Systemwalker Centric Manager 導入手引書 - UNIX共通 -
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上へ第1章 導入設計
上へ1.2 使用機能ごとの詳細構成を決定する

1.2.4 性能の監視方法を設計する

性能監視では、以下の情報を監視できます。

性能監視機

性能を監視するための機能には、以下の2つがあります。

ネットワーク性能監視機能とは、管理システム全体の性能状況を大まかに把握するための機能です。サーバ性能監視機能とは、ネットワークシステムを構成するそれぞれのノードに注目した詳細監視機能です。監視の目的にあわせて両機能を使い分けることができます。

ネットワーク性能監視機能とサーバ性能監視機能の違いを以下に示します。

項目

ネットワーク性能監視機能

サーバ性能監視機能

監視方式

運用管理サーバまたは部門管理サーバからのポーリング監視

被監視ノード上での自律監視

監視情報

トラフィック情報
サーバ性能情報(基本情報だけ)

サーバ性能情報

監視方法

固定のしきい値による監視(サービスレベル監視)
過去の統計情報との比較による監視(ベースライン監視)

固定のしきい値による監視

しきい値

管理システム全体に一つのしきい値を設定

被監視ノード単位にしきい値を設定

情報蓄積

ポーリング結果をロギングし、ロギング結果は統計レポートとして出力可能

なし

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ネットワーク性能監視機

ネットワーク性能監視機能では、運用管理サーバまたは部門管理サーバから各ノードに対してポーリングを行い性能の監視を行っています。それぞれのサーバは、自分が管理対象とするサブネットに所属するノードを監視します。

ネットワーク性能監視機能を使用する場合、以下のことを考慮して部門管理サーバの設置箇所と各部門管理サーバが管理対象とするサブネットを設計します。

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ネットワーク性能監視で監視できるインタフェース数は、1台の運用管理サーバ/部門管理サーバで最大約300インタフェース(性能情報採取ポーリング間隔が2分の場合)となっています。よって、監視できるインタフェース数を超える場合は、次の対処を行ってください。

サーバ性能監視機

サーバ性能監視機能は、上図のような管理サーバからのポーリングによる監視ではなく、被管理サーバ(運用管理サーバ、部門管理サーバ、業務サーバ)にポリシーを配付することによって、各被管理サーバが自律的に監視を行います。

ベースライン監

ネットワーク性能監視機能の監視方法の一つであるベースライン基準値監視について説明します。ベースライン基準値監視では、「通常値との違い」を以下の統計処理により算出しています。

  1. z検定(2標本による平均の差の検定)
  2. 性能監視での検定は,二つの標本の平均の差を基準にしたz検定の手法を用いています。この二つの標本の定義は以下のとおりです。

    標本1 : 現在値(最近のある期間内のデータ)
    標本2 : 過去の統計情報
  3. 有意水準
  4. ベースライン基準値監視では、「現在のトラフィック量は通常のトラフィック量と異なる」という仮説を立て、この仮説が成り立つかどうか判定を行っています。この判定のことを検定といいます(z検定)。

    有意水準とは、上記判定(検定)作業で、誤った判断を下す危険率のことをいいます。性能監視では、5%を採用しています。

監視対象ノー

性能の監視対象として設定できるノードは以下のとおりです。

ただし、ネットワーク性能監視機能では、トラフィック情報の監視対象ノードとして、上記ノードの他に以下に示すようなSNMPエージェントを実装したノードを監視対象として設定できます。

性能監視の監視対象とするノードを設定する方法の詳細については、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 監視機能編”を参照してください。

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SNMPエージェン

MIB-IIをサポートしたSNMPエージェントが動作しているノードであれば、プラットフォームやSystemwalker Centric Managerのインストールの有無に関係なくトラフィック情報の監視対象として設定できます。

監視項

性能監視が監視対象とする性能情報の監視項目については、“Systemwalker Centric Managerリファレンスマニュアル”を参照してください。


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