Netcompo FNA-LAN 説明書
目次 前ページ次ページ

上へ付録B クラスタシステムにおける環境設定方法

B.5 SNA-LANの環境設定手順

B.5.1 クラスタ環境の設定

図B. 4  SNA-LANの環境設定手順”に、SNA-LAN(LLC TYPE2手順)のクラスタシステムにおける環境定義の設定手順を示し、設定方法について説明します

image

[図B. 4  SNA-LANの環境設定手順]

B.5.1.1 通常のSNA-LANの環境設定

SNA-LANが使用するクラスタ対象インタフェース(デバイス)の切替えを行うには、SNA-LANに対するネットワーク環境定義、およびクラスタ環境定義が必要です。
以下に、SNA-LANの環境定義方法について説明します。

使用するすべてのインタフェース(デバイス)のネットワーク環境定義を両方のノードで行います。定義方法は、“Netcompo FNA-LAN説明書 SNA-LANの設定”を参照してください。
定義終了後、システムの再起動またはSNA-LANを活性化することで、SNA-LANを使用する上位プロトコルからインタフェース(デバイス)が使用可能となります。

図B. 1  ネットワーク構成例”に示す構成例は、hme0がクラスタ対象のインタフェースであり、hme3はクラスタ非対象のインタフェースを示しています。
以下に、SNA-LANのクラスタ環境定義について説明します。

B.5.1.2 クラスタ用の環境設定(運用ノード)

運用系ノードのネットワーク環境定義は、“Netcompo FNA-LAN説明書 SNA-LANの設定”を参照してください。クラスタに関する設定パラメタがあるファイルは、/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configファイルです。

"図B. 1  ネットワーク構成例"の構成例の場合、hme0のインタフェース名llc0がクラスタ対象であることからresource-IDパラメタはスペース(空白)とし、hme3のインタフェース名llc3がクラスタ非対象であることからclusterパラメタには "none" を設定します。
以下に編集後の/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configファイルを示します。

image

B.5.1.3 クラスタ用の環境設定(待機ノード)

待機系ノードの環境定義は、運用系ノードの定義と同様の方法で環境定義を行うか、または定義ファイルの配布(llc_copyfile)コマンドを使用し、SNA-LANの環境定義を行います。
また、ノード毎に個々の環境定義を行う場合は、それぞれのインタフェース(デバイス)で手順に関するパラメタ値が異ならないよう注意が必要です。

定義ファイルの配布(llc_copyfile)コマンドは、それぞれのノードのハード構成、デバイス構成が同一の場合にだけ実行することを推奨します。

◆定義ファイルの配布

定義ファイルの配布(llc_copyfile)コマンドを実行することにより複写される環境定義ファイル、および複写されない環境定義ファイルを以下に示します。
なお、このコマンドは使用するデバイスがすべて非活性化状態であり、環境定義がすべて完了したノード側で実行してください。

コマンド

/opt/FSUNnet/bin/llc_copyfile -a | -n node_name
-a: 全ノードに対し、定義ファイルの複写を行います。
-d node-name: node-nameで指定したノードにだけ定義ファイルの複写を行います。node-nameには、ノードのリソースキーを指定します。
複写される環境定義ファイル

B.5.1.4 リソース登録

すべての環境定義後、クラスタ運用管理ビューにクラスタ対象インタフェースのリソース登録を行います。

リソース登録がすでに完了しているインタフェース(デバイス)、およびクラスタ非対象のインタフェース(デバイス)に対してリソース登録は行われません。
リソース登録は、使用するインタフェース(デバイス)がすべて非活性化状態であり、すべてのノードに対して実行してください。
SNA-LANの動作状況については、llcstatコマンドを使用して確認することができます。

リソース登録は、以下のコマンドを使用して登録を行います。

コマンド

/opt/FSUNnet/bin/llc_addrid -a | -d interface
-a: /etc/opt/FSUNnet/fjllc/configに定義されたすべてのクラスタ対象インタフェースのリソース登録を行います。
-d interface: /etc/opt/FSUNnet/fjllc/configに定義され、interfaceパラメタで指定されたインタフェースのリソース登録を行います。
interfaceには、/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configファイルに定義されたinterface_nameを指定してください。
クラスタ対象インタフェースを追加した場合など、特定のインタフェースにリソース登録する時に使用してください。

