PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.2 (Linux版) |
目次
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第6章 バックアップとリストア | > 6.6 ドメイン外サーバからのバックアップとリストア | > 6.6.4 ディスク装置のコピー機能を使用したバックアップとリストア |
16) 業務の停止
運用ドメインのノード Node1 および Node2 において、業務用ボリューム Volume1 を使用しているアプリケーションを停止します。
Volume1 をファイルシステムとして使用している場合は、アンマウントします。
17) 業務用ボリュームの停止
運用ドメインのノード Node1 および Node2 において、業務用ボリューム Volume1 への不当な書込みを防止するため、Volume1 を停止します。以下のコマンドを Node1 または Node2 で実行します。
# sdxvolume -F -c Class1 -v Volume1 -e allnodes |
18) 業務用ボリュームのスライス切離し
運用ドメインにおいて、業務用ボリューム Volume1 のスライスのうち、リストアの対象となるディスク Disk1 以外のディスク (Disk2) 上のスライスを、Volume1 から一時的に切り離します。以下のコマンドを運用ドメインのノード Node1 または Node2 で実行します。
# sdxslice -M -c Class1 -d Disk2 -v Volume1 -a jrm=off |
バックアップサーバ Node3 において、ディスク Disk1 のデータをテープからリストアした後、運用ドメインにおいて、ディスク Disk2 上のスライスを業務ボリューム Volume1 に再度組み込みます。このとき、組み込んだスライスにボリューム全体のデータをコピーする必要があります。このため、切り離すスライスの高速等価性回復モードをオフに設定しておく必要があります。
バックアップサーバ Node3 からディスク Disk2 にアクセスできる場合は、Node3 において、ディスク Disk1 および Disk2 の両方のデータをテープからリストアすることができます。この場合は、本手順 (スライス切離し) は実施しないでください。
19) 業務用ボリュームの構成と状態の確認
運用ドメインのノード Node1 および Node2 において、リストアの対象となる業務用ボリューム Volume1 の構成と状態を確認します。ボリューム Volume1 が STOP 状態であることと、ボリュームを構成するスライスのうち、リストア対象のスライス Volume1.Disk1 のみが STOP 状態であり、他のスライスは TEMP または TEMP-STOP 状態であることを確認します。ボリュームの状態やスライスの状態が不当な場合は、「ボリューム状態に関する異常」または「スライス状態に関する異常」を参照して状態を復旧してください。
# sdxinfo -c Class1 OBJ NAME TYPE SCOPE SPARE ------ ------- -------- ----------- ----- class Class1 shared Node1:Node2 0 OBJ NAME TYPE CLASS GROUP DEVNAM DEVBLKS DEVCONNECT STATUS ------ ------- ------ ------- ------- --------- -------- ---------------- ------- disk Disk1 mirror Class1 Group1 emcpowera 8380800 Node1:Node2 ENABLE disk Disk2 mirror Class1 Group1 emcpowerb 8380800 Node1:Node2 ENABLE OBJ NAME CLASS DISKS BLKS FREEBLKS SPARE ------ ------- ------- ------------------- -------- -------- ----- group Group1 Class1 Disk1:Disk2 8290304 7176192 0 OBJ NAME CLASS GROUP SKIP JRM 1STBLK LASTBLK BLOCKS STATUS ------ ------- ------- ------- ---- --- -------- -------- -------- -------- volume * Class1 Group1 * * 0 65535 65536 PRIVATE volume Volume1 Class1 Group1 off on 65536 1114111 1048576 STOP volume * Class1 Group1 * * 1114112 8290303 7176192 FREE OBJ CLASS GROUP DISK VOLUME STATUS ------ ------- ------- ------- ------- -------- slice Class1 Group1 Disk1 Volume1 STOP slice Class1 Group1 Disk2 Volume1 TEMP |
バックアップサーバ Node3 からボリューム Volume1 を構成するすべてのディスク (Disk1 および Disk2) にアクセスできる場合は、Volume1 を構成するすべてのスライスが STOP 状態であることを確認してください。
