ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.1 -Solaris- |
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第4章 バックアップ運用(通常業務ボリューム) | > 4.9 VxVMボリュームの運用 |
VxVMボリュームをバックアップ対象とする場合に、VxVMの論理ボリュームが存在する物理スライス単位にバックアップを行います。
通常ボリュームの基本的運用を理解した上でご利用ください。
サポート可能なVxVMのボリューム構成については、「AdvancedCopy Managerにおけるサポートデバイスについて」を参照してください。
VxVMの論理ボリュームのバックアップボリュームとしては、以下の2種類のボリュームが利用可能です。
VxVMの論理ボリューム
通常デバイス(スライス)
しかし、バックアップボリュームをマウントする場合や、他のアプリケーションから使用する場合を考えて、バックアップボリュームは業務ボリュームと同一のボリューム構成をもつVxVMの論理ボリュームにしてください。
ボリューム構成が同一であるとは、以下の条件が満足されていることを指します。
物理ディスク(LUN)のサイズが同一である。
専有領域のサイズが同一である。
共有領域のサイズが同一である。
共有領域内の各サブディスクの開始オフセット、サイズが一致する。
論理ボリュームとサブディスクの対応関係が一致する。
バックアップボリュームのサイズが共有領域のサイズと同一であれば、VxVMボリュームのバックアップボリュームを通常デバイス(スライス)にすることが可能です。しかし、バックアップボリュームをマウントすること、および、他アプリケーションから使用することは一般的にできません。
同様に、通常デバイス(スライス)のバックアップボリュームをVxVMボリュームにすることも可能ですが、バックアップボリュームをマウントすること、および、他アプリケーションから使用することは一般的にできません。
論理ボリューム:VMディスク=N:1(N>1)の関係を満たすVxVMの論理ボリュームの場合、業務ボリューム、または、バックアップボリュームを登録する場合は、それぞれのVMディスクに含まれる論理ボリューム名の1つを使用して登録します。
例として、以下のボリューム構成をもつ業務ボリューム、バックアップボリュームを考えます。
VMディスクdisk01(業務ボリューム)にはtranvol01、tranvol02、tranvol03の論理ボリュームが、VMディスクdisk02(バックアップボリューム)にはbackvol01、backvol02、backvol03までの論理ボリュームがあります。
VMディスクdisk01とdisk02のスライスサイズは同一です。また、VMディスクdisk01とdisk02のサブディスク構成は同一です。サブディスク構成は“vxprint -AGts”で確認できます。
この場合、論理ボリューム名tranvol01、backvol01を使用してデバイス情報を設定します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/vx/dsk/AGT01/backvol01 swstdevinfoset completed |
デバイス情報設定コマンドに指定する論理ボリューム名は、バックアップ処理の対象となるVMディスク(スライス)を指定するために用いられます。したがって、上の例においてtranvol01の代わりにtranvol02、tranvol03を指定することが可能です(backvol01についても同様です)。しかし、tranvol01、backvol01が既に登録されている場合には、他のボリューム(tranvol02、tranvol03、backvol02、backvo03)を登録することはできません。
論理ボリューム:VMディスク=N:1(N>1)の関係を満たすVxVMの論理ボリュームの場合、かつ、運用上の理由により、ファイルシステムが構築された業務ボリュームのアンマウント/マウント処理を回避したい場合は、業務ボリュームのアンマウント処理が行われないように、バックアップ前処理スクリプト(OpcBackup.pre)をカスタマイズしてください。
※ バックアップ前処理スクリプト(OpcBackup.pre)のアンマウント処理(umount)を実施する前に、以下の例に示すようなVxVM論理ボリュームのマウントポイント変数をクリアする処理を追加してください。
【カスタマイズ例】
79: exit 0 80: fi 81: post_file="/etc/opt/FJSVswsts"$swstg_node"/data/DEFAULT/"$dev".pre" 82: fstype_file="/etc/opt/FJSVswsts"$swstg_node"/data/DEFAULT/"$dev".fstype" 83: bd_file="/etc/opt/FJSVswsts"$swstg_node"/data/DEFAULT/"$dev".bd" 84: if [ "$device" = "/dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01" ] then mount_point="" fi 85: if [ "$mount_point" != "" ] 86: then 87: 88: # When device cannot be unmounted 89: # 90: # if [ "$device" = "/dev/dsk/c*t*d*s*" ] |
VxVMボリュームのバックアップ運用では、業務ボリュームと同一のボリューム構成をもつバックアップボリュームを指定する必要があるため、デバイスマップファイルを作成する必要があります。
【デバイスマップファイルの例】
# 業務ボリューム名 出力先バックアップボリューム名 /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 /dev/vx/dsk/AGT01/backvol01 |
デバイスマップファイルの詳細については、「デバイスマップファイルの準備」を参照してください。
論理ボリューム:VMディスク=N:1(N>1)の関係を満たすVxVMの論理ボリュームの場合、前後処理スクリプトで業務ボリュームのアンマウント/マウントを実施することはできません。
このような構成の場合は、バックアップを行う前にあらかじめファイルシステムのアンマウントを実施し、バックアップ後にファイルシステムをマウントしてください。
なお、論理ボリューム:VMディスク=1:1の関係を満たすVxVMの論理ボリュームの場合は、通常のスライスと同様に業務ボリュームのアンマウント/マウントが行われるため、以下に示す手順は不要です。
【スナップショット型バックアップの手順】