コマンドが正常に終了すると、/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configファイルのresource-IDパラメタにリソースIDが自動的に格納されます。
以下にリソース登録後の/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configファイルを示します。

image

上記は、llc0に対するリソースIDとして“23”が設定されたことを示しています。

B.5.1.5 サービスへリソース登録

最後に登録できたSNA-LANのリソースをクラスタ運用管理ビューを使用して、サービスにリソースを登録を行います。

両ノードのリソースをサービスに登録してください。
サービスへリソース登録することで、クラスタ対象インタフェース(デバイス)の切替えが可能となります。

B.5.2 クラスタ環境の削除

既に設定済のクラスタ環境設定やリソースを削除する場合は、以下の手順で行います。

"図B. 5  SNA-LANの環境削除手順"に、SNA-LANのクラスタ環境定義の削除手順を示し、削除方法について説明します。

image

[図B. 5  SNA-LANの環境削除手順]

使用するインタフェース(デバイス)の環境定義をクラスタの設定から削除する場合は、それぞれのノードで使用するデバイスがすべて非活性化状態で行ってください。
クラスタ対象のインタフェース(デバイス)を削除する場合は、まずサービスからリソース削除を行います。

B.5.2.1 サービスからのリソース削除

クラスタ運用管理ビューを使用して、該当するSNA-LANのリソースの削除を行います。
両ノードのリソースをサービスから削除してください。

B.5.2.2 リソース削除

サービスからリソース削除したSNA-LANのリソースをリソース削除(llc_delrid)コマンドを使用して削除します。

クラスタ非対象のインタフェース(デバイス)に対してリソースの削除は必要ありません。
リソースの削除は、使用するインタフェース(デバイス)がすべて非活性化状態であり、すべてのノードに対して実行してください。
SNA-LANの動作状況については、lndfstatコマンドを使用して確認することができます。

リソース削除には、以下のコマンドを使用します。

コマンド

/opt/FSUNnet/bin/llc_delrid -a | -d interface
-a: /etc/opt/FSUNnet/fjllc/configに定義されたすべてのクラスタ対象インタフェースのリソースを削除します。
-d interface: /etc/opt/FSUNnet/fjllc/configに定義され、interfaceパラメタで指定されたインタフェースのリソースを削除します。
interfaceパラメタには、/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configファイルに定義されたinterface_nameを指定してください。
特定のインタフェース(デバイス)を削除したい場合に使用してください。

コマンドが正常に終了すると、/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configファイルのresource-IDパラメタからリソースIDが自動的に削除されます。

B.5.2.3 SNA-LANの環境設定の変更

リソース削除後、エディタを用いて/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configファイル、および/etc/opt/FSUNnet/fjllc/llc2hostsファイルから該当するインタフェースの定義を削除してください。
なお、クラスタ非対象のインタフェースを削除する場合も、エディタを用いて/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configファイル、および/etc/opt/FSUNnet/fjllc/llc2hostsファイルから該当するインタフェースを削除してください。

B.5.3 その他のコマンド

SNA-LANの環境設定手順で記載したコマンド以外に提供するコマンドを以下に示します。

◆リソース一括登録・一括削除コマンド

/opt/FSUNnet/bin/llc_rid -a [ -A | -n node ] | -d [ -A | -n node ]
本コマンドはパラメタで指定したノードに対し、リソース登録・削除を一括して行うことができます。
以下のパラメタを指定することができます。
-a : 自ノードのリソースを登録します。
-a -A : 自ノードの/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configファイルに定義した情報を元に、全ノードのリソースを登録、全ノードに/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configファイルを配布します。
-a -n node : 自ノードの/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configファイルに定義した情報を元に、指定したノードのリソースを登録、指定したノードに/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configファイルを配布します。nodeには、ノードのリソースキーを指定します。
-d : 自ノードのリソースを削除します。
-d -A : 全ノードのリソースを削除し、全ノードに自ノードの定義である/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configファイルを配布します。
-d -n node : 指定したノードのリソースを登録、指定したノードに自ノードの定義である/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configファイルを配布します。nodeには、ノードのリソースキーを指定します。

目次 前ページ次ページ

All Rights Reserved, Copyright (C) 富士通株式会社 1999