20) リストア用シャドウボリュームの作成
バックアップサーバ Node3 において、ディスク emcpowera 上にリストア用のボリューム (シャドウボリューム) を作成します。以下の設定をバックアップサーバ Node3 で実施します。
20-1) シャドウディスクの登録
ディスク emcpowera をシャドウクラス Class3 に登録し、Disk1 というディスク名を付けます。
# sdxshadowdisk -M -c Class3 -d emcpowera=Disk1 |
ディスク名は、ディスク emcpowera に対して手順 1-1) で割り当てたディスク名 Disk1 と同じにする必要があります。手順 1-1) で割り当てたディスク名は、手順 19) の sdxinfo コマンドで表示されたディスク情報の NAME フィールドで確認できます。
クラス名は自由に割り当てることができます。ただし、ノード Node3 がノード Node1 および Node2 と同一ドメインに属している構成の場合は、手順 1-1) で作成したクラスとは異なるクラス名にする必要があります。
バックアップサーバ Node3 からボリューム Volume1 を構成するすべてのディスク (emcpowera およびemcpowerb) にアクセスできる場合は、Volume1 を構成するすべてのディスク (emcpowera および emcpowerb) をシャドウクラスに登録してください。
20-2) シャドウグループの作成
シャドウディスク Disk1 をミラータイプのシャドウグループ Group1 に接続します。
# sdxshadowdisk -C -c Class3 -g Group1 -d Disk1 |
バックアップサーバ Node3 からボリューム Volume1 を構成するすべてのディスク (emcpowera および emcpowerb) にアクセスできる場合は、Volume1 を構成するすべてのディスク (emcpowera および emcpowerb) をシャドウグループに接続してください。
20-3) シャドウボリュームの作成
シャドウグループ Group1 に、シャドウボリューム Volume1 を作成します。
# sdxshadowvolume -M -c Class3 -g Group1 -v Volume1 -s 1048576 |
ボリュームは、手順 1-3) と同じサイズで作成する必要があります。手順 1-3) で作成したボリュームのサイズは、手順 19) の sdxinfo コマンドで表示されたボリューム情報の BLOCKS フィールドで確認できます。
ボリュームが複数ある場合、手順 19) の sdxinfo コマンドで表示されたボリューム情報の 1STBLK フィールドの値 (先頭ブロック番号) が小さい順に、対応するシャドウボリュームを作成する必要があります。
ボリューム名は自由に割り当てることができます。
20-4) シャドウボリュームのアクセスモードの変更
シャドウボリューム Volume1 を読書き用のアクセスモード (rw) で起動します。
# sdxshadowvolume -F -c Class3 -v Volume1 # sdxshadowvolume -N -c Class3 -v Volume1 -e mode=rw |
20-5) シャドウボリュームの構成の確認
sdxinfo コマンドを実行し、グループ情報の DISKS フィールド、ボリューム情報の 1STBLK フィールドおよび BLOCKS フィールドなどから、グループ構成やボリューム構成が適切であることを確認します。
# sdxinfo -c Class3 OBJ NAME TYPE SCOPE SPARE ------ ------- -------- ----------- ----- class Class3 local Node3 0 OBJ NAME TYPE CLASS GROUP DEVNAM DEVBLKS DEVCONNECT STATUS ------ ------ ------ ------- ------- ---------- -------- ----------- ------- disk Disk1 mirror Class3 Group1 emcpowera 8380800 Node3 ENABLE OBJ NAME CLASS DISKS BLKS FREEBLKS SPARE ------ ------- ------- ------------------- -------- -------- ----- group Group1 Class3 Disk1 8290304 7176192 0 OBJ NAME CLASS GROUP SKIP JRM 1STBLK LASTBLK BLOCKS STATUS ------ ------- ------- ------- ---- --- -------- -------- -------- -------- volume * Class3 Group1 * * 0 65535 65536 PRIVATE volume Volume1 Class3 Group1 off off 65536 1114111 1048576 ACTIVE volume * Class3 Group1 * * 1114112 8290303 7176192 FREE OBJ CLASS GROUP DISK VOLUME STATUS ------ ------- ------- ------- ------- -------- slice Class3 Group1 Disk1 Volume1 ACTIVE |
21) テープからのリストア