# umount /global/AGT01/tranvol01 ←tranvol01のアンマウント # umount /global/AGT01/tranvol02 ←tranvol02のアンマウント # umount /global/AGT01/tranvol03 ←tranvol03のアンマウント # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 -Xdevmap /acm/devmap.txt /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 swstbackup completed # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 /global/AGT01/tranvol01 ←tranvol01のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol02 /global/AGT01/tranvol02 ←tranvol02のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol03 /global/AGT01/tranvol03 ←tranvol03のマウント |
また、運用上の理由により、業務ボリュームのアンマウント/マウント処理を回避したい場合は、事前に前後処理スクリプトのカスタマイズを行った上で、以下の手順でバックアップする必要があります。
【スナップショット型バックアップの手順(業務ボリュームのアンマウント/マウント処理を回避する場合)】
# lockfs -w /global/AGT01/tranvol01 ←tranvol01のファイルシステムロック # lockfs -w /global/AGT01/tranvol02 ←tranvol02のファイルシステムロック # lockfs -w /global/AGT01/tranvol03 ←tranvol03のファイルシステムロック # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 -Xdevmap /acm/devmap.txt /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 swstbackup completed # lockfs -u /global/AGT01/tranvol01 ←tranvol01のファイルシステムロック解除 # lockfs -u /global/AGT01/tranvol02 ←tranvol02のファイルシステムロック解除 # lockfs -u /global/AGT01/tranvol03 ←tranvol03のファイルシステムロック解除 # fsck -n -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/backvol01 ←backvol01のfsck処理 # fsck -n -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/backvol02 ←backvol02のfsck処理 # fsck -n -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/backvol03 ←backvol03のfsck処理 |
lockfs -wを使用してファイルシステムのキャッシュのフラッシュと、その後の更新抑止を行った場合でも、Write Open中のファイル(オンラインバックアップをサポートしているOracleのデータベーススペースは除きます)については、ファイル内容の保証はされません。
また、メタデータ更新中のプロセスがある場合は、lockfsの仕様上、ファイルシステム自体のデータ整合性も保障されません。
そこで、バックアップ後にfsck処理を行い、バックアップデータの整合性を確認することが必要です。
なお、fsck処理において、以下のメッセージを出力されることがありますが、ファイルシステムの整合性には問題がありませんので、fsck -yを実行して修復してください。
FILE SYSTEM STATE IN SUPERBLOCK IS WRONG; FIX?
論理ボリューム:VMディスク=N:1(N>1)の関係を満たすVxVMの論理ボリュームの場合、前後処理スクリプトで業務ボリュームのアンマウント/マウントを実施することはできません。
このような構成の場合は、リストアを行う前にあらかじめファイルシステムのアンマウントを実施し、リストア後にファイルシステムをマウントしてください。
なお、論理ボリューム:VMディスク=1:1の関係を満たすVxVMの論理ボリュームの場合は、通常のスライスと同様に業務ボリュームのアンマウント/マウントが行われるため、以下に示す手順は不要です。
【リストアの手順】
# umount /global/AGT01/tranvol01 ←tranvol01のアンマウント # umount /global/AGT01/tranvol02 ←tranvol02のアンマウント # umount /global/AGT01/tranvol03 ←tranvol03のアンマウント # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 swstrestore completed # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 /global/AGT01/tranvol01 ←tranvol01のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 /global/AGT01/tranvol02 ←tranvol02のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 /global/AGT01/tranvol03 ←tranvol03のマウント |
バックアップ運用中にボリューム構成を変更する場合は、以下の手順でボリューム構成変更を実施してください。
履歴情報削除コマンド(swsthistdel)の-zオプションを指定して、全ての履歴情報を削除してください。
バックアップポリシー削除コマンド(swstbkpoldel)でバックアップポリシーを削除してください。
業務ボリュームをデバイス情報設定コマンド(swstdevinfoset)の-oオプションを指定して、登録から削除してください。バックアップボリュームもVxVMのボリュームである場合は、バックアップボリュームもデバイス情報設定コマンド(swstdevinfoset)の-oオプションを指定して、登録から削除してください。
業務ボリュームのボリューム構成を変更します。バックアップボリュームもVxVMのボリュームである場合は、バックアップボリュームのボリューム構成を業務ボリュームと同一になるように変更します。
初期画面において、「全デバイスの情報取得/反映」を行います。
デバイス情報設定コマンド(swstdevinfoset)で、業務ボリューム、バックアップボリュームの再登録を行います。
バックアップポリシー設定コマンド(swstbkpolset)でバックアップポリシーを設定します。
バックアップ運用を再開します。
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