Netcompo WAN制御 説明書
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上へ第4章 環境構築3 HDLC

4.2 /etc/opt/FJSVwan/etc/hdlc/config

ライン(デバイス)ごとのライン制御情報を定義します。このファイルの定義は省略できません。

また、各パラメタの標準値は定義されていません。通信形態に合わせた設定を行ってください。

エントリの形式を以下に示します。

image

数字がついているパラメタは、接続環境に合わせて必ず変更を行わなければならないパラメタです。

以下の“表4.1 変更パラメタ一覧表”に、通信手順ごとに数字のついたパラメタの変更が必要かどうかの対応を示します。表の中のパラメタ番号は、パラメタ説明文の表題の末尾番号に対応しています。

説明していない他のパラメタの内容については、“付録C.3 HDLCパラメタリファレンス”を参照してください。

[表4.1 変更パラメタ一覧表]

通信手順

パラメタ番号

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

ABM手順

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NRM手順P局

 

NRM手順S局

 

 

 

 

 

 

    ○:変更が必要

以下に各パラメタ番号のパラメタについて説明します。

4.2.1 line_name

ライン名(デバイス名)を指定します。

例えば、アダプタ名がpc4a-00で、アダプタのコネクタ番号が0の場合、本パラメタは“pc4a-00-l00”となります。

4.2.2 dlc

使用する通信手順を指定します。以下の設定値から指定してください。

    n:NRM手順
    a:ABM手順

4.2.3 ltype

使用する回線種別を以下の“表4.2 回線種別一覧”の設定値から指定してください。

[表4.2 回線種別一覧]

設定値

回線種別

設定可能アダプタ

tel

加入電話回線

PC4A

x

専用線X.21インタフェース

PC4A

v

専用線V.24インタフェース

PC4A、シリアルポート

i

ISDNインタフェース

PIBB

rs449

専用線RS449インタフェース

PC2C

v35_v28

V.35の非平衡線V.28インタフェース

PC2C

csx

DDX回線交換X.21インタフェース

PC4A

s

高速ディジタル伝送サービスIインタフェース

PIBB

4.2.4 speed

使用する回線速度を以下の“表4.3 回線速度一覧”の設定値から指定してください。なお、表の備考に記載されている回線クロック(st)パラメタについては“付録C.3 HDLCパラメタリファレンス”を参照してください。

[表4.3 回線速度一覧]

設定値

回線速度

(単位:bps)

回線種別(ltype)

備考

tel

x

v

i

rs449

v35_v28

csx

s

4

1200

×

×

×

 

5

2400

×

×

×

 

6

4800

×

×

×

 

7

9600

×

×

×

 

8

14.4K

×

×

×

×

 

9

16K

×

×

×

×

×

×

×

Dchパケットのみ

19.2K

×

×

×

 

10

48K

×

×

×

 

11

64K

×

×

 

17

384K

×

×

×

×

 

20

1536K

×

×

×

×

 

30

56K

×

×

×

×

クロックはst2のみ

31

128K

×

×

×

 

32

144K

×

×

×

×

 

33

192K

×

×

×

×

 

34

256K

×

×

×

×

 

35

512K

×

×

×

×

 

36

768K

×

×

×

×

 

37

1024K

×

×

×

×

 

    ○:通信可能、×:通信不可

4.2.5 stn

NRM手順の場合に、自局の形態を指定します。

    p:NRM手順P局(一次局)
    s:NRM手順S局(二次局)

4.2.6 mdrop

NRM手順の場合に有効であり、分岐接続かどうかを指定します。以下の設定値から指定してください。

    no :ポイントツーポイント接続
    yes:マルチポイント(マルチドロップ)接続

4.2.7 dlcnum

NRM手順P局のマルチポイント接続時の回線配下のデータリンク局数(S局の数)を指定します。

指定可能範囲は1〜16です。

4.2.8 cmode

物理回線の制御方式を指定します。以下の設定値から指定してください。

    half:半二重制御
    full:全二重制御

ただし、本パラメタは他のパラメタとの依存関係が以下の“表4.4 cmodeと他パラメタとの関連”となっていますのでご注意ください。接続タイプ(ctype)の詳細については“付録C.3 HDLCパラメタリファレンス”を参照してください。

[表4.4 cmodeと他パラメタとの関連]

mdrop(分岐接続)

ctype(接続タイプ)

設定可能なcmodeの値

yes(MP接続)

2(半二重制御)

half

4(全二重制御)

no(P-P接続)

2(半二重制御)

