PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) 10 オペレーティングシステム版)
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第13章 ファイルシステムのバックアップとリストア> 13.2 Solaris OS 標準コマンドによるバックアップ

13.2.2 ファイルシステム単位のバックアップ

 ファイルシステム単位で GFS 共用ファイルシステムをバックアップするには、dd(1M) を使用します。以下に dd(1M) を使用したバックアップ手順を説明します。

 dd(1M) の詳細については、“Solaris X Reference Manual Collection”を参照してください。

 ファイルシステム単位のバックアップは、ファイル単位のバックアップに比べてファイルシステム全体を高速にバックアップすることができます。ただし、この方法でバックアップされたファイルシステムは、リストアの際にファイル単位でリストアすることはできません。

 バックアップを実施する前には、以下に示す手順で対象となる GFS 共用ファイルシステムのパーティショ情報を確認します。そして、バックアップに必要なバックアップ媒体の容量と本数を見積もった後、対象となる GFS 共用ファイルシステムをアンマウントしてください。

●シングルパーティション構成の場合

 sfcinfo(1M) でパーティション情報を表示して、シングルパーティションである (特殊ファイル名が同じ) こと、容量がテープに収まることを確認しておきます。パーティションの容量は size フィールドに表示された値 (キロバイト単位) の合計に 1 メガバイトを加えた値で見積もってください。

例) 以下はシングルパーティション構成の例です。

# sfcinfo /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01 <Enter>
FSID special                                      size  Type  mount
   1 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01(11500000021)        14422  META  -----
   1 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01(11500000021)         5116  LOG   -----
   1 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01(11500000021)        95112  DATA  -----
# dd if=/dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 of=/dev/rmt/0 bs=1024k <Enter>

●マルチパーティション構成の場合

 dd(1M) が扱えるのはパーティション単位です。したがって、マルチパーティション構成の場合には各パーティションに分けてバックアップする必要があります。sfcinfo(1M) でパーティション構成を確認した後、各パーティションをシングルパーティション構成の場合と同様の方法でバックアップします。

例) 以下にパーティションが 2 つ (ファイルデータ領域追加) の例を示します。

# sfcinfo /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01 <Enter>
FSID special                                      size  Type  mount
   1 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01(11500000021)        14422  META  -----
   1 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01(11500000021)         5116  LOG   -----
   1 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01(11500000021)        95112  DATA  -----
   1 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume02(11500000022)        95112  DATA  -----
# dd if=/dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 of=/dev/rmt/0 bs=1024k <Enter>  -> テープ1
  テープ交換
# dd if=/dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume02 of=/dev/rmt/0 bs=1024k <Enter>  -> テープ2

 dd(1M) はマルチテープボリュームをサポートしていません。ファイルシステムの大きさがテープ 1 巻に収まらない場合には、分割してバックアップする必要があります。その際、bs (ブロック長)、count (ブロック数)を設定して、iseek [入力側のオフセット(ブロック数)] は count 数分だけ増やしてください。

例) 以下はあるパーティションを 1 ギガバイト単位に分割してバックアップする例です。

# dd if=/dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 of=/dev/rmt/0 bs=1024k count=1024 <Enter>  -> テープ1
  テープ交換
# dd if=/dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 of=/dev/rmt/0 bs=1024k count=1024 iseek=1024 <Enter>  -> テープ2
  テープ交換
# dd if=/dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 of=/dev/rmt/0 bs=1024k count=1024 iseek=2048 <Enter>  -> テープ3
  テープ交換
# dd if=/dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 of=/dev/rmt/0 bs=1024k count=1024 iseek=3072 <Enter>  -> テープ4
  ...


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