InfoDirectory使用手引書
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第3部 SDK編 > 第7章 LDAPコマンド > 7.1 コマンド仕様 > 7.1.2 ldapsearch

7.1.2.1 コマンドのオプション

【記述形式】

 ldapsearch -b basedn [options] filter [attributes…]
 ldapsearch -b basedn [options] -f file "%s"[attributes…]

このコマンドのオプションを以下に示します。

表: ldapsearchコマンオプション一覧

オプション

機能概要

省略時の値

V2指定時

V3指定時

-b basedn

サーチベースをbasedn に指定します。

-n

InfoDirectoryサーバへの要求を送信せずに、コマンドを実行します。

-v

詳細情報を出力します。

-h host

host にInfoDirectoryサーバのホスト名、あるいはIPアドレスを指定します。

コマンド実行ホスト
(127.0.0.1)

-p port

port にInfoDirectoryサーバのTCPポート番号を指定します。

-Zなし → 389
-Zあり → 636

-V n

n にLDAPプロトコルバージョンを指定します(2または3)。

3

-D binddn

BINDするDNをbinddn に指定します。省略時はアノニマスバインドとなります。

アノニマスバインドを行います。

-w passwd

passwd に簡易認証用のパスワードを指定します。

-Dオプション指定時は省略できません。

-H

Usageを表示します。

-t

image
\tmpに検索結果の属性値を保持したファイルを作成します。標準出力に作成したファイル名がフルパスで表示されます。
image
/tmpに検索結果の属性値を保持したファイルを作成します。標準出力に作成したファイル名がフルパスで表示されます。

-Q attr

image
\tmpに指定された属性attr の検索結果の属性値をバイナリもしくはUTF-8で保持したファイルを作成します。標準出力に作成したファイル名がURL形式で表示されます。
image
/tmpに指定された属性attr の検索結果の属性値をバイナリもしくはUTF-8で保持したファイルを作成します。標準出力に作成したファイル名がURL形式で表示されます。

×

-U path

-Qオプションが指定される場合に、作成されるファイルの作成先のパスを指定します。

image
\tmp
image
/tmp

×

-u

出力結果にユーザフレンドリ名を追加して出力します。

-A

属性名のみを検索結果に出力します。

-x

InfoDirectoryサーバ上でソートします。

×

-S attr

属性attr で結果をソートします。

-P pagesize

検索結果をpagesize の単位で受取ります。

無制限です。

×

-s scope

検索の範囲をscope で指定します(base,one,sub)。

sub

-a deref

別名の参照解決をderef に指定します。(never,always,search,find)

never

-l time

検索のタイムリミット(秒単位)およびBIND結果、検索結果の待ち時間(秒単位)をtime で指定します。

無制限です。

-z size

検索のサイズリミット(エントリ数)をsize で指定します。

無制限です。

-f file

LDAP検索フィルタを含むファイルを指定します。

標準入力です。

-C char_type

コマンドで使用する文字コードを指定します。

image
V2 → Shift JIS
V3 → Shift JIS
image
V2 → Shift JIS
V3 → EUC

-T transcode

transcode にInfoDirectoryサーバとの送受信に使用します。転送コードを指定します。

T.61

×

-e

非ASCII文字をbase64形式にエンコードして出力します(V3のみ)。

×

-E attr

指定された属性attr の非ASCII文字をbase64形式にエンコードして出力します。

×

-Z file

SSLによる安全な接続、認証を行います。file に必要な環境設定を記述します。

×

-Y file

証明書認証を行います。file に必要な環境設定を記述します。

×

-R

リフェラルの自動追跡を行いません。通知されたLDAP URLを表示します。

リフェラルの自動追跡を行います。

×

-r

リフェラルの自動追跡を行いません。通知されたLDAP URLを表示しません。

リフェラルの自動追跡を行います。

×

-O times

リフェラルの最大自動追跡回数を指定します。

5

×

 ◎…必須、○…サポート、×…未サポート
 -b basedn
 サーチベースの指定を行います。ここを起点に検索を行います。root DSEを検索する場合は、“-b ""”と指定します。
 

 

 filter
LDAP検索フィルタを指定します。-fオプションを使用し、検索フィルタをファイルから読込む場合は、filterとして“%s”を指定する必要があります。検索フィルタとして指定可能な最大長は、512バイトまでです。検索フィルタの詳細に関しては、LDAP検索フィルタを参照してください。

 