バックアップサーバ Node3 において、シャドウボリュームのデータを手順 8) でバックアップしたテープからリストアします。シャドウボリューム Volume1 のデータをテープ装置 /dev/st0 のテープ媒体からリストアする例を示します。
リストア方法の詳細については、リストアするファイルシステムや使用するコマンドのマニュアルを参照してください。
21a) dd(1) コマンドを使用してデータをリストアする場合
# dd if=/dev/st0 of=/dev/sfdsk/Class3/dsk/Volume1 bs=32768 |
21b) tar(1) コマンドを使用して ext3 ファイルシステムをリストアする場合
21b-1) シャドウボリューム Volume1 に ext3 ファイルシステムを作成します。
# mkfs -t ext3 /dev/sfdsk/Class3/dsk/Volume1 |
21b-2) シャドウボリューム Volume1 上の ext3 ファイルシステムを、一時的なマウントポイント /mnt2 にマウントします。
# mkdir /mnt2 # mount -t ext3 /dev/sfdsk/Class3/dsk/Volume1 /mnt2 |
21b-3) ファイルシステムのデータをテープからリストアします。
# cd /mnt2 # tar xvf /dev/st0 |
21b-4) 手順 21b-2) でマウントしたファイルシステムをアンマウントします。
# cd / # umount /mnt2 # rmdir /mnt2 |
22) シャドウボリュームの削除
リストアが完了したら、シャドウボリュームへの不当なアクセスを防ぐため、シャドウボリュームを削除します。バックアップサーバ Node3 で以下の作業を実施します。
22-1) シャドウボリュームの停止
シャドウボリューム Volume1 を停止します。
# sdxshadowvolume -F -c Class3 -v Volume1 |
22-2) シャドウボリュームの削除
シャドウボリューム Volume1 を削除します。
# sdxshadowvolume -R -c Class3 -v Volume1 |
22-3) シャドウグループの削除
シャドウグループ Group1 を削除します。
# sdxshadowgroup -R -c Class3 -g Group1 |
22-4) シャドウディスクの削除
シャドウディスク Disk1 を削除します。
# sdxshadowdisk -R -c Class3 -d Disk1 |
バックアップサーバ Node3 からボリューム Volume1 を構成するすべてのディスク (emcpowera および emcpowerb) にアクセスできる場合は、手順 20) でシャドウクラス Class3 に登録したすべてのディスク (emcpowera および emcpowerb) を削除してください。
23) 業務の再開と業務用ボリュームのスライス再組込み
運用ドメインで業務を再開します。業務を実行するノードで以下の作業を実施します。
ここでは、業務用ボリュームの等価性回復よりも業務の再開を優先し、まず業務を再開し、業務運用中にボリュームの等価性回復を行う手順を示します。業務の再開よりもボリュームの等価性回復を優先する場合は、手順 23-1), 23-3),23-4)(等価性コピー処理の完了を確認), 23-2) の順に実施してください。
23-1) 業務用ボリュームの起動
業務用ボリューム Volume1 を起動します。
# sdxvolume -N -c Class1 -v Volume1 |
23-2) 業務の再開
手順 16) で業務用ボリューム Volume1 上のファイルシステムをアンマウントした場合は、再度マウントします。
Volume1 を使用するアプリケーションを起動します。
23-3) 業務用ボリュームのスライス再組込み
手順 18) で業務用ボリューム Volume1 から一時的に切り離したスライス Volume1.Disk2 を、Volume1 に再度組み込みます。
# sdxslice -R -c Class1 -d Disk2 -v Volume1 |
コマンドが復帰した後、ボリューム Volume1 の Disk1 上のスライスから Disk2 上のスライスへの等価性コピー処理が実行されます。
23-4) コピー状況の確認
等価性コピー処理の状況は、sdxinfo -S コマンドで確認することができます。コピー先のスライスは、コピー処理中は COPY 状態であり、コピー処理が正常に完了すると ACTIVE 状態 (ただし Volume1 が STOP 状態の場合は STOP 状態) になります。
# sdxinfo -S -c Class1 -o Volume1 OBJ CLASS GROUP DISK VOLUME STATUS ------ ------- ------- ------- ------- -------- slice Class1 Group1 Disk1 Volume1 ACTIVE slice Class1 Group1 Disk2 Volume1 COPY |
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