4(全二重制御)

halfまたはfull

4.2.9 dmode

データリンクの制御を指定します。以下の設定値から指定してください。

    half:半二重制御
    full:全二重制御

ただし、本パラメタは接続モード(cmode)パラメタと以下の依存関係がありますのでご注意ください。

[表4.5 cmodeとdmodeの関係]

cmode(接続タイプ)

設定可能なdmodeの値

half

half

full

fullまたはhalf

4.2.10 swind

送達確認を待たずに、連続して送信するフレーム数を指定します。

本パラメタはABM手順において、最大アウトスタンディングIフレーム数(N3)を意味します。

指定可能範囲は、1〜7です。標準値は7です。

4.2.11 trsp

NRM手順P局とABM手順の場合に有効であり、相手局からの応答の監視時間を以下の“表4.6 HDLCプロトコル使用時のタイムコード表”を参照して設定してください。

本パラメタはABM手順において、受信確認用タイマの限界値(T1)を意味します。

[表4.6 HDLCプロトコル使用時のタイムコード表]

設定値

時間

設定値

時間

00

0秒または時間監視なし

10

8秒

01

50ms

11

10秒

02

100ms

12

20秒

03

200ms

13

25秒

04

250ms

14

30秒

05

300ms

15

40秒

06

500ms

16

50秒

07

900ms

17

60秒

08

1秒

18

70秒

09

1.2秒

19

100秒

0a

1.5秒

1a

120秒

0b

2秒

1b

180秒

0c

3秒

1c

200秒

0e

4秒

1d

240秒

0f

6秒

1e

360秒

回線速度およびIフレーム長に合わせた応答監視時間の標準値を、以下の“表4.7 応答監視時間の標準値”に示しますので参考にしてください。

[表4.7 応答監視時間の標準値]

回線速度

Iフレーム長

全二重

半二重

時間

設定値

時間

設定値

2400bps

 

8秒

10

10秒

11

4800bps

 

4秒

0e

6秒

0f

9600bps

1024byte以下

2秒

0b

4秒

0e

〜4096byte

8秒

10

10秒

11

19.2kbps

 

2秒

0b

4秒

0e

48kbps

1024byte以下

0.5秒

06

3秒

0c

〜4096byte

1.2秒

09

3秒

0c

64kbps

1024byte以下

0.5秒

06

3秒

0c

〜4096byte

1.2秒

09

4秒

0e

4.2.12 tidl

NRM手順S局とABM手順の場合に有効で、無通信監視の監視時間を“表4.6 HDLCプロトコル使用時のタイムコード表”を参照して設定してください。

4.2.13 slimit

NRM手順P局で、分岐接続(mdrop)パラメタが yes(マルチドロップ接続)の場合に有効で、PFビット確認なしに連続して送信できる最大フレーム数を指定します。指定可能範囲は、1〜255です。標準値は16です。

4.2.14 rlimit

NRM手順P局で、分岐接続(mdrop)パラメタがyes(マルチドロップ接続)の場合に有効で、PFビット確認なしに連続して受信できる最大フレーム数を指定します。指定可能範囲は、1〜255です。 標準値は16です。

4.2.15 cerr

一時エラーが連続して発生した場合の再試行回数を指定します。

SNRM,SABM,DISC,XIDコマンドの再送、同一Iフレーム受信時の再試行、およびNRM手順P局時、S局から送信権解放通知(レスポンス)がない場合の再試行回数を指定します。

本パラメタはABM手順において、システム回復移行タイムアウト回数(N2)を意味します。

指定可能範囲は、0〜255です。標準値は10です。ただし、回線タイプ(ltype)にs(高速ディジタル伝送サービスIインタフェース)を指定した場合は、必ず3を指定してください。

4.2.16 rflen

データリンクレベルで受信する最大フレームの長さをバイト単位で指定します。

指定可能範囲は、3〜16384の10進数です。

通信相手または接続網と一致する値を設定してください。

なお本フレーム長は、HDLCヘッダ(アドレスフィールド+制御フィールド)の2バイトを含めた長さを指定してください。

4.2.17 sflen

データリンクレベルで送信する最大フレームの長さをバイト単位で指定します。指定可能範囲は3〜16384の10進数です。通信相手または接続網と一致する値を設定してください。

なお本フレーム長には、HDLCヘッダ(アドレスフィールド+制御フィールド)の2バイトを含めた長さを指定してください。

以下に専用線で接続する場合の定義例を各手順ごとに示します。

[ABM手順の場合]

image

[NRM手順 P局の場合]

image

[NRM手順 S局の場合]

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