PowerSORT V5.0 使用手引書
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第2章 PowerSORTの概要> 2.4 環境変数とスタートアップファイル

2.4.2 スタートアップファイル

スタートアップファイルは、PowerSORTの省略値を定義するファイルです。
PowerSORTのインストール時に作成された雛型を各利用者のホームディレクトリに「.bsortrc」というファイル名で複写して使用します。スタートアップファイルの雛型は、以下の場所にインストールされます。

/opt/FSUNbsort/config/BSORTRC

スタートアップファイルは、テキストファイルの形式です。内容を変更するときは、一般のテキストエディタで編集します。同一の定義値を複数指定した場合は、後に指定したものが有効となります。また、記号#で始まる行はコメント行となります。雛型のスタートアップファイルでは、各種定義値がコメント行として記述されています。
以下にスタートアップファイルで定義可能な定義値を示します。

定義値

意味

BSORT_CHKLEVEL

チェックレベルの指定

BSORT_FILESYS_fs

ファイルシステムの指定

BSORT_MEMSIZE

作業域の大きさの指定

BSORT_MSGFILE

メッセージ出力ファイル名の指定

BSORT_MSGLEVEL

メッセージ出力レベルの指定

BSORT_OUTFILE_FSYNC

出力ファイルがシステム標準のファイルシステムのとき、出力ファイルのクローズ前に書き込み内容を確実に反映させるための指定

BSORT_SUMFILD

レコード集約処理実行中に不適切なコードが発見された場合の、終了ステータスの指定

BSORT_SUMOVER

レコード集約処理実行中にオーバフローが発生した場合の、終了ステータスの指定

BSORT_SUMOVERCONT

レコード集約処理実行中にオーバフローが発生した場合の、それ以後のレコード集約処理を継続するか否かの指定

BSORT_SUMSHRT

レコード集約処理実行中に不適切なレコードが入力された場合の、終了ステータスの指定

BSORT_TMPDIR

一時ファイルディレクトリ名の指定

BSORT_TOPYY

2桁年号データの照合順序定義の指定

BSORT_UCS2TYPE

Unicode UCS-2形式のバイトオーダの指定

BSORT_UNICODEBOM

BOMの読み飛ばしの有無の指定

BSORT_CHKLEVEL={0 | 1}

PowerSORTの内部のチェック機能を指定します。

指定値

意味

0

何もチェックしません。(省略値)

1

BSORT関数でインタフェースチェックをします。

BSORT_FILESYS_fs=bslibname[:fslibname]

bsortコマンドの-Fオプション、bsortexコマンドの-inputオプションまたは-outputオプションのfilesysオペランド、またはbsrtopen関数のBSRTFILE構造体で指定するファイルシステムを定義します。

◆fs

bsortコマンドの-Fオプション、bsortexコマンドの-inputオプションまたは-outputオプションのfilesysオペランドで指定するファイルシステムの識別子(cob1、cob2、cob3)、またはbsrtopen関数のBSRTFILE構造体で指定するファイルシステムの定義値(BSFS_COB1、BSFS_COB2、BSFS_COB3)に対応したファイルシステムの識別子を指定します。
指定可能なファイルシステムの識別子を以下に示します。

◆bslibname

PowerSORTのファイルアクセスライブラリ名を指定します。
指定可能なファイルアクセスライブラリ名を以下に示します。

ファイルアクセスライブラリ名

意味

libbscblrt.so
libbscblfast.so

富士通COBOL順ファイル対応のファイルアクセスライブラリ

libbscblrl.so

富士通COBOL相対ファイル対応のファイルアクセスライブラリ

libbscblidx.so

富士通COBOL索引ファイル対応のファイルアクセスライブラリ

libbscblrt64.so
libbscblfast64.so

富士通COBOL順ファイル対応の大容量ファイルアクセスライブラリ

libbscblrl64.so

富士通COBOL相対ファイル対応の大容量ファイルアクセスライブラリ

libbscblidx64.so

富士通COBOL索引ファイル対応の大容量ファイルアクセスライブラリ

◆fslibname

ファイルシステムライブラリ名を指定します。
パス名は相対パス、絶対パスのいずれでも指定できます。アーカイブライブラリの場合は指定を省略します。
指定可能なファイルシステムライブラリ名を以下に示します。

ファイルシステムライブラリ名

意味

libcobflm.so

富士通COBOLのファイルシステムライブラリ

libcobflm64.so

富士通COBOLの大容量ファイルシステムライブラリ

BSORT_MEMSIZE=n

PowerSORTが使用する作業域の大きさ(メモリサイズ)をキロバイト数で指定します。
メモリサイズは64〜2097151キロバイトの範囲で指定します。0を指定した場合、またはBSORT_MEMSIZEの指定を省略した場合は、メモリサイズは自動的に設定されます。2097152以上の値を指定した場合は、2097151を指定したとみなされます。
メモリサイズは入力データ量の1/50以上とすることをお薦めします。ただし、入力データ量の1/50が8192キロバイト未満の場合は、8192キロバイトとすることをお薦めします。

