Systemwalker Operation Manager 導入手引書 - UNIX/Windows(R)共通 -
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第2章 Systemwalker Operation Managerの動作環境を定義する> 2.2 システムの定義

2.2.3 システムパラメタのチューニング【UNIX版】

Systemwalker Operation Managerを安定した状態で動作させるため、UNIX版の場合は、システムパラメタのチューニンを行う必要があります。

システムパラメタの設定方法の詳細は、OSのマニュアルを参照してください。

■Solaris 7/8/9の場合

◆チューニングが必要なシステムパラメタ

Solaris 7/8/9では以下のシステムパラメタをチューニングします。

◆ [共有メモリ]

ジョブスケジューラはサブシステムごとに共有メモを利用しています。/etc/systemファイルにshminfo_shmmniを設定している場合、サブシステム数分(サブシステム×1)を加算してください。この値が不足している場合、ジョブスケジューラデーモンは起動できません。

/etc/systemファイルにshminfo_shmmaxを設定している場合、50000バイト以上の値を設定してください。正しく設定されていない場合、ジョブスケジューラデーモンは起動できません。

◆[メッセージキュー]

同時実行するジョブネットおよびジョブが多い場合や、メッセージ起動のジョブネットが多い場合、ジョブネットおよびジョブの起動が遅れたり、ジョブ実行制御属性のジョブの状態が、ジョブスケジューラで正しく認識できなかったりすることがあります。

この場合は、以下の方法でメッセージキュを拡張してください。

/etc/systemファイルに以下の設定を追加し、ファイルの編集後にシステムを再起動してください。

set msgsys:msginfo_msgtql=同時起動ジョブネット数(注1) × 4
set msgsys:msginfo_msgmnb=同時起動ジョブネット数(注1) × 200(注2)
set msgsys:msginfo_msgseg(注3)=同時起動ジョブネット数(注1) × 200(注2)
                           ÷ msginfo_msgssz値
set msgsys:msginfo_msgmap(注3)=msginfo_msgtql値 + 2
set msgsys:msginfo_msgmni=4×利用サブシステム数(注4)

注1)
ジョブ実行制御属性のジョブを利用する場合は、同時起動ジョブ数も足して計算してください。
注2)
“200”は標準的な値であり、ホスト名や出力ファイルへのパスの長さに依存して変化します。
十分に検証を行って、適切な値を設定してください。
注3)
Solaris 8、Solaris 9では、“msgsys:msginfo_msgseg”、 “msgsys:msginfo_msgmap”の値を設定する必要はありません。
注4)
EE/GEE版の場合です。SE版の場合は、利用サブシステム数を1としてください。
備考.
msgsys:msginfo_msgmnbは、最大値を指定するパラメタのため、現在の値が上記より小さい場合に修正してください。
それ以外のパラメタについては、現在の値に上記の設定値を加算してください。

◆[セマフォ]

Systemwalker Operation Managerでは、以下のセマフリソースを使用しています。

システムパラメタ

加算/最大値

semsys:seminfo_semmni

2

加算

semsys:seminfo_semopm

2

最大値

semsys:seminfo_semmns

2

加算

semsys:seminfo_semmnu

2

加算

semsys:seminfo_semume

2

最大値

semsys:seminfo_semmsl

1

最大値

表の加算/最大値に応じて、システムパラメタの値を変更してください。値の変更後は、システムを再起動してください。

加算の場合:
すでに設定されている以下の値に、表の値を加算してください。
最大値の場合:
Systemwalker Operation Managerのみで運用する場合は、システムのデフォルト値のままで問題ありません。

他製品とともに運用する場合は、他製品の最大値と合わせてシステムパラメタをチューニングしてください。

■Solaris 10の場合

Solaris 10には、プロジェクという概念があります。Systemwalker Operation Managerは、以下のプロジェクトで動作します。

◆チューニングが必要なシステムパラメタ

Solaris 10では以下のシステムパラメタをチューニングします。

◆ [共有メモ]