 -f file
LDAP検索フィルタを含むファイルを指定します。検索フィルタをファイルから読込む場合は、filterとして“%s”を指定する必要があります。ファイルの詳細に関しては、LDAP検索フィルタを参照してください。

 

 attributes
検索すべき属性を指定します。ここで属性を指定した場合、検索結果には、ここで指定された属性のみが通知されます(複数ある場合は空白で区切ります)。属性の指定がない場合は、全属性が検索結果として返されます。
 

options :

-n
InfoDirectoryサーバへの要求を送信しないで、コマンドを実行します。
コマンドを実行する前のオプションの確認などに使用します。

 

-v
詳細情報を出力します。

 

-h host
host パラメタにInfoDirectoryサーバのホスト名、あるいはIPアドレスを指定します。
このオプションを省略した場合は、自ホスト(127.0.0.1)へアクセスします。

 

-p port
port パラメタにInfoDirectoryサーバのTCPポート番号を指定します。デフォルト(指定がない場合、あるいは0を指定した場合)はポート番号389になります。
V3指定時に-Zオプションを使用した場合のデフォルトは、ポート番号636となります。

 

-V n
n パラメタにLDAPプロトコルバージョンを指定します(2または3)。
このオプションを省略した場合、LDAPプロトコルバージョンは3となります。

 

-D binddn
BINDするDNをbinddn パラメタに指定します。DNは、RFC2253で定義される文字列表現を用いたDNである必要があります。
またbinddn に空白、“*”(アスタリスク)、“\”(エンマーク)といった特殊文字を含む場合、“ "" ”(ダブルクォーテーション)で囲む必要があります。
このオプションを省略した場合、アノニマスでBINDされます。

 

-w passwd
-Dオプションで指定したDNの簡易認証用のパスワードをpasswd パラメタに指定します。

 

-H
usageを表示します。

 

-t
image
 \tmp配下に検索結果のファイルを生成します。
 
image
 /tmp配下に検索結果のファイルを生成します。
 
 V3を指定した場合、属性値はBase64エンコード形式でファイルに格納されます。ファイル名には、一意的な名前がつけられます。作成されたファイル名は、標準出力に表示されます。

 

-Q attr
image
 \tmpに指定された属性attr の検索結果の属性値を保持したファイルを作成します。
 
image
 /tmpに指定された属性attr の検索結果の属性値を保持したファイルを作成します。
 
ファイルの作成先は、-Uオプションで指定することができます。検索結果は、バイナリもしくはUTF-8でファイルに格納されます。ファイル名には、一意的な名前がつけられます。作成されたファイル名は、fileスキームのURL形式で標準出力に表示されます。属性の後に“;binary”が付加されて表示される属性を指定する場合は、“;binary”を付加した形式で属性を指定してください。
image
 またこの場合、“;”は特殊な意味を持っているため、" "" "(ダブルクォーテーション)や、"\"(エンマーク)でエスケープする必要があります。
 
なお属性attr にDNは指定できません。

出力例

image

 dn: cn=富士通 太郎, o=富士通, c=jp
 objectClass: orgnizationalperson
 cn: file://C:\tmp\ldapsearch-cn-a000N_
 sn: file://C:\tmp\ldapsearch-sn-a000N_
 jpegphoto::file://C:\tmp\ldapsearch-jpegphoto-a000N_a

image

 dn: cn=富士通 太郎, o=富士通, c=jp
 objectClass: orgnizationalperson
 cn: file:///tmp/ldapsearch-cn-a000N_
 sn: file:///tmp/ldapsearch-sn-a000N_
 jpegphoto:: file:///tmp/ldapsearch-jpegphoto-a000N_a

 

-U path
-Qオプションが指定される場合に、作成されるファイルの作成先のパスを指定します。
image
 このオプションが指定されない場合は、\tmp に出力されます。
 
image
 このオプションが指定されない場合は、/tmp に出力されます。

 

-u
出力形式にユーザフレンドリ名を付加して表示します。
ユーザフレンドリ名は、ufn: で始まる行です。

出力例

 dn: cn=富士通 太郎, o=富士通, c=jp
 ufn: 富士通 太郎, 富士通, jp
 ……

-A
属性名のみを検索します。なお、値は表示されません。

 

-e
属性値に非ASCII文字(日本語含む)を含む場合、その行をUTF8コードでBase64形式にエンコードして表示します(属性名と属性値との区切りは“::”)。

 

-E attr
指定された属性attr の属性値に非ASCII文字(日本語を含む)を含む場合、その行をUTF8コードでbase64形式にエンコードして表示します(属性名と属性値との区切りは“::”)。複数の属性を指定する場合は、属性の間を空白で区切ります。

