Systemwalker Operation Manager 導入手引書 - UNIX/Windows(R)共通 - |
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第2章 Systemwalker Operation Managerの動作環境を定義する | > 2.8 ジョブ実行制御の定義 |
運用情報の定義について説明します。
なお、運用情報の定義を変更した後、定義を有効にするにはジョブ実行制御サービス/デーモンの再起動が必要です。
ジョブの実行環境の基本的な定義は、[運用情報の定義]ウィンドウの7種類のシート(運用制御/ログ/利用機能/旧互換/クラスタ設定/ネットワーク/印刷形式、ただしUNIX版の場合は印刷形式を除いた6種類)から行います。
運用情報の定義で使用するウィンドウ:
・[運用情報の定義]ウィンドウ-[印刷形式]シート【Windows版】
[Systemwalker Operation Manager環境設定]ウィンドウで、[運用情報]ボタンをクリックすると、[運用情報の定義]ウィンドウが表示されます。
ジョブおよびキューの制御について定義する場合は、[運用制御]シートを選択します。
ジョブの実行履歴情報や稼働実績情報の保存について定義する場合は、[ログ]シートを選択します。
ファイルのコード変換やジョブステップの終了コードなどについて定義する場合は、[利用機能]シートを選択します。
本バージョンでは改善されている機能で、互換のため旧バージョン機能の利用について定義する場合は、[旧互換]シートを選択します。
クラスタシステム運用時のサーバ設定について定義する場合は、[クラスタ設定]シートを選択します。
接続エラー時のリトライ動作について定義する場合は、[ネットワーク]シートを選択します。
接続先サーバがWindowsの場合、JCLによるジョブにおいてジョブ結果の一括出力機能の印刷形式について定義する場合は、[利用機能]シートで[prtパラメタを有効にする]をチェックした後、[印刷形式]シートを選択します。
Systemwalker Operation Managerのインストール直後は、[運用制御]シートの[ジョブ制御]および[キュー]、[ログ]シートのジョブ実行履歴情報([保存場所]および[保存日数])、[ネットワーク]シートのリトライの動作の[間隔]および[回数]については、標準的な内容が定義されています。運用方法に応じて、各シートの定義内容を設定してください。
[OK]ボタンをクリックして、設定内容を保存します。
ジョブ実行制御サービス/デーモンを次回起動した時、初期化モードで起動され、定義内容が反映されます。
[運用情報の定義]ウィンドウの入力規約を以下に示します。
, ; * ? " < > |
また、“\”を入力した場合、エスケープ文字として認識されません。
\ / : ; , * ? " < > |
ただし、以下の項目については、上記の入力規約とは異なりますので注意してください。
- [キューの作成/編集]ウィンドウの[キュー名]および[ホストグループ]の場合:
- 英数字、“-”(半角ハイフン)および“_”(半角アンダーバー)のみ使用できます。また、1文字目は必ず英文字にします。なお、キュー名は、英大文字と英小文字の区別がされません。
- [キューの作成/編集]ウィンドウの[構成ホスト名]の場合:
- スペースキー、タブキーおよび以下の記号は入力できません。
\ / : ; * ? " < > |
[運用情報の定義]ウィンドウで設定した内容は、ジョブ実行制御の初期化ファイルに反映されます。初期化ファイルは、viやメモ帳などのエディタによって直接編集することもできます。
初期化ファイルを直接編集する場合の定義方法については、“初期化ファイル(ジョブ実行制御)”を参照してください。
初期化ファイルを編集した後、定義を有効にするには、ジョブ実行制御を初期化モードで起動する必要があります。以下の手順で操作します。
ジョブ投入時に投入先のキューの指定を省略したジョブは、ここで指定したデフォルトキューに投入されます。ここで指定しなかった場合、ジョブ投入時に、投入先のキューの指定を省略することはできません。
[EE/GEE]
複数サブシステム運用をしている場合には、各サブシステムにおいて同時実行が可能なジョブ数の制限となります。そのため、サーバ全体で同時実行が可能なジョブ数を制限することはできません。
指定しなかった場合、すべてのキューについて[キューの作成]ウィンドウで[優先順位の省略値を指定する]を選択する必要があります。
キューを新規に作成する場合は、[追加]ボタンをクリックします。既存のキューの設定内容を変更したい場合は、リストの中のキューを選択し、[編集]ボタンをクリックします。削除する場合は、キュー一覧から削除するキューを選択し、[削除]ボタンをクリックします。
[追加]ボタンをクリックした場合は[キューの作成]ウィンドウが、[編集]ボタンをクリックした場合は [キューの編集]ウィンドウが表示されます。[キューの作成/編集]ウィンドウで、新しく追加するキューの設定および既存のキューの設定内容を変更してください。