ジョブスケジューラは共有メモリを利用しています。/etc/projectファイルのsystemおよびuser.rootエントリのproject.max-shm-memoryは、以下の値で設定してください。正しく設定されていない場合、ジョブスケジューラデーモンは起動できません。

project.max-shm-memory = OS物理メモリサイズ(バイト)/4+50000×利用サブシステム数(注) 以上の値

注)
EE/GEE版の場合です。SE版の場合は、利用サブシステム数を1としてください。

◆ [メッセージキュ]

/etc/projectファイルの設定値を、以下の値にしてください。

process.max-msg-qbytes=(privileged,同時起動ジョブネット数(注1)×200(注2),deny)
project.max-msg-ids=(privileged,4×利用サブシステム数(注3),deny)

注1)
ジョブ実行制御属性のジョブを利用する場合は、同時起動ジョブ数も足して計算してください。
注2)
“200”は標準的な値であり、ホスト名や出力ファイルへのパスの長さに依存して変化します。

十分に検証を行って、適切な値を設定してください。

注3)
EE/GEE版の場合です。SE版の場合は、利用サブシステム数を1としてください。
備考.
max-msg-qbytesとmax-msg-idsのOSのデフォルト値は、以下のとおりです。

max-msg-qbytes:64KB
max-msg-ids:128

◆[セマフ]

プロジェクト設定値

加算/最大値

OS初期値

project.max-sem-ids

2

加算

128

process.max-sem-ops

2

最大値

512

process.max-sem-nsems

1

最大値

512

システムパラメタをチューニングする場合は、表の加算/最大値に応じて、システムパラメタの値を変更してください。

加算の場合:
すでに設定されている以下の値に、表の値を加算してください。
最大値の場合:
Systemwalker Operation Managerのみで運用する場合は、システムのデフォルト値のままで問題ありません。

他製品とともに運用する場合は、他製品の最大値と合わせてシステムパラメタをチューニングしてください。

◆[スタックサイ]

/etc/projectファイルのsystemとuser.rootエントリに以下を追加してください。

プロジェクト設定値

加算/最大値

OS初期値

process.max-stack-size

2000000

最大値(注)

8

注)Systemwalker Operation Managerのみで運用する場合は、システムのデフォルト値のままで問題ありません。他製品とともに運用する場合は、他製品の最大値と合わせてシステムパラメタをチューニングしてください。

◆設定例

以下は、同時起動ジョブネット数800、利用サブシステム数5の場合の設定例です。物理メモリは、1Gを搭載しています。

system:0:System account:::project.max-msg-ids=(privileged,148,deny);process.max-msg-qbytes=(privileged,225536,deny);project.max-sem-ids=(privileged,130,deny);process.max-sem-ops=(privileged,512,deny);process.max-sem-nsems=(privileged,512,deny);project.max-shm-memory=(privileged,268485456,deny);process.max-stack-size=(basic,8388608,deny);;
user.root:1:root user:root:root:project.max-msg-ids=(privileged,148,deny);process.max-msg-qbytes=(privileged,225536,deny);project.max-sem-ids=(privileged,130,deny);process.max-sem-ops=(privileged,512,deny);process.max-sem-nsems=(privileged,512,deny);project.max-shm-memory=(privileged,268485456,deny);process.max-stack-size=(basic,8388608,deny);;
noproject:2::::
default:3:Default project setting:::

project.max-msg-ids =OSのデフォルト値+4×5 = 128+20 = 148
process.max-msg-qbytes=OSのデフォルト値+800×200 = 64KB + 160000 = 225536
project.max-sem-ids =OSのデフォルト値+2 = 128+2 = 130
process.max-sem-ops =(OSのデフォルト値,2) = max(512,2) = 512
process.max-sem-nsems=max(OSのデフォルト値,1) = max(512,1) = 512
project.max-shm-memory=OS物理メモリ/4+50000 = 1GB/4+50000 = 268485456
process.max-stack-size=max(OSのデフォルト値,2000000) = max(8MB,2000000) = 8388608

■HP-UXの場合

◆チューニングが必要なシステムパラメタ

UP-UXでは以下のシステムパラメタをチューニングします。

◆[メッセージキュー]