BSORT_MSGFILE=メッセージ出力ファイル名

PowerSORTが出力するメッセージを格納するファイルパス名を指定します。

BSORT_MSGLEVEL={0 | 1 | 2}

PowerSORTが出力するメッセージのレベルを指定します。

指定値

意味

0

何も出力しません。

1

エラーメッセージを出力します。(省略値)

2

エラーメッセージと情報メッセージを出力します。

BSORT_OUTFILE_FSYNC={ON | OFF}

出力ファイルがシステム標準のファイルシステムのファイルのとき、出力ファイルのクローズ前に書込み内容を確実に反映させるかどうかを指定します。

指定値

意味

ON

OSが管理しているバッファの内容をディスクに書き込むためfsync(2)を発行します。そのため、OSのバッファの状況に応じて性能が劣化します。

OFF

fsync(2)を発行しません。(省略値)

BSORT_SUMFILD=n

テキストレコードの集約処理実行中に集約フィールド内に不適切なコードが発見された場合のbsortexコマンドまたはbsortコマンドの終了ステータスを指定します。
nには0から9までの任意の整数値を設定できます。
省略した場合、0を指定したとみなします。

BSORT_SUMOVER=n

レコード集約処理実行中にオーバフローが発生した場合のbsortexコマンドまたはbsortコマンドの終了ステータスを指定します。
nには0から9までの任意の整数値を指定できます。
省略した場合、0を指定したとみなします。

BSORT_SUMOVERCONT={ON | OFF}

レコード集約処理でオーバフローが発生した場合に、それ以後のレコード集約処理の動作を指定します。

指定値

意味

ON

オーバフローする直前まで集約されたレコードを出力し、それ以後の同値のキーフィールドを持つレコードに対しては、別レコードとしてレコード集約処理を継続します。以降、オーバフローするたびに同様の処理を行います。

OFF

オーバフローする直前まで集約されたレコードを出力し、それ以後の同値のキーフィールドを持つレコードに対しては、レコード集約処理を行いません。(省略値)

BSORT_SUMSHRT=n

テキストレコードまたは可変長バイナリレコードの集約処理実行中に集約フィールドを含まないレコードが入力された場合のbsortexコマンドまたはbsortコマンドの終了ステータスを指定します。
nには0から9までの任意の整数値を設定できます。
省略した場合、0を指定したとみなします。

BSORT_TMPDIR=一時ファイルのディレクトリパス名[:一時ファイルのディレクトリパス名...]

PowerSORTのソート処理に必要となる一時ファイルを作成するディレクトリパス名を指定します。
メモリ内だけでは処理できない量のレコードをソート処理する場合、BSORT_TMPDIRで指定されたディレクトリに一時ファイルを作成します。指定されたディレクトリが存在しない場合は、エラーとなります。また、コロン( : )で区切ることで複数のディレクトリパス名を指定できます。複数のディレクトリパス名を指定すると、指定されたディレクトリに一時ファイルが分散されるため、空きスペース不足によるエラーを回避できることがあります。ディレクトリパス名を複数指定する場合は、コロン( : )の前後に空白などの不要な文字列を置かないようにしてください。
なお、一時ファイルを作成するディレクトリは優先順位に従って決定します。優先順位については、一時ファイルを作成するディレクトリの優先順位を参照してください。

BSORT_TOPYY=yy

2桁年号データ形式を使ってソートマージ処理する場合に、並替えのしきい値を設定します。
ここで指定したyy年が最小値となります。たとえば、BSORT_TOPYY=60とした場合、最小値が60、最大値が59となり、年号データを下2桁で並べた場合は、1960年から2059年の順に大小関係が決定します。省略値は60です。キーフィールドおよび選択フィールドのデータ形式として2桁年号データ形式を指定した場合に有効となります。

BSORT_UCS2TYPE={LITTLE_ENDIAN | BIG_ENDIAN}

Unicode UCS-2形式のバイトオーダを指定します。
bsortexコマンドおよびbsortコマンドでUnicode UCS-2形式のデータ形式を指定した場合に有効です。

指定値

意味

LITTLE_ENDIAN

Little endianとします。(省略値)

BIG_ENDIAN

Big endianとします。

BSORT_UNICODEBOM={ON | OFF}

入力ファイルがテキストファイルで、かつ入力ファイルのコード系がUnicode系(UCS-2形式またはUTF-8形式)のとき、BOMの読み飛ばしの有無を指定します。
入力ファイルにBOMが存在し、BOMを読み飛ばした場合、出力ファイルにBOMを付加します。複数の入力ファイルを指定している場合は、先頭に指定した入力ファイルにBOMが存在し、BOMを読み飛ばした場合、出力ファイルにBOMを付加します。

指定値

意味

ON

BOMを読み飛ばします。ただし、先頭がBOMでない場合は読み飛ばしません。入力ファイルの先頭にBOMが存在する場合にレコードからBOMを除外することができます。(省略値)

OFF

BOMを読み飛ばしません。


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