キューの作成可能な数は64個です。
[ジョブの多重度]は、1〜99【Windows版】/999【UNIX版】まで指定できますが、Windows版の場合、目安として30以内にすることを推奨します。多重度を高く設定すると、性能上の問題が発生したり、デスクトップヒープ(Windowsが管理している領域)が枯渇し、ジョブが異常終了したりする場合があります。31以上を指定する場合は、十分に検証してから運用してください。
キューについての定義を行います。
本ウィンドウでキューに関する定義内容を設定し、[OK]ボタンをクリックするとキュー一覧に定義内容が追加または反映されます。ただし、[キュー名]に入力した名称がすでに使用されている場合や、入力した値が正しくない場合にはエラーが表示されます。
キュー名は省略できません。
キュー内の[ジョブの多重度]と同じ値を指定することにより、実行待ちのジョブを作らないようにすることができます。
指定しなかった場合は、投入可能ジョブ数は制限されません。
[運用情報の定義]ウィンドウの[運用制御]シートで[優先順位の省略値を指定する]を指定していない場合、省略することはできません。
指定できる0〜4の値は、以下に示す意味を持ちます。
指定値 |
優先順位クラス |
スレッドの優先順位 |
4 |
NORMAL |
HIGHEST |
3 |
NORMAL |
ABOVE_NORMAL |
2 |
NORMAL |
NORMAL |
1 |
NORMAL |
BELOW_NORMAL |
0 |
NORMAL |
LOWEST |
指定しなかった場合は、2が採用されます。
ジョブを実行するプロセスの実行優先度を指定するものであり、-20〜19の指定値は、UNIX版システムのナイス値に相当します。
指定しなかった場合は、0が採用されます。
ここでの設定値“-20〜19”は、[キューの定義の一時変更]ダイアログボックスと[キューの詳細情報の表示]ダイアログボックスにおいて、“0〜39”に変換されて表示されます(表示名:デフォルト実行優先度)。この場合、値が大きいほどCPU配分率が高いことを示します。
指定しなかった場合、ジョブ経過時間の制限は行われません。
[ホストグループ]には、ホストグループ(分散実行先のサーバのグループ)名を64文字以内で指定します。
[構成ホスト名]には、ホストグループを構成するサーバのホスト名、およびジョブの多重度(各サーバで同時に実行できるジョブ数)を“ホスト名(多重度)”の形式で指定します。ホスト名は10個まで指定できます。ホスト名にはコンピュータ名を指定し、自ホストを指定することもできます。ホスト名自体には“(”および“)”は使用できません。ジョブの多重度には、各サーバで実行できるジョブ数を1〜99の間で指定します。複数指定する場合には、以下のように“,”(コンマ)で区切り、全体を“()”(括弧)で囲みます。
(host1(4),host2(2)) |
分散実行機能を使用した場合、以下に示すように、ホストグループ内で、“実行中ジョブ数÷[構成ホスト名]で指定した多重度”が最も小さいサーバで実行されます。
なお、運用中に分散先のジョブの多重度を変更したり、分散実行のホストグループから構成ホストを追加/削除したりすることもできます。詳細については、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
分散実行機能には、以下の注意事項があります。
以下の場合は、分散実行機能を利用できません。
分散機能を使う場合は、以下の条件を整える必要があります。
[運用情報の定義]ウィンドウ−[旧互換]シートで、[旧互換負荷分散機能を有効にする]にチェックした場合、Systemwalker OperationMGR V10.0L21以前で提供される、負荷分散機能の仕様で動作します。
[ホストグループ]および[構成ホスト名]で定義できるホスト名は、当該サーバが参加するドメインに参加しているサーバのホスト名のみとなります。他ドメインに参加しているサーバ、およびドメインに参加していないサーバのホスト名を定義することはできません。
ジョブの標準エラーに以下のメッセージが出力されます。以下のメッセージが出力されても、ジョブの実行には影響ありません。
'\\ジョブ投入元コンピュータ名\F3CU_RMT\_wk\ジョブ番号'は、現在のディレクトリパスとして無効です。UNCパスはサポートされません。Windowsディレクトリを使用します。 |
旧互換負荷分散機能の詳細は、Systemwalker OperationMGR V10.0L21以前のマニュアルを参照してください。
以下に、[キューの作成/編集]ウィンドウで設定する場合の注意事項について示します。
本製品を新規に導入した場合は、オンライン業務専用のキュー“online1”が定義されているので、これを利用してください。オンライン業務専用のキューには、あらかじめ以下の項目のみ設定されています。