複数属性の指定例

 -E "cn sn telephonenumber"

-S attr
クライアントで属性attr について結果をソート(昇順)します。
attr パラメタが“ "" ”(ダブルクォーテーション)である場合はDNでソートされます。サ―バ上で結果をソートする場合は、-xオプションを付加します。

 

-x
InfoDirectoryサーバ上でソート(昇順)を行います。このオプションを指定する場合は、-Sオプションでソートするための属性を指定する必要があります。
またこのオプションを指定した場合、クライアントでのソートは行われません。このオプションを指定している場合に、サーバからリフェラルが通知されても、リフェラルの自動追跡は行われません。

 

-P pagesize
検索結果をページサイズ(1度のリクエストで受取るエントリ数)の単位で受取ります。ページサイズは、pagesize パラメタで指定します。
このオプションとクライアント上でのソートを併用することはできません。その場合は、ソートの指定は無視されます。ソートとの併用は、InfoDirectoryサーバ上でのソート(-x -S sttr)を使用してください。このオプションを指定している場合に、サーバからリフェラルが通知されても、リフェラルの自動追跡は行われません。

 

-s scope
検索の範囲(scope パラメタ)を以下の3つのいずれかを指定します。
 
-a deref
別名の参照解決(deref パラメタ)をどのように行うかを以下の4つから指定します。
 
-l time
検索のタイムリミット(秒単位)およびBIND結果、検索結果の待ち時間(秒単位)をtime パラメタで指定します。デフォルトは無制限です。なお、指定したタイムリミットは、InfoDirectiryサーバの制限を超えない範囲で有効となります。

 

-z size
検索のサイズリミット(エントリ数)をsize パラメタで指定します。デフォルトは無制限です。なお、指定したサイズリミットは、InfoDirectiryサーバの制限を超えない範囲で有効となります。

 

-C char_type
このコマンドで使用する文字コードをchar_type パラメタに指定します。
image
 このオプションを省略した場合には、Shift JISが設定されます。
 
image
 V3指定時にこのオプションを省略した場合は日本語EUCが設定されます。
 また、V2指定時には、Shift JISが設定されます。
 
選択可能なコード系に関しては、コード変換を参照してください。

 

-T transcode
transcode パラメタにInfoDirectoryサーバとの送受信に使用する転送コードを指定します。
 
-Z file
SSLを使用して、安全な通信、認証を行う場合に指定します。
file パラメタにはSSL環境設定に必要な項目を記述したファイル名を指定します。SMEE2を使用する場合は、SSL環境ファイルでのSMEE2指定を参照してください。環境設定の詳細に関しては、SSL環境ファイルユーティリティ機能説明の設定を参照してください。
またSSLを使用する場合でも、BINDするDN、パスワードを指定する必要があります。

 

-Y file
SSLを使用して、安全な通信、認証を行う場合に指定します。認証は、指定した証明書環境にある証明書を使用した証明書認証で行います。
file パラメタにはSSL環境設定に必要な項目を記述したファイル名を指定します。SMEE2を使用する場合は、SSL環境ファイルでのSMEE2指定を参照してください。環境設定の詳細に関しては、SSL環境ファイルユーティリティ機能説明を参照してください。
この場合、BINDするDN、パスワードを指定する必要がありません。指定された場合、それらは無視されます。

 

-R
InfoDirectoryサーバから通知されるリフェラル情報にしたがったリフェラル先への検索を行いません。このオプションを指定しない場合には、通知されたリフェラル先の情報にしたがって、リフェラル先のInfoDirectoryサーバに対し検索を行います。このオプションが指定される場合、通知されたLDAP URLが表示されます。また-Oオプションは無効になります。

 

-r
InfoDirectoryサーバから通知されるリフェラル情報にしたがったリフェラル先への検索を行いません。このオプションを指定しない場合には、通知されたリフェラル先の情報にしたがって、リフェラル先のInfoDirectoryサーバに対し検索を行います。このオプションが指定される場合、正常終了時に通知されたLDAP URLは表示されません。エラー情報として通知されたLDAP URLは表示されます。また-Oオプションは無効になります。

 

-O times
1度のリクエストで通知されるリフェラル情報にしたがい、リフェラル先のInfoDirectoryサーバに検索を行う最大回数です。このオプションを指定しない場合には、最大5回通知されるリフェラル情報にしたがった検索を行います。-Rオプションが指定される場合、このパラメタは無効になります。

 


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