同時実行するジョブネットおよびジョブが多い場合や、メッセージ起動のジョブネットが多い場合、ジョブネットおよびジョブの起動が遅れたり、ジョブ実行制御属性のジョブの状態が、ジョブスケジューラで正しく認識できなかったりすることがあります。

この場合は、以下の方法でメッセージキュを拡張してください。

システムの管理マネージャなどを使用して、以下のカーネルパラメタを変更し、カーネルを再作成してください。

msgtql 同時起動ジョブネット数(注1) × 4
msgmnb 同時起動ジョブネット数(注1) × 200(注2)
msgseg 同時起動ジョブネット数(注1) × 200(注2) ÷ msgssz値
msgmap msgtql値+2
msgmni 4×利用サブシステム数(注3)

注1)
ジョブ実行制御属性のジョブを利用する場合は、同時起動ジョブ数も足して計算してください。
注2)
“200”は標準的な値であり、ホスト名や出力ファイルへのパスの長さに依存して変化します。十分に検証を行って、適切な値を設定してください。
注3)
EE版の場合です。SE版の場合は、利用サブシステム数を1としてください。
備考.
msgmnbは、最大値を指定するパラメタのため、現在の値が上記より小さい場合に修正してください。それ以外のパラメタについては、現在の値に上記の設定値を加算してください。

■Linux/Linux for Itaniumの場合

◆チューニングが必要なシステムパラメタ

Linux/Linux for Itaniumでは以下のシステムパラメタをチューニングします。

◆[メッセージキュー]

同時実行するジョブネットおよびジョブが多い場合や、メッセージ起動のジョブネットが多い場合、ジョブネットおよびジョブの起動が遅れたり、ジョブ実行制御属性のジョブの状態が、ジョブスケジューラで正しく認識できなかったりすることがあります。

この場合は、以下の方法でメッセージキュを拡張してください。

/etc/sysctl.confファイルに以下の設定を追加し、ファイルの編集後にシステムを再起動してください。

kernel.msgmnb = 同時起動ジョブネット数(注1) × 200(注2)
kernel.msgmni = 4×利用サブシステム数(注3)

注1)
ジョブ実行制御属性のジョブを利用する場合は、同時起動ジョブ数も足して計算してください。
注2)
“200”は標準的な値であり、ホスト名や出力ファイルへのパスの長さに依存して変化します。十分に検証を行って、適切な値を設定してください。
注3)
EE版の場合です。SE版の場合は、利用サブシステム数を1としてください。
備考.
kernel.msgmnbは、最大値を指定するパラメタのため、現在の値が上記より小さい場合に修正してください。それ以外のパラメタについては、現在の値に上記の設定値を加算してください。

[EE]

Linux版およびLinux for Itanium版で複数サブシステム運用を行う場合、使用されるメッセージキューの数は、サブシステム数の4倍になります。そのため、使用可能なメッセージキューの最大数をオーバーしてしまい、サブシステムの起動ができなくなることがあります。

この場合は、/etc/sysctl.confファイルに以下の設定を追加し、システムで使用可能なメッセージキューの最大数を拡張してください。ファイルの編集後にはシステムを再起動してください。

kernel.msgmni=(使用可能なメッセージキューの最大数)

◆[セマフォ]

Systemwalker Operation Managerでは、以下のセマフリソースを使用しています。

各パラメタ値を以下の形式で指定します。

kernel.sem = para1 para2 para3 para4

 

システムパラメタ

加算/最大値

para1

1

最大値

para2

2

加算

para3

2

最大値

para4

2

加算

表の加算/最大値に応じて、システムパラメタの値を変更してください。値の変更後は、システムを再起動してください。

加算の場合:
すでに設定されている以下の値に、表の値を加算してください。
最大値の場合:
Systemwalker Operation Managerのみで運用する場合は、システムのデフォルト値のままで問題ありません。

他製品とともに運用する場合は、他製品の最大値と合わせてシステムパラメタをチューニングしてください。


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