ただし、V5.0L10以前(UNIX版ではV4.1以前)のバージョンレベルからアップグレードを行った場合、“online1”の定義はありませんので、オンライン業務専用のキューを追加してください。
ログファイルはこのパスの配下に以下のファイル名で作成されます。
日付.log |
日付:ログファイルが作成された年月日。
年は西暦4桁、月は2桁、日は2桁で表示されます。
なお、インストール直後は以下のディレクトリ配下に格納されています。
【Windows版】
Systemwalker Operation Managerインストールディレクトリ\MpWalker.JM\mpmjessv\hist |
[EE]
複数サブシステム運用を行っているサーバに接続している場合は、以下のパスを指定します。
【UNIX版】
/var/spool/mjes/hist |
[EE/GEE]
複数サブシステム運用を行っているサーバに接続している場合は、以下のパスを指定します。
稼働実績情報ファイルはこのパスの配下に以下のファイル名で作成されます。
日付.csv |
日付:稼働実績情報ファイルが作成された年月日。
年は西暦4桁、月は2桁、日は2桁で表示されます。
[EE/GEE]
複数サブシステム運用を行っているサーバに接続している場合は、以下のパスを指定します。 UNIXの場合は、作成先パス/n (n=サブシステム番号)
なお、稼働実績情報ファイルの詳細については、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
本シートでログファイルおよび稼働実績情報ファイルの[保存場所]を指定した場合、指定した場所にログファイルおよび稼働実績情報ファイルが作成されます。それぞれのファイルの作成領域として、以下の見積もり式で算出したディスク容量をあらかじめ確保してください。なお、ジョブの強制終了などを行うと、必要容量が若干増加しますので、余裕を持って容量を確保してください。
1日のジョブ数 × 300バイト × 保存日数+ ジョブの強制終了回数 × 80バイト |
(サービス起動/停止レコード容量 + ジョブレコード容量 + ステップレコード容量)× 保存日数 |
サービス起動/停止レコード容量(バイト/日) (72 + h) × S h:ホスト名長 S:1日にサービス/デーモンを起動/停止する回数 ジョブレコード容量(バイト/日) (429 + (4 × h) + j + u + (2 × q) + c) × J h:ホスト名長(最大値を使用してください) j:ジョブ名長(最大値を使用してください) u:ユーザ名長(最大値を使用してください) q:キュー名長(最大値を使用してください) c:コマンド名長(最大値を使用してください) J:1日のジョブ起動数 ステップレコード容量(バイト/日) (182 + (2 × h) + j + s)× S h:ホスト名長(最大値を使用してください) j:ジョブ名長(最大値を使用してください) s:ステップ名長(最大値を使用してください) S:1日のジョブ起動数内の最大ステップ数 各値が分からない場合は、以下の数値(最大値)を使用してください。 h:ホスト名長 64 バイト u:ユーザ名長 64 バイト j:ジョブ名長 64 バイト q:キュー名長 15 バイト s:ステップ名長 16 バイト
ネットワークジョブで本機能を利用する場合、投入元サーバおよび投入先サーバの両方で本チェックボックスを指定する必要があります。
本チェックボックスを指定した場合の、ジョブ実行時の権限については、“ジョブ実行時の権限について”を参照してください。
なお、ジョブをジョブ所有者の権限で実行するためには、本パラメタの指定のほかに以下の作業が必要です。
ネットワークジョブで本機能を利用する場合、投入元サーバおよび投入先サーバの両方で実施します。
ネットワークジョブで本機能を利用する場合、投入元サーバで実施します。
詳細は、“ジョブ所有者情報の定義”を参照してください。
なお、1.のジョブ投入者とは“root”というユーザ名であり、システム管理者とは限りません。
また、ジョブ投入者とは、以下を指しています。
(オプション省略時は“qsub”コマンドの投入ユーザ)
このサーバ間でのパスワードの統一が必要かどうかは、ジョブを実行したユーザのアカウント種別により、以下のように異なります。
ジョブ実行者の |
ジョブの投入元サーバと投入先サーバの関係 |
||
同一ドメイン内 |
信頼関係にある |
ドメイン外 |
|
ドメインアカウント |
− |
− |
− |
ローカルアカウント |
○ |
○ |
○ |
− :パスワードの統一は不要。 ○ :パスワードの統一が必要。
指定しなかった場合は、ネットワークジョブまたは分散実行ジョブ実行時にコード変換は行われません。
投入元サーバのシステムがUTF-8コードで運用されており、投入先サーバのシステムがUTF-8コード以外で運用されている場合は、必ず本チェックボックスをチェックしてください。本チェックボックスをチェックすることによって、以下のウィンドウの出力情報が正しく表示されます。
なお、ネットワークジョブまたは分散実行ジョブ以外のジョブの場合には、本チェックボックスの指定の有無による影響は一切ありません。
