfwseo/JM2
      
      # rm /opt/FAIXjmcal/post/sys1
      # rm /opt/FAIXjmcal/post/sys2
      
      # rm /opt/FAIXJOBSC/db/JOBDB1
      # rm /opt/FAIXJOBSC/db/JOBDB2
      
      # rm /var/spool/mjes/mjes1
      # rm /var/spool/mjes/mjes2
      
      # rm /etc/mjes/mjes1
      # rm /etc/mjes/mjes2
      
      # rm /var/opt/FJSVstem/stemDB1 (注)
      # rm /var/opt/FJSVstem/stemDB2 (注)
      注) スケジュール分散機能が有効な場合のみ行います。
    3. 共有ディスクからローカルディスクへの資源の複写

      クラスタシステムの構築時に共有ディスクへ移動した資源を、ローカルディスクに戻します。

      # mv /disk1/FAIXjmcal/post/sys1 /opt/FAIXjmcal/post/sys1
      # mv /disk2/FAIXjmcal/post/sys2 /opt/FAIXjmcal/post/sys2
      
      # mv /disk1/FAIXJOBSC/JOBDB1 /opt/FAIXJOBSC/db/JOBDB1
      # mv /disk2/FAIXJOBSC/JOBDB2 /opt/FAIXJOBSC/db/JOBDB2
      
      # mv /disk1/FAIXMJS/var/spool/mjes1 /opt/FAIXMJS/var/spool/mjes/mjes1
      # mv /disk2/FAIXMJS/var/spool/mjes2 /opt/FAIXMJS/var/spool/mjes/mjes2
      
      # mv /disk1/FAIXMJS/etc/mjes1 /opt/FAIXMJS/etc/mjes/mjes1
      # mv /disk2/FAIXMJS/etc/mjes2 /opt/FAIXMJS/etc/mjes/mjes2
      
      # mv /disk1/FJSVstem/stemDB1 /var/opt/FJSVstem/stemDB1 (注)
      # mv /disk2/FJSVstem/stemDB2 /var/opt/FJSVstem/stemDB2 (注)
      注) スケジュール分散機能が有効な場合のみ行います。
    4. 運用系のノードでマウントを外し、AIXの“varyoffvg”コマンドを使用してボリュームを非活性化の状態にします。
      # umount /disk1
      # varyoffvg datavg1
      # umount /disk2
      # varyoffvg datavg2
  8. 待機系への資源の複写

    運用系のローカルディスクに戻した資源を待機系へ複写します。

    1. シンボリックリンクの削除

      待機系のノードで、共有ディスクへ移動した資源に対して作成したシンボリックリンクを削除します。

      # rm /var/opt/FJSVfwseo/JM1
      # rm /var/opt/FJSVfwseo/JM2
      
      # rm /opt/FAIXjmcal/post/sys1
      # rm /opt/FAIXjmcal/post/sys2
      
      # rm /opt/FAIXJOBSC/db/JOBDB1
      # rm /opt/FAIXJOBSC/db/JOBDB2
      
      # rm /var/spool/mjes/mjes1
      # rm /var/spool/mjes/mjes2
      
      # rm /etc/mjes/mjes1
      # rm /etc/mjes/mjes2
      
      # rm /var/opt/FJSVstem/stemDB1 (注)
      # rm /var/opt/FJSVstem/stemDB2 (注)
      注) スケジュール分散機能が有効な場合のみ行います。
    2. 資源の複写

      運用系のローカルディスクに戻した情報を、待機系へ複写します。待機系のノードを“node2”とし、運用系でコマンドを入力する例を示します。

      ジョブ実行制御のスプールディレクトリは、一時、運用系で圧縮します。“mjes.tar”に圧縮する例を示します。

      # rcp -r /opt/FAIXJOBSC/db/JOBDB1 node2:/opt/FAIXJOBSC/db/JOBDB1
      # rcp -r /opt/FAIXJOBSC/db/JOBDB2 node2:/opt/FAIXJOBSC/db/JOBDB2
      # cd /opt/FAIXMJS/var/spool/mjes
      # tar -cvf ./mjes1.tar mjes1
      # tar -cvf ./mjes2.tar mjes2
      # rcp /opt/FAIXMJS/var/spool/mjes/mjes1.tar node2:/opt/FAIXMJS/var/spool/mjes/mjes1.tar
      # rcp /opt/FAIXMJS/var/spool/mjes/mjes2.tar node2:/opt/FAIXMJS/var/spool/mjes/mjes2.tar
      # rcp -r /opt/FAIXMJS/etc/mjes/mjes1 node2:/opt/FAIXMJS/etc/mjes/mjes1
      # rcp -r /opt/FAIXMJS/etc/mjes/mjes2 node2:/opt/FAIXMJS/etc/mjes/mjes2
      # rm /opt/FAIXMJS/var/spool/mjes/mjes1.tar
      # rm /opt/FAIXMJS/var/spool/mjes/mjes2.tar
      # rcp -r /opt/FAIXjmcal/post/sys1 node2:/opt/FAIXjmcal/post/sys1
      # rcp -r /opt/FAIXjmcal/post/sys2 node2:/opt/FAIXjmcal/post/sys2
      # rcp -r /var/opt/FJSVstem/stemDB1 node2:/var/opt/FJSVstem/stemDB1 (注)
      # rcp -r /var/opt/FJSVstem/stemDB2 node2:/var/opt/FJSVstem/stemDB2 (注)
      注) スケジュール分散機能が有効な場合のみ行います。

      圧縮して複写したジョブ実行制御のスプールディレクトリを、待機系で復元します。

      # cd /opt/FAIXMJS/var/spool/mjes
      # tar -xvf mjes1.tar
      # tar -xvf mjes2.tar
      # rm mjes1.tar
      # rm mjes2.tar
  9. デーモンの自動起動・停止を設定

    両方のノードで、“デーモンの自動起動・停止設定の解除”で解除した自動起動・停止の設定、およびプロセスの監視対象を、解除・変更する前の設定に戻します。

  10. 自動反映の設定解除
    1. セキュリティ情報の設定を以下のコマンドで解除します。
      mpaclcls -u
    2. カレンダおよびサービス・アプリケーション起動情報の自動反映の設定を以下のコマンドで解除します。
      /opt/FAIXjmcal/bin/calsetcluster -d

      mpaclclsコマンドおよびcalsetclusterコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

  11. クラスタ情報の削除

    クラスタシステムを構成するすべてのノードで、-dオプションを指定したmpsetclusterコマンドを実行し、Systemwalker Operation Managerのインストール後に登録したクラスタ情報を削除します。

    # /opt/systemwalker/bin/mpsetcluster -d

    mpsetclusterコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

  12. 共有ディスクの不要なディレクトリの削除

    共有ディスク内の、不要なディレクトリを削除します。

    ここまでの手順で、Systemwalker Operation Managerが、クラスタシステムに適用した状態から解除されます。

  13. アンインストール

    両方のノードで、Systemwalker Operation Managerをアンインストールします。

    再インストールを行う場合は、上記の手順に従ってアンインストールした後、新規にクラスタシステムへの導入を各ノードで行ってください。

    アップグレードインストールを行う場合は、上記の12.までの手順に従ってSystemwalker Operation Managerをクラスタシステムへの適用から解除した後、アップグレードインストールし、“デーモンの自動起動・停止設定の解除”から再度クラスタシステムに適用します。


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