本チェックボックスは、ジョブ投入元サーバにおいて指定してください。なお、複数のサーバ間にて、相互にネットワークジョブまたは分散実行ジョブを実行する際にコード変換が必要な場合は、それぞれのサーバで指定してください。
コード変換は、以下の“ネットワークジョブまたは分散実行ジョブの連携組合せとコード変換の対応表”および“コード変換対象ファイル一覧”に従って、文字コードと改行コードが変換されます。
投入先 |
|
UNIX |
|||
SJIS |
EUC |
UTF-8 |
|||
Windows |
変換しない |
改行コードを変換 |
改行コードを変換 |
改行コードを変換 |
|
|
SJIS |
改行コードを変換 |
変換しない |
文字コードを変換 |
文字コードを変換 |
EUC |
改行コードを変換 |
文字コードを変換 |
変換しない |
文字コードを変換 |
|
UTF-8 |
改行コードを変換 |
文字コードを変換 |
文字コードを変換 |
変換しない |
ジョブ形態 |
ファイル種別 |
コード変換の可/不可 |
JCL以外 |
ジョブファイル |
可(注1) |
標準出力ファイル |
可 |
|
標準エラー出力ファイル |
可 |
|
任意のファイル |
不可(注2) |
|
JCL |
ジョブファイル |
不可(注3) |
標準出力ファイル |
可 |
|
標準エラー出力ファイル |
可 |
|
任意のファイル |
不可 |
ネットワークジョブまたは分散実行ジョブにおいて、その標準出力ファイルがテキストファイルでない場合、コード変換に失敗する可能性があります。コード変換に失敗した場合は、バイナリファイルとして再転送し、エラーメッセージを出力したうえで、ジョブは正常終了します。
エラーメッセージについては、“Systemwalker Operation Manager メッセージ説明書”を参照してください。
本チェックボックスをチェックした場合、ジョブ実行制御サービス/デーモンを再起動してもジョブは実行待ち状態(キュー停止)になり、キューを起動するまでジョブは実行されません。必要な処置を実施した後、qstartコマンドでキューを起動して運用を再開します。
本チェックボックスをチェックすると、[印刷形式]シートが追加表示されるので、印刷に関する設定は[印刷形式]シートで行います。
【Windows版】
ジョブ実行制御の一時作業域で実行されます。
【UNIX版】
ジョブネットを登録したプロジェクトの所有者のホームディレクトリで実行されます。
このチェックボックスをチェックすると、ジョブ投入時にバッチファイル内のオプション解釈を実施します。
クラスタシステム構成に関する設定をします。
スケジュールサーバ側の設定項目を説明します。
論理IPアドレスを指定した場合は、実行サーバ側での設定は必要ありません。
論理IPアドレスは、ジョブの終了通知のあて先として使用されます。
クラスタの論理IPアドレスを登録することで、ネットワークジョブの実行中に、スケジュールサーバがフェールオーバし、運用系/待機系が切り替わったとしても、実行サーバはジョブの終了通知をスケジュールサーバに通知することができます。
実行サーバ側の設定項目を説明します。
ネットワークジョブ投入元のスケジュールサーバの構成を、[追加]ボタンをクリックすると表示される、[ノード名の定義の追加]ウィンドウで設定します。
設定されると、[ノード名一覧]に、クラスタシステムを構成するスケジュールサーバが表示されます。
ノード名一覧の列を選択して[編集]ボタンをクリックすると、[ノード名の定義の編集]ウィンドウが表示され、構成するスケジュールサーバを変更できます。[削除]ボタンをクリックすると、選択したノード名一覧のスケジュールサーバの構成が、設定から削除されます。
また、待機系が複数存在する場合は、クラスタ設定において、運用系からフェールオーバのプライオリティが高い順に指定してください。プライオリティが高い順に指定されていない場合、ネットワークジョブの終了に時間がかかる場合があります。
JCLによるジョブにおいて、ジョブ結果の一括出力機能を使用する場合に定義するシートです。[利用機能]シートで[prtパラメタを有効にする]を指定した場合に表示されます。
なお、JCLにてジョブ結果の一括出力機能を使った場合、その印刷形式に関する属性は以下の優先順位で採用されます。
したがって、本シートで定義を行うことにより、ジョブのJCLにおいて印刷形式に関する属性をそれぞれ指定する作業を省略することができます。
JCLについては“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
JCLのfile制御文のprtオペランドでは、プリンタの本名のほかに、当オペランドで定義したプリンタの別名を指定できます。
連続用紙プリンタの場合は、本項目の指定に関係なくプリントマネージャの定義が採